美容クリニックには外科医、看護師、看護助手、カウンセリング、受付などさまざまな仕事があります。
近年、美容クリニックは若い女性のためだけのものではなくなりつつあります。外見を気にする男性や高齢者、さらに小さな子どもも美容クリニックに通うことも。
将来性が高いため、一般の病院より美容クリニックで働きたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
綺麗になりたい、コンプレックスを解消したいという患者様の悩みに寄り添う美容クリニックで働きたい方は、どんな仕事があるのか、どの職種に就くことができるのかを考えてみましょう。
美容クリニックの仕事①外科医
美容クリニックの仕事の中でも花形ともいえる職種が外科医です。
医師の中でもとくに年収が高いのが美容クリニックの外科医ですが、その分高度な技術が求められます。
どのような仕事内容があるのか、どんな資格が必要なのかチェックしてみましょう。
美容クリニックの外科医の仕事内容
美容クリニックの外科医の仕事は主にカウンセリングと整形手術です。
整形手術は日々新しい方法が生まれており、常に研究、勉強を続けなければなりません。
患者様の人生を左右する重要な手術を担うことも多いので、責任感がなければ美容クリニックの外科医として働くことはできません。
その主な仕事内容について見ていきましょう。
カウンセリング
患者様と直接カウンセリングをする外科医は多いです。
看護師やカウンセラーを介すると外科医の仕事は軽減しますが、その分情報を伝えてもらう際に齟齬が生じ、お客様の理想を叶えられない可能性があります。
お客様と直接会話をして信頼してもらうことも外科医の立派な仕事の一つです。
よりしっかり理想を聞き取り、ぴったりの手術を提案する、メリットだけでなくデメリットも伝える、術後のシミュレーションをするなどの仕事があります。
整形手術
美容クリニックの外科医の整形手術の内容は多岐に渡ります。
人気の二重埋没法からヒアルロン酸やボトックスなどの注射、鼻や輪郭などの大掛かりな手術、脂肪吸引などの痩身手術、豊胸、乳頭縮小などの体の一部の手術などなど。
どのジャンルにおいても失敗は許されません。より高度な技術を、より多くの技術を取得するために日々研究、勉強を続けなければなりません。
一つの手術に特化した外科医、口コミで人気になる外科医もいます。
新メニューやコースの提案
美容整形手術は常に進化しています。
より痛みが少ない、より簡単、より手ごろな価格で受けられるなど、人気の新しいメニュー、手術方法も取り入れていく必要があります。
これらに乗り遅れると同業他社に患者様が移ってしまい、美容クリニックとしての成功は掴めません。
新しいメニューやコースの提案をする、他の医師と情報や技術を共有することも外科医の仕事の一つです。
美容クリニックの外科医に必要な資格
美容クリニックの外科医になるには、医師の国家資格が必要です。
医学部のある大学に通い、国家試験に合格しなければなりません。
また、いきなり美容クリニックで働くのではなく一般の病院で経験を積んでから美容クリニックに転職する、独立するという外科医も多いです。
美容クリニックならではの資格というものはなく、医師の国家資格さえあれば誰でも美容クリニックで外科手術ができます。
しかしそれでは患者様に不安感を与えてしまうため、手術に関する高い技術を持っている方に与えられる整形外科専門医の資格などを取得する必要があります。
整形外科専門医は血管や神経をつなぐなど高度な技術が求められます。
そのような資格を持っていても、最初は注射、レーザー治療、ホクロ除去などの比較的簡単な手術から経験を積んでいくことが多いです。
美容クリニックの仕事②看護師
美容クリニックにも一般の病院と同じように看護師はいます。
医師をサポートする、患者様の不安に寄り添うといった仕事内容があります。
しかし一般の病院と違い美容クリニックには夜勤がないことが多いため、自分のライフワークバランスを整えたいという看護師に人気です。
美容クリニックならではの仕事内容もあり、一般の病院から転職すると驚くことが多いかもしれません。
美容クリニックの看護師の仕事内容
美容クリニックの看護師の仕事内容を紹介します。
看護師は実際の医療行為だけでなく、患者様のカウンセリングや美容クリニックの運営業務を任されることもあります。
一般の病院で当たり前のことが美容クリニックでは通用しない、よりハードな技術を求められるということも少なくありません。
美容クリニックへの転職をお考えの方は仕事内容も事前に確認しておきましょう。
医療行為
外科医のような本格的な整形手術は行いませんが、その手術のサポートは看護師の仕事です。
手術に使われる機器のメンテナンス、消毒、準備などの仕事があります。
また、術後の患者様のケアも看護師の仕事です。
