スポーツジムやフィットネススタジオではたらくインストラクター。その種類はたくさんあります。ヨガやピラティスなどの人気のインストラクターの種類についてチェックしてみましょう。
インストラクターの仕事内容、それぞれの分野の指導内容、将来性などについて紹介します。
インストラクターの仕事内容は?
インストラクターになりたい!と思ったら、まずは仕事内容を確認しましょう。
スポーツジムやフィットネススタジオでお客様の安全を守りながらより効果的な運動方法を指導するのがインストラクターのおもな仕事です。
健康を気にする方は多く、インストラクターは需要の高い職業です。今後長くインストラクターとして働き続けるためにも、一つひとつの仕事をきっちりこなしていけるようにしましょう。
スポーツの指導をおこなう
インストラクターの第一の仕事はスポーツの指導をおこなうことです。
ストレッチや筋力トレーニングといった基礎的なことから、部位別、悩み別に最適な運動方法を提案したり、プログラムの内容に沿った指導をおこなうのも仕事に含まれます。
運動は健康を維持するためには欠かせませんが、方法を間違うとけがや事故につながります。子どもや高齢者、スポーツ初心者の方が間違った方法を覚えてしまわないように適切な指導をおこないます。
また、プロのアスリート、スポーツ選手に対応することも多いです。よりスコアを伸ばすためにはどんな運動、トレーニング、練習が最適なのかを考え、指導していきます。
スポーツジム、フィットネススタジオだけでなく、専用のスタジオや高齢者施設、介護施設など、インストラクターが活躍する場所はたくさんあります。それぞれの場所で、最適な指導を臨機応変に考えていかなければなりません。
プログラムの内容を考える
指導をするのではなく、どんな内容を指導するのかを考えるのもインストラクターの仕事です。
若くて健康な人なら簡単にできる動きでも、高齢者や体が不自由な方、まだ十分に成長しきっていない子どもの体では難しい動きはたくさんあります。
複雑すぎる動きや、広い場所が必要な動きは場合によっては難しいこともあります。
さまざまな要素を加味して、年齢や体質、悩みに応じた動きを考えなければなりません。使う音楽や道具、スペース、時間配分などを決めるのもインストラクターの仕事です。
「この内容なら大丈夫」と思っていてもお客様から不満の声が上がることもあります。そんなときはもっとやさしい動きにしたり、もう少し運動の強度を上げてみたりと、臨機応変な対応も必要です。
プログラム中に体調を崩した、けがをしたお客様がいたらすぐに対応する、またそのようなことがないように常に注意を払う必要もあります。
お客様の安全面を考えた指導をする
お客様のコンディションはその日その日によって大きく変わります。同じプログラムの内容でも、少し体に不調があるだけで思うように動けない可能性も十分考えておかなければなりません。
無理に体を動かすことでけがをしたり、その日はなんともなくても翌日以降に体に不調があらわれるかもしれません。
少しでもおかしな点があればすぐに確認し、お客様が安全に運動を楽しめるように配慮をしましょう。
道具を使う際は使い方をきちんと説明し、けがにつながらないように注意します。
また、子どもを指導する際も安全面への考慮は大切です。とくに体操や水泳など、大きな事故につながる可能性が高い運動、スポーツを担当するインストラクターは気をつけなければなりません。
インストラクター同士の情報共有も大切です。
スタジオや機器の清掃・点検をする
スポーツジムやフィットネススタジオなど、プログラムをおこなう場所の清掃や点検もインストラクターの仕事に含まれることが多いです。
別に清掃業者がいるスタジオでも、自分で点検しておくことで事故やけがを未然に防ぐことができます。
床に汗が残っているとお客様が滑って転んでしまいますし、機器が壊れているときちんと使っていてもけがをしてしまうかもしれません。
複数のインストラクターがスタジオを使う場合は、清掃や点検のマニュアルを作成して全員が同じ項目をチェックできるようにしてお客様がより安全に体を動かせるようにするなどの工夫も必要です。
生活習慣などのアドバイスをおこなうことも
インストラクターの主な仕事は運動の指導をおこなうことですが、生活習慣や食事内容のアドバイスをおこなうこともあります。
体を動かすだけでなく、規則正しい生活や栄養バランスのとれた食事にも気をつけることでより健康な体を目指すことができます。運動の効果を高めるためにもこのようなアドバイスは大切です。
インストラクターの資格の中には、運動の方法や指導方法だけでなくこのような体の仕組みについて、食事が体に与える影響についてもしっかりと勉強しなければならないものも多いです。
今後よりインストラクターとして成果を上げるために、お客様から信頼してもらうために、このような知識も蓄えておく必要があります。
インストラクターになるためには?
