2021年3月、少しずつ暖かくなり、春の訪れを感じる今日この頃。
新型コロナウイルの影響を大きく受けた2020年の美容業界。
2020年12月22日から『風の時代』になるといわれていますが、美容業界におけるトレンドはどのような流れになるのでしょうか?
今回は2021年、これから流行る美容業界のトレンドついて見ていきます。
2021年の春夏 トレンド ~ヘアスタイル編~
今年はヘアスタイルはウルフカットが流行りそうです。
特に今年はウルフカットの進化系、『ネオウルフ』がトレンドとなりそうです。
以前までのかっこいいボーイッシュなウルフカットから、女性らしいシルエットのふんわりウルフカットにトレンドが変わります。
ロングでもショートでも、挑戦しやすい髪形です。
2021年のトレンドカラー
ライラックベージュ
不動の人気を誇るベージュ系が2021年もトレンドです。
ベージュの中でも青みがかったグレーやライラックカラーが今年の流行となりそうです。
日本人の髪の毛は赤みが強い傾向があり、透明感や軽さを出したい人にオススメのカラーです。
暗めにしても重く見えないので暗髪派の人やロングの人にも取り入れやすいカラーです。
グレージュアッシュ
日本人に多いオレンジがかった色身をカバーしてくれるカラーです。
ツヤを出しながら少しくすんだ色身にでもあか抜けた雰囲気になります。
色の落ち方もキレイなので、髪の毛の色が落ちやすい人にもオススメです。
ナチュラルベージュ
赤みを消して寒色にみせつつ、ほんのりと温かみを残した色味がナチュラルベージュです。
アッシュ系の色よりも落ち着いているので、ツヤ感や柔らかさを出すことがで大人の女性にも合います。
色落ちもしにくいので、頻繁に美容室に行けない人にもオススメです。
2021年春夏 トレンド ~メイク編~
2021年の春夏のメイクのトレンドはどのような傾向にあるのでしょうか。
2020年は新型コロナウイルスの影響により不安定な時代となり、健康志向や他者との繋がりを求める傾向はさらに高まり、人々の美意識にも大きく関与しています。
メイクのトレンドとして、生命力・自然体を感じられるメイク、変化を楽しむというポジティブなムードがあります。
アイメイクは赤みがかったメイクが新色としてラインナップb
ここ数年黄色やオレンジといったポップなカラーのアイシャドウが人気でした。
2021年はこれらのビタミンカラーに加え、生命力を感じられるバイオレッドやレッド系など、コロナかでマスク着用が求められる中、目元をはっきりさせるメイクが主流となりそうです。
リップはマット系とツヤ感の2極化、落ちないにこだわる傾向が
マスク着用が求められるため、リップは落ちないものが求められると予想されます。
またリップに関しては数年ぶりにツヤ感や透け感のあるものが今年の新作に登場してきています。
あえて隠さない『スキニマリズム』が今後の素肌トレンド
ニキビやそばかすなど、今まではカバー力の高いファンデーションで隠していた時代から『スキニマリズム』というスキンポジティブの新しい時代の流れに変化してきています。
以前まですっぴんになるべく近い『すっぴん風メイク』『ナチュラルメイク』がトレンドでした。
スキニマリズムとは写真加工やメイクをできるだけおこなわず、自然な肌、シミや肌荒れなどを隠さず見せることをいいます。
新型コロナウイルスの影響により、医療現場で医療従事者の方々がマスクの跡がついたままだったり肌も身体おボロボロになりながら働いている姿が、生々しく報道されたり、SNSに上がっていました。
コロナ禍において、以前は完璧に着飾ったメイクしたパーフェクトな肌よりも現実的な素肌を求められるという時代に変わりました。
ここ数年セレブの間でも肌の悩みを隠すことなくファンと悩みを共有したり、ありのままの肌を受け入れ、不完全さを受け入れる傾向がみられています。
今まで「パーフェクトな肌」が求められていましたが、近年はより「素肌に近い」という現実味が求められています。
ファンデーションは薄めに、でもアイメイクはしっかりといった傾向も新型コロナウイルスにより自分自身と向き合う時間が増えたことによる影響といえます。
スキニマリズムは美容のミニマリズムといえます。
外出する時間が減り、どこに行ってもマスクを付けなければならない世の中になりました。
できるだけお金も時間もかけずにシンプルにスキンケアをおこない、肌の悩みすらも自分自身だとポジティブに受け入れるという風潮が広がっています。
環境にも優しい考え方であり、20・30代のいわゆるZ世代から支持を集めています。
スキンケア
スキンケアにおいて、今注目されている成分は『CBD』と『レチノール』です。
CBD
近年世界的に人気が高まっているのがCBDです。
CBDとは『カンナビジオール( Cannabidiol)』と呼ばれる大麻草などに含まれる天然成分のひとつで、自然療法として注目されている成分です。
CBDをココナッツオイルやオリーブオイルに混ぜたものをCBDオイルと呼ばれています。
大麻草由来の成分と聞くと依存性や毒性などを心配する人もいるかもしれません。
しかしCBDにはマリファナのようにハイになるような精神的活性成分はありません。
CBDは身体に様々な変化をもたらします。
痛みや炎症の抑制、不安の緩和、精神的・肉体的な緊張の緩和・睡眠の改善・食欲の改善、ニキビ等の肌荒れの改善などがあります。
これら効能はほんの一部です。CBDはまだまだ未知の作用も多く、研究も続けられています。
将来的に治療が難しい病気にも有効である可能性があり、とても期待されている成分です。
