薄着になることの多いこの季節、ダイエットに頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
巷には様々なダイエット方法が存在しますが、最近よく耳にする『脳科学ダイエット』とはどのようなものなのか、知らない人も多いと思います。
今回は脳科学ダイエットについて原理・やり方・効果などを徹底検証していきます。
エステティシャンやトレーニングジムで働く人にとってオプションとして知識があるだけでもお客様に食生活に関してアドバイスすることも可能になるので、美容業界で働く人にとって知っておいて損のないダイエット方法です。
脳科学ダイエットとは?
ヒトが太ってしまう一番の原因は「食べ過ぎ」です。
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると体重が増え、余ったエネルギーは脂肪として蓄えられていしまいます。
ダイエットを始めるとき、まず取り掛かることが多いのが「食事制限」ではないでしょうか。
しかし「食べたいものを我慢できない」「ダイエットができないのは自分の意志が弱いせいだ」と思っている人は少なくありません。
しかし食欲を我慢するとそれがストレスになって、結果的に食欲が増し太ってしまう人がほとんどです。
ダイエットのために食事制限をしているのに感情を抑え込むことで、より一層食べたい気持ちが増してしまいます。
そこで脳をコントロールしてダイエットをするのが「脳科学ダイエット」です。
「食べてはいけない」とやみくもに自制するのではなく、脳の観点からダイエットをおこなっていきます。
ダイエットに関する思い込みを捨て、無理なく痩せることができる方法を知ることにより、今までよりも楽にダイエットができるようになります。
脳科学ダイエットとは食事制限をして摂取カロリーを抑えたり、運動で消費カロリーを増やすダイエット法ではありません。
基本的には食事制限やカロリー計算、運動も行う必要がありません。
脳科学ダイエットは「太らない脳」を作るために、思考や考え方の癖を改めダイエットするという方法です。
食べる・食べないなど、食欲は自分の意志でコントロールしていると思っている人が多いものですが、実際には脳によって食欲はコントロールされています。
極端な食事制限により身体の栄養が足りなくなれば脳はそれを飢餓状態だと思い、今までよりも強烈な食欲を起こして食事を摂取させようとします。
そのため「意志が弱いから食事制限できない」のではなく、人間の身体に備わる機能であるため、ある意味仕方ないことといえます。
しかし脳の特性を理解し脳の癖を正してくことにより、コントロールできない暴飲暴食を防ぐことができます。
これが「脳科学ダイエット」です。
無理な食事制限や運動をしないため、リバウンドしづらい今話題のダイエット方法なのです。
その第一人者となったのは「久賀谷亮」さん、医学博士です。
有名な著書として「無理なく痩せる脳科学ダイエット」「最高の休息法」「脳から身体を治す」など、脳科研究など、精神医学の世界的権威の方です。
自身も脳科学ダイエットで8㎏の減量に成功したそうです。
脳科学ダイエットの効果
脳科学ダイエットは『瞑想(マインドフルネス)』を利用したダイエット方法です。
瞑想というと「宗教みたいで怪しい」「信じがたいもの」というイメージを持つ人が多くいます。
瞑想とは「"今"この瞬間にすべての意識を注ぐ」ことを呼吸法などを取り入れながら行うものであり、うつ病をはじめとする精神疾患にも効果があるといわれています。
しかし一流企業の経営者や海外セレブ、アスリートなどがこぞって取り入れる脳科学のを利用した一つの方法です。
瞑想(マインドフルネス)は目の前のことだけに意識を向けることにより、集中力アップ、ストレスの軽減、意志の強化など、数多くのメリットがあります。
食事をするときにテレビを見ながら食べたり、明日の仕事のことなど「ながら食べ」をするのではなく、目の前の食事に集中するという方法です。
本当に自分の食べたいものは何なのか、この食べ物はどこからきて目の前に運ばれる過程にはどのようなことが起こったのかを想像しながら食事に集中すること、自分の内側に意識を向けることで必要以上に食べ過ぎるのを防ぐ効果があり、自然とダイエットに繋がるというものです。
脳科学ダイエットのやり方
