梅雨が明け、夏本番の季節となりました。
「夏になると食欲がなくなる」「暑くなると体調が悪くなる」という人も多いものです。
ここ数年、異常なまでに気温が上がる夏が続いていますが、一昔前の夏バテと近年の夏バテでは少し原因が違っているようです。
美容業界で就職を目指す就活生は毎日暑い中、スーツに身を包み就活に励んでいることと思います。
今回は夏バテの原因や予防方法について、解説していきます。
『夏バテ』とは?
そもそも夏バテとは何なのでしょうか?
実は夏バテという病名も、医学用語もありません。
夏の暑さによっておこる身体の不調をまとめて『夏バテ』と呼んでいます。
夏バテの主な原因は、暑さによって水分やビタミン・ミネラル不足によって引き起こされるものと、室外と室内の温度差によって自律神経のバランスが崩れることによって起きるものが原因といわれています。
夏バテの原因
最近の夏バテの原因には主に2つの原因が考えられます。
そのうち一つは、近年特有の夏バテといわれています。
水分・栄養不足
暑い時期には、ヒトの身体は汗をかいて蒸発させることによって体温を下げようとします。
汗には水分だけでなく、ビタミンやミネラルなど、身体に必要な栄養素も一緒に流れてしまいます。
そのため脱水症状が起こり、身体の栄養バランスが崩れ夏バテが起こってしまいます。
また暑さのためさっぱりした冷たいアイスやそうめんばかり食べていると、ビタミンやミネラルなどが不足しがちになってしまいます。
食事のバランスが崩れ身体に必要な栄養不足によって、夏バテが起こるといわれています。
体内・外の寒暖差
近年の夏バテの大きな原因といわれているのが、室内外の温度差によるものです。
ここ数年の異常な暑さのため室外は暑く、その一方で室内は強めに冷房が効いているオフィスやサロンが多く、その寒暖差は大きくなっています。
暑い室外と冷房の効いた室内を行き来することにより、自律神経に乱れが生じます。
自律神経とは心臓・胃腸・血管・ホルモンバランスや汗腺など、身体の様々な機能を詳説する神経のことをいいます。
自律神経は自分の意志で動かすことができず、眠っている間も常に働き続けている神経です。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、特に副交感神経は体温や内臓の働きに影響を与えます。
自律神経の働きによって夏の暑い時期には血管を広げて汗をかき、寒い時期には血管を縮めて体温が下がらないよう、体温が一定に保たれるようにコントロールされています。
本来、自律神経が気温に合わせて体温を調節してくれるのですが、暑い室外と冷房の効いた室内の気温差に自律神経がついていかなくなってしまいます。
また自律神経の管理は脳で行われており、体温調節のため脳が使われすぎることにより脳が疲労してしまうことも夏バテの原因といわれてます。
あなたは大丈夫?!夏バテチェック
「なんだかこの頃調子が悪い……」と思っている方は、夏バテかもしれません。
その夏バテにどのような原因があるのかチェックしてみましょう。
②エアコンの設定が25℃以下③寝つきが悪い
④1日中冷房の効いた部屋にいる
⑤ストレスが溜まりやすく、イライラしやすい
⑥生理痛がひどい
⑦頭痛、肩こり、むくみが気になる
⑧おなかを下しがち
⑨冷たいものをよく食べる・飲む
①~⑤に該当する人は冷房バテ、⑥~⑧に当てはまる人は冷房バテと食冷え、⑨に当てはまる人は食冷えの可能性が高くなります。
夏バテを対策するには?
