シミやニキビ痕と同じように、ほくろに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
「涙ぼくろや口元のほくろはセクシー」という人もいますが、シミやニキビと同様、清潔感がなく見えてしまったり、老けて見えてしまうことも……
シミは紫外線によってできるというのは多くの人が知っている事実ですが、ほくろができてしまう原因や、治療法について知っている人は少ないかもしれません。
今回はほくろができてしまう原因や、除去する方法、ほくろ除去のメリット・デメリットについて解説していきます。
ほくろで悩んでいる、皮膚科での除去を考えている人は、参考にしてみてください。
ほくろとは?
ほくろはメラニン色素を作るメラノサイトという細胞が変化したものであり、医学的に「母斑細胞」と呼ばれる良性の腫瘍です。
ほくろにも様々な種類があり、ほくろの種類によって除去方法が変わってきます。
ほくろは主に2種類の種類があり、「単純黒子」と「素性母斑」という種類に分類することができます。
単純黒子は平べったいほくろで、盛り上がっていないほくろであり、色は黒や黒褐色であるのが特徴です。
一方色素性母斑の場合、メラノサイトが何層にも重なり、少しずつ盛り上がってできてくるほくろのことです。
単純黒子よりもメラノサイトが多く密集しているため、皮膚の表面が盛り上がったように見えるのが特徴です。
メラノサイトの数によってほくろの大きさが違うのが特徴であり、大きいほくろはメラノサイトがたくさん集まってできたものです。
ほくろには、生まれつき持っているものと、成長過程でできてくるものの2種類があります。
真っ黒で大きな盛り上がっているほくろに心配する人がいますが、多くのほくろは良性のものであるため、心配しなくても大丈夫な場合が多いです。
しかし、以下のようなほくろには注意が必要であり、メラノーマといわれる悪性の皮膚がんであったり、皮膚がんに繋がる可能性があります。
●形がいびつで丸くないほくろ
●肌との色の境目がハッキリしないほくろ
●色がまだらなほくろ
●急激に大きくなっているほくろ
メラノーマは10万人に一人が発祥する数少ない病気ですが、メラノーマは悪性であるため除去する必要があります。
これらの5つの条件にあてはまる場合、皮膚科に相談してみてください。
ほくろができる原因
ほくろができるには、いくつか原因があります。
生まれつき
生まれた時からほくろのある赤ちゃんがいます。
これは先天性色素性母斑と呼ばれるものであり、遺伝が原因とされていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
紫外線
シミと同様、ほくろができる原因の一つが紫外線です。
紫外線により肌のメラノサイトが活性化します。
メラノサイトが活性化し、メラニンが過剰に生成されることにシミなどの色素沈着を起こし、これがほくろの原因となります。
メラニンはターンオーバーによって排出されますが、何らかの原因で肌に残ってしまったものがほくろとなって残ります。
老化
ターンオーバーが乱れることによってメラニンが蓄積されほくろの原因となりますが、年を取るにつれターンオーバーが乱れがちになるためほくろができやすくなります。
妊娠
妊娠を機にほくろが増えるという人がいます。
これはホルモンバランスの乱れにより、できるほくろです。
妊娠するとプロゲステロンという黄体ホルモンが大量に分泌され、肌荒れの原因やメラノサイトを活性化させるため、出産後急激にほくろが増えたのであれば黄体ホルモンが原因です。
また妊娠以外にも、ホルモンバランスの乱れによってほくろが増えることがあります。
また妊娠以外にもホルモンバランスを乱すストレスが原因となり、ほくろが増えてしまうことがあります。
ほくろを除去する方法
ほくろを除去する方法には、いくつかあります。
美容皮膚科に行く以外にも自宅で除去する方法もありますが、衛生面などの問題からあまりオススメできません。
自分でほくろを薄くする方法
一番簡単な方法は、ファンデーションやコンシーラーで隠すという方法ですが、これは実際にほくろが薄くなるわけではありません。
自分でほくろを除去する方法として、もぐさを使用した除去法があります。
お灸でも代用可能です。
方法としては、
①肌を清潔な状態にする
②ほくろの上にもぐさ(お灸)を乗せ、火をつける
