新型コロナウイルスの影響により、飲食店はもちろんのことアパレルショップやスーパーにも除菌スプレーが置かれ、『除菌』はもはや生活の一部となっています。
その一方で、手荒れに悩まされる人、手湿疹やアトピー性皮膚炎が手指除菌によって悪化し皮膚科を訪れる人が増えているのも事実です。
アルコールアレルギーやアルコール性過敏症であることは稀ですが、かゆみや手荒れが出る場合はアルコール不使用の消毒剤もあります。
除菌によって手荒れを起こさないためにも、日常的にすべきケアや薬局で買える手荒れ薬、皮膚科に行くべき状態とはどのような状態なのかについて解説していきます。
除菌による手荒れ
コロナ以前から看護師さんなどの医療従事者はアルコール消毒による手荒れで皮膚科に来ることも多かったのですが、最近では一般の人にも新型コロナウイルスの感染症対策として消毒や手洗いの機会が増え、皮膚科に訪れる人が増えています。
もともとアトピー性皮膚炎や手湿疹のある人はアルコール消毒や手洗いよって悪化したり、普段手荒れしないのに頻繁に手洗いや手指消毒で手荒れしてしまったという人も多くいます。
消毒や除菌の成分には刺激性があり、直接皮膚に触れることによって手指に負担がかかります。
また消毒や除菌成分が原因でアレルギー反応を起こし、かぶれてしまうということも手荒れの原因の一つといえます。
アルコールアレルギーやアルコール過敏症といわれる人たちはごく稀であるといわれていますが、アルコールに対するアレルギーがあるとアルコール消毒によって皮膚が刺激を受け、赤く荒れてしまいます。
アルコールでかゆみが出たり、皮膚が赤くなってしまう場合は石鹸で手洗いをしっかりするだけでも十分であり、アルコールを使わない消毒剤「クロルヘキジン」などを使用するのがオススメです。
自分でできる手荒れ対策
消毒によって手荒れが起きてしまった場合、まずは原因となったと思われる消毒剤や除菌剤を使わないようにします。
合わないものを使い続けると、手荒れを繰り返してしまい、いつまでたっても治りません。
また荒れてしまった手指のケアでは、軽いガサガサや粉が吹いている程度の状態であれば保湿だけでも大丈夫ですが、赤みや痒みがある場合、ステロイドによる塗り薬を使用する必要があります。
ひどい手荒れを自分で治したい場合、市販の塗り薬であれば「ベトネベートN軟膏」という商品名のベタメタゾン吉草酸エステルというステロイドの塗り薬が一番強いステロイド剤であり、処方箋で出してもらえるリンデロン軟膏と同じ強さのステロイド剤の使用をオススメします。
赤みや痒みだけではなく、腫れやただれてしまった場合は皮膚科の受診を検討します。
手荒れが悪化してしまうと、手荒れから感染症を起こしてしまう可能性があります。
市販薬で販売されているステロイド剤の強さは一番強いものでも３番目までの強さのため、効果を感じられない場合もあります。
市販薬で手荒れが治らない場合、早めに皮膚科を受診するようにします。
自宅でできる除菌手荒れのケア
手荒れを防ぐためにも、大切なのは保湿です。
ハンドクリームを手洗いのたびにつけ保湿を念入りに行うことにより、あかぎれや手荒れを軽減し、治していくことができます。
ハンドクリームを選ぶ際は、ハンドクリームの成分にも注目して選びます。
保湿性に優れたセラミド、ビタミンA、ビタミンD、尿素が含まれているハンドクリームがオススメです。
ハンドクリームを塗ってから水仕事をし、終わったらすぐにハンドクリームを使用することにより、手荒れを早く治すことができます。
また寝る前にハンドクリームを塗って綿の手袋をつけて寝るのもオススメです。
あかぎれや手荒れの軽減になります。
これでも改善が見られない場合は、さらにその上からビニール手袋をかぶせるのも保湿効果がアップしオススメです。
綿の手袋は毎日取り換え、清潔に保ちます。
洗い替えとして２セット用意して置けば、毎日着用することが可能です。
また除菌と共に手荒れの原因となるのが洗い物ですが、洗い物も手洗いも、寒いからとお湯を使うと手荒れが悪化します。
お湯を使うと必要な手指の油分まで落としてしまい、乾燥しやすく手荒れの原因となります。
寒いですが思い切ってお湯の使用をやめ、水で洗い物をすると見違えるほど手荒れが改善します。
寒い・冷たくて耐えれないという人は綿の手袋をした上からゴム手袋をつけることオススメします。
ぜひ試してみてください。
またハンドクリームを使用する前に、手に化粧水を塗ればさらに手荒れ対策となります。
化粧水には肌に良い成分が配合されていることが多く、保湿効果がアップします。
化粧水はアルコールを含んでいないものを選びます。
アルコールが入っているものは付けた際にしみたり痛みを伴うことがあるため、アルコールの入っていないものがオススメです。
手荒れを早く治したいというのであれば、化粧水を併用するようにします。
まとめ
新型コロナウイルスの影響により、手指消毒や手洗いの回数が増え手荒れに悩む人が増えています。
まずは日常的なケアを、普段よりも念入りにすることが大切です。
マメに保湿をし、ただれや痒みが出た場合には市販のステロイド薬を使用し、それでも改善しなければ早めに皮膚科に受診することをオススメします。
まだまだ新型コロナウイルスの影響により除菌が生活の一部となる生活が続きそうですが、手荒れに気を付けて感染症対策をしたいものです。