ここ最近、注目を集めている「レチノール配合」のスキンケア商品。
シワやシミなどのアンチエイジング対策として人気の成分ですが、実は副作用もあり使い方に気を付ける点もあるのです。
「レチノールという言葉はよく聞くけど、そもそもレチノールって何?」という人も多いのではないでしょうか。
今回は話題の『レチノール』について検証していきます。
レチノールとは?
レチノールとは、簡単に説明すると『ビタミンA』のことをいいます。
レチノールは近年厚生労働省からシワを改善する成分として許可された成分であり、いたる所でレチノール配合の美容液などのスキンケア商品を見かけるようになりました。
このビタミンAですが、レチノール以外にも『レチニールエステル』といわれるビタミンA誘導体と、医療機関で使われる『レチノイン酸』があります。
ビタミンAは紫外線に弱く、光に当たると有害物質になります。
レチニールエステルはアンチエイジングなどの効果は弱いものの、光毒性も少ないのが特徴です。
一方レチノイン酸はアンチエイジングなどの効果は高いのですが、紫外線にあたると光毒性が高く、皮むけや赤みが出やすいのが特徴です。
効果の弱い分肌に優しい『レチニールエステル』と、効果の高く副作用も強い『レチノイン酸』の良いところの寄せ集めが『レチノール』となります。
レチノールの効果
レチノールには具体的にどのような効果があるのでしょうか。
シワ、たるみの改善・予防
レチノールには、肌の真皮にある線維芽細胞を活性化させる働きがあり、コラーゲンやエラスチンの成分の生成を促す作用があります。
そのため肌のハリを取り戻し、シワやたるみにも効果的です。
肌荒れ、シミの予防・改善
レチノールには角質の代謝を促すため、ターンオーバーを活性化させ肌の老化を予防する働きもあります。
ターンオーバーは約28日間で繰り返されますが、年齢を重ねるごとに肌のターンオーバーの周期が遅くなり、肌がごわついたりシミの原因になってしまいます。
レチノールによりターンオーバーのを促進し、正常化させることにより、肌荒れやシミ予防に効果を発揮します。
レチノールの副作用
ターンオーバーの促進やコラーゲンなどの生成をサポートするレチノールですが、副作用があることも知っておくべきです。
紫外線による刺激を受けやすくなる
前述のようにビタミンAには光毒性があり、紫外線によるダメージを受けやすくなるといいう欠点があります。
そのため夜だけレチノール配合の化粧品を使ったり、朝使うときには日焼け止めをたっぷり塗ったり紫外線対策をしっかりして使用することをオススメします。
乾燥しやすい
レチノールには新陳代謝を促し肌細胞を活性化させる働きがあるため、ターンオーバーが早まります。
そのため使い始めは乾燥してしまうこともあります。
そのためレチノールを使う際にはしっかりと保湿をして使用します。
しっかりと保湿をすることによりレチノール成分の浸透もより効果を発揮します。
赤みやかゆみ等の刺激を感じることがある
レチノールによる副作用のことを『レチノイド反応』と言います。
ターンオーバーの促進より赤みやかゆみなど、敏感肌の人には出やすいようです。
そのため心配な方は週に1回から始めたり、シワやほうれい線、たるみの気になる部分だけに使うなど、少量から使い始めていくことをオススメします。
我慢できないかゆみや赤みなどが出た時は我慢せずに皮膚科の先生に相談しましょう。
レチノールを使用する際の注意点
「副作用があるのが怖い!」という方もいるかもしれませんが、正しく使えば効果を期待できるレチノールです。
レチノールを使用する際に気を付けたいことをあげていきます。
酸化しやすいため、しっかりと使い切ること
レチノールは抗酸化作用が高い代わりに変性したり、酸化しいやすいというデメリットがあります。
酸化するとレチノールの効果が半減してしまうため、フレッシュなものを早めに使い切ることをオススメします。
クリームタイプでジャーに入っているようなレチノールを使う際には、指で取ると触った部分からすぐに酸化が始まってしまうのでスパチュラを使って取ります。
スパチュラが用意できない場合はコンビニでもらえる使い捨てのスプーンなどで取るのもオススメです。
また直射日光に当たらないように注意が必要です。
美白ケアも忘れずに……
レチノールにはターンオーバーを活性化させる働きがあるため、シミの原因になる『メラノサイト』の働きも活性化させてしまいます。
そのため美白ケアを当時に行うとより効果的です。
レチノールを使うと乾燥しやすくなるので高保湿の美白スキンケアと同時に使うことをオススメします。
レチノールを含む食品
アンチエイジングに効果的なレチノールですが、食品からも摂ることができます。
動物性レチノール
レチノールは動物性たんぱく質に多く含まれています。
特に鳥・豚・牛のレバー、アンコウの肝、うなぎや銀鱈に豊富に含まれています。
植物性レチノール
野菜に含まれるβカロテンという色素には、身体に入るとレチノール不足に応じて変換、吸収されます。
βカロテンは抗酸化作用を持つ成分であり、肌細胞の酸化を防止します。
日焼け、紫外線によるダメージなどから細胞を守り、美容効果の高い成分です。
また抗酸化作用が全身にいきわたることにより、血液の酸化を防ぎ血行を良くして身体全体の免疫力を高める効果があります。
Βカロテンを多く含む野菜はにんじん、ほうれん草、春菊などがあります。
サプリメント
サプリメントによりレチノール(ビタミンA)を身体の内側から取り入れることも可能です。
しかし注意しなければならないのはサプリメントによるレチノールの過剰摂取です。
食品から取り入れる天然のレチノールには副作用がないとされていますが、人工的に作られたレチノールをサプリメントにより過剰摂取にならないように気を付けます。
特に妊娠初期の女性は注意が必要です。
まとめ
レチノールには
●肌の新陳代謝を活発にしシミに効果的●コラーゲンやエラスチンの細胞を活性化させるためたるみやしわの予防ができる●紫外線に弱く酸化しやすいため、美白ケアをしっかりとして早めに使い切ることが大切
●食品からもビタミンA、βカロテンとして摂取することが可能
ということがいえます。
副作用もありますがシミやしわにとても効果的なので、正しく使うことが大切です。
気になった方は使ってみてください。