美容クリニックにはメスを使わない施術もたくさんあります。
レーザーによる医療脱毛、美容点滴、美容レーザー治療などは看護師が対応することが多いです。
カウンセリング
患者様のカウンセリングを看護師が担当することもあります。
患者様が何に悩んでいるのか、どんな手術をしたいのか、予算はどれくらいなのか、ダウンタイムはどれくらい取れるのかなどを聞き取り、最適な手術やコースを提案します。
近年はインターネットでさまざまな美容治療に関する知識を得ることができます。
患者様も豊富な知識を持っているため、質問されて答えられないようでは美容クリニックの信頼にも関わります。
常に新しい情報を学び、治療やカウンセリングに活かせるようにしていかなければなりません。
運営業務
小規模な美容クリニックの場合、運営に関する業務も看護師が担当することがあります。
電話対応、来院対応、手術のスケジュール管理、カルテや資料の管理などです。
大手の美容クリニックの場合はこれらの運営業務を担当する受付やカウンセラーを配置していることが多いです。
看護師が運営業務を担当するかどうかは美容クリニックによって違いますので、事前に確認しておきましょう。
美容クリニックの看護師に必要な資格
美容クリニックの看護師になるには看護師の国家資格が必要です。
しかし美容クリニックならではの資格というものはありません。
注射や点滴、医師のサポートといった基本的な技術は必要になります。
いきなり美容クリニックで働く方もいますが、一般の病院で働いてから美容クリニックに転職する看護師も多いです。
一般の病院よりも丁寧な接客が求められるため、資格は必要なくてもマナーなどを一から身につけなければならない可能性もあります。
美容クリニックの仕事③看護助手
看護助手とは看護師の仕事をサポートする職種のことです。
医師や看護師のような本格的な手術、医療行為はできないものの、美容クリニックを運営する上で欠かせない大切な業務を担当します。
一般の病院でも美容クリニックでも看護助手を採用しているところは多く、少しでも医療に携わりたい、美容クリニックで働きたいという方に人気です。
美容クリニックの看護助手の仕事内容
美容クリニックの看護助手の仕事内容を紹介します。
美容クリニックでは主に看護師のサポートの他、院内の清掃や運営にまつわる業務を担当します。
看護師の助手
患者様の対応をする、診察室へ誘導する、問診票に記入してもらうなど、診察前の準備をおこないます。
書類を作成する、カルテを管理するなどの仕事も看護助手がおこないます。
手術、点滴、注射といった医療行為はできませんが、医師や看護師がこれらの仕事をスムーズにするために必要な仕事を担当します。
院内の清掃、整備
美容クリニック内の清掃も看護助手の仕事です。
診察室や待合室の清掃、医療器具の消毒、備品の管理などもおこないます。
入院が必要な患者様のための個室の清掃、また患者様の対応にあたることもあります。
運営業務
小さな美容クリニックでは看護助手と受付の仕事をまとめておこなう場合もあります。
その場合は受付、電話対応、予約の管理、スケジュール管理、レジ業務、取り扱っているドクターズコスメの在庫管理などが仕事に含まれます。
医療の知識だけでなく、会計や接客のスキルやマナーなども求められる仕事です。
美容クリニックの看護助手に必要な資格
美容クリニックの看護助手になるために必要な資格はありません。
誰でも看護助手として働くことができます。
しかし看護助手の仕事は普通の受付や事務のような仕事とは違い、非常に責任が重い仕事です。
間違えて情報を伝えることで患者様の人生が大きく左右される可能性もあります。
責任感があり、さまざまな仕事にも臨機応変に対応できる人、さらに細かい作業を正確にこなせる人が求められています。
美容クリニックの仕事④カウンセラー
大きな美容クリニックでは医師や看護師とは別にカウンセラーを採用しているところもあります。
カウンセラーは患者様の悩みを聞き、最適な治療方法やコースをアドバイスする、運営業務に携わるなどさまざまな仕事内容があります。
カウンセラーの仕事内容は美容クリニックによっても大きく違いますので、事前に仕事内容についてはきちんと確認しておきましょう。
美容クリニックのカウンセラーの仕事内容
美容クリニックのカウンセラーの仕事内容の一部を紹介します。
これらの仕事を任されることもあれば、患者様のカウンセリングだけが仕事の場合もあります。
求人に申し込む前に、各クリニックの業務内容を確認しましょう。
カウンセリング
患者様がどんなことに悩んでいるのか、どんな手術をしたいのかを詳しく聞いていきます。
その後看護師や医師にカウンセリング結果を提出しますが、このときにミスがあると適切な治療をおこなえません。そのため正確な聞き取りが必要です。