そのため美容や健康に改善したい点がある人にとってはCBDを取り入れることにより効果があるかもしれません。
CBDはマリファナと産業用ヘンプと両方に含まれる成分です。
産業用ヘンプとは麻のことであり、穀物の麻の実や油などの食用、麻織物などの繊維、住宅用資材や工業製品の原料などに使用されます。
マリファナを吸って気持ちがハイになるのはTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分のためです。
CBDはむしろ様々な脳内の神経伝達受容体に作用し、薬物やアルコール・ニコチンなどの依存性の高いモノの中毒症状を和らげる働きも確認されています。
大麻草はマリファナ、ポット、ウィード、ヘンプなどの麻の総称のことをいいます。
ヘンプとマリファナはDNAは同じですが、同一の植物ではありません。
アメリカの法律で定められた大麻草の区分けは以下の通りです。
●違法薬物のマリファナはCBD成分の含有率が10%以上でTHC成分が20%以上
違法大麻と厳密に区分けされています。
CBDには重篤な副作用はほとんどありません。
現段階で発見されている副作用は下痢やのどの渇き、食欲の変化や眠気などがありますが、用法を守っている限り、健康に害を与えるような深刻な重症例は発見されていません。
CBDは2017年、世界保健機構(WHO)により安全性について、依存性がなく、健康被害を与える副作用はないと公表しています。
マリファナとは異なるものとわかっていても、「CBDは合法なの?」という疑問を持つ人もいると思います。
日本では大麻に関する法律はこのようになっています。
日本では繊維利用や園芸目的で許可を受け栽培される場合を除いて、大麻を所持、栽培しているだけで違法です。
厚生労働省が定める大麻取締法第一条によると
「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
引用:大麻取締法(◆昭和23年07月10日法律第124号) (mhlw.go.jp)
と定められています。
したがって大麻草の花や葉から抽出された製品は違法ですが、熟成した茎や種子から摘出された製品は対象外となっています。
現在CBDの使用について、日本で取り締まる法律はありません。
CBDオイル等のCBD製品の使用に関して、大麻草などの茎や種子が抽出された製品は安心して使用できます。
一方でTHCの成分が含まれている場合は違法です。
THCは規制対象となる大麻草の花や葉から主に抽出されるため、信頼できるCBD商品であれば問題ありませんが、THCが含まれている可能性がある製品もあるということは覚えておく必要があります。
CBDの美肌効果
CBDには皮脂の分泌を軽減し、炎症を緩和する作用があります。
そのためニキビに効果があるといわれています。
ニキビには思春期にできるニキビと、大人になってからできるものと2種類あります。
思春期にできるニキビは皮脂が過剰に分泌されることにより毛穴が詰まることによっておこるのが主なニキビの原因です。
一方、大人になってからできる吹き出物と呼ばれるニキビは睡眠不足や過度のストレス、食生活の乱れなど、さまざまに要因によって引き起こされます。
CBDオイルを患部に塗ることにより皮脂が抑えられ、また経口摂取により身体の内側から炎症を抑えることも可能です。
このように身体の外側からと内側からの両方の摂取を組み合わせることにより、より美肌効果を発揮することが期待されています。
またニキビが気になるからと言って触ったりつぶしたりすると痕が残ってしまいます。
CBDはこのようなニキビ跡にも効果を発揮するといわれています。
2019年にイタリアで観戦やアトピーで傷跡に悩む被験者に対してCBDクリームを塗布したところ、皮膚の状態が大幅に改善されるという結果が報告されています。
この結果から、CBDはニキビをはじめとした多くの肌トラブルに対して効果を発揮するのではないかと期待されています。
CBD製品を使用するときの注意点
CBDを含む製品を使用する場合、製法・配合物・メーカー等に注意が必要です。
最も注意しなければならないのはCBD商品の製法です。
産業用ヘンプで生成されたCBDにはTHCはほとんど含まれていません。
しかしマリファナ由来で生成したCBDにはTHCが混同している可能性があります。
アメリカ国内の基準ではTHCレベルは0,3%以内と定められていますが、日本でCBD製品を使用する際はTHCが含まれていないものを使用するようにして下さい。
THCフリーと製品のラベルに書いてあっても実際にはTHCが含まれていた例が国内事例でありました。
またCBD配合率が極端に少なかったり、農薬などの汚染レベルの基準を満たしていない粗悪な商品も出回っているようです。
これらのトラブルを避けるため、信頼できるメーカーから購入することをオススメします。
信頼できるメーカーのCBD製品を購入するために、そのメーカーが第三者機関で成分分析をおこなっていること、口コミが良いところから購入するなどで選ぶ必要があります。
レチノール
美意識の高い大人女性の間でレチノール配合の化粧品が注目を集めています。
レチノールはアンチエイジングに効果があることで知られています。
レチノールはシワやほうれい線に効果があるといわれていますが、その一方で刺激性の問題も取り上げられています。
ここではレチノールの具体的な効能や商品選びのポイントについて述べていきます。
どうしてアンチエイジングに効果的なの?
