脱毛は近年身近なものになりつつあり、かつての「高額なもの」「芸能人だけがしているもの」というイメージも廃れつつあります。
気軽に脱毛サロンに通えるようになった昨今、需要はさらに伸びていくことが考えられます。
脱毛を専門とするサロンも多く、実際に脱毛サロンで働きたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
今回は、脱毛サロンで働くためにはどんな資格が必要なのか、どんな取得方法があるのかについて解説します。
エステティシャンとしてキャリアアップしたい、脱毛サロンで働くために知識を身に着けたいという方はぜひチェックしてみてください。
脱毛サロンに就職するための国家資格はない
結論から言うと、脱毛サロンで働くために必須の資格というものはありません。
雇用される場合も開業する場合も資格、免許、機関への登録なども不要です。
エステサロンでの就業経験がなくても脱毛サロンで働くことは可能です。
そのため、脱毛サロンで働きたいからと無理に資格を取得する必要はありません。
ですが脱毛に関する民間資格はたくさんあります。
就職や転職の際に脱毛に関する資格、エステや美容に関する資格を持っていれば有利です。経験や知識があることをアピールできれば、人気店への就職もしやすくなります。
また、今後独立開業を考えている場合にも資格を持っておくことをおすすめします。
開業をする際にも資格は不要ですが、資格を所有している人に施術してもらえるという安心感をお客様にアピールできます。
医療脱毛・ニードル脱毛には国家資格が必要!
エステサロンでおこなわれる脱毛には資格は不要ですが、美容クリニック、美容皮膚科などでおこなわれる医療脱毛をおこなうには国家資格である医師免許が必要です。
そもそも医師免許がなければ医療脱毛をおこなう機器を購入することはできません。
エステサロンでおこなわれる脱毛は光を当てて毛が生えるサイクルを遅くするものですが、医療機関でおこなわれる脱毛はそれよりももっと強力なレーザーで毛を完全に生えなくしてしまいます。
脱毛について学べばエステの脱毛と医療の脱毛の違いもはっきり分かりますが、医師免許を持たない人が医療脱毛をおこなって逮捕された事例もありますので十分な注意が必要です。
医療脱毛とは?
施術をおこなうのに国家資格が必要な医療脱毛は、毛根やその周辺の皮膚に強力なダメージを与えるレーザーを打ちます。
そのため皮膚へのダメージも大きく、施術中に痛みを感じる方も多いです。
医療機関では肌トラブルにも対応できるため安心感があります。また、出力自体が強いので一度コースを完了すればもう毛が生えてくることもありません。
費用は高額になりますが、手間が省ける、安心感があるなどの理由で医療脱毛を選択する方も増えています。
このような医療脱毛をおこないたい、美容クリニックで働きたい場合は医学部に通い国家試験を受け、高度な技術と知識を会得しなければなりません。
ニードル脱毛とは?
美容クリニックでおこなわれる脱毛にはニードル脱毛という脱毛方法もあります。
ニードルという細い針を毛穴に刺して毛根にダメージを与えるというもので、非常に精密な作業となります。
美容クリニックでの脱毛方法は近年はレーザー脱毛が主流ですが、ニードル脱毛を選択する方もいます。
また、ニードル脱毛は一部のエステサロンでもおこなわれています。しかし上記で説明した通り正確な動きが求められ、失敗すれば一生跡が残ってしまう可能性もあります。
万が一の場合もすぐに対応してくれる美容クリニックの方が人気のあるメニューなので、エステサロンでの脱毛について勉強したい方はニードル脱毛については考えなくてもいいでしょう。
脱毛サロンに就職する際にあると便利な資格
脱毛サロンに就職、転職する際に役立つ民間資格はさまざまあります。例えば
- 認定脱毛技術者
- 認定電気脱毛士
- 認定登録脱毛師
- 認定脱毛士
- 管理美容脱毛士
などがそうです。さらにエステティシャンとしての知識もあるとお客様の肌に合わせた適切なアドバイスができるので、
- トータルエステティックアドバイザー
- 認定上級エステティシャン
などのエステサロン全般で通用する資格もあるといいでしょう。
それぞれの資格について詳しく解説いたします。
認定脱毛技術者
一般社団法人日本エステティック業協会が指定する認定校で資格取得に向けたカリキュラムを履修する、またはエステサロンで実務経験がある方が受験できる資格です。
認定元が大手であること、受験のための条件が厳しいことから、信頼度の高い資格です。
認定校でのカリキュラム履修が必要ですが通学だけでなく通信講座でも受講が可能です。
- 認定元:一般社団法人日本エステティック業協会
- 受験条件:AEA認定校のカリキュラムの受講、または実務経験がある
- 試験内容:筆記・実技
認定電気脱毛士