インストラクターになるにはさまざまな方法があります。高校や専門学校、大学を出て就職する、またはアルバイトから始めるのが一般的です。
学校で特別にインストラクターになるための科目を勉強しておかなければならないということはなく、比較的誰でもチャレンジしやすいです。
しかし運動、スポーツについて学校で学んでいた、自身がスポーツをしていたなどの経験があればその経験を活かした指導ができるため、面接でも有利になる可能性が高いです。
インストラクターに資格は必要?
インストラクターになるための国家資格はありません。無資格でもインストラクターを名乗ることは可能です。
しかし運動は適切な指導のもとでおこなうのが一番安全です。スポーツジムやフィットネススタジオでけがや事故があった場合、責任を負うのはそのジムやスタジオです。ジムやスタジオにとっても、能力が高くきちんと指導をするインストラクターは重宝されます。
自身の能力を面接の段階でアピールするためには資格は大切です。どんな指導ができるのか、どんな知識があるのかを資格によって証明できます。
それだけではなく、資格取得に向けた勉強や実技の練習で確実に知識、経験を蓄えられます。
ジムやスタジオの面接には実技やオーディションがあることも多いです。いきなりだとなにをすればいいのかわからず戸惑ってしまいますが、実技のある資格の試験を受けていれば手順を理解して自分の能力をしっかりアピールすることができるでしょう。
人気のインストラクター7選
インストラクターと一口に言っても、指導内容によって得意なことは大きく違います。
自分がなにを教えたいのか、どんなことに興味があり、得意としているのかなども考えつつ、自分のなりたいインストラクターを見つけましょう。
ボディメイクインストラクター
筋肉を引き締める、体をほぐす、食事管理をするなど、お客様の悩みに合わせてプログラムを作成し、適切な指導をするのがボディメイクインストラクターの仕事です。
年齢や体質、引き締めたい部分、さらにいつまでに理想の体になりたいかは人によって大きく違います。無理のない、それでいて最短で効果を発揮できる方法をお客様と一緒に考えなければなりません。
ボディメイクインストラクターを目指すことで健康や美容についても学ぶことができます。指導方法だけでなく自分自身の美しい体や健康についても考えることができるでしょう。
エステサロン、痩身サロンでも活躍の機会があります。個人で相談を受け付けたりスタジオを開いてフリーランスとして活躍している方も多いです。
ダンスインストラクター
ヒップホップダンス、ジャズダンス、社交ダンス、タップダンスなど、ダンスにはさまざまな種類があります。
それぞれのダンスを基礎から教えるのがダンスインストラクターの仕事です。
一人のダンスインストラクターが多くのジャンルのダンスを指導することはあまりなく、一つの得意なジャンルについて指導することがほとんどです。昔からダンスを習っていた方がそのままそのダンスの講師になることも多いです。
指導内容はまったくの基礎からプロの指導まで幅広く、コンクールでいい成績を残したことあればより高度な指導の依頼を受けることもできます。
また、運動のためにダンスをしたいと考えている方に指導をすることもあります。健康や美容のためにダンスをしたい、昔から憧れていたダンスにチャレンジしてみたいという方へ指導をします。
初心者でも無理のない動きを考え、正しい体の使い方を教えるのもダンスインストラクターの仕事です。
エアロビクスインストラクター
運動にエアロビクスを取り入れたいという方は多く、スポーツジムでもエアロビクスのプログラムを用意しているところは多いです。
エアロビクスの世界大会も注目されており、エアロビクスのみを教えているスタジオや教室もあります。
エアロビクスとは音楽に合わせて体を動かすダンスのようなスポーツですが、健康や美容のためにいい動きもたくさんあり、さらに技術を磨くことで美しい動きができるようになります。
とりあえず体を動かしたい方、ダイエットに役立てたい方、高齢者、プロを目指す方など、誰に対して教えるのかによってレッスンも変えていく必要があります。
無資格や未経験でも指導はできますが、エアロビクスのコンクールでの受賞歴がある方や資格がある方がエアロビクスインストラクターになることが多いです。
ヨガインストラクター
ヨガは古来からインドに伝わる健康法です。体をゆったりと動かすことで心身ともにリラックスでき、デトックスやダイエット、体の引き締め、健康の維持などさまざまなメリットがあります。
