石鹸で落ちるほどお肌に優しいと注目を集めている『ミネラルファンデーション』をはじめとする “ミネラルコスメ” がたくさん販売されています。
しかし、実際にミネラルコスメがどのように肌にいいのかということを知らない人も多いのではないでしょうか?
「肌に優しいミネラルコスメ」といわれていますが、すべてのミネラルコスメが肌荒れしないという訳ではなく、選ぶ時に気を付けなければならないことも実はあります。
今回はミネラル化粧品について、なぜ肌にいいとされているのか?選ぶ時の基準など、詳しく解説していきます。
ミネラルコスメとは?
ミネラルファンデーションをはじめとする『ミネラルコスメ』ですが、実は何をもって『ミネラルコスメ』と定義するか、明確には決まっていません。
一般的には、鉱物や天然石を配合しているコスメのことを『ミネラルコスメ』と呼んでいます。
ミネラルコスメに多く含まれる成分として、
●酸化チタン
●酸化亜鉛
●マイカ
●シリカ
●酸化鉄
などのミネラル成分があります。
これらの天然のミネラル成分は、ヒトの身体の機能を維持するために必要不可欠な成分です。
そのため添加物が多く含まれる一般的な化粧品に比べて使用している成分がシンプルであり、肌荒れを起こす可能性が低いため「肌に優しいコスメ」といわれています。
またミネラルコスメの中には石鹸で落とせるものもあり、クレンジングと洗顔によるW洗顔が不要なため、肌への負担が少なくなります。
ミネラルコスメは比較的天然成分だけで作られているものが多いため、ケミカル成分が多く含まれる化粧品が合わないという人にもオススメです。
そもそもミネラルコスメは、1970年代にアメリカの医師によって開発されたといわれています。
肌に傷や火傷を負った患者さんに傷跡を目立たなくしようと開発されたのがきっかけとなっています。
そのため普通の化粧品よりも肌に優しく、負担の少ないもの作る必要がありました。
そこでできたのが、天然の鉱物でできた『ミネラルコスメ』だったのです。
しかし「ミネラルコスメを使えば肌トラブルが絶対に起こらない」という認識は間違いです。
天然成分のため肌に優しいとはいえ、誰にも肌トラブルがないかといえば、そうではありません。
植物由来・天然由来の成分であっても人によっては刺激になってしまうことがあるからです。
しかし、ケミカル成分が多く配合されているものに比べれば低刺激で安全に使用することができます。
ミネラルコスメの成分
ミネラルコスメと呼ばれる化粧品に多く含まれる成分について解説していきます。
酸化亜鉛
クレイ粘土に含まれる鉱石のことです。
紫外線A波を反射させ、紫外線B波を吸収する働きがあります。
光を屈折させる比率が高く、肌の凹凸をカバーし、肌の表面を滑らかにみせてくれる効果もあります。
酸化亜鉛
白色の顔料として使用される成分です。
毛穴を引き締める収れん効果、肌荒れを抑える消炎作用があります。
またUVカット効果や防腐性もあります。
マイカ
『雲母』といわれる天然の岩鉱物です。
とても細かい粉末状に砕くことができるため、肌にパールのようなツヤ感を与えたり、キメを細かくする効果があります。
シリカ
シリカとは土や水など、私たちの身近なものに含まれている成分であり、毒性はありません。
『シリカ』と聞くと安全性を疑う方もいますが、シリカには『結晶性シリカ』と『水溶性シリカ』があり、結晶性シリカの方は身体に取り入れると危険性があります。
ミネラルコスメに使用されるシリカは『水溶性シリカ』であり、安全性が認められているシリカです。
シリカには毛穴を目立ちにくくする成分、肌を滑らかにする成分が含まれています。
また皮脂や汗を吸収し、不透明にする性質があります。
酸化鉄
鉄が参加したものを酸化鉄といいます。
着色用の無機顔料として使用されます。
毒性はなく、肌に優しい成分です。
ミネラルコスメを選ぶ基準
「ベアミネラル」「オンリーミネラル」「24h cosme」など、現在では様々なミネラルコスメが各化粧品会社から販売されていますが、現時点でミネラル成分が少しでも入っていれば「ミネラル化粧品」として表示・販売できてしまいます。
そのため「ミネラルコスメと表示されているから絶対お肌に優しくて安全!」と言い切れないのが現状です。
基本的にミネラルコスメは「必要以上に余分なものを加えない」というのが本来のコンセプトです。
そのためミネラルコスメに配合される成分は4~7種類で十分であり、シンプルでなければなりません。
成分表示がやたら多いものは、疑ってみたほうがいいかもしれません。
せっかくミネラルコスメを使用するなら、肌にやさしい安全性の高いものを選びたいと誰もが思うはずです。
そこで安全性の高いミネラルコスメを選ぶ基準を紹介していきます。
成分表示をチェックする
「肌に優しいミネラルコスメ」「100%ミネラルコスメ」と謳いながら、ミネラル以外の成分の入っているミネラルコスメも少なくありません。
ミネラルコスメに限らず、化粧品を選ぶ際にはどのような成分が配合されているか確認することは大切ですが、敏感肌や乾燥肌の肌のデリケートな人がミネラルファンデーションを選ぶ際には特に以下の成分に注意してください。
オキシ塩化ビスマス
オキシ塩化ビスマスは鉱物由来の無機顔料です。
ミネラルファンデーションに配合されていることが多く、お肌にツヤを与える鉱物由来の成分です。
天然ミネラルの一種ですが、肌のデリケートな人が使用するとニキビやかゆみなどの肌トラブルの原因となってしまうことがあります。
敏感肌・乾燥肌のデリケートな人はオキシ塩化ビスマスの配合されてない製品を選ぶことをオススメします。
タルク
ベビーパウダーなどに含まれる、肌を滑らかにする働きのある滑石を『タルク』といいます。
以前タルクには、アスベストが含まれるものが使用されている可能性がありました。
現在アスベストを多く含むタルクは製造されていませんが、できればタルクを使用していない化粧品の方が安全といえます。
またタルクは使用感はいいのですが、毛穴を詰まらせる原因となってしまうことがあるため、肌へのダメージが気になるならタルクの入っていない化粧品を選ぶのが無難です。
合成界面活性剤
肌のバリア機能を低下させ、乾燥を招いてしまいます。
「ラウリル硫酸ナトリウム」「ステアリン酸グリセル」「PEG」「ポリソルベート」などの表示があるものには注意してください。
タール系色素
石油から分離した成分や合成色素など、発がん性やアレルギーを引き起こす原因となることがあります。
またシミやくすみの原因となるともいわれています。
「〇色〇号」などと表示され、成分表示に赤・青・黄色などの色素があれば注意が必要です。
防腐剤
刺激が強く、かゆみなどの肌荒れの原因となることがあります。
「パラベン」「エデト酸」「フェノール」などと表示されています。
酸化防止剤
ケミカル成分の酸化防止剤にはアレルギー反応をおこしたり、発がん性物質の原因になるものもあります。
「ジブチルヒドロキシトルエン」「パラクロルフェノール」「オルトフェニルフェノール」などには注意が必要です。
まとめ
スキンケアはもちろん大切ですが、ケミカル成分が多く含まれる一般的な化粧品が肌に合わない場合には、ミネラルコスメの使用を選択肢に入れてみるのも一つの方法です。
敏感肌や肌トラブルの起こりにくいとされる『ミネラルコスメ』ですが、万人に肌に合うという訳ではなく、その中でも安全性の高いもの、自分に合った化粧品を選ぶことが大切です。
ミネラルコスメを選ぶ際はこの記事を参考にしてみてください。