ダイエットや身体に悪いものというイメージの強い砂糖ですが、実は古くから美容や薬として使用されています。
最近ではシュガースクラブなど、化粧品にも多く含まれるようになってきました。
砂糖と同じような見た目の塩による美容効果はご存じの方も多いと思いますが、塩の粒子はとがっていて硬いため、肌を傷つけてしまいますが、砂糖はマイルドにケアができると注目を集めています。
今回は食べるのではなく肌に直接塗るスキンケアとして、砂糖の持つ美容効果について解説します。
砂糖と美容の関係
砂糖と美容の関係については、古代において砂糖は万能薬といわれるほど貴重なものでした。
もともと傷を治す薬として使用されており、現在でも医療現場では砂糖とヨウ素を原料とした軟膏が使用されるなど、治療薬として使用されています。
糖質制限や肌の糖化など肌に悪いとされる砂糖ですが、最近では砂糖による肌への効果が見直されています。
特に砂糖に含まれる糖には、保湿効果が高いとされています。
長引くマスク生活や日常的な消毒により、肌は思っている以上に乾燥しています。
肌の乾燥は炎症の原因となり、さらには老化の原因となります。
肌の乾燥を防ぐ保湿効果として糖があり、糖は既に保湿剤として化粧品に含まれているものも多く販売されています。
角質オフ
砂糖の結晶により、古くなった必要のない角質を落とすことができます。
洗顔などの際に砂糖を使用すると、古い角質に水分が浸透し肌のターンオーバーが正常化されるため、肌のざらつきやゴワつきを解消してくれます。
また砂糖は塩に比べて肌の上で溶けやすく、肌あたりがやさしいので刺激が少ないという特徴があります。
そのため、潤いのある滑らかな柔らかい肌に仕上ることができます。
糖による栄養補給
糖は細胞のエネルギー源となるため、代謝や保湿の維持など、肌にとってさまざまな働きの栄養源となります。
精製されていない砂糖であれば、ミネラルやアミノ酸などの栄養素も含まれているため、肌にとって必要な栄養素が含まれています。
保湿効果
砂糖には水分を吸収するという性質があるため、肌の上で水分と一緒になり、保湿膜となります。
糖分が角質に水分と一緒に浸透し、肌に潤いを与えて優しく包み込んでくれるため、乾燥でカサつく肌を潤す効果があります。
肌再生効果
糖分にはコラーゲンなどの肌の再生を高める働きがあり、肌荒れや傷の治りを早める効果があります。
そのため、慢性の皮膚炎や、アトピー、床ずれの塗り薬などにも使用されています。
殺菌効果
砂糖には殺菌作用もあり、ニキビやニキビ痕にも効果的です。
ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する作用があります。
たるみの防止
肌のハリや弾力の元となるコラーゲンやエラスチンなどは、肌にある線維芽細胞によって作られています。
線維芽細胞は傷ついてしまうと正常なコラーゲンが作られず、肌のたるみの原因となってしまいます。
砂糖にはこれを防ぐ効果があります。
美肌のための砂糖活用法
砂糖にはさまざなま美肌効果があるのは理解できたと思いますが、どのように日常生活の中で生かしていけばよいのでしょうか。
洗顔水として使用する
洗顔の際に使用する水を、砂糖水に変えるだけでも美肌効果が期待できます。
洗面器などに水やぬるま湯を500㎖ほどいれ、大さじ3杯ほどの砂糖を入れ溶かします。
肌に砂糖水を浸透さるように、その水で3~4回ほど洗います。
すぐに洗い流さず、そのまま30秒ほど置いてから流水で洗い流します。
砂糖水は少しの間、浸透させてから洗い流すのがポイントです。
砂糖水を使用することによりしっとり考えられ、洗顔後の肌がつっぱらず、その後の化粧水の浸透も良くなります。
砂糖洗顔
いつも通りの洗顔に砂糖をプラスするだけでも、美肌効果を実感することができます。
