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「化粧品」と「薬用化粧品」の違いとは?薬機法について詳しく解説

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前回、美容bizでは美容業界で働く広報やインフルエンサー、ブロガーなどの広告に関与する人に向けて、薬機法、特に『共通薬事法』について詳しく解説してきました。

薬機法は法律で定められていることであるため、知らなかったでは済まされず違反すると罰則も付くため、注意が必要です。

今回は、特に化粧品についての薬機法について詳しく解説していきます。

化粧品の薬機法について

薬機法において、化粧品は『一般化粧品』と『医薬部外品』の大きく分けて2つに分類されます。

実は、一般化粧品と医薬部外品では広告できる表記に違いがあるのです。

一般化粧品とは

まず、一般化粧品の定義とは

3 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。

引用:薬機法 第二条第三項・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

 

と記されています。

わかりやすく説明すると、美容を目的とした商品は化粧品であり、ドラッグストアで購入できるスキンケア商品やメイク商品は一般化粧品の分類になります。

「薬用」「医薬部外品」と表示のないものが化粧品となります。

化粧品は、効果の即効性が低く安全性の高いものであり、全成分の表示が義務付けられています。

そのため、化粧品は「有効成分」という表示をすることができません。

また、広告できる表現が56項目と定められているため、美容業の広告に関わる人は知っておく必要があります。

化粧品において使用できる表現

シャンプーや頭髪剤など髪の毛に関する表現
● 頭皮、毛髪を清浄にする。
● 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
●頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
● 毛髪にはり、こしを与える。
● 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
● 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
● 毛髪をしなやかにする。
● クシどおりをよくする。
● 毛髪のつやを保つ。
●毛髪につやを与える。
●フケ、カユミがとれる。
●フケ、カユミを抑える。
●毛髪の水分、油分を補い保つ。
●裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
●髪型を整え、保持する。
●毛髪の帯電を防止する。化粧品やスキンケア商品など
●皮膚を清浄にする。
●(洗顔料において)ニキビ、アセモを防ぐ。
●肌を整える。
●肌のキメを整える。
●皮膚をすこやかに保つ。
●肌荒れを防ぐ。
●肌をひきしめる。
●皮膚にうるおいを与える。
●皮膚の水分、油分を補い保つ。
●皮膚の柔軟性を保つ。
●皮膚を保護する。
●皮膚の乾燥を防ぐ。
●乾燥による小ジワを目立たなくする。
●肌を柔らげる。
●肌にはりを与える。
●肌にツヤを与える。
●肌を滑らかにする。
●ひげを剃りやすくする。
●ひげそり後の肌を整える。
●あせもを防ぐ。
●日やけを防ぐ。
●日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。

ネイルケアに関しては
●爪を保護する。
●爪をすこやかに保つ。
●爪にうるおいを与える。

リップケアに関して
●口唇の荒れを防ぐ。
●口唇のキメを整える。
●口唇にうるおいを与える。
●口唇をすこやかにする。
●口唇を保護する。 口唇の乾燥を防ぐ。
●口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
●口唇を滑らかにする。

歯みがきに関しては
●ムシ歯を防ぐ。
●歯を白くする。
●歯垢を除去する。
●口中を浄化する。
●口臭を防ぐ。
●歯のやにを取る。
●歯石の沈着を防ぐ。

香りに関しては
●芳香を与える。

「皮膚」と「肌」についての言い換えは可能です。

また、これらの表現を超えるものでなければ、自由に表現することができます。

しかし、注意しなければならないのが「小じわを目立たなくする」というのは「乾燥による」という表記を付け加えなければなりません。

また、「シミ・そばかすを防ぐ」という表現も、「日焼けによる」という言葉を付け加えることが必須です。

また、「化粧崩れを防ぐ」「小じわを目立たなくする」などのメイクアップ効果は、事実であれば表現可能です。

医薬部外品とは

一方、医薬部外品とは、美容効果にプラスして薬理効果のあるものをいいます。

薬機法二条に項目では、以下のように記されています。

2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。

一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの

イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止

ロ あせも、ただれ等の防止

ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛

二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの

三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

医薬部外品は薬機法で医薬品・化粧品に分類されないものであり、厚生労働大臣が承認した人の身体に対して緩和的な効果があり、機械的でないものについての分類です。

そのため、医薬部外品で使用する成分は申請をおこなう必要があり、製造者は厚生労働大臣が承認した『薬用』『医薬部外品』としての届け出を出す必要があります。

主に予防効果、衛生面を目的で作られ、薬用の歯磨き粉やコンタクトレンズの消毒液などに用いられます。

化粧品においては、「薬用」と記載がされているものに関しては、医薬部外品です。

薬用シャンプーや薬用化粧水などと表示のあるものは、医薬部外品に該当します。

医薬部外品には、「ふけ・かゆみを防ぐ」成分や、「肌荒れ、ニキビを防ぐ」などの効果を持つ有効成分が配合されています。

医薬部外品では、化粧品で表示が可能である56項目に付け加え、有効成分ごとに認められた効果・効能を表現することができます。

そのため、化粧品よりも医薬部外品の方が表現できる幅が広がります

例えば「ニキビを防ぐ」という表現は、化粧品であれば『洗顔料』のみに使用できる表現でしたが、医薬部外品であれば洗顔料以外にも、化粧水・クリーム・乳液・パックなどでも使用することができるようになります。

また香りに関して、化粧品では「香りを与える」という表現しかできなかったものが「体臭を防ぐ」という表現を使用できるようになります。

化粧品を広告する場合、対象となる商品が『化粧品』であるのか、『医薬部外品』であるのか、しっかりと表示を確認する必要があります。

まとめ

今回は、薬機法における『化粧品』『医薬部外品(薬用化粧品)』の表現の違いについて解説しました。

薬機法では、共通薬事法で定められている体験談の記載、効果を保証する誇大・誇張表現、特定業者や職業者からの推薦、最大級の表現や病気に関しての表記、二次表現や批判表現など、共通してできない表現もありますが、化粧品なのか医薬部外品なのかによって使用できる表現方法が異なります。

化粧品よりも医薬部外品の方が表現できる幅が広くがるため、取り扱いたい商品が『化粧品』であるのか『医薬部外品』であるのかによって異なるため、確認する必要があります。

次回は、医薬品についての薬機法について解説します。

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