化粧品成分の一番最初の方に表示されている「ミネラルオイル」や、肌に優しく石鹸で落ちるファンデーションとして人気のある「ミネラルファンデーション」など……
化粧品の成分表示でよく見かける『ミネラル』という成分ですが、いったいどのような成分なのでしょうか。
一部の化粧品会社では「ミネラルオイルの含まれる化粧品は使わない方がいい」といわれていますが、実際化粧品に含まれる ”ミネラル” の安全性は認められているのでしょうか?
また『ミネラルファンデーション』の“ミネラル”と『ミネラルオイル』の“ミネラル”は実は全くの別物なのです。
今回はミネラルオイルとミネラルファンデーションの違いや、それぞれの “ミネラル” の効果ついて解説していきます。
『ミネラル』とは?
ミネラルとは化粧品以外にも、食べにも含まれる成分として、また人間の身体の成分でもあります。
ヒトの身体の約4%はミネラルでできています。
ビタミン・ミネラル・タンパク質・脂質・炭水化物は人間の5大栄養素と呼ばれており、ヒトの身体を構成する代表的な栄養素です。
しかしミネラルは、ヒトの身体の中で生成されない成分であり、基本的には食べ物などから摂取する必要があります。
ミネラルにはカルシウムや鉄分も含まれており、ミネラルが不足すると免疫力やコツの低下を招きます。
ミネラルとは、ヒトが生きていくために必要不可欠な要素であるといえます。
ミネラルファンデーションとミネラルオイルの『ミネラル』の違い
ミネラルオイルもミネラルファンデーションも『ミネラル』という言葉が付きますが、実はこの二つのミネラルは全くの別物なのです。
ミネラルファンデーションの『ミネラル』=鉱物由来成分
ミネラルオイルの『ミネラル』=石油由来成分
石油由来のなのにミネラルとなぜつくのかというと、石油は鉱物として分類されているためミネラルと名がつけられています。
ミネラルファンデーションのミネラルは鉱物を原料としていますが、ミネラルオイルは石油を脱色・生成し、不純物を取り除いた純度の高い石油のことをいいます。
ミネラルオイルはミネラルファンデーションの成分も性質も異なり、ミネラルファンデーションやミネラル化粧品と呼ばれるものは肌の皮脂と馴染み、ミネラルオイルは皮脂と馴染まず肌に浸透することはありません。
ミネラルオイルとは?
化粧品に含まれるミネラルオイルとは、石油を精製して得られる炭化水素の混合物です。
ミネラルオイルは常温では揮発性・水溶性ではなく、通常で使用するときは酸化や変色することもない化学的・生物学的に安定している物質です。
『鉱物油』といわれることもあります。
工業用に使用されるミネラルオイルは『鉱油』と呼ばれ、ほとんど精製されていません。
しかし化粧品に使用されるミネラルオイルは、高純度の生成されており皮膚に負担の少ない『化粧品グレード』以上のものが使用されています。
植物性の化粧品にもよく使われる『ホホバオイル』や『アーモンドオイル』の同等に肌に優しいことが認められています。
そのため多くのメイクアップ化粧品・スキンケア商品・ボディケアやヘアケア商品など多くに含まれています。
1970年代には精製度の低い鉱物油の不純物が原因で油やけが起こり、色素沈着などの肌トラブルが起こることがありました。
しかし現在では、精製技術が進み、安全性の高いもののみが使用されています。
ミネラルオイルのメリット
ミネラルオイルのメリットには
●安価である
●参加しない素材である
●吸着性が強く、落ちにくい
●肌に浸透せず、伸びが良い
があげられます。
石油を精製する過程で、不応な成分から生成されてるのでミネラルオイルの原価は安価です。
酸化しない成分のため製品が安定しており、保存期間が長めです。
また肌への吸着性が強く、肌に浸透しないためよく伸び、一度塗れば落ちにくいという性質があります。
そのためファンデーションや日焼け止めなどに適している成分です。
また成分表示には「ワセリン」や「パラフィン」と記載されていることもあります。
ミネラルオイルのデメリット
いっぽうでミネラルオイルにはデメリットもあります。
●肌に浸透しないため、スキンケア効果はない
●吸着性が強いがために、一度塗ると落としづらいため肌トラブルの原因になりえる
ミネラルオイルは肌に浸透しないため、美容成分や保湿成分などが肌の奥まで浸透しないというデメリットがあります。
そのためスキンケア効果は期待できません。
また、吸着性が強く、一度肌に塗るとなかなか落ちないため毛穴を塞いでしまうこともあります。
そうすると、ニキビや肌荒れの原因になってしまうこともあります。
「メイクを落として寝ないと肌荒れする」といわれるのは多くの化粧品にミネラルオイルが含まれており、寝ている間に皮膚が呼吸するのを塞いでしまうためです。
ミネラルファンデーション(ミネラル化粧品)とは?
一方、ミネラルファンデーションなどの『ミネラル化粧品』と呼ばれる化粧品はどのようなものなのでしょうか。
もともとは1970年代に、アメリカの医師が開発したものとされています。
外科手術の痕や火傷の痕を隠すため、普通のファンデーションよりも肌に負担をかけず、優しい化粧品を開発したのがはじまりといわれています。
そのため、私たちの身体に含まれる『ミネラル』(鉱物)を使用した化粧品が開発されました。
ミネラル化粧品は石鹸で簡単に落とせるものが多く、クレンジングが必要ありません。
また通常の化粧品よりも肌に負担が少ないため、肌に優しい化粧品として注目を集めています。
まとめ
ミネラルとはヒトにとって必要不可欠な成分であり、同じ化粧品の『ミネラル』といっても、実は全然違う場合があるということがわかりました。
以前は化粧品に使われるミネラルオイルは肌に悪いといわれていましたが、安全性も確認されています。
次回はミネラル化粧品について詳しく解説していきます。
お楽しみに!