2021年の美容業界におけるトレンドとして、北米やヨーロッパを中心に「ヴィーガンコスメ」が注目を集めています。
日本で手に入れることのできるヴィーガンコスメはまだまだ数が少ないのですが、今後健康志向・環境への配慮とともに日本でも広まっていくことが予想されます。
最近ヴィーガンという言葉を良く聞くようになりましたが、ヴィーガンとは何なのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
今回は世界で注目されているヴィーガンコスメやヴィーガンについて解説していきます。
またヴィーガンコスメのメリットや選ぶ際の注意点についても合わせて紹介していきます。
ヴィーガンとは?
ヴィーガンとはライフスタイル全般において、動物由来のものを可能な限り排除する完全菜食主義「ヴィーガン」という考え方に基づき、それを実践する人々のことを指します。
近年ホテルやレストランなどでもヴィーガン向けの食事を提供するところも増えてきました。
ベジタリアンが「肉を食べない」「植物性食品と乳製品だけ」「植物性食品と乳製品、卵は食べる」「植物性食品、乳製品、卵と魚は食べる」など、限定されるものに色々種類がありますが、ヴィーガンは卵・魚製品・乳製品・ハチミツ・ゼラチンなど、動物由来のものは一切摂取しないというものです。
お肉や魚、卵などを一切取り入れないと聞くと、なんだかとてもストイックなイメージがあります。
また食べ物だけでなく、衣食住すべてにおいて動物の皮やはく製、動物実験を経てできた製品等を使用しないというのも熱心なヴィーガンにはよくある思考です。
ありとあらゆる日常生活において動物を殺さないことを実現するのが目的であり、ヴィーガン思想には宗教的な理由だけでなく、世の中に起こるサステナビリティや動物愛護思想、地球環境保護の観点など、様々な時代背景が伺えます。
ヴィーガンコスメとは?
ヴィーガンコスメが注目されるようになったのはここ2~3年であり、ハリウッド女優ややセレブモデルなどが愛用したことがきっかけとなり、世界中の女性たちが興味を持つようになったといわれています。
ヴィーガンコスメとは、化粧品の成分に動物性由来のものを一切使用しない化粧品のことを指します。
卵・乳製品・ハチミツなども一切使用していないのが特徴です。
化粧品は食品と異なり、動物性由来のものは使用していなさそうなイメージがありますが、一般的な化粧品には牛脂や動物性コラーゲンなど、動物由来の成分が含まれていることがあります。
また製造や商品開発の一環として、動物実験を行うことがあります。
ヴィーガンコスメは動物由来の成分を配合していないことと同時に、製造過程で動物実験をしていないことも特徴の一つです。
ヴィーガンコスメと名乗るには、製造過程から化粧品に含まれる成分すべてにおいて、動物から完全に独立した化粧品である必要があります。
オーガニックコスメ・ナチュラルコスメとの違い
ヴィーガンコスメと聞くと何となく地球や環境に良さそうなイメージを持つ人も多いと思いますが、同じように「ナチュラルコスメ」「オーガニックコスメ」とどう違うのでしょうか。
ビーガンコスメとオーガニックコスメ・ナチュラルコスメには、許可された成分に違いがあります。
オーガニックコスメとは、農薬や化学肥料を使わずに育てられた植物由来成分を配合したコスメのことを指します。
ヴィーガンコスメ同様、オーガニックコスメ・ナチュラルコスメも自然由来成分をメインに、人工的な化学成分を使わないで製造された化粧品です。
化学成分をできる限り排除し、天然由来成分および有機栽培で作られた植物などの成分で作られています。
しかしナチュラルコスメやオーガニックコスメはハチミツやコラーゲン、ミツロウ、カルミン、シルクなどといった動物由来成分を含んでいることもあり、動物由来成分が徹底して排除されているものではありません。
有機栽培の植物を餌にした畜産物が含まれることもあり、製品によっては動物由来成分が含まれているものもあります。
またナチュラルコスメ・オーガニックコスメは自然由来のみの成分であっても動物実験をおこなっている場合があります。