③火が消えるまで待ち、火が消えたら捨てる
この工程を1日3回、3日間続けるとほくろに効果的です。
これは皮膚を焼き皮膚の再生能力を使ってほくろを除去すると方法ですが、安価で自宅でできるメリットがある反面、火傷の危険性や盛り上がっているほくろには効果がないためおすすめできません。
また衛生面や安全面にも問題があり、悪性の腫瘍であれば病院で医師による治療が必要であり、素人ではその判断が難しいため、ほくろを確実に除去したいのであれば、皮膚科に任せるのがオススメです。
クリニックで除去する方法
皮膚科や美容クリニックで専門医にほくろを除去してもらうのが最も確実で安全です。
ほくろ除去には主に、レーザーやメスによって母斑細胞を除去することによって行われます。
しかしほくろの除去は基本的には自由診療であり、保険がききません。
しかしほくろから出血がある、生活に支障が出るほど大きなほくろや悪性腫瘍には適応となります。
コンプレックス解消のためのほくろ除去には保険が効かない場合がほとんどなので注意が必要です。
レーザー治療
炭酸ガスレーザーや電気メスを用いて、ほくろの元である母斑細胞を除去します。
レーザー治療は肌への負担が少なく、赤みが引いた後はほとんど目立たないため、顔周りのほくろが気になる場合にオススメです。
6㎜以下のほくろであれば炭酸ガスレーザーで治療を行うことができ、再発した場合や大きなほくろを除いて1回の治療で取り除くことが可能です。
切除手術
メスでほくろを切除したり、刃物でほくろをくり抜く方法です。
大きなほくろや深部まで達している根深いほくろにも効果的であり、一度のほくろで除去することができます。
切除手術の後は縫合が必要であり傷跡も残るので、顔にはオススメできません。
顔以外のほくろによく使われます。
またメラノーマなどの悪性のほくろも、レーザーではなく切除手術となります。
ほくろ除去のメリット・デメリット
コンプレックスとなり得るほくろを除去するのは、メリットも大きいですがもちろんデメリットもあります。
メリット
体質的にほくろが多くて悩んでいたり、ほくろを取ることでコンプレックスの解消となる場合があります。
またコンプレックスであるほくろを隠すためにメイクに時間がかかっていた人にとっては、メイク時間の短縮になります。
そしてほくろが多いとどうしても老けて見えてしまいます。
特に口周りや鼻回りのほくろは老けて見えてしまう原因となります。
ほくろを除去することにより若く見えるだけでなく、メイク映えする肌になります。
デメリット
ほくろの除去はかなりの痛みを伴うため、基本的には麻酔を打ってからおこなわれます。
特に顔の皮膚は神経が張り巡らされているうえに非常に薄く、麻酔がかなり痛いです。
骨に近い口周りや鼻回りは、より強い痛みを感じます。
痛みに弱い人にとっては厳しい施術となります。
また前述の通り、ほとんどの場合保険が効かないためキレイにほくろをすべて取り除こうと思うと高額になることがあります。
肌への負担が大きく切除手術の場合、施術後も痛むことがあります。
またほくろ除去は医療行為に当たるため、もちろん失敗したりキレイに取れないということもあります。
メスを使う場合は傷跡が残ってしまったり、大きなほくろを除去する場合にはクリニック選びは慎重に行うべきです。
また炭酸ガスレーザーに多いのが、一度除去したほくろが復活してしまうことです。
炭酸ガスレーザーは細胞を破壊してほくろを取り除くため比較的肌への負担は少なめですが、再発するたびにクリニックに通うのは大変です。
クリニックによっては再発の際は無料でほくろ除去施術をしてくれるクリニックもあるため、クリニック選びの基準にしてください。
そして、ほくろ除去には色素沈着を起こす可能性があります。
ほくろのあった場所がピンク色に色素沈着するだけでなく、色が抜けて白く盛り上がってしまうことがあります。
そのため、ほくろ除去の上手な医師を選び、アフターケアを欠かさないようにすることが大切です。
まとめ
ほくろは自分で除去することも可能ですが、衛生面や安全面の観点から、皮膚科医などのプロに頼むのが一番です。
ほくろ除去した人のほとんどが、痛みがあっても除去してよかった、長年のコンプレックスから解消されたと言っています。
痛みやリスクも伴い、費用も決して安いわけではありませんが、ほくろ除去を考えている方は参考にしてみてくださいね!