レチノールとはヒトや動物の体内にあるビタミンA(レチノイド)の一種であり、ビタミンAは次のような効果があります。
●視覚など目の機能を改善する効果
●動脈硬化を予防する効果
一方でビタミンAを過剰に摂取すると油溶性なので撮りすぎると排出されずに体内に溜まってしまいます。
体内にあるレチノールは体内で皮膚の表皮の基底層に運ばれると酵素によってレチナールに変わり、最後にレチノイン酸に変化します。
このレチノイン酸が角質の代謝を促すことにより、ターンオーバーを活性化させ肌の老化を遅らせる働きがあります。
実はレチノールがそのままアンチエイジングに効果があるのではなく、『レチノイン酸』がお肌の老化予防に効果的なのです。
またレチノイン酸は線維芽細胞に作用し、コラーゲンやエラスチン線維の生成を促進させる効果や皮脂分泌抑制などの効果もあります。
そのためシワ・たるみの改善、シミ・ほうれい線・毛穴ケア、ニキビ跡や目の下のクマの解消などのアンチエイジング効果が期待されています。
レチノイン酸やレチナールの関連物質や含誘導体を含めてレチノイドと総称されています。
レチノイン酸は『トレチノイン』という名前の医薬品として、医師の処方のもとでしか扱えません。
トレチノインはターンオーバーを無理やり起こさせているので効果が高い反面、刺激も強いのが特徴です。
しかしレチノールにはその種類や配合濃度によって医薬品として扱われる場合から医薬部外品、エイジングケア化粧品成分として扱われる場合まであります。
医薬品の場合は高濃度で効果が高く副作用も出やすくなりますが、化粧品の場合は低濃度で効果も薄いが副作用も少なく扱いやすいということが言えます。
レチノールの効果
レチノールの効果は具体的に以下のような効果があります。
1,ターンオーバーの促進
ターンオーバーを促し、角質内の細胞を表皮へ押し上げます。
そのためメラニン色素などを含む細胞を排出してくすみやニキビ跡を目立たなくするサポートをしてくれます。
また肌の表皮が生まれ変わるのでピーリング効果も期待できます。
ターンオーバーが遅い人には効果的なのですが、乾燥肌の人やインナードライ肌の人はバリア機能の低下によりターンオーバーが早い可能性があるので注意が必要です。
2,コラーゲンの生成をサポート
線維芽細胞を活性化させることにより、コラーゲンやエラスチンの生成をサポートします。
これらは肌のハリやツヤを良くする効果が期待されています。
ただしレチノール配合の化粧品では医薬品に比べて効果が低いため、深く刻まれた真皮のシワ、ほうれい線、たるみなどの改善をすることはできません。
3,皮脂の抑制
レチノールには皮脂分泌を抑制することができ、ニキビを予防します。
また毛穴の詰まりや黒ずみを予防する効果も期待されています。
4,紫外線ダメージの軽減
紫外線を吸収することで光による老化の原因を軽減し、肌細胞のDNAを保護します。
そのため紫外線ダメージを軽減することができます。
レチノールの副作用
レチノールは敏感肌でない人にも以下のような副作用が出る場合があります。
●肌が乾燥したり、カサつく
●かゆみを感じる
●赤みや刺激を感じる
レチノールを使うことによって生じるこれらの副作用のことを『レチノイド反応』といいます。
肌の強い人なら使用料を減らし、使い続けることで1~2週間ほどで症状は治まってきますが、ひどい場合には使用を一旦ストップし、医師に相談することをオススメします。
またレチノールは紫外線に対して不安定なため、日焼け止めと併用して使う、夜だけ使うなど、使い方に関しても注意が必要です。
心配な場合はビューティーアドバイザーさんに相談してみましょう。
まとめ
2021年春夏の美容業界のトレンドは以下のような傾向がみられます。
●カラーはライラックアッシュ・グレージュアッシュ・ナチュラルベージュが流行る
●メイクは肌の粗をあえて隠さない『スキニマリズム』という考え方がZ世代に人気
●スキンケア商品は麻由来の天然成分『CBD』と、ビタミンA成分の『レチノール』に注目が集まる
まだまだ新型コロナウイルスの影響は続きそうですが、上手く美容業界のトレンドを取り入れて新しい気持ちで2021年の春をスタートさせましょう!