どんな治療をすればいいかわからない患者様のために適切な治療方法やコースを提案するのもカウンセラーの仕事です。
営業、見積もりの算出
美容クリニックはカウンセラーに営業をお願いすることもあります。
コースの提案、ドクターズコスメの購入促進などをおこないます。
カウンセリングで相手の悩みを聞き出す能力の他に、販売スキル、営業スキルが求められるかもしれません。
もちろんノルマがない美容クリニックも多いので、働く前にノルマについては確認しておきましょう。
運営業務
カウンセリングを医師や看護師が直接おこなう場合、事前カウンセリングと受付を兼任してもらうという美容クリニックもあります。
問診票に記入してもらった内容からだいたいの悩みを聞き出し、医師や看護師に提出します。
その後治療方法などを医師や看護師が患者様と直接相談します。
そのため、カウンセラーとは言え受付業務、電話対応、予約管理などの運営に関する業務がメインになることもあります。
美容クリニックのカウンセラーに必要な資格
美容クリニックのカウンセラーをするために必須の資格はありません。
誰でも希望し条件が合えば働けます。
心理カウンセラーの資格などがあれば、面接の際に有利になるかもしれません。
美容に関する知識が必要な仕事ですので、美容関連の民間資格がある方も有利になるでしょう。
募集要項によっては、高卒以上、短大卒以上の学歴が必要な可能性もあります。
美容クリニックと一般的な病院の違い
美容クリニックと一般的なクリニックではどのような部分が違うのでしょうか。
美容クリニックで働いてみたいと思っている方は、ぜひチェックしてみてください。
美容クリニックは綺麗になりたい人をサポートする
一般的な病院ではけがや病気を治したい患者様、健康になりたい患者様をサポートします。
一方で美容クリニックではより綺麗になりたい人をサポートします。体に不具合がなくても、コンプレックスを解消することでより自分に自信を持つことができ、精神的にもいい影響を与えられます。
誰かの健康をサポートするのではなく、誰かの人生をより幸せにするためのサポートをするのが美容クリニックの仕事です。
美容クリニックは丁寧な接客が求められる
美容クリニックに足を踏み入れたことがある方ならわかることですが、美容クリニックは一般的な病院とは違い一流のホテルのロビーのような内装になっているところも多いです。
悩みを抱えている患者様、手術への恐怖心を抱いている患者様がリラックスできるような、特別な空間を演出しています。
当然、空間だけでなく対応する人にもそれ相応のレベルが求められます。
一般的な病院よりも丁寧な言葉遣い、「このクリニックになら任せられる」と思っていただける説明、対応、さらに身だしなみも重要です。
受付にも専用の制服が用意されている美容クリニックもあり、とくにマナーには注意が必要です。
美容クリニックには夜勤や残業が少ない
美容クリニックは一般の病院の病院と違い夜勤がない場合がほとんどです。
美容クリニックが営業している時間内だけでの仕事となりますので残業もほとんどありません。
看護師の仕事をしているけど夜勤がキツくて転職を考えているという方には美容クリニックはおすすめの職場です。
一方で、夜勤や残業がない分それらへの手当は出ません。人によっては収入が減ってしまう可能性もあるので注意しましょう。
美容クリニックは給料が高いことが多い
美容クリニックでの治療は保険適応外で、自由診療です。
そのため美容クリニックによって自由に価格を設定でき、高額な施術もたくさんあります。
一般的な病院ではけがや病気に対してだけの治療しかできませんが、美容クリニックの場合は患者様が希望すればレーザー治療にくわえて美容点滴、パックなど、さまざまなメニューを追加していくことも可能です。
そのため一般的な病院より美容クリニックの方が利益が出やすく、医師、看護師、看護助手などの給料に反映されます。
同じ看護師でもよりいい条件で高収入が期待できます。
ドクターズコスメなどの販売ノルマがある場合はそのインセンティブが給料に反映されることもあります。
憧れの美容クリニックで働こう
美容クリニックではどんな職種の方が働いているのか、それぞれどんな仕事内容を抱えているのかについて解説しました。
美容クリニックでは、国家資格が必要な医師や看護師だけでなく、看護助手、カウンセラー、受付などの仕事もあります。
綺麗な美容クリニックで働きたい、今の病院よりも条件のいい場所で働きたい、美容に関する知識を身に着けたいという方は美容クリニックの求人を探してみましょう。
中には未経験でもチャレンジできる仕事もたくさんあります。
販売スキル、事務スキル、接客スキルなど、これまでの経験を美容クリニックで活かせるチャンスかもしれません。どんな仕事が自分に向いているか、今後美容クリニックでどんな仕事をしたいかを考えてみましょう。