脳科学ダイエットはやり方はとっても簡単で、お金もかかりません。
具体的には"ボディスキャン"と"食前セレモニー"の二つを食前に実行するだけです。
ボディスキャン
自分の身体の内側に意識を集中させ、自分の身体の声に耳を傾けます。
胃がどこにあるのか、どのくらいの大きさでどのくらいのおなかが空いているのか、内臓はどのような働きをしているのか、自分の身体と対話します。
背もたれから背中を離し、椅子に浅く腰掛け、「"今"自分の身体はどのような状態にあるのか」を自分自身に問いかけます。
そして呼吸を整え、心を落ち着かせてから食事をします。
食前セレモニー
食前セレモニーは、食事をする前に30秒、目の前の食べ物に対して意識を集中させ、向き合います。
まずは視覚で食べ物を観察し、想像します。
この食材がどこから来たのか、食材を生産した人はどのような思いでこの食べ物を作ったのか、味付けをイメージし匂いをかぎ、食べ物を視覚・嗅覚を使って観察・想像していきます。
次に今の自分の空腹具合が10段階のどのくらいなのかを感じ取ります。
そしてなぜ食事をするのか、前回の食事からどのくらい経っているのかなど、自分の心と向き合います。
あえて食べる前に30秒程度の余白を作り、食と向き合うことにより無意識に食べ過ぎるというクセが正常に戻ります。
脳科学ダイエットの効果
脳科学ダイエットは老若男女問わず誰にでも実践可能なダイエットであり、今まで「食べ過ぎてしまった」と自分を責めてしまったりすることが減り、ダイエットの大敵「我慢によるストレス」を軽減し、本当に必要な量・食べ物がわかるようになり、結果としてダイエットに繋がるというものです。
脳科学ダイエットを成功させるために、食事中に気を付けたいこともいくつかあります。
まずは「ながら食いをやめる」ことです。
料理がどのようにつくられ、どのような食材が使われるかに意識を向けることにより、早食い・無駄食い・だらだら食い・ドカ食いを防いで脳も満足させる食事をすることができます。
しかしテレビやスマホを使いながら食事をしたり、他のことをしながらの食事では料理に意識が向かず、脳が満足する食事ができません。
また崩れた姿勢では意識が散漫しやすくなってしまいます。
ピンと背筋を張りすぎる必要はありませんが、背中が丸くなったり、足を崩した状態で食事をすることは避けます。
脳科学ダイエットは『ボディスキャン』や『食前セレモニー』をするだけでみるみる痩せるというダイエットではありません。
食材・食事・自分自身の身体の状態と向き合うことで早食いやドカ食いを防ぎ、結果として食事量が減ることでダイエット効果を得ることができます。
食べ過ぎてしまっては意味がありません。
しかし自己肯定感が低く、自分に対して厳しい日本人は自分に対して厳しすぎる傾向があります。
ダイエット中に甘いものやカロリーの高いものが食べたくなってしまったら、食べてもいいのが脳科学ダイエットです。
大切なのは食事・食材・自分自身としっかりと向き合い、心から満足感を得ることにあります。
自分自身の心の欲求に逃げずに向き合うことにより「いくら食べても満たされない」というストレスなどによって食が乱れてしまうのを防ぎ、結果としてダイエット効果があります。
脳科学ダイエット中、食事時以外に食べたくなってしまったら……
ダイエットに失敗すると「我慢のできない自分の意志の弱さ」に自分を責め、ストレスが溜まって食べ過ぎるというパターンに陥りがちです。
しかし、そもそも脳が食によって快楽を得ようとしているため、意志の弱さと食欲は関係ないのです。
結果ばかりを求めようとするのが人間ですが、身体をいきなり変えようとするよりも、日々の食事との関わり方を変えることが脳科学ダイエットの醍醐味です。
食前に食事に意識を集中させることが習慣づき、食事を食べ過ぎることがなくなっても、食事の時以外にストレスが溜まったり、疲れていると特に甘いものが欲しくなったりします。
衝動的な渇望感を心理学で『クレーヴィング』というのが起こっている状態を指しますが、そのような欲求の波を乗りこなすには認識・受容・検証・明記のステップをおこなうのがオススメです。
食欲の波をまずは認識し「今無性に何か食べたいと思っている」とその感情に名前を付け『認識』します。
次に食べたい感情があるのだと食欲を『受容』します。
そしてどうして食べたいのかを『検証』し、身体がどのように感じているのかを観察します。
最後