歳を重ねていけば髪の毛や肌トラブル、筋力・体力の低下や疲労感など、年齢と共に様々な問題が出てきます。
人が年齢を重ねていく以上、避けて通れないのが『老化』です。
いつまでも年齢を気にせず若々しくありたいと思うのは、万人の願いではないでしょうか。
その結果としてアンチエイジングと名の付く商品は売れ行きが良く、多くに人が気にすることであるとわかります。
では、老化の原因とは何なのでしょうか。
今回は老化の原因や、対策について紹介していきます。
老化の原因
老化の原因は様々な要因が組み合わさってるため、絶対的な原因を特定することができていません。
しかし、現在考えられている主な要因が4つあります。
細胞の寿命とDNAの破損
ヒトの身体の細胞は、細胞分裂を繰り返しています。
ヒトの染色体の先端には、細胞分裂の際にDNAを正しくコピーして受け渡す役割をする『テロメア』と呼ばれるものがついています。
しかし細胞分裂のたびにテロメアは短くなっていき、ある程度まで短くなると分裂をやめた自滅してしまいます。
そのため細胞分裂ができなくなり、これが老化の原因といわれています。
また何らかの原因で細胞が傷つき、細胞分裂の際に傷ついた細胞を修復前の劣化した細胞をコピーしてしまい、これが老化につながるとも考えられています。
ホルモンの低下
年齢とともに私たちの身体の中にある様々なホルモンは減少していきます。
代表的なホルモンとして、代謝のコントロールを担う『成長ホルモン』、睡眠や自律神経を安定させる『メラトニン』、性ホルモン『エストロゲン』などがあります。
これらが年齢とともに減少し、老化が起こるといわれています。
特にエストロゲンの減少は肌や髪の毛のハリやツヤに影響を及ぼし、そのため表面的な加齢が現れるいわれています。
身体の『酸化』と『糖化』
身体の中に酸素が取り込まれると、一部が活性化され『活性酸素』となります。
この活性酸素が細胞を酸化させ、これを「身体がサビる」とよく表現されます。
身体の細胞がサビると、本来の細胞の働きができなくなり、これによって老化が進行してしまいます。
酸化した細胞により栄養素を上手く身体に取り入れることができなくなったり、老廃物を排出することができなくなるため老化の原因といわれています。
この細胞の酸化により、DNAの損傷の原因ともつながっています。
また最近では『糖化』も老化の原因であると考えられています。
活性酸素による酸化が「身体のサビ」といわれるのに対し、糖化は「身体のコゲ」といわれています。
食事などに含まれる過剰な糖質が身体の中でタンパク質とくっつき、細胞を劣化させるといわれています。
身体の糖化は、お肌のシワやくすみ、シミの原因のひとつといわれています。
老化を遅らせるには
老化の原因が主にこれらが要因があげられますが、老化を少しでも遅らせるために、気をつけるべきことはどのようなことがあるのでしょうか。
ここでは生活習慣の中で気を付けるべきことをあげていきます。
睡眠習慣
年齢とともに『成長ホルモン』が減少し、そのため老化が進むといわれています。
成長ホルモンとはアミノ酸で構成される物質であり、骨や筋肉の修復、疲労回復や脂肪燃焼など、代謝のコントロールと深くかかわりがあります。
この成長ホルモンの70%が睡眠中に分泌されるため、睡眠習慣を見直すことがアンチエイジングに繋がります。
睡眠時間や睡眠時の環境を整え、質の良い睡眠をとること心がけます。
1日7~8時間の睡眠時間を確保し、特に成長ホルモンの分泌がピークになる0~1時の間には眠りについていることが理想的です。
適度な運動
筋トレ、ストレッチ、有酸素運動などの運動を適度に生活に取り入れます。
適度に運動を取り入れることにより代謝を活発にし、成長ホルモンの分泌を促し、細胞の酸化を阻止する効果があります。
いっぽうで「毎日10km以上のマラソン」や「1週間分のまとめてトレーニング」などの過剰なトレーニングや長期的な激しい運動の習慣は、活性酸素を増やし身体を酸化させてしまいます。
そのため週に3日程度の適度な運動がアンチエイジングには最も効果的です。
バランスの良い食事
バランスの良い食事はアンチエイジングとしてとても効果的です。
老化に直結する酸化や糖化を抑えることができるのは、食事による影響がとても大きいです。
緑黄色野菜やフルーツには抗酸化作用が高いビタミンCをはじめとするビタミン類、ミネラルなどを多く含みます。
また食事の最初にキノコや野菜、海草などの食物繊維を多く含む食品から食べることもアンチエイジングに繋がります。
食物繊維の多いものから食べることにより、糖の吸収が穏やかになり過剰な糖分の摂取による身体の糖化を防ぐことができます。
またポリフェノール、カロテノイドなどのファイトケミカルと呼ばれる抗酸化物質を直接食事から取ることにより、アンチエイジング作用が期待できます。
ストレスを溜めない
ストレスは実は老化に大きく関係しています。
ストレスを感じることにより身体の中に活性酸素が発生し、老化を促進させる可能性があるといわれています。
ストレスにより睡眠や食事に影響が出ることにより、成長ホルモンの分泌量が減ったり糖質の高い食べ物を欲したりしてしまうことがあります。
きちんとストレスを発散できるように、自分なりのストレス発散方法を作っておくこともアンチエイジングに繋がります。
医療の力に頼る
アンチエイジング医療というものも存在します。
歳を重ねるごとに増える病気や身体の不調へ事前にアプローチしながら、老化の予防や緩和を目的とした医療行為のことをいいます。
このアンチエイジング医療や若返りはもちろん、美肌効果などの美容効果も期待できます。
アンチエイジング医療とは、加齢による生物学的プロセスに介入し、加齢に伴う疾患の発生率を下げ、健康長寿を目指す医療のことをいいます。
アンチエイジング医療を美容外科にも活用している美容外科や美容皮膚科も増えています。
たとえば抗酸化作用の力や免疫力の向上、細胞の活性化などを目的としたビタミンCの点滴や内服薬の服用もその一つです。
またコラーゲンの生成や新陳代謝を促進するレーザー治療や注射なども存在します。
医学的なアンチエイジングの治療法のため、エステ以上に美容効果も期待されています。
まとめ
今回はアンチエイジングについて記述しました。
老化の原因は主に細胞分裂機能の低下や身体の酸化・糖化、ホルモン分泌の減少が主な減少により引き起こされます。
老化を完全に止めることはできませんが、生活習慣の見直しによって実際の老化よりも遅らせることは可能です。
また自分一人の力ではどうにもできないことはアンチエイジング医療に頼るのも一つの方法です。
健康と美容は紙一重であるため、身体によいとされる行動がアンチエイジングに効果的であるというのは言うまでもありません。