認定電気脱毛士はCPEとも呼ばれている、日本だけではなくアメリカでも認められた資格です。
電気脱毛士の高い技術を管理する米国電気脱毛協会(AEA)が推奨しており、信頼性が非常に高いです。
CPEの資格を持っているエステティシャンのみを採用している脱毛サロンなどもあります。
5年間資格を所有できますが、更新の際には75時間以上のセミナーや通信講座の受講が必要です。そのため常に最新の脱毛知識を身に着けられるというメリットもあります。
- 認定元:米国電気脱毛協会(AEA)
- 受験条件:CPE予備試験合格者、アメリカの電気脱毛ライセンスの所持者など
- 試験内容:筆記・実技
一般社団法人日本スキン・エステティック協会(AEA提携)
認定登録脱毛師
認定登録脱毛師はCREとも呼ばれる資格です。
日本脱毛技術研究学会が実施しており、脱毛の高い技術と最新の知識を学びながら資格を取得できます。
実技試験を受けるには1年以上の実務経験が必要なため、現在脱毛サロンで働いている方でなければすぐに取得はできません。
こちらも信頼度が高い資格です。
- 認定元:一般社団法人日本脱毛技術研究学会
- 受験条件:実技試験は実務経験1年以上が必要
- 試験内容:筆記・実技
認定脱毛士
認定脱毛士は一般社団法人日本脱毛安全普及協会が認定している資格です。
エステティシャンの技術向上、エステサロンのレベル向上などを目指すことができます。
筆記テストのみの認定脱毛士、協会認定師の講習を受けた方のみが取得できる3級脱毛士、さらに筆記テストと実技テストに合格した方が取得できる上級脱毛士の3種類があります。
- 認定元:一般社団法人日本脱毛安全普及協会
- 受験条件:エステティシャンとしてキャリアアップしたい方
- 試験内容:筆記・実技
管理美容脱毛士
管理美容脱毛士は特定非営利活動法人日本スパ・ウエルネス協会が認定している資格です。
豊富な経験と知識を持つエステティシャンにのみ与えられる資格で、同じく特定非営利活動法人日本スパ・ウエルネス協会が認定している美容脱毛士の資格を所持しれいなければなりません。
高度な知識が求められるため、この資格を所持していれば就職や転職、独立開業の際にも役立つでしょう。
- 認定元:特定非営利活動法人日本スパ・ウエルネス協会
- 受験条件:美容脱毛士資格を所持している方
- 試験内容:筆記・実技
トータルエステティックアドバイザー
トータルエステティックアドバイザーは一般社団法人日本エステティック協会が認定する資格です。
エステティックに関連する知識をまんべんなくカバーでき、脱毛サロン以外でも役立つ技術を身に着けられます。
お客様への施術だけでなく、エステティシャンへの指導力も求められます。
独立や開業、キャリアアップを目指す方におすすめの資格です。
- 認定元:一般社団法人日本エステティック協会
- 受験条件:上級エステティシャン資格所持者など
- 試験内容:筆記・実技
認定上級エステティシャン
認定上級エステティシャンは一般社団法人日本エステティック協会が認定する資格です。
エステティックに関する知識、技術を学び、お客様に的確なサービスを提供するエステティシャンに与えられます。
指定校でのカリキュラムを履修していることが受験の条件で、簡単には取得できないことからも信頼度が高いです。
この資格を所持した上でさらにランクの高いトータルエステティックアドバイザーの資格取得を目指すこともできます。
- 認定元:一般社団法人日本エステティック協会
- 受験条件:指定校で1000時間以上コースを受講している方など
- 試験内容:筆記・実技
脱毛サロンの就職に有利な資格の3つの選び方
脱毛サロンへの就職、転職の際には資格は強い味方になってくれますが、すべて民間資格のためどれを持っておかなければならない、という決まりはありません。
どの資格を選べばいいかわからないというときは、下記のようなポイントをチェックしてみましょう。
信頼できる認定元か
その民間資格を認定している機関をチェックしてみてください。
他にもさまざまな資格を認定している、エステ関連の資格が充実している、エステサロンを運営する企業が認定しているなどであれば信頼度も高く、正しい情報を得られるとともに採用担当にも注目してもらえます。
反対にメジャーではない認定元、高額なセミナー費用や受験料だけを要求してくる認定元には気をつけましょう。
脱毛の最新知識をきちんと学べるか
脱毛についての知識をつけたいのであれば、脱毛について正しい知識、最新の知識をきちんと学ぶことができる資格かどうかも確認してください。
資格は履歴書に書く飾りではありません。その知識をきちんと学んだことの証明です。
テキストが何年も更新されていない、ネットで調べればわかるようなことしか学べないというようでは資格を所持していても意味がありません。
