10代の肌は皮脂分泌が盛んなためニキビができやすくなりますが、成長と共に落ち着いてくるのが思春期のニキビの特徴です。
しかし20代以降の大人ニキビは『吹き出物』とよばれ進行レベルに関係なく、できる原因も場所も違います。
ストレスや食生活の乱れや間違ったスキンケアなど原因はさまざまであり、ニキビにもいくつか種類があります。
そして大人ニキビは頬やあごなど、目立ちやすいところにできるのも特徴であり、コンシーラーなどでカバーできるうちは良くても、間違ったケアにより悪化してしまったり広がってしまうこともあります。
今回は大人ニキビの種類と原因について解説していきます。
またニキビがひどくなりニキビ痕になるとどうなってしまうのかについても解説していきます。
大人ニキビに悩んでいる人は参考にしてみてください。
ニキビの種類
ニキビには5つの種類があり、マイクロコメド・コメドと呼ばれる白ニキビ・黒ニキビ、炎症を起こしてしまった赤ニキビ・黄ニキビがあります。
それぞれ治療法が異なり、ひどくなった場合は皮膚科で診てもらうのが手っ取り早く治す方法です。
炎症のないニキビ
マイクロコメド
マイクロコメドは別名「微小面ぽう」と呼ばれ、毛穴の出口が狭くなり皮脂が詰まり始めている状態のことを指します。
毛穴に詰まりやすい化粧品を使うとマイクロコメドを発生させてしまうため、毛穴に詰まりにくい「ノンコメドジェニック」の化粧品に変えるだけで発生予防のできるニキビです。
白ニキビ
白ニキビは皮脂が毛穴に詰まり、ニキビとして目視できるほど大きくなったニキビのことをいいます。
マイクロコメドを放置して白ニキビになることもありますが、白ニキビの状態から始まるニキビも多いです。
皮膚の内側では「毛包」と呼ばれる毛穴の根っこが広がり、アクネ菌が増え始めています。
まだ炎症が始まっていない段階なのでこの時点で適切にケアすれば、痛みやかゆみ、ニキビ跡になることなく治すことが可能です。
黒ニキビ
白ニキビの毛穴が開き、メラニン色素や酸化された皮脂などによって固まってしまい、シミやほくろのように見えるニキビを「黒ニキビ」といいます。
目立つため不潔な印象を与えてしまうこともあり、気にする人も多くいます。
黒ニキビもまだ炎症を起こしていないニキビのため、丁寧に治療すればキレイに治すことができます。
しかし酸化して固まってしまった皮脂は毛穴を押し広げ、痒みを伴うこともあり、潰してしまう人も多くいます。
潰してしまうと跡になってしまうこともあるため、潰さないことをオススメします。
炎症を起こしたニキビ
赤ニキビ
白ニキビ、黒ニキビが悪化し、毛穴の中が炎症を起こして赤く腫れあがったニキビを「赤ニキビ」といいます。
アクネ菌と肌の細胞が接触し、免疫反応によって痛みやかゆみ、熱を生じることもあります。
ここまで進行してしまったニキビは自己ケアではなく、皮膚科で診察を受けることをオススメします。
黄ニキビ
赤ニキビがさらに悪化し炎症が激しくなると、毛穴に膿が詰まりてっぺんが黄色く見えるため「黄ニキビ」と呼ばれます。
皮膚の内側ではアクネ菌が作った酵素の「リパーゼ」が薄くなった毛穴の壁を破壊し、炎症を起こす物質が毛穴の外に出てしまうため炎症が周りに広がってしまいます。
さらに悪化するとニキビ跡ができてしまう可能性もあります。
ここまで悪化してしまったら触ったり刺激を与えず、皮膚科で治療を受けることをオススメします。
パンパンに腫れているため、少し触っただけで破裂してしまうこともあります。
「大人ニキビ」とは?
