前回、前々回とニキビのできる原因や種類、対処法について解説していきましたが、悪化し過ぎたニキビは自宅ケアだけでは治せないことがあります。
では悪化し過ぎたニキビはどのように治療すればいいのでしょうか?
一番良い方法は肌の専門家、皮膚科で治療を受けるのが一番です。
皮膚科でのニキビ治療は症状に合わせて皮膚科医と相談の元、計画を立てて治療をおこなっていきます。
肌の状態に合わせてニキビ治療をおこなうため、いくつかの処置法を組み合わせて治療をおこなっていくこともあります。
今回は、皮膚科でどのようなニキビ治療ができるのかについて解説していきます。
ニキビで悩んでいる人、皮膚科に行くべきかどうか悩んでいる人は参考にしてみてください。
皮膚科治療が必要なニキビとは?
「大人ニキビとは?ニキビの種類と原因について徹底解説 」でも紹介しましたが、ニキビには状態によって種類が異なり、炎症がまだ起こっていないコメド、白ニキビ、黒ニキビ、炎症を起こした状態の赤ニキビ、黄ニキビの主に5つに分類されます。
痛みや熱を伴う赤ニキビまでであればホームケアで改善させることができますが、赤ニキビが悪化し、膿をもって化膿し黄ニキビまで進行してしまうと、皮膚科で治療するか、放置して膿が出るまで待つかのどちらかです。
基本的にニキビは成長期を過ぎれば自然と治まります。
そのため何もしないで放置しておくというのも、ある意味適切な処置です。
なぜなら間違ってケアをするとかえってニキビを悪化させてしまい、ニキビ痕などの後遺症に悩まされてしまう可能性があるからです。
放置している間に膿が毛穴から出てしまい爛れたり、健康な他の毛穴にダメージを与えてしまうこともあるので、黄ニキビまで進行してしまったらできれば早めに皮膚科に行くことをオススメします。
また黄ニキビまで進行しなくても、コメドや白ニキビのうちに皮膚科で治療することも可能です。
早めに対処することにより、早く治すことが可能でありニキビ痕が残さずにキレイに治療することが可能なため、肌荒れに悩んだら早めに皮膚科に行くことがのぞましいです。
またニキビの原因となる毛穴を詰まらせる間違ったスキンケア、生活習慣やホルモンの乱れによる肌トラブルや大人ニキビ再発防止のためのアドバイスを受けることもできます。
皮膚科でできるニキビ治療
皮膚科でできるにニキビ治療には保険適用のものと適用外のものと2種類があります。
まずは保険で治療できる方法について解説していきます。
ニキビの保険適用治療
保険適用で受けれるニキビ治療は、約2000円程で受けれるものが多くあります。
処方箋治療
皮膚科でのニキビ治療で一般的なのは塗り薬・飲み薬による治療です。
ニキビ治療では主に塗り薬(外用薬)での治療が行われます。
●過酸化ベイゾイル(ベピオゲル)……コメド、白ニキビ、黒ニキビなど、炎症を起こす前のニキビに効果的です。
毛穴の詰まりを取り除いたり詰まりにくくする作用があります。
●外用イオウ製剤……ニキビに直接塗る塗り薬で、毛穴に詰まった角質をはがし、開きやすくする効果があります。
●レチノイド……毛穴のつまりやニキビになる前のコメドに効果的です。白ニキビ、黒ニキビにも効果的です。
●抗生剤(塗り薬)……アクネ菌を殺菌します。ニューロキノン系抗生物質(アクアチムクリーム/アクアチムローション)、リンコマイシン系抗生物質(ダラシンTゲル、ダラシンローション)などがあります。
飲み薬では以下のような処方がされることが多いです。
●抗生物質(飲み薬)……ニキビ炎症が重度の場合に使用されることが多くあります。マクロライド系のルリッド、ルリッド、テトラサイクリン系のミノマイシンなどが一般的です。
●抗菌薬……飲み薬、塗り薬どちらもあり、赤ニキビに効果的です。
●漢方薬(飲み薬)……目的に応じて処方されます。例えば悪化したニキビであれば、排膿作用や解毒作用のある漢方薬が処方されることがあります。