激しい動きがないため高齢者の方や体を動かし慣れていない方でもチャレンジしやすく、専門のヨガ教室もたくさんあります。ジムにもヨガのプログラムを用意しているとこは多いです。
ヨガインストラクターはそんな場所でヨガを基礎から教えます。
ヨガは正しいポーズをすることだけが本来の目的ではありません。普通のスポーツやストレッチとは違い、精神的な部分も非常に大切にしています。ヨガをする上での心得や、そのポーズをすることによって得られる効果、よりリラックスできる呼吸法、瞑想方法など、ヨガについてのさまざまなことを実際にポーズを取りながら指導していきます。
ピラティスインストラクター
ピラティスは、体が不自由な方や運動に慣れていない方、高齢者でも筋力トレーニングができるエクササイズです。
ヨガにも似ていますが、ヨガは一つのポーズをじっくりとおこなうのに対してピラティスは常に体を動かし続けます。また、筋力トレーニングといっても普通のトレーニングでは鍛えにくいインナーマッスル、体幹を鍛えることができます。
ダイエットや美容のために取り入れる方やスポーツのパフォーマンス向上のために取り入れる方も多く、専門のスタジオもたくさんあります。スポーツスタジオにもピラティスのプログラムが用意されていることも。
ピラティスは人気があるもののピラティスインストラクターの数は少なく、資格を所有している方もまだまだ少ないのが現状です。
資格を取得すれば、さまざまな場所で活躍できるでしょう。
水泳インストラクター
プールで水泳の指導をおこなうのが水泳インストラクターです。
小さい子どもに水と触れ合うことの楽しさを理解してもらう、基本的な泳ぎ方を教えるというキッズスイミングのインストラクター、プールの中で水の抵抗を受けながら体を動かして美容や健康の効果を高めるエクササイズを指導する、高齢者のリハビリの一環として水中歩行を指導する、さらにプロの水泳選手の指導をするなど、水泳インストラクターの仕事内容も相手の依頼に応じてさまざまです。
スポーツのインストラクターはどんな内容の指導であっても細心の注意を払う必要がありますが、プールはとくに事故が起こりやすく慎重になる必要があります。
その分資格を持っている人、指導実績がある人に教えてもらいたいと考えているジムやお客様も多いです。
水泳の経験があるだけでは採用されないこともありますので、余裕があれば資格を取得してから求人に応募する方がいいでしょう。
テニスインストラクター
テニスの技術を指導するのがテニスインストラクターです。
テニスクラブやテニススクールで指導する他、リゾート施設での需要もあります。
テニスの基本的な技術を指導するのはもちろん、個人の悩みや伸ばしたい技術に合わせた指導、メニューの作成などもおこないます。
テニスインストラクターになるために必須の資格はありませんが、豊富な経験と高い技術が必要です。テニスインストラクターとして活動している方の中には現役のアマチュア選手も多く、試合でいい結果を残せば次の仕事につながる可能性も高くなります。
より専門的なインストラクターもある
インストラクターはおもに街中のスポーツジムやフィットネススタジオで指導しますが、中にはより専門的な場所で指導するインストラクターもいます。
ゴルフ場で正しいフォームを指導する、よりスコアを伸ばすフォームを指導するなどのゴルフインストラクター。
スキー場でお客様が安全にスキーを楽しめるようにスキー場の監視をおこなう、子どもや初心者にわかりやすくスキーの指導をするスキーインストラクター。
プールや海でダイビングが安全に楽しめるように指導するダイビングインストラクター。
これらは専門的な知識が必要であり、自身も経験が豊富であったり資格を所有している方が有利です。
また、スキーやダイビングなどは指導できる季節が限られているため、他の時期は別の仕事をしなければなりません。自身に向いている働き方を探すようにしましょう。
インストラクターとして得意を仕事に!
ヨガやピラティス、ダンスなどは習い事として、また健康法や美容法として人気が高く、それらを教える人を募集する求人はたくさんあります。
スポーツにたずさわる仕事がしたい、長く続けてきた得意なスポーツや運動を仕事にしたいという方はぜひインストラクターという仕事にも注目してみてください。
安心、安全にスポーツができるよう指導する、プログラムを考えるなど仕事はたくさんありますが、お客様に楽しんでもらうこと、自分自身も楽しみながら指導する必要があります。得意なことを活かして、インストラクターの仕事にチャレンジしてみましょう。