美容と食事は切っても切り離せないほど重要であり、食生活は美容のために重要な生活習慣となります。
食と美容・健康に関する資格として、オーガニック食の資格や健康美容食育士など、さまざまな資格があります。
食・栄養に関する資格としてメジャーなのは『管理栄養士』と『栄養士』の資格です。
管理栄養士と栄養士、どちらも食に関する資格というのはわかっていても、どのように違うのか知らない人は多いものです。
管理栄養士と栄養士はどちらも国家資格であり、名前は似ていますがそれぞれ別の資格であり、仕事内容や活かせる現場が変わってきます。
その違いを知り、美容にも役立てたいものです。
今回は管理栄養士と栄養士の違いと、それぞれの資格が活かせる美容業界の仕事について解説していきます。
それぞれ美容業界でも活躍することができる資格なので、美容業界で働きたい栄養士・管理栄養士の方は参考にしてみてください。
栄養士とは？
栄養士とは、都道府県の知事が認定する国家資格です。
厚生労働大臣指定の栄養士養成施設（大学・短大・専門学校）を卒業すると資格が与えられます。
試験を受けることなく、単位を取って卒業すると同時にもらえる資格です。
学校卒業後、栄養士の資格を活かした仕事に就く場合、病院や学校、給食センターなどへの就職を目指すのが一般的です。
栄養士は健康な人に向けての食事の管理、栄養指導を目的とした資格です。
位置づけとしては「食生活のアドバイザー」といったところです。
栄養士の場合、継続的に１回１００食以上または１日２５０食以上提供する特定給食施設（病院・更生施設・学校など）に栄養士を置くように健康増進法で定められています。
それぞれの施設に応じた給食の提案・調理・提供をします。
また食生活を通じて健康に人々が過ごせるよう、食や健康に関する正しい知識などを教育します。
管理栄養士とは？
一方、管理栄養士になるにはまず栄養士の資格を取得し、その後管理栄養士の国家試験に合格する必要があります。
栄養士の資格がなければ、管理栄養士の資格を取得することはできません。
そのため管理栄養士の資格は、栄養士の上級資格であるといえます。
管理栄養士になるには主に２つの方法があり、
①栄養士養成施設を卒業後栄養士としての実務経験を１～２年積んだ後、管理栄養士の国家資格を受験する
②最初から管理栄養士養成施設（短大・大学・専門学校）で栄養士免許を取得し、管理栄養士国家試験の受験する
のどちらかの方法で取得します。
②の場合、卒業と同時に栄養士の免許が得られ、実務経験なしで管理栄養士国家資格の受験することが可能です。
最初から管理栄養士を目指して管理栄養士養成学校で学ぶ方が国家試験の合格率も高く、就職にも有利です。
管理栄養士の仕事は栄養士の健康な人に対して給食の提供・食生活のアドバイスに加え、ケガや病気を抱えた人も対象に、給食の提供や食生活のアドバイスをします。
そのため栄養士よりも管理栄養士の方が、より専門的な知識を必要とします。
さらに管理栄養士は健康増進法により
「特定給食施設のうち１回２００食以上又は１日７５０食以上提供する給食施設において栄養士のうち少なくとも１人は管理栄養士を置くように努めなければならない」
と定められています。
そのほかにも
●１号施設以外で管理栄養士による特別な栄養管理を必要とし、断続的に１回５００食以上又は１日１５００食以上提供する特定給食施設
があります。
そのため病院などの特別な栄養管理必要な施設や、学校などの提供数の多い施設には管理栄養士が求められます。
管理栄養士・栄養士の資格が活かせる美容業界の仕事
美容業界で働く管理栄養士・栄養士の役割は、栄養学や食を通じてお客様の健康と美を叶えることです。
お客様に美を提供する美容業界にとって、栄養や食事からキレイを作るノウハウを持った栄養士・管理栄養士は重宝されます。
特にエステやパーソナルトレーニングジムなどの美容サロン、食品・化粧品メーカーにおいて需要があります。
美容サロン
フェイシャルやボディなど、ダイエットや美肌をサポートする美容サロンで活躍することも可能です。
栄養士や管理栄養士の資格を持つスタッフになれば、お客様の食生活の改善や栄養指導をしたり、健康食品の販売を理論づけて販売することが可能です。
ダイエットを目的としたサロンであれば、栄養学の観点から健康的に美しくなる方法を的確にアドバイスすることができるため、質の高いサービスを提供することができます。
お客様に合わせたレシピの提案なども喜ばれます。
またサロン主催のセミナーやイベントに、栄養学のプロフェッショナルとして登壇することもあるようです。
食品・化粧品メーカー
食品・化粧品メーカーで商品企画・研究開発に従事する栄養士・管理栄養士として活躍する人もいます。
健康食品やサプリメントなどの商品の栄養設計やマーケティング、成分表の計算などが主な仕事となり、栄養士ならではの観点が求められます。
美容業界で働く管理栄養士・栄養士の給与や待遇
企業によっては管理栄養士・栄養士の資格手当が出るところもあります。
美容サロンであればエステティシャンやセラピストとして正社員雇用の場合、年収３００～５００万円前後が相場です。
働き方としてはシフト勤務であることが多く、年間休日は110日前後の職場が多いようです。
食品・化粧品メーカーで企画開発・商品研究職に正社員として採用された場合も300～500万円前後が相場です。
エステティシャンと違い内勤であることが多く、土日祝休みで年間休日も120日前後のところが多いようです。
また業界的に女性が多い職場のため、産休や育児休暇が取りやすいというメリットもあります。
美容業界で働くのに向いている栄養士・管理栄養士とは？
美容業界で働くにあたり、大前提として美容に興味があることが必須です。
栄養士・管理栄養士が美容業界で働く魅力は、お客様が美しくなるためにサポートし、お客様の願いが叶った時の達成感です。
サロン勤務であれば接客スキルも必要であり、人とコミュニケーションを取るのが好きな人に向いている仕事です。
食品・化粧品メーカーであれば、自分が開発・企画した商品が世に出るということもやりがいの一つです。
自分の栄養学に関する知識を健康や美に役立てたいという栄養士・管理栄養士は美容業界に向いています。
また美容業界で働くにあたり、美容に関する知識も必須です。
お客様を美しくしながら、美容についてさらに研究を深めていきたい人には、向いている業界といえます。
自分どのような職場で働きたいか決まれば、就職先に応じて美容の知識を学んでおくことが大切です。
まとめ
健康な人を対象として栄養指導やメニュー作りをすることができる栄養士に対して、管理栄養士はケガや病気の人に対しても栄養指導・管理をすることが可能な国家資格です。
栄養士よりも管理栄養士の方が活躍できる範囲が広がり、収入やキャリアアップにもつながるため、目指すなら管理栄養士を目指すのがオススメです。
栄養士・管理栄養士が美容業界で活躍する場面は多く、資格手当の出る求人もあるので、興味のある人はいろいろと調べてみてください。