以前、美容bizでは「注目のオートミールとは?効果や種類、調理法を徹底解説! 」でオートミールについて解説しました。
しかし最近、栄養価が高く食物繊維が豊富で低GIであるオートミールを超える、スーパーフードが話題になっているのをご存じでしょうか。
それが『バーリーマックス』です。
「聞いたことない食品名だ」と思った人も少なくないと思いますが、栄養学の最先端であるオーストラリアが、健康改善目的に10年の歳月をかけて開発したスーパーフードです。
バーリーマックスは別名『スーパー大麦』といわれる、栄養価の高い新しい食品です。
今回は、スーパーフード『バーリーマックス』について解説していきます。
バーリーマックスとは?
バーリーマックスは、オーストラリア政府が国民の健康改善を目的に、10年の歳月をかけ開発したスーパーフードです。
非遺伝子組み換え食品であり、新種の機能性大麦のことをいいます。
スーパーフードとは、栄養バランスに優れており、一般的な食べ物よりも栄養価が高く、一部の栄養素や健康成分が突出して多く含まれる食品であり、料理の食材として健康効果が突出して含まれる食品です。
一般的な大麦に比べて2倍の食物繊維が含まれており、4倍のレジスタントスターチが含まれています。
見た目は大麦に似ていますが、触感がモチモチ・サクサク・プチプチといった食感であり、クセがなく食べやすいのが特徴です。
自然な甘みで身体に良くて美味しいと、注目を集めています。
ご飯に混ぜたり、サラダやヨーグルトのトッピング、リゾットやスープに入れて食べられることが多いですが、甘みとうまみがあるため、お肉の代わりにハンバーグや麻婆豆腐に入れたり、様々なおかずにも使用できます。
健康的な食事のレパートリーを増やすことができます。
バーリーマックスの100gあたりの栄養成分は、エネルギーが338㎉、タンパク質が14.1g、脂質が6.6g、炭水化物66.4g、糖質44.8g、食物繊維が21.6g、食塩相当量が0.03gとなっています。
バーリーマックス自体の1日の摂取量として推進されているのは1日12g以上ですが、多くても50gまでに抑えることがオススメです。
上記の成分表示からわかるように、米などの穀物に比べて少しカロリーが高めであるため、50g以上摂取してしまうとかえってカロリーオーバーになり、適切な量を摂取することを心がけることが大切です。
バーリーマックスは、低GI食品としても知られています。
GI値とは食後の血糖値の上昇を示す指標であり、この値が低いほど糖の吸収を穏やかにすることができ、55以下で『低GI食品』といわれます。
玄米のGI値は55で低GI食品として知られていますが、バーリーマックスはさらに低く24.3です。
バーリーマックスの栄養価
スーパーフードといわれるバーリーマックスの優れている栄養素には、どのようなものがあるのでしょうか。
食物繊維
バーリーマックスは食物繊維が豊富に含まれており、100gあたり21.1gもの食物繊維が含まれています。
これはごぼうの4倍の食物繊維であり、食物繊維が多い穀物と比較しても玄米の7倍、一般的な大麦の約2倍の食物繊維が含まれています。
まさにバーリーマックスは「食物繊維の王様」といえます。
さらにバーリーマックスに含まれる食物繊維には
●フルクタン
●β⁻グルカン
●レジスタントスターチ
の3つの食物戦が豊富であり、それぞれ分子量が違うため分解されるスピードが異なり、3段階で腸内環境をサポートするといわれています。
この3つの食物繊維の内、フルクタンの分子が一番小さく、腸の入り口付近で腸内細菌の餌となります。
フルクタンは玉ねぎ、にんにく、大麦、小麦などに含まれる糖の一種であり、オリゴ糖の仲間です。
これらの糖は消化されず、大腸で腸内細菌の餌となり発酵されます。
βグルガンは、キノコや野菜などに含まれる、水溶性食物繊維です。
大腸の中間地点で善玉菌のエサとなります。
ヒトの身体ではβグルガンを消化することができず、エネルギーに変化されず大腸に運ばれます。
この大腸に運ばれる過程で免疫作用や整腸作用、血糖値・コレステロール値のコントロール、暴走する食欲の抑制に役立っています。
さらに余分な脂肪を吸収し、肥満を防ぎ腸の老廃物を排出してくれるため、生活習慣病の予防にも効果的です。