またヴィーガンコスメはオーガニック栽培された植物由来成分である必要性や化学成分を含んではいけないという明確な規定がないというのも違いがあります。
クルエルティフリーとは
ヴィーガンコスメと表記されているコスメの多くが「クルエルティフリー」という表記とセットになっています。
クルエルティフリーとはコスメの開発・製造過程において動物実験や動物を傷つける行為を一切行っていないということを証明するものです。
クルエルティフリーのうさぎのマークはリーピングバニーと呼ばれており、動物保護団体によって設立された団体が発行しているサインです。
画像引用: Cruelty Free International |
この表示は一時的に動物実験をおこなっていないことを認定するものではなく、今後も一切動物実験をしない、関わらないという誓約をすることによって受けることができるマークなのです。
一方でクルエルティフリーは製造するまでの工程のみのことを表し、クルエルティフリーと表記があっても動物由来成分が含まれていることもあります。
ヴィーガンコスメを使うメリット
ヴィーガンコスメが動物に対して優しいということは先述しましたが、ヴィーガンコスメを使うメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ヴィーガンが安心して使用できる
メリットの一つは、ヴィーガンコスメは動物成分を一切使用していないコスメのため、ヴィーガンの人でも安心して使用できるという点です。
使用される成分から製造過程まで、動物から独立しているヴィーガンコスメはライフスタイル全般にヴィーガンを取り入れている人が安心して使用できる商品となっています。
動物に優しい化粧品を使用することができる
ヴィーガン思考をライフスタイルに取り入れている人の多くは動物愛護精神を大切にしている人が多くいます。
そうした人にとって動物実験を完全に排除したヴィーガンコスメは安心して使用することができます。
国や地域によって様々なクルエルティフリーのマークがあり、これらのマークはヴィーガンコスメを選ぶ一つの指標となっています。
低刺激で肌に優しい
ヴィーガンコスメは植物由来成分を配合しているコスメが多く、肌に負担が少なくマイルドな使い心地の化粧品が多くあります。
製品によっては化学製品が一切含まれていないという訳ではありませんが、一般的な化粧品に比べると刺激が少なく、肌への負担が軽減されるものが多いのもメリットの一つです。
ヴィーガンコスメの選び方と注意点
動物に優しいヴィーガンコスメですが、ヴィーガンコスメを購入する際、どのような点に注意して製品を選ぶのが良いのでしょうか。
ヴィーガン認証マーク
ヴィーガンコスメには、ヴィーガン認証マークがついているものがあります。
イギリスのヴィーガン協会やNPO法人「Vege Project Japan」など、ヴィーガンを証明する認証マークがあります。
認証マークのついている製品を選ぶことで、ヴィーガンコスメだと一目でわかり安心して使用することができます。
ブランドで選ぶ
最近ではヴィーガンコスメを専門に製造、販売しているメーカーも増えてきています。
認証マークのないコスメでも、ヴィーガンならではの商品もあるので、成分表示や特徴、メーカーで選ぶのも一つの方法です。
パッチテストをする
ヴィーガンコスメは肌に優しそうなイメージがありますが、特定の植物成分にアレルギーなどを起こしてしまう人もいるので、すべての人の肌に優しいという訳ではありません。
敏感肌やアトピーなど肌荒れしやすい、アレルギーがある人などは使用前にパッチテストを行うことをオススメします。
また成分表示に自分のアレルギーの成分が入っているか、確認してから購入するほうが望ましいです。
まとめ
世界的に環境や動物愛護に対して関心が高まる中、少しづつ日本にもヴィーガンコスメが浸透してきています。
コスメを使用するだけで動物たちを守ることができていると思うと嬉しくなりますね。
日本ではまだ取り扱いも少ないですが、今後需要が高まってくることが予想されます。
日本でも馴染みのある「LUSH」や「The Body Shop」でもヴィーガンコスメの取り扱いがあるので、興味のある人は調べてみてください。