過去の問題などから、脱毛についてしっかり学べる資格なのかを確認しましょう。
セミナーなどで実技を教えてもらえるか
脱毛などのエステティシャン向けの資格は、エステサロンや資格の認定元が資格取得のための実技練習を実施してくれるものもあります。
脱毛は知識だけ持っていても意味がなく、お客様の肌を傷つけないきちんとした技術も必要です。
その資格に合格するためのセミナーはあるのか、セミナーでは実技を教えてくれるのかも確認しておくといいでしょう。
脱毛サロンで役立つ資格の5つの取得方法
脱毛サロンへの就職、転職に役立つ資格の取得方法を紹介します。
セミナーやカリキュラムに参加しなければならないもの、通信講座の受講で受験できるもの、実務経験が必要なものなど、資格によって受験条件は違います。
それぞれの条件を確認した上で試験日に合わせた勉強スケジュールを立てていきましょう。
セミナー・カリキュラムに参加する
資格を認定している機関が開催しているセミナーやカリキュラムに参加するという方法です。
取得が簡単な資格であれば、参加して最後にテストを受けるだけで証明書を受け取れます。
セミナーやカリキュラムへの参加が必須の資格もありますので、とくに地方にお住まいの方は参加が可能か開催地をチェックしておいてください。
セミナーやカリキュラムに一定時間以上参加した上で筆記テストや実技テストの受験が必要な資格もあります。
セミナーやカリキュラムの講師は現役のエステティシャンやエステサロンの経営者であることが多く、プロの技術を間近で学ぶことができるというメリットがあります。
信頼できる開催元かどうかをよく確認してから参加しましょう。
通信講座で学ぶ
他の仕事をしている、エステサロンでの仕事が忙しいという方は通信講座で学ぶのがおすすめです。
通信講座なら好きな場所、時間に勉強ができるので、働きながらでもスムーズに資格取得に向けた準備ができます。
有名な資格であれば教材も豊富にあり、さまざまな種類の中から最適なものを選べます。
資格によっては指定された通信講座を受けるだけで資格を取得できるもの、通信講座を受けた上で試験を受けなければならないものがあります。
通信講座での勉強はモチベーションの維持が難しいので、資格を取得してどんなエステティシャンになりたいのかを明確にした上で勉強に励むようにしましょう。
専門学校で学ぶ
美容系の専門学校に通いながら資格を取得する方法もあります。
美容系の専門学校では、脱毛以外の勉強もでき、常に最新の情報をゲットすることもできます。
独学でも脱毛やエステの勉強はできますが、古い情報や間違った情報を覚えてしまう可能性もあります。一方で専門学校なら信頼できる情報をスピーディーに得られるというメリットがあります。
資格取得に向けたカリキュラムもあるため、個別に勉強する必要もありません。
一緒に勉強や実習をがんばる仲間ができたり、卒業後の就職のための人脈ができたり、就職先をあっ旋してくれるなどメリットが多いです。
しかし専門学校へ通うには時間もお金も必要ですで、現在働いている方にとっては現実的な方法ではありません。
中には通信講座や夜間クラスを用意している専門学校もありますので、そちらもチェックしてみましょう。
脱毛サロンで働く
実際に脱毛サロンで働いて技術を身に着けながら資格取得を目指す方法です。
脱毛サロンで働くために必須の資格はなく、まったくの未経験でも脱毛の施術をおこなうことは可能です。
未経験可の求人に応募し、脱毛の知識を身に着けていきましょう。
脱毛やエステティシャンの資格取得には実務経験が必須条件のものもあります。
最初からエステサロンで働いていれば立派な実務経験としてアピールできるため、すぐに資格を取得したいという方にもおすすめです。
しかしエステサロンでの仕事内容はハードで、脱毛に関する知識を身に着けることはできてもなかなか資格取得に向けた勉強ができないという可能性もあります。
エステサロンでの仕事自体が自分に合わない可能性もありますので、とくに美容業界の経験がない方は慎重に求人応募先を考えましょう。
脱毛サロンで働くための資格を取ろう!
女性のあいだだけでなく子どもや男性にも脱毛の需要が高まっていることから、エステサロンの中でもとくに注目を集めているのが脱毛サロンです。
今後ますます脱毛の知識が豊富なエステティシャンは必要とされてくるでしょう。
脱毛についての資格やエステティシャンに関連する資格を持っていれば、就職や転職、独立開業にも有利です。
脱毛サロンで働きたい、もっと専門的な知識を身に着けてキャリアアップしたいという方には資格の取得がおすすめです。
脱毛サロンで働くために必須の資格はありませんが、脱毛についての知識を身に着けられる、お客様に信頼してもらえる資格はたくさんあります。
認定元や条件、試験内容を確認して、自分にぴったりの資格の取得を目指しましょう!