今ではお手軽な値段で受けれる整体やマッサージ店がここ近年で急激に増えてきました。
いたる所にあふれている整体・マッサージですが、様々な国の名前がついており『○○式マッサージ』などたくさんの種類がありますが、どのように違うのでしょうか。
今回はタイ古式マッサージ・モンゴル式整体・バリ式マッサージについて検証していきます。
タイ古式マッサージ
タイ古式マッサージは「二人で行うヨガ」や「世界一気持ちのいいマッサージ」といわれています。
タイ古式マッサージの一番の特徴は『セン』と呼ばれるエネルギーラインを刺激することにより、リンパや血液の循環を活発にし、内臓や呼吸器器官の正常化、痛みの緩和や自然治癒力・免疫力の向上といった効果を発揮します。
アクロバティックなストレッチや指圧、整体、矯正などをメインに行われ、ゆったりとした呼吸とソフトな刺激によりリラクセーション効果をもたらします。
全身に施術をしていくタイ古式マッサージですが、特に足への施術に重点を置いており、足裏、足指、足の付け根を一定のリズムでもみほぐすことにより、自律神経を整え、代謝の促進をします。
タイ古式マッサージはリンパの流れを促進し老廃物の排出を促すため、むくみや便秘解消、疲労回復や眼精疲労、生理痛の解消にも効果があるということが科学的に証明されており、予防医学として注目されています。
起源は2500年も前にさかのぼり、インドのヨガや中国の東洋医学の影響を大きく受けています。人に流れるエネルギーラインを正常化させることで根本から体質を改善するという理念のもと生まれたマッサージです。
足の先から頭のてっぺんまで伸ばし、ほぐし、整えるという施術はリラックス効果だけでなく、予防医療としての効果もあります。
タイ古式マッサージの創始者はシヴァカ・コマラパというインドの医師と、ブッタの主治医といわれています。
当時は仏教医学により多くの仏教徒を救ったとされており、シヴァカ医師は仏教僧の筆頭医師として活躍していました。
国民の95%が仏教徒であるタイは仏教と切っても切れない関係にあり、タイ古式マッサージも同様です。
仏教医学がタイに伝来し、インドのアーユルヴェーダの指圧や中国医学を取り入れたものがタイの伝統医学となりました。
このタイの伝統医学はタイの寺院で体調の悪い人に無償で提供されました。
タイ古式マッサージは施術をする側も、受ける側も仏教における自我の悩みから解放され、悟りを開いた『無我の境地』に近づくことができるとされています。
本来のタイ古式マッサージは施術する側もされる側も相手の呼吸に注意を払い、身体を指圧するときやストレッチの際、ゆっくりと大きな呼吸を合わせます。
特に吐く息が重要で深く長く息を吐くことにより副交感神経が優位になり、仏教の影響を大きく受けている『深い静寂の状態』に近づきます。
タイ古式マッサージには自然治癒力を高める効果もあり、薬に頼らず日々の不摂生による体調不良を自分自身の力で整えることができる身体づくりを目指します。
モンゴル式整体
モンゴル式整体とはモンゴルの伝統的な整体技術であり、東洋医学の一種です。
モンゴル整体は別名『モンゴルバリヤザサラ』といわれています。
バリヤザサラとは整体という意味です。
モンゴルでは医療施設が少なく、薬草の入手が困難であることが多く、家庭内で整体の施術をし合う習慣がありました。
モンゴルの遊牧民族にとって大自然や動物を日々相手に生活しており、日ごろから身体のケアは重要なものとされてきました。
モンゴルでは整体は身近な存在であり、身体のコリをほぐし疲れを解消するだけではなく、リンパの流れや血液の流れを整え、整体によって身体のバランスを整えることによりヒト本来の健康な状態へ導きます。
現在モンゴルバリヤザサラは日本をはじめ、欧米などの様々な国で支持を受けており、実際に寝違えやどこに行ってもなかなか治らなかった腰痛に一発で効果があったという人も少なくありません。
バリ式マッサージ
別名『バリニーズエステ』とも呼ばれており、インドネシア・バリ島で古くから伝わる伝統的なトリートメントです。
リラクゼーション、自律神経の調整、痩身効果などが期待されています。
バリ式マッサージといえばオールハンドで行われるオイルマッサージであり、特にハーブやターメリックを用いたボディスクラブ『ルルール』・頭皮、髪、首のトータルトリートメント『クリームバス』が代表的なメニューです。
バリ式マッサージは17世紀の王族の女性の美しさと健康を保つために行われていたものであり、ジャワ王宮が発祥です。
『ルルール』とはジャワ王室で結婚式前に女性が行ったといわれている美容トリートメントです。
ウコンや米粉を用いたスクラブであり、古い角質を取り除き滑らかな肌を作るほか、筋肉痛や関節痛にも効果があります。
オオバンガジュの根を使うこともあり、こちらはインドネシアから中国にある生姜の一種であり、スパイスとして料理に使われたり、傷の炎症を抑える効果があります。
『クリームバス』ハーブやフルーツなどの天然成分で作られたクリームを塗り、頭皮のコリやツボを刺激するヘッドスパのことをいいます。
黒く豊かで長い髪の毛が美しい女性のシンボルといわれるインドネシアで美しく髪の毛を保つ身近な美容方法として知られています。
頭皮の毛穴の汚れを除去するとともに、血流を良くし、抜け毛の予防や健康な頭皮や髪の毛の育成が期待されます。
バリ式マッサージは王室から庶民へ、島から島へと受け継がれ、バリでは最も代表的な民間療法の一つとなっています。
日本ではバリ式マッサージはリラクゼーションとしての効果が高いイメージがありますが、本来は王族の健康のために数千年かけて発達してきた民間療法です。
手のひらや指によって強めに圧をかけていき、ツボや疲れ、コリをケアし、リンパや血液を流し、身体を本来の健康な状態に戻していきます。
バリ式マッサージで使用されるアロマオイルはインドネシア産の植物をブレンドしたオイルを使用しており、サンダルウッド、ココナッツ、ジャスミン、ブラックペッパーなどが代表的です。
ほのかに香るオイルの匂いもリラックス効果を高めます。
バリでは「人間の身体には神の魂が宿っている」と考えらえており、マッサージによって身体に宿る神を喜ばせ、呼吸によって魂を浄化させるといわれています。
そのため本場バリでは神聖な気を持った『ヒーラー』と呼ばれる人が施術を行うこともあります。
まとめ
今回はタイ古式マッサージ、モンゴル式整体、バリ式マッサージについてまとめてみました。
どれも歴史があり、古きよきものを残しながら現代まで受け継がれてきました。
今回紹介した整体やマッサージ以外にも韓国式エステや英国式リフレクソロジーなど、さまざまな国の名前や文化を取り入れたマッサージやリラクゼーションサロンがあります。
気になった方はいろいろと調べてみてください。