ネットワークビジネスで取り上げられる商品は様々なものがありますが、特に化粧品はネットワークビジネスの商品であることが多いのです。
20代以降の方であれば、一度くらいはネットワークビジネスに勧誘されたことがある人もいるのではないでしょうか。
また副業として、ネットワークビジネスの化粧品を販売しているという人もいるかもしれません。
しかし、なぜネットワークビジネスは化粧品を扱う会社が多いのでしょうか。
また『ネットワークビジネス』という言葉を聞くと、多くの人が「怪しい」「ねずみ講でしょ?」「友達なくす」など、否定的な意見を持っているのも事実です。
今回は、化粧品を扱うネットワークビジネスについて解説していきます。
またネットワークビジネスと、ねずみ講の違いなどについても、詳しく説明していきます。
『ネットワークビジネス』とは?
ネットワークビジネスとは、口コミによって商品を広げていく「マルチレベルマーケティング」という仕組みのビジネスです。
マルチ商法、MLMなどと呼ばれることもあります。
商品の購入者を販売員として勧誘し、販売員になるとさらに別の人を勧誘して販売員にしていくというピラミッド構造となっています。
日本の法律では、『連鎖販売取引』という販売形態として、正式に認められている営業活動です。
ネットワークビジネス自体に違法性はありませんが、勧誘方法が強引だったり、違法に勧誘していたりということもあるため、あまりいいイメージがないという人が多いのも事実です。
ねずみ講との違い
ネットワークビジネスというと『ねずみ講』と同じだと思っている人も多いものですが、ネットワークビジネスは合法であり、ねずみ講は犯罪です。
ネットワークビジネスにネガティブなイメージを持つ人が多いのは、ねずみ講と広がっていく形が似ているからです。
ねずみ講とネットワークビジネスの決定的な違いは「商品が存在するか、しないか」というところにあり、お金だけが動くマネーゲームとなっています。
またネットワークビジネスを始める際には、入会金が必要になる場合が多いのですが、ネットワークビジネス場合は入会金が比較的低価格なのに対し、ねずみ講は高額であることが多いのも特徴の一つといえます。
ネットワークビジネスの商品に、なぜ化粧品が多い?
ネットワークビジネスの商品はさまざまであり、最近では旅行や携帯電話を取り扱う会社も出てきましたが、圧倒的に多いのが『化粧品』です。
女性をはじめ、美容はヒトの永遠のテーマであり、ヒトが地球上に存在する限り、化粧品の需要はなくなりません。
化粧品は毎日使う消耗品であるため、定期的に売り上げが上がります。
そして特に女性は化粧品の “ブランド買い” をよくします。
化粧水が気に入れば、同じブランドの乳液や美容液、ファンデーションなどで揃える傾向があります。
ネットワークビジネスでは、大量に購入してくれるリピーターを増やすこともあるため、化粧品はネットワークビジネスと相性がいいのです。
また基本的にネットワークビジネスは中間マージンをカットしているため、人件費や広告費が浮きます。
一般企業の化粧品の場合、化粧品を企画して製造した後に、販売促進のためにテレビCMや雑誌広告などで広告を打ち出します。
しかしネットワークビジネスは、広告を打たず販売員の口コミによって流通させます。
そのため広告費が削減でき、浮いた広告費が販売員への報酬となります。
販売員への報酬を払っても費用がまだ余るため、商品の研究・開発に投資することができます。
浮いた費用を化粧品の開発に回すことができるため、品質を上げることができます。
ネットワークビジネスは口コミビジネスであるため、どんなに営業が上手な人が販売しても、商品がいいものでなければ売れません。
そのためネットワークビジネスの商品は、質の高い商品を低価格で販売できるというメリットがあります。
ネットワークビジネスのメリット・デメリット
どのような職業にもメリット・デメリットがあり、化粧品を扱うネットワークビジネスにもあります。
ネットワークビジネスのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
メリット
ネットワークビジネスのメリットは、資本が少なくてもすぐにビジネスを始められるところにあります。
初期費用として登録料が必要な場合でも、1万円前後で始めることができます。
また年会費や月額会費も数千円程度というところが多いので、始めやすいビジネスといえます。
難しい知識も必要なく、最近ではSNSなどを使って集客をするため、主婦などでも簡単に副業として始めることができます。
何より製品が安価で質がいいことです。
前述しましたが、ネットワークビジネスの商品は広告費や人件費が大幅にカットされているため、商品の質が良く安価で購入することができます。
そのため紹介した人が製品を気に入れば、喜ばれます。
そしてネットワークビジネスである程度大きな組織が形成できれば、権利収入を得ることができます。
権利収入とは、自分が働かなくても得ることのできる不労所得です。
しかし権利収入を得るにはかなり時間がかかります。
デメリット
ネットワークビジネスの最大のデメリットは、世間的イメージが悪いことです。
前述でねずみ講とネットワークビジネスは違うものであると解説しましたが、未だにネットワークビジネスは詐欺や法であると思っている人が多くいます。
そしてネットワークビジネスはネットワークを構築していくことが必要であるため、親戚・家族・友人・知人など、親しい人や知り合い片っ端から声をかけることにより嫌われてしまい、人間関係が悪化することがあります。
さらにネットワークビジネスの会社によっては、まずは自分が一定量在庫を抱えなければならない場合もあります。
自分の販売成績が維持できているように見せかけるため、在庫を必要以上に抱えて苦しい思いをすることを『自爆買い』といいますが、そのために生活やクレジットの支払いに家計が圧迫される人も一定数います。
そしてネットワークビジネスの場合、完全歩合であることがほとんどなので、自分や自分から始まるブレーンの人が売り上げが上がらなければ、1円も収入になりません。
またネットワークビジネスは安定的に収入を得るようになるまでかなり時間がかかります。
ビジネスを始めた時は「権利収入」や「不労所得」という言葉に浮かれて始めますが、スタートしてから短期間で成功できるのは稀です。
数字で見るネットワークビジネスの成功者
『月刊ネットワークビジネス』によると、ネットワークビジネスで収入を得ている人の最も多い収入体は5万円です。
そして5万円稼げるのも、100人中5人程度だそうです。
また、ネットワークビジネスを始める人の94%が無収入だそうです。
年収500万円以上を、自分が全く働かなくても安定して稼げるようになった人を『成功者』と定義するのであれば、成功者と呼ばれる人まで行きつくのは ”400人に一人” です。
そしてこの400人に一人は他社のネットワークビジネスですでに成功しており、何らかの理由によって他社から乗り換えたという人も多いのです。
月収30万稼げるようになったところで成功者と呼ばれることもなく、むしろ会社員として働いた方が安定して稼ぐことが可能な厳しい世界といえます。
まとめ
ネットワークビジネスの商品として化粧品が多く扱われるのは、消耗品であり、リピートが起こりやすいためです。
ネットワークビジネスの化粧品は質が高く安価で良い製品がいいのが特徴ですが、ネットワークビジネスのイメージに良いイメージを持っていない人が多いのも事実です。
またネットワークビジネスの謳い文句として『権利収入』や『不労所得』などと言って会員を獲得しようとしているネットワークビジネスの会社もありますが、実際に不労所得や権利収入を得られるのはほんの一握りです。
商品自体はいいものなので愛用者であるのはいいと思いますが、販売員になるにはリスクも伴うことを覚えておきましょう。