普段使っている洗顔料を泡立てから、一つまみの砂糖を加えます。
泡と砂糖を混ぜ合わせたら、いつも通りに洗顔します。
洗顔料を泡立てる前に砂糖を加えてしまうと泡立ちが悪くなってしまうため、泡立てる前に砂糖を加えるのではなく、泡立てた後に加えるのがポイントです。
砂糖水のコットンパック
水50㎖に対して大さじ1の砂糖を溶かしてコットンに浸し、パックするように乗せます。
1~2分程度そのままにしてから、水で洗い流します。
乾燥の気になる部分だけピンポイントでケアするのも、オススメです。
美容液や乳液に混ぜる
普段使っている乳液や、美容液に混ぜるのもオススメです。
乳液・美容液を100円玉程度手の平にとり、一つまみの砂糖を加えます。
手の平で砂糖と乳液・美容液が混ぜ合わさったら、洗顔後の濡れた肌に伸ばします。
そのと1~2分ほど放置してから流水で洗い流すと、普段使っている乳液や美容液を洗い流すパックとして活用できます。
全身シュガースクラブ
濡れた肌の上でマッサージすると体温で砂糖が溶け、スクラブとして使用するのもオススメです。
直接肌に塗ってもいいですが、砂糖と同量のスキンケアオイルと混ぜるとシュガースクラブになります。
さらに小麦粉を加えるととろみのあるパックにもなります。
肌あたりがやさしく、腕や背中、脚などの広範囲だけに関わらず、手足の指先など、細かい部分まで全身に使用することができます。
顔に使用する場合には、製菓用の粒子の細かいものがオススメです。
砂糖を使用する際の注意点
手軽で保湿力の高い砂糖洗顔や砂糖パックを使用する際には、いくつか注意点があります。
こすらない
乳液や美容液などに砂糖を混ぜると初めは砂のようなじゃりじゃり感がありますが、それをそのままこすってしまうのはNGです。
砂糖の成分をより浸透させたいからと言ってこすってしまうと、物理的に肌を傷付けてしまいます。
そっとなぜるようにするか、手のひらの体温で溶かしてから使用するようにします。
水分と体温によってすぐに溶けます。
上白糖のみを使用する
砂糖水洗顔や化粧品に混ぜる砂糖は、上白糖のみを使用します。
キビ砂糖や黒糖、三温糖の方が健康によいとされていますが、ミネラルを含む砂糖は肌荒れの原因になることもあります。
また目の粗いグラニュー糖は肌にとって刺激になることがあるため、避けるようにします。
粉砂糖も、別の成分を含んでいることがあるため、洗顔などには向いていません。
薬の原料として厚生労働省が認めているのも、上白糖だけです。
長時間放置しない
砂糖は肌にとって刺激の少ない物質ですが、必要以上に長く肌に乗せておくのはかえって逆効果になることもあります。
30秒~3分程度で十分に肌に浸透するため、それ以上おいてもあまり意味はありません。
また砂糖に含まれた水分が肌の上で飛ぶと、砂糖が結晶化して表面に出てきます。
これがシミの原因となってしまうこともあるため、長時間放置せずに洗い流すことで、砂糖を使用するメリットを最大限に発揮することができます。
しっかりと洗い流す
砂糖を使用したスキンケアは、最後にしっかりと洗い流すことが前提です。
肌に砂糖が残ったままではべたつき、乾いて固まるとカピカピになり、逆に肌荒れを起こすこともあります。
さらに砂糖が残った肌に紫外線が当たると、シミの原因となります。
そのため砂糖を使用したスキンケアの後は、しっかりと洗い流すことが大切です。
まとめ
砂糖は実は保湿成分や肌の新陳代謝、殺菌力に優れており、昔から塗り薬にも使用されている成分です。
上白糖であれば安く手軽に手に入れることができるため、コスパもよく、美肌効果も抜群です。
水に混ぜて洗顔水として、洗顔料に混ぜたりと活用方法も多くあるので、生活の取り入れやすいところに取り入れてみてください。