●ビタミン剤……ビタミン不足によってニキビを引き起こすことがあります。ビタミンには皮脂の分泌量を調節したり、皮膚や粘膜を保護する働きがあり、ニキビ治療の一環としてビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCなどが処方されることがあります。
重度のニキビになればステロイド剤の注射を使用することもあります。
塗り薬と比較して直接患部に注射することができるため、即効性が期待できます。
ステロイドが脂肪層まで達すると脂肪萎縮を起こし、はだの表面がデコボコになってしまう可能性があり、大きくしこりのできたニキビのみにおこなわれる治療法です。
薬による保険適用の治療であれば診察、処方箋合わせて2000~4000円前後で治療することができます。
コメド圧出(面ぽう圧出)
コメド圧出とは針やレーザーを用いて、毛穴に詰まっている皮脂や汚れを押し出す治療法です。
初期段階のコメド、白ニキビ、黒ニキビに効果的であり、ニキビの治りが早く再発しにくいというメリットがあります。
また処置する際に周りの組織を傷つけることが少ないため、ニキビ痕が残りにくいのもメリットの一つです。
ニキビの中の汚れや菌を押し出すという意味では自分でニキビを潰すのと変わりがないと思う人もいるかと思いますが、素人が自己流にニキビを潰すと雑菌が入って炎症がひどくなってしまったり、皮膚を傷つけてしまう可能性があるため専門の皮膚科医に処置してもらう方が得策です。
コメド圧出はニキビの数によって治療時間や費用に差が出ますが、約30分ほどで治療費は約2000円~であることが多いです。
クリアタッチ
クリアタッチとは、炎症を起こした赤ニキビ、黄ニキビに効果的であり、皮膚の表面にダメージを与えることなく光と熱でアクネ菌を殺菌する治療法です。
クリアタッチはアクネ菌の殺菌だけでなく、過剰な皮脂分泌を抑える効果もあります。
またニキビの赤みだけでなく、美肌効果も期待できる治療法です。
治療時間は約10分ほどで痛みや副作用も少なく、安心して受けることが可能です。
費用は1回あたり2000円弱ですが、病院によって異なります。
皮膚科で受けれる保険適用外治療
保険適用外でのニキビ治療の料金は約3000~5000円程度ですが、保険適用外のためクリニックによって値段が違います。
ケミカルピーリング
フルーツ酸などの働きにより、毛穴に詰まった角質をはがす施術です。
白ニキビ、黒ニキビ、一部の赤ニキビに効果的であり、毛穴の開きや汚れ、色素沈着やハリやしわなどにも効果的です。
レーザー治療
レーザー治療はアクネ菌の殺菌、ニキビができるコメドの状態からニキビにレーザーメスで穴をあたりできてしまったニキビ痕の改善など、ニキビ治療に幅広く活用されています。
また男性のニキビはシェービングによる刺激によって引き起こされるものであることが多く、髭脱毛によりニキビが大幅に軽減されることがあります。
フォトフェイシャル照射
フォトフェイシャルとはIPLという光を照射することにより、アクネ菌の殺菌、炎症を起こしてしまったニキビの改善、炎症してしまったニキビの色素沈着改善の効果もあります。
ニキビ以外にも赤ら顔やくすみ、キメを整えるなどの効果もあります。
レーザーとは異なり、様々な波長を持ち合わせたものがフォトフェイシャル照射です。
ホルモン治療
ホルモン治療はストレスによって女性ホルモンの分泌が減り、皮脂腺を刺激する男性ホルモンの働きが強まったときに適した治療法です。
経口避妊薬として用いられるピルを使用することもあります。
そのほかにもトレチノインの塗り薬を用いた治療、イオン導入などが皮膚科でできる保険対象外のニキビ治療などがあります。
まとめ
ニキビは成長期を過ぎれば自然に治るものですが、炎症を起こしてしまった赤ニキビや黄ニキビなど、痕を残さずキレイに治療したいのであれば皮膚科に行くことをオススメします。
ニキビができると気になって触ってしまう人も多くいるため、肌荒れが気になったら早めに皮膚科に行き治療を始めることをオススメします。