新型コロナウイルスの影響により、おうちでご飯を作る人・健康に気をつかう人が増えています。
そんな中、ダイエットフードとして人気になっているのが『オートミール』です。
見た目はなんだか鳥の餌のようで扱いが難しいと思っている人も多いと思いますが、実はオートミールは栄養価が高く抗酸化作用や血糖値の安定などの健康・美容・ダイエット効果があり、調理も工夫次第でおいしく食べれる「スーパーフード」なのです。
今回はオートミールの効果・効能、手軽にできるおいしいレシピについて解説していきます。
オートミールとは?
オートミールはオーツ麦(カラス麦・えん麦)という穀物を加工して作られた炭水化物の一つです。
オートミールは胚芽などヌカの部分が無精製で含まれる全粒穀物であり、精白した穀物よりも食物繊維・ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。
食品100gあたり10g前後食物繊維が含まれ、他の穀物や野菜に比べても多く含まれています。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも豊富な食べ物です。
燕麦の水溶性食物繊維『βグルガン』により、血中コレステロール値の上昇抑制、血糖値の上昇抑制、血圧低下作用、便秘予防、免疫機能調節作用などがあります。
また心臓病発症のリスクも下げることができます。
炭水化物はエネルギー源になり、海外の朝食などで元々はよく食べられており、牛乳やお湯でふやかすとお粥状になります。
最近ではスーパーや輸入食品店、ドラッグストアなどで販売され、手に入りやすくなりました。
そのため日本でもアスリートの食事や離乳食、主食として日本でも人気のスーパーフードとなっています。
オートミールの効果
オートミールはダイエット効果・健康効果・美容効果・筋肉増強効果があります。
具体的にはどのように効果があるのでしょうか。
ダイエット効果
オートミールがダイエットに効果的といわれるのは「低GI食品」であることがあげられます。
オートミールは穀物であり、炭水化物が多く含まれエネルギー源となるため主に主食として食べられます。
糖質を摂取すると血糖値が上がることによってエネルギー源となります。
しかし血糖値が上がるとそれを下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンには血糖値を下げるとともに、脂肪をため込む働きがあります。
急激な血糖値の変化はインスリンが大量に分泌されるため、脂肪の増加に繋がります。
同じ糖質の量でも食べ物によって血糖値の上がり方が違い、血糖値の上がる速度を『GI値(グリセリック・インデックス)』といいます。
GI値が高い程血糖値が上がりやすく、低いものほど血糖値が上がりにくく、血糖値の上がりにくい食品は「低GI食品」と呼ばれます。
オートミールは白米に比べてGI値が約2/3の55であり、穀物の中ではトップクラスにGI値が低くなっています。
そのため血糖値の急上昇を抑え、ダイエット効果があるのです。
またオートミールは1食分で30g、カロリーで換算すると約120㎉ほどです。
白米であればお茶碗一善270㎉ほどなので、一日の炭水化物をオートミールに置き換えたとすると1日で約450㎉減らすことができます。
またオートミールに多く含まれる食物繊維は白米の約10倍含まれており、便秘予防に効果的なだけでなく、腹持ちが良く空腹を和らげる効果があります。
食物繊維はおなかの中で水分を吸収して膨張し、消化されない性質があります。
そのため食べ物の消化がゆっくりになり空腹を和らげるため、間食を防ぐことに繋がります。
またオートミールにはビタミンB1が豊富に含まれており、ビタミンB1には脂肪の燃焼を促進し、代謝をよくする働きがあります。
そのためオートミールはダイエットに効果的といわれています。
健康効果
オートミールが健康にもたらす影響はコレステロール値の改善、腸内環境の改善、肺・心臓疾患リスクの軽減、栄養素の摂取率のアップなどが期待されます。
オートミールは「天然の下剤」といわれるほど不溶性・水溶性食物繊維を多く含んでいます。
オートミールに含まれる水溶性食物繊維には血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあります。
不溶性食物繊維は便のかさを増し、腸を刺激して排便を促します。
食物繊維で腸内環境が整えば、腸内に存在する善玉菌を増やし肌にも良い影響を与えます。
またオートミールに含まれるβグルカンは腫瘍の発生と成長に有益な効果があることが研究の結果わかっており、慢性肺疾患を食い止める作用もあります。
このほかにもオートミールは玄米の5倍、白米の10倍のカルシウムを含んでおり、骨粗鬆症のリスクを軽減させます。
カルシウムは骨を丈夫にするだけでなく、イライラを抑えストレスを軽減させる効果もあります。