10代の頃にできる思春期ニキビと異なり、成人を過ぎてからできるニキビを「吹き出物」といい「大人ニキビ」とも言われます。
大人ニキビは繰り返し同じ場所にできる場合が多く、思春期ニキビは治療すれば一度できた場所にはできないのが特徴です。
また大人ニキビはTゾーン以外にできる事が多く、フェイスラインやあご、頬や首、デコルテなどにできやすいのも特徴の一つです。
思春期にできるニキビもこれらの場所にできる場合は、大人ニキビに近い可能性もあります。
ニキビの原因
ニキビは炎症を起こす・起こさないに関わらず、すべて毛穴の詰まりが原因で起こってしまいます。
何らかの原因で出口を塞がれた毛穴に皮脂が詰まり、コメドから炎症ニキビに成長してしまいます。
毛穴を詰まらせる原因は主に3つの原因が考えられます。
皮脂の過剰分泌
皮脂を分泌する皮脂腺は毛穴に向かって生えており、皮脂は毛穴を通って角層の表面へ広がっていきます。
毛穴の出口がふさがってしまっても、皮脂の分泌が少なければニキビになることはありません。
しかし皮脂の分泌量が多いと皮脂が溜まり、ニキビになりやすくなってしまいます。
皮脂の分泌量は気温の上昇などによって増えますが、糖分や脂肪分の多い食事の摂りすぎでも増えてしまうことがあります。
また皮脂の分泌量が多いから脂性肌であるという訳ではなく、肌が乾燥状態にあると皮脂が多く分泌されるため、乾燥していてもニキビができるということもあり、自分の肌の状態を確認することも大切です。
女性の場合生理周期によって排卵後から月経前まで皮脂の分泌量が増えます。
肌が脂っぽくなったりニキビができやすいのもこの時期のため、この期間は肌をいたわり清潔に保つことが大切です。
アクネ菌の増殖
アクネ菌はニキビのない健康な肌の人にも存在する常在菌です。
アクネ菌は肌を弱酸性に保つなど、肌を守る働きもあります。
アクネ菌の少ない人は、ニキビができてもアクネ菌と肌細胞が接触してしないうちに治ってしまい、ニキビができても炎症しない白ニキビや黒ニキビで終わります。
アクネ菌の多い人の場合、肌とアクネ菌が接触してしまい短期間で炎症ニキビに発展してしまいます。
アクネ菌を減らすため殺菌作用のあるスキンケア商品を使うとさらにひどいニキビを発生させてしまう可能性もあるため、早めに皮膚科に行くのがオススメです。
毛穴つまり
肌の一番外側の「角層」が分厚くなって毛穴を塞ぎ、皮脂や肌の老廃物が出口を失った結果ニキビになってしまうことがあります。
寝不足や疲労、生活習慣の乱れ、紫外線による刺激、肌の乾燥などによるターンオーバーの乱れ、ホルモンバランスが崩れることなどにより毛穴が詰まりやすく、角化異常を起こしニキビが発生することがあります。
角層には潤いを十分に与えることで、肌の外側からの刺激を守るバリア機能が働きます。
しかし乾燥や紫外線、洗顔時の摩擦などによってバリア機能が低下すると、自己防衛機能が働き、角層を分厚くしてしまいます。
大人ニキビは口周りやあご、フェイスラインなど皮脂分泌が少なく乾燥しやすい部分にも発生するため、洗顔後の保湿ケアも大切です。
寝不足、ストレス、食生活の乱れは肌のターンオーバーに乱れを引き起こし、ターンオーバーの長期化を招いてしまいます。
自然に剥がれ落ちるはずの角層がいつまでも肌に残ってしまうと毛穴を詰まらせ、ニキビの原因となってしまいます。
ニキビ痕になると……
ニキビの炎症がひどくなったり潰してしまうと、毛穴の周りの組織も一緒に破壊されてしまい、元に戻らずニキビ痕になってしまいます。
ニキビ痕はクレーターのようにへこんだり、皮膚の表面が盛り上がってそのままになってしまったり、ニキビのできた場所や状態によってニキビ跡も様々です。
一度ニキビ跡になってしまった場合元に戻すのは難しく、ニキビを治すよりも時間もお金もかかってしまうため、後にしないように早めに治療することが大切です。
まとめ
20歳を超えてからできる大人ニキビは、ニキビができる課程は同じであっても思春期にできるニキビと原因が異なります。
炎症を起こして治すのが難しくなったり痕が残ってしまう前に、生活習慣の乱れやストレスを軽減し、できてしまった場合には早めに治療することが大切です。
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次回はニキビができてしまった場合の対処法と、ニキビを作らない肌について解説していきます。