レジスタントスターチは分子が大きく不溶性であるため、発酵分解されながら腸の奥まで届いてから善玉菌のエサとなります。
レジスタントスターチはバナナや穀物、イモ類に含まれるデンプンの一種です。
レジスタントスターチは加熱すると消化されやすく、冷めると再び消化されにくくなるという特性があります。
バーリーマックスは様々なアレンジのできるスーパーフードですが、レジスタントスターチの特性を生かした食べ方をしたいのであれば、ヨーグルト・サラダ・シリアルのトッピングなどで冷たいまま食べるのがオススメです。
ビタミン類
バーリーマックスには食物繊維以外にも、ビタミン類が豊富に含まれています。
ビタミンB2は大麦の約4倍、ビタミンB6は大麦の5.4倍も含まれています。
さらに葉酸は大麦の7.8倍、ナイアシンは約5倍もの量が含まれています。
これらのビタミン類は水溶性ビタミンであり、摂り溜めすることができません。
そのため、日々の食事からコンスタントに取り入れる必要があります。
ミネラル
ヒトの身体は体内でミネラルを構成することができず、体内に微量にしか存在しません。
そのため、ミネラル類は食事から摂取する必要があります。
ミネラルは野菜や穀物、魚介類などに多く含まれていますが、加工する際にミネラルが失われたり、食生活が偏っていると不足してしまいます。
特に日本人に不足しがちなミネラルは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄ですが、バーリーマックスにはこれらのミネラルがたっぷり含まれています。
大麦と比較すると、カルシウムは3.2倍、カリウムが2.5倍、鉄が5.3倍、亜鉛が2.5倍も含まれています。
特に鉄分は玄米の3倍もの量が含まれています。
GABA
GABAとは野菜やキムチ、玄米、漬物などの発酵食品に含まれる、アミノ酸のひとつです。
様々な植物や動物の体内に普段から存在しているアミノ酸の一種ですが、GABAにはストレスの緩和や睡眠の質の改善、興奮した気持ちを落ち着かせる効果があります。
GABAは脳の神経細胞の30%を占めており、脳内の血液の流れを活発にし、酸素供給量を増やし、脳細胞の代謝を高めます。
GABAはもともとヒトの体内で十分な量が作られていますが、疲労や強いストレスによって不足してしまいます。
GABAが不足すると興奮性神経伝達物質が過剰に分泌され、睡眠の質が低下したり緊張状態が続き自律神経のバランスが崩れてしまいます。
リラックス効果の高いGABAですが、バーリーマックスには玄米の約6倍の100gあたり33mg配合されています。
バーリーマックスのおいしい食べ方
多くの栄養素が含まれスーパーフードといわれるバーリーマックスですが、美味しく食べるにはどのような方法があるのでしょうか。
玄麦のままで食べるのであれば、お米と一緒に炊くのオススメです。
お米1合に対し、いつも通りの水を入れ、バーリーマックスを大匙1(12g)と水を20㏄加え、いつも通りに炊飯すると、美味しくバーリーマックスを摂取することができます。
米1合に対して、バーリーマックス12gと水20㏄の割合が目安です。
またひき肉の代わりに使用することもできるため、ハンバーグや麻婆豆腐に入れるのもオススメです。
茹でて冷蔵・冷凍しておけば、作り置きすることもできます。
玄麦以外にも、大麦粉にしているものであればパンやケーキなどの焼き菓子に小麦粉の代わりとして、フレークであればグラノーラにしてもおいしく頂けます。
まとめ
オーストラリア政府によって10年にも及ぶ開発によって作られた大麦『バーリーオーツ』は、日本人に不足しがちな食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています。
バーリーマックスに期待できる美容・健康効果は多岐に渡り、非遺伝子組み換え食品であるため、老若男女問わずオススメすることのできるスーパーフードです。
バーリーマックスの栄養素は単体で摂取するよりも他の食品と組み合わせて摂取すると効果的な場合があり、日々の献立に取り入れやすい穀物です。
通販サイトで手軽に手に入れることもできるので、興味のある人は試してみてください。