健康志向の高まりが広がる中、身体を動かすことの重要性や関心が高まっています。
美容業界の就職先の一つとして、ボディメイクスタジオやフィットネスクラブを視野に入れた人もいるのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの影響でフィットネス業界は大打撃を受けていますが、コロナ終息後のフィットネス業界はどのように変化していくのでしょうか。
今回はフィットネス業界の現状と今後について解説していきます。
フィットネス業界で働きたい人は参考にしてみてください。
フィットネス業界の現状
フィットネス業界の市場規模は年間約4000億円です。
これはラーメン市場と同等レベルであり、いかにフィットネス市場が大きいかということがわかります。
若い人が身体を鍛えるために通っていたフィットネスクラブだったのが、近年「健康寿命を伸ばす」という目的のため高齢者会員の増加が目立ち、若年層のフィットネスクラブの利用が減っています。
2018年度、日本でフィットネスを利用する人は400万人を超え、健康に対する意識がうかがえる結果となっています。
しかし欧米諸国に比べると日本の健康やフィットネスに関する関心や利用率はまだまだ低いのが現状です。
日本では1964年の東京オリンピックをきっかけに、欧米のトレーナー文化が日本に入ってくるようになり、フィットネス文化が発展してきました。
スイミング施設が創設されたのが、フィットネスブームのきっかけとなったようです。
さらに2010年以降は、フィットネス業界が急激に成長しました。
10年前まで温泉、スイミング、スタジオレッスンやマシンジムなどの「汗を流し運動する場所」として、またインストラクターによる「より効果的な運動方法」を提供するのがフィットネス業界でした。
しかしここ数年で様々なトレーニング・スタジオレッスンを受けることのできる総合スポーツ施設から、「ボディメイク」「健康維持」「ストレス解消」「ダイエット」など、特定の目的に特化した専門性の高いフィットネスクラブが人気になってきたため、大きな変革期となってきています。
そのため専門性に特化した中小規模のフィットネスと、従来の総合型フィットネスクラブとで激しい市場獲得競争が始まっています。
現在のフィットネス形態
現在のフィットネス形態は大きく3つの形態に分類されます。
●中小規模専門トレーニング型フィットネス
●大手総合型フィットネス
24時間セルフ型フィットネス
24時間営業の好きな時にトレーニングする場の提供としてのフィットネスクラブです。
ランニングマシンやフリーウエイトなどのトレーニングマシンが揃っており、少ないスタッフが在中し、深夜帯になると無人ジムであることも多い施設です。
人件費を削減できるため、従来の大型総合フィットネスよりも会費が低価格であったり、様々なライフスタイルに合わせて活用しやすいのが人気の理由となっています。
忙しいビジネスマンが時間を気にせずジムに行けること、またアスリートが自由にマシンを好きな時間に利用できることが人気の理由となっています。
「エニタイムフィットネス」「ジョイフィット」「ファストジム24」などがあります。
中小規模専門トレーニング型フィットネス
ここ数年で人気のある、専門性の高いトレーニングジムです。
ユーザーの目的や生活スタイルに合わせて業態が多様化しています。
「健康」「短期間で共同の高いトレーニング」「ボディメイク」「ダイエット」「柔軟性強化」など、目的に特化したフィットネスクラブが人気です。
短期集中ダイエットトレーニングとして印象的なCMでお馴染みの「RIZAP」、女性専門の30分間限定フィットネスクラブ「カーブス」、ホットヨガ専門スタジオ「LAVA」などがあげられます。
大手総合型フィットネス
24時間セルフ型や中小規模専門トレーニング型フィットネスに比べ需要の減ってきている大手総合フィットネスクラブですが、最新のマシンや施設のリノベーションによる環境の充実などをおこない会員の増加を目指しています。
インターネットに接続可能なモニター付きランニングマシンや、エアロバイクの導入によりネットサーフィンしながらトレーニングができる施設やVRを使ったバイクレッスンなど、最新のマシンを取り入れる大手総合フィットネスが増えています。
またデザイン性、快適性を高めた空間の演出、健康志向のカフェの併設など、リノベーションにも力を入れています。
今後のフィットネス業界
新型コロナウイルスが大流行する前は、フィットネス業界は人手不足が顕著でした。
今はまだ新型コロナウイルスの影響が続いていますが、アフターコロナのフィットネス業界はどのように変化していくのでしょうか。
新型コロナウイルスの影響により、身体の健康だけでなく心の健康に関心が高まりました。
そのため瞑想や自分自身の内面に向き合うことのできる『ヨガ』に需要が高まると予想されます。
自律神経を整えたり、精神の安定のためのフィットネスがもとめられるようになるでしょう。
新型コロナウイルス蔓延前の過去10年間、フィットネス市場は右肩上がりに上がってきました。
コロナウイルス終息後は、間違いなくフィットネス業界は大きく成長すると予想されます。
また新型コロナウイルスの影響により、オンラインレッスンが一気に拡大しました。
遠方で受けられなかった人気インストラクターのレッスンが、自宅で手軽に受けれるようになりました。
そのため自分により合ったトレーニングを、一人ひとりが見つけることができる時代に変わっていきます。
一方インストラクターも今まで定員に縛られていたレッスンが、無限に生徒を集めることができるようになりました。
今後もオンラインレッスンをはじめとするデジタルコンテンツを使用したレッスンは進化を遂げると予想され、影響力のあるインストラクターがフィットネスクラブの強みとなりえます。
一人のインストラクターが何百人もの会員をひきつけ、長期に渡る会員維持につながるのであれば、将来フィットネスクラブを担う重要な資産となります。
現在トレンドのターゲットや目的をを絞った「中小規模のフィットネス」がまだまだ伸びると予想されます。
インストラクター個人のフリーランス活動にも注目が集まることでしょう。
さらに暗闇の中でフィットネスをおこなう『フィールサイクル』のようなエンターテイメント性にあふれるもの、ショービジネスとの融合にも注目が集まっています。
大手フィットネスはリノベーションなど、新しくきれいな施設を作ることが求められます。
継続可能なフィットネス
一昔前に流行った短期間で大幅減量を目指す『イベント』的なダイエットよりも、長く続けられるダイエットを求める人が増えてきています。
食生活を含める継続の難しいオーバーワークのトレーニングは短期間で理想の体型に仕上がったとしても、メンタルや身体に不調をきたしてしまいます。
またお尻を人よりもボリュームアップしたいなど、個性を生かすボディメイクなども求められています。
最近の傾向としては「ただ痩せればいい」というものではなく、健康的にメンタルヘルスへの予防、柔軟性など顧客のニーズも多様化していくことと予想されます。
まとめ
現在のフィットネス業界に求められるものは、大手総合型フィットネスよりもより専門性の高いサービスであり、今後もこの傾向が続きさらに細分化されたサービスが求められると予想されます。
また新型コロナウイルス終息後はさらにフィットネス業界の需要は増えると予想されますが、生き残りをかけた競争がさらに激化するのも確実といえます。
今後フィットネス業界で働きたいと思っている人はより専門性の高い知識や生産性が求められるということを念頭に置き、就職活動に励んでみてくださいね。