現代人に不足がちな鉄分も玄米の2倍、白米の5倍含まれており、鉄分によって体中に十分な酸素がいきわたるため、だるさ・疲れ・頭痛・眠気改善の効果があります。
鉄分には酸素を運ぶだけでなく、代謝サイクル、呼吸DNAの合成と修復、細胞内のエネルギ代謝にも影響を与えます。
またオーツ麦にのみ含まれるポリフェノール「アベナンスラミド」にはがんや心血管疾患、糖尿病、肥満などの様々な疾患や病気の予防や治療に役立つとして近年注目されている成分です。
特に抗がん剤や放射線治療などのがん治療は身体への負担が大きく、治療費がかさむことが問題視されている中、アベナンスラミドが副作用や薬物耐性がなく、低コストで治療できると期待されています。
美容効果
以前にも記事で抗酸化作用については記述してきましたが、オートミールには20種類以上のポリフェノール「アベナントラミド」が含まれており、強力な抗酸化作用があります。
体内で増えた活性酸素を減らしていくことにより、老化やがん、生活習慣病などの予防になります。
身体が酸化すると、身体に錆がついたのと同じ状況になるためシミやしわの原因となり老化を速めてしまいます。
オートミールの抗酸化作用、抗炎症作用によって美肌効果が期待できます。
またオートミールを粉砕したものを入浴剤に混ぜたり、スクラブとして洗顔したり、直接肌につけてもアレルギーも起こしにくく、美肌効果があると期待されています。
筋肉の強化
筋肉増強効果の高オートミールは、多くのアスリートやボディビルダーに愛用されています。
1カップ当たりのオートミールは166㎉、食物繊維が4g、タンパク質が6g、8つのビタミンとミネラルが含まれています。
また先述のようにオートミールには血糖値の上昇を穏やかに上げ、ゆっくりと消化する炭水化物であるため、筋肉を削り脂肪を作るコルチゾルの発生を抑えることができます。
また他の炭水化物に比べてオートミールにはたんぱく質が多く含まれており、タンパク質は筋肉や血液の基となります。
このような理由から質のいい筋肉を付けたいアスリートやボディビルダーにオートミールは人気があります。
オートミールの種類
現在では日本でも様々な種類のオートミールが出回っています。
代表的なオートミールの種類と選ぶ際にはどのような点に気を付けるべきなのでしょうか。
ロールドオーツ
ロールドオーツはオートグローツを蒸して柔らかくしてローラーでプレスし、調理しやすくしているオートミールです。
押し麦と同じ加工が施されており、米の代わりに食べる場合、ざくざくとした食感を味わいたい、食べ応えのあるオートミールが食べたいという人にはオススメで、チャーハンなどとして米の代わりにしても良く合います。
グラノーラとして食べるのも向いています。
クイックオーツ
ロールドオーツをさらに調理しやすくするために細かく砕いたものをクイックオーツといいます。
調理がしやすいのはメリットですが、噛み応えがロールドオーツに比べると少なく、お粥の代わりにして食べる、煮込むのがめんどくさいと思う方には適しているオートミールです。
お菓子作りなどに適しています。
インスタントオーツ
ロールドオーツを一度加熱してから再度乾燥させたものインスタントオーツといいます。
一度加熱することによりオーツ麦のでんぷんがアルファ化され、消化しやすくなっています。
そのため病人や子供、老人などの消化器官に不安のある人に向いているオートミールです。
オートミールの中でも加工度が高いためGI値が高くなり、香料や砂糖、甘味料が加えられている製品が多く、「高糖質食品」であり添加物が多く含まれていることが多いためあまりお勧めしません。
オートブラン
オーツ麦のもみ殻を取り除いた後の外皮であり、オーツ麦のふすまのことを指します。
コレステロール値の改善に効果がありますが、通常の調理に向かず、パン生地に混ぜて栄養強化をしたり、サプリメントに加工されることが多い種類です。
オートミールのお手軽レシピ
身体にいいことづくめのオートミールですが、調理の仕方がわからないという人が多くいます。
オススメの食べ方は時間がない時はオートミールに市販のお茶漬けのもととお湯をかけてお茶漬け風にして食べるのが簡単でオススメです。
また朝食として最適なのがオートミールに牛乳、プロテイン、バナナ、キウイを入れ1番混ぜたものを冷蔵庫で寝かせるという『オーバーナイツオートミール』という食べ方がオススメです。
オートミールに加えてタンパク質もとれ食べやすく、アスリートや朝忙しくて調理の時間がない人にもオススメです。
まとめ
美容効果や健康効果の高いオートミールはスーパーフードとして人気があります。
最近のオートミールは調理しやすく加工されているものも多く出回っており、アスリートやダイエット系インフルエンサーも多くレシピを出しているので、興味のある人はいろいろ調べてみてください。