2020年の2月頃から影響が出始めた新型コロナウイルスによる影響ですが、1年半たった今でも落ち着く気配がなく、美容業界にも大きなダメージを受けています。
一方で新型コロナウイルスの影響による休業要請から、美容室・理容室は除外されたことは話題となりました。
先の見えないコロナ禍ですが、美容業界、特に美容室ではこの1年でどのように変わってきたのでしょうか。
今回はコロナ禍における美容室の現状と、安心してお客様に利用してもらえる感染症対策について解説していきます。
美容業界で現在働いている方、これから美容業界で働きたいと思っている方は参考にしてみてください。
またお客として美容室に行く際、どのような対策ができるのかも解説しているので参考にしてみてください。
新型コロナウイルスによる影響
売り上げ
新型コロナウイルス感染拡大により、美容業界の90%以上の美容業を営む企業が売り上げや来客数の減少を感じているというのが現状です。
実際に2カ月に1度美容室に行っていた人が、3か月に1度のペースに減っているというデータもあります。
一方で売り上げを伸ばしている美容室があるのも事実です。
これらの美容室はどのように違いがあるのでしょうか。
ひとつは、新規顧客をターゲットとした美容室は売り上げの少減傾向が多くみられるということです。
そのためリピーターの多い美容室はコロナ禍においてもコロナ前より売り上げを上げている美容室もあります。
もう一つは感染症対策の有無です。
美容室によってはスタッフがマスクを付けずに施術する店舗もあり、衛生管理についてはサロンによって違いがあります。
新型コロナウイルスの影響により、感染症対策についてのメールやSNSでの問い合わせが増えたといいます。
「感染症対策はどのくらいされているのか」「体調不良によるキャンセルは可能か」などの問い合わせが多く、お客様の90%近くの人が感染症対策について気にしているといわれています。
一方でコロナ禍において普段から利用している美容室に行きたいと思っている人は約80%であり、新しいサロンに行くことに抵抗がある人が多いのが現状です。
また普段通っている美容室でも感染症対策の有無によって、来店の意志が変わると思っている人は70%を超えています。
このことからリピーターの多い美容室は都会・地方に関わらず売り上げを伸ばしており、感染症対策をしっかりとしているサロンは影響の少ない傾向があります。
求人状況
コロナ禍における美容室の求人状況で、関西と関東にも違いがでてきているようです。
関西では美容室の求人が多く出ていますが、関東では美容室の求人数が減少傾向にあるようです。
これは国民性に少し関係があるかもしれませんが、関西では人と信頼関係を築くまでが時間がかかり一度関係性ができてしまうと長く仲間意識が続く傾向があります。
一方関東は第一印象の人当たりがいいのですが、できないことを無理に頼まなくてもできる人にやってもらうので、美容室ジプシーになる人がコロナ前まで多かったように思います。
前述のように、コロナ禍だからこそ「いつもと同じ美容室に行きたい」と思っている人も多く、信頼関係が強く影響する関西では求人状況が反映されているのかもしれません。
コロナ禍における気を付けたい美容室の感染症対策
コロナ禍でも安心してお客様にご来店いただくために、どのような点に気を付けて感染症対策をすればよいのでしょうか。
椅子、シャンプー台、クロス、タブレットなどのお客様・スタッフの手指に触れるものの消毒や消毒用アルコールの設置、ご来店時の体温測定、スタッフの健康チェックとマスクの着用、店内の十分な換気などは基本的な感染症対策です。
またタオルは50度以上の煮沸消毒、剃刀の消毒の徹底、ドリンク提供の一時的な中止、お客様の施術中のマスク着用の徹底など、細かい所にまで注意を図ることにより、安心してお客様にご来店いただくことが可能です。
お客様の施術中のマスク着用を徹底している店舗では、カラーやストレートパーマなど、耳の後ろのキワまで施術をしなければならない施術の場合、このようにマスクの紐の部分を一度クロスさせて使用している店舗もあります。
マスクの紐をクロスさせることにより、マスクをしたままで施術をすることが可能であり、お客様にも安心して施術を受けて頂くことができます。
また風邪症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続く、強いだるさや倦怠感、呼吸困難や味覚障害など、コロナウイルス特有の症状があるお客様にはご来店日の変更やお願いをするのも感染症対策の一つです。
感染防止宣言ステッカー
新型コロナウイルスの共存を前提とし、感染拡大の規制と経済活性化の両立を図るため「新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン(業種別ガイドライン)」に従うことにより、お客様に安心してご来店いただくことができます。
各都道府県ごとにサロンなどの事業者を対象に、ガイドラインを守っている店舗であることを示す「感染防止ステッカー」が発行されています。
事業者がガイドライン遵守宣言などの登録により、ステッカーをお店に貼ることができます。
以下の項目はある都道府県のステッカーが貰える条件となっています。
□ 利用者・従業員にマスク着用の徹底を周知し、着用していない場合は配布等に努めている。
□ 消毒備品等を各所に設置し、利用者・従業員に手洗いや手指消毒の徹底を周知している。
□ 共用タオル等を使用しない、制服をこまめに洗濯するなど、衛生管理を徹底している。
2.ソーシャルディスタンス(できるだけ2mの距離を保つ)
□ 行列整理や床の目印表示、オンラインでの日時指定予約等により混雑を回避している。
□ 座席の工夫など従業員も含めて対人間隔を確保し、大声で会話しないよう周知している。
□ 対面が想定される場所への遮蔽物の設置、キャッシュレス化等で接触機会を低減している。
3.「3つの密(密閉、密集、密接)」を避けて行動
□ 3密が予想される場合、整理券の配布や入場者数・滞在時間の制限等を行っている。
□ 扉や窓を開け、扇風機を外部に向けて使用するなど、定期的な換気を行っている。
□ 従業員の休憩室等はできる限り換気を行い、対面で食事・会話をしないようにしている。
4.施設の清掃・消毒
□ 複数の人が触れる場所や物品を極力減らし、難しい場合はこまめに清掃・消毒している。
□ 使用済みマスク等は、ビニール袋に入れて縛るなど密閉して捨てるよう表示している。
□ 清掃・消毒・ごみ回収は手袋・マスクを着用し、事後に手洗い・手指消毒を徹底している。
5.利用者・従業員の体調管理
□ 利用者で熱がある者は入場をご遠慮いただくようお願いするなどの取組を行っている。
□ 従業員に出勤前に検温や体調確認をさせ、毎日報告させている。
□ 体調不良の従業員に休養を促し、勤務中に体調不良になった者はただちに帰宅させている。
□ 所轄の保健所の確認や来場者の把握など、感染者等の発生に備えた取組を行っている。
このほかにもトイレのタオルは使い捨てのペーパータオルを使用することであったり、トイレの水を流すときは便座のフタを閉めてから流すように書いた紙を貼っておくなど、細かいことまで書かれています。
申請自体は難しいものではないため、コロナ対策をしっかりおこないステッカーを取得し、新規のお客様にもリピーター様にも安心して施術を受けてもらうことをオススメします。
まとめ
終わりの見えない新型コロナウイルスの影響により、美容業界にも大きな影響を与え売り上げの下がっている美容室も多いですが、リピーターの多いお店はコロナ前以上の売り上げを出している店舗もあります。
また求人状況にも影響が出ており、感染症対策をしっかりしているお店はお客様にも安心してご来店いただけます。
感染症対策ステッカーの申請自体は難しいものではないため、まだ取得していない美容室は、早めに取得することをオススメします。