美容業界で働いている方々は接客業になることが多く、お客様に合わせて温度を設定している職場が多いかもしれません。
職場以外の自分でコントロールできる自宅での設定温度に気を付け、食事・睡眠・運動に気を付けて身体の負担を減らすことで夏バテの対策となります。
上手に室温・体温調節をする
前述のように、エアコンの効いた部屋と暑い室外を行き来すると、身体はその気温の変化についていこうと自律神経が上手く機能しなくなります。
外気と室内が5度以上寒暖差があると、体温調節機能が狂う一つの目安です。
また職場でエアコンの温度設定が難しい場合、羽織れるカーディガンなどを持参し、身体が冷えすぎるのを防ぎます。
冷房の設定温度を下げるよりも、扇風機などを一緒に利用し、直風を受けないように心がけます。
湯船にしっかり浸かる
夏場の暑い時期はシャワーだけで済ませる人も多いですが、できれば湯船にしっかり浸かることをオススメします。
40度を超える湯船に浸かってしまうと交感神経が働き寝つきが悪くなってしまうので、38~40℃ほどのお風呂に10分以上、できれば30分ほど浸かり汗を流すのが自律神経のバランスを整えることができます。
質の良い睡眠を心がける
就寝中にエアコンをかけずに眠る人も多くいましたが、ここ数年の猛暑に冷房をかけずに寝るのは熱中症になってしまう可能性もあるため、睡眠時の冷房が苦手な人はタイマーを上手に使用します。
また頭は熱がこもりやすいため、熱さまし用のおでこに貼るシートを使ったり、氷枕を使うだけでも寝やすさがずいぶん違います。
最近では冷感シーツや枕なども販売されているので、活用してみてください。
睡眠は自律神経のバランスを保つのに重要です。
質のよい睡眠をとるために、寝る前1時間はスマホやパソコンの使用を控え、ブルーライトをカットするメガネを使うなどの工夫をします。
睡眠時間が確保できない場合などは座ったまま20分程度昼寝をすると、疲れが取れやすくなります。
夏バテを防ぐ食生活
暑いとどうしても冷たいものを食べたり飲んだりしたくなりますが、冷たいものを摂りすぎると胃液が薄まり、消化機能の低下の原因になってしまいます。
冷たいものを食べたり飲んだりするときはビアガーデンなど、身体の外側はなるべく冷やさないようにします。
冷房の効いた室内では、お味噌汁やあたたかいハーブティ、生姜湯などを選ぶようにするのがオススメです。
夏場には取りづらい飲み物かもしれませんが、夏バテには効果的です。
なるべく魚や肉、卵などから良質なたんぱく質を取り、バランスの良い食事を心がけます。
特にビタミンB1は疲労回復に効果があり、豚肉や玄米、豆類に多く含まれているので夏場には積極的に摂りたい食材です。
食欲のない夏場にはレモンやカレーなどのスパイスの効いた食べ物や酢など、刺激のある食べ物を食べると食欲が増進し、疲労回復の効果も期待できます。
一方で近年では夏に食欲が減退して痩せる人よりも、夏太りする人が増えています。
暑さのため運動もあまりせず、一日中冷房の効いた部屋で食べ過ぎてしまうのが原因と考えらえています。
夏場にそうめんやアイスなどの冷たいものを食べがちですが、実は冷えた食べ物は甘みや油分を感じづらく、塩分や糖分の摂りすぎになることもあります。
夏に食欲がなくなって痩せるというのは、過去の話なのかもしれません。
適度な運動と水分補給
汗をかくのは体温調節のために重要な機能です。
夏場は暑いからと運動するのをためらう人もいますが、汗をかかない生活をしていると感染が鈍ってしまいます。
汗腺の働きが悪くなると汗と共に放出されるはずの熱が上手く体外へ発散されず、身体の中に熱がこもったままになり帰って熱中症になってしまいます。
夕方などの涼しい時間帯を利用してウオーキングに出かけるなど、日常生活に適度に運動を取り入れたいものです。
また適度な運動は快眠・自律神経のバランスを整えるのにも役立ちます。
運動の際は水分補給も忘れずに。
カラダの3%の水分が失われると、脱水症状になり身体機能が低下します。
のどが渇いたと感じるときにはすでに脱水症状の一歩手前です。
のどが渇く前にこまめに水分補給を心掛けます。
今年はマスクをしたまま行動しなければならないことが多いため、熱中症のリスクが上がります。
なおさら水分補給をマメにしたいものです。
まとめ
今回は夏バテ対策について解説しました。
暑いからと冷房の効いた部屋にこもって冷たいものばかり食べていては、夏バテが悪化してしまいます。
生活習慣の改善によってかなり夏バテが改善されるので、夏場に元気の出ない人、調子の悪くなる人は実践してみてください。