日本人の主食といえば『米』です。
そんな中でも栄養価が高く、健康食として人気のあるのが、玄米です。
自然の食材を丸ごとそのままの形で取り入れる『マクロビ理論』でも玄米の栄養価の高さが取り喘げられており、最近ではカフェやファミレスなどでも、玄米が提供されているお店もあります。
ナチュラルフードの代表格ともいえる、美容や健康に良いとされている玄米ですが、実際にどのような栄養素が含まれていて、どのような効果があるのか知らない人も多いと思います。
白米が主流であるという家庭も多いと思いますが、今回は玄米の美容効果について解説していきます。
玄米のと白米の違い
玄米と白米は別の種類のお米であると思っている人も多いようですが、白米も玄米も元は同じお米です。
そして玄米の方がカロリーが低くヘルシーなイメージを持っている人も多いかと思いますが、実は白米のカロリーがお茶碗1杯で250㎉、玄米は245㎉であり、あまり違いはありません。
白米と玄米では精製の方法が違い、米はもともと殻に包まれています。
殻に包まれた状態の米を『籾(もみ)』といいます。
この籾を除去し、籾擦りをしたものが玄米です。
籾擦りをした状態の玄米から、さらにヌカや胚(はい)を取り除いたものが白米です。
白米は戦後の日本では銀シャリと呼ばれているほど、かつては高級食材でした。
白米はそのまま食べても甘みがあり美味しく食べられるのはもちろんのこと、おかずのおいしさを引き出してくれます。
しかし玄米と白米では、栄養成分が大きく違います。
玄米は『完全栄養食』といわれるほど栄養価が高く、健康食として注目されています。
白米は玄米を精米したものであるため、ヌカや胚の栄養素が取り除かれてしまっているため、栄養価が抜けた状態になっています。
取り除かれたヌカや胚には食物繊維やビタミン、カリウム、タンパク質が多く含まれているため、精米してしまうとこれらの栄養素が減ってしまいます。
主食を白米から玄米に変えることにより、栄養バランスを整えることができます。
その一方で玄米は見た目が茶色く、炊くと穀物独特の臭いがするため、苦手に感じる人も多く、モサモサとした食感が食べる気になれないという人もいます。
また白米よりも硬さがあり、白米と同じ水分量で炊いてしまうとパサパサになり、普通の炊飯器では玄米を炊く機能がなく手間がかかるという理由などから、白米の方が好きという人も多くいます。
最近では品種改良により白米と同じように炊ける玄米や、食べやすくした玄米も販売されるようになってきました。
玄米の栄養素
白米よりも玄米の方が栄養素が多いという解説をしましたが、玄米にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
●ビタミンB1……糖質や脂質の代謝を促す働きがあり、白米の約5倍含まれています。
ビタミンB1が不足するとエネルギー不足となり疲労や倦怠感が出ます。
またイライラしたり、集中力の低下を招きます。
●ビタミンE……身体のサビの原因となる活性酸素を中和する抗酸化作用があり、細胞膜を守りエイジングケア効果を発揮します。
白米の約6.5倍含まれています。
●カリウム……体内の余分な塩分を排出させる効果があり利尿作用をもたらし、むくみ解消に効果があります。
むくみを防止することで、シワの予防にも効果があります。
白米の約3倍含まれています。
●食物繊維……整腸作用があり、便通を良くする効果があります。
便通が良くなることで老廃物が体外に効率よく排出され、体内から美肌要素を作ることができます。
白米の7.4倍も含まれています。
これらの栄養素のその他にも、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6などのビタミンB群が多く含まれています。
玄米の美容効果
栄養素の豊富な玄米には、どのような美容効果があるのでしょうか。
整腸作用
玄米には豊富な食物繊維が含まれているため、整腸作用があるといわれています。
腸に溜まった便や悪玉菌を排出することにより、おなかの中をキレイにしてくれます。
腸内環境が整うことにより、美肌効果やダイエットにも効果的であるため、腸内環境を整えることは美容に欠かせません。
また玄米にはフェチンという成分があり、デトックス効果があり、体内にフェチンが吸収されるとフェチン酸に変わり、体内の有害物質と結びつき、体外へ排出されます。
中性脂肪の減少
糖質や脂質の多い食事を続けていると、血液がドロドロになり血流が悪くなり、代謝が下がるため体脂肪をため込みやすくなります。
玄米に含まれるビタミンB1、ビタミンB2を摂取することにより、血中の中性脂肪の増加を防ぎ血液をサラサラにすることができます。
ビタミンB1には血中の脂肪や糖質をエネルギーに効率よく変えることができるため、脂っこい料理を食べるときは玄米と一緒に食べることをオススメします。
ホルモンバランスを安定させる
玄米には、白米よりもビタミンEが多く含まれています。
ビタミンEはもともと不妊治療の研究から発見された栄養素であり、ホルモンを正常に分泌させることができます。
ホルモン分泌が正常になると、生理不順や生理痛、月経前症候群や更年期障害などの改善に効果があるといわれています。
玄米を食べるとすぐに効果が出るわけではありませんが、女性特有の悩みがある方は普段の食事に玄米を取り入れることをオススメします。
解毒作用
玄米には整腸作用があることはお伝えしましたが、腸内環境が整い便通が良くなると、有害物質が便と共に速やかに体外に排出されます。
玄米に含まれるヌカのフェチンには、重金属などの有害物質を体外に排出することができます。
体内の有害物質が体外に排出されることにより、肌荒れの原因物質を減らすだけでなく、アトピーの軽減にも効果があります。
また長期的にみると、発がん性物質を減らすこともできるため、がん予防にも効果的であるといわれています。
美肌効果
玄米には食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整える働きがあります。
腸内環境を整えることによって老廃物が体外に排出されやすくなるため、美肌効果が期待できます。
さらに、玄米に含まれるビタミンB1、B2は皮脂分泌を調整してくれる機能があり、ニキビ予防や肌の新陳代謝を促してくれます。
また、カリウムによってむくみを改善したり、すくみも改善することができるため、玄米には肌をキレイにする効果が期待できます。
玄米には、美肌に必要な栄養素が豊富に含まれています。
エイジングケア
玄米にはビタミンEが白米の6.5倍も含まれているため、抗酸化作用が高くエイジングケアにも効果的です。
抗酸化作用とは、シミなどの原因となる活性酸素を抑えてくれる働きがあります。
玄米の抗酸化作用を活発にするにはビタミンCを一緒に摂取するのが望ましく、赤ピーマン・黄ピーマンと一緒に食べると更に栄養価が高まります。
食後にミカンやいちごを食べたり、焼き魚にレモンをかけて食べるのもオススメです。
まとめ
今回は玄米の栄養素や白米との違い、美容・健康効果について解説しました。
玄米はヌカや胚に含まれる栄養素も一緒に摂ることができるため、白米よりも栄養価が高いと注目を集めています。
その一方で玄米は炊いた時に匂いや食感にクセがあり、苦手という人も多くいます。
次回は栄養価の高い玄米を美味しく食べるコツ、玄米を食べる際の注意点について解説していきます。