飽食の現代、食べすぎや添加物の摂取による乱れた食生活をリセットさせる方法として、ファスティングがあります。
アスリートや芸能人の間でも話題となっており、ファスティングとは英語の『fast』(断食する・絶食する・精進する)に由来します。
もともと断食とは宗教的な修行や儀式の一つとしておこなわれてきました。
現在では病気の治療や健康に効果的であるといわれており、欧米でも注目されていて科学的な研究もすすめられています。
しかしながら、知識を持たずにファスティングをおこなうのは危険です。
健康やダイエット目的でファスティングをしたのに、身体を壊してしまっては意味がありません。
ファスティングの資格も存在していたり、ファスティングとホテルをセットにした宿泊プランの断食プランもあり観光産業の一部としても存在します。
今回は健康維持やダイエットのためのファスティングについて、その効果と正しいやり方、ファスティングの資格を2回に渡って解説していきます。
ファスティングとは
ファスティングとは一定の期間固形物を摂らずに断食することにより、内臓器官を休ませ身体をリセットする目的としておこなわれるのが一般的です。
食べ過ぎた翌日だけ食事を抜く『プチ断食』を私生活に取り入れている人も多く、身体を完全にリセットさせるために2週間ファスティングに挑戦する人もおり、目的によって期間ややり方も様々です。
24時間休まず働き続ける消化器官をファスティングによって休ませることで、健康や美容に効果的であるといわれています。
筋トレをして筋肉が疲れたら休ませ、筋肉を大きくしていく方法を「超回復」といいますが、内臓も同じように使ったら休ませて本来持っている機能を回復させるためにファスティングをおこなうのがひとつの目的です。
もう一つの目的は、代謝酵素を活性化させるためにおこないます。
ヒトの身体には食事をした時に分泌される『消化酵素』と生命活動に必要な『代謝酵素』の2種類があり、どちらか一方が優先されるようにできています。
食事をすると消化酵素が優位になる、代謝酵素の働きが弱まってしまいます。
ファスティングによって消化酵素の分泌を抑え、代謝酵素を活性化させることにより免疫力が高まったり、疲労回復に効果があります。
美容や健康のためにおこなわれるファスティングは完全な断食ではなく、野菜やフルーツの発酵抽出によってできた酵素ドリンクを用いて行います。
ファスティング期間固形物を一切取らず、酵素ドリンクから最低限必要なカロリー(200~600㎉) や糖質、ビタミンやミネラルなどの栄養素を補給することができ、短期間であれば無理なく安全に生きることができます。
ファスティングにより内臓を休ませることによりそれまでため込んでいた有害物質を排出できるようになります。
カロリーを抑えるだけのダイエットではなく、身体をリセットし健康な状態に戻す方法であり、手術の前など身体に負担がかかるときに取り入れている人もいます。
ファスティングの効果
ファスティングは内臓を休ませるのに効果的であると前述しましたが、具体的に身体にどのような効果があるのでしょうか。
ダイエット・健康効果
ファスティングで消化機能を休ませることにより、内臓機能が向上し身体本来が持っている機能を回復させることができます。
そのため身体の代謝機能が上がり、細胞が生まれ変わるのを助け、身体の中をキレイにすることができます。
また単純に摂取カロリーが減るのでダイエット効果も期待できます。
普段の食事を見直すことができる
ヒトは何も食べなくても、塩と水だけで約2か月間生き延びることができるそうです。
1日3食食べる規則正しい食事は身体のリズムを整えるためには大切ですが、3食食べな帰ればならないというのは思い込みです。
フランスの産業革命の影響を受ける前の日本では、朝と晩の1日2食だったそうです。
ファスティングによって胃がリセットされ小さくなるため、普段の食事の量が適切かどうか気づくきっかけとなります。
また味覚が正常に戻ります。
普段の食事には予想以上に添加物や化学調味料が使われており、味付けが濃くなってしまいがちです。
発酵酵素の多いファスティングドリンクや野菜とフルーツの無添加のスムージーで数日過ごすことにより舌もニュートラルな状態に戻るため、ファスティング後は味覚の感覚が敏感になります。
外食やコンビニ食が多い人は特に普段の食事がいかに添加物や化学調味料が多く使われているかを感じることができます。
デトックス効果
ファスティングの一番の目的はデトックスです。
食事をせず固形物を摂らない時間を作ることにより、内臓の消化機能を休ませることができます。
そのため身体に溜まった水分や毒素が排出されやすい状態になります。
ファスティングするとお通じが良くなり宿便が出たり、肌がキレイになったりするのはこのためです。
身体にとって有害な物質が入ってくるのは、口からだけではありません。
大気汚染やたばこ、化粧品や洗剤などに含まれる化学物質が肌から入ってくるなど、現代の人の身体は想像以上に汚染されています。
身体には吸収すると排泄を阻害するという機能があり、食べ物から十分に身体によい栄養素を吸収するには、臓器を休ませ機能を回復させることが何よりも大切なのです。
ファスティングを効果的にする期間
人によって個人差はありますが、ファスティングは目的によって期間が変わります。
半日間だけのファスティングを定期的におこなっている人から、1週間集中しておこなう方法まで様々です。
身体にある糖質をエネルギーとし、内臓の休息を目的とするには1~2日程度のファスティングが効果的です。
3~4日ほどのなってくるとむくみの改善や宿便の排出が促されます。
さらに5日~6日程続けると身体の脂肪をエネルギーとし脂肪燃焼効果や頭の中がクリアになり集中力がアップします。
ファスティングは半日や1日の短い期間だから効果がない、ということはありません。
長期に渡るファスティングはメリットもありますが、その分リバウンドやかえって代謝が悪くなってしまったり摂食障害になってしまったり、リスクが高まります。
初めは短期間からスタートし、無理のない範囲で徐々に期間を延ばしていくことをオススメします。
まとめ
今回はファスティングについての目的と効果、効果的な期間について解説しました。
次回はファスティングの正しいやり方と、ファスティングに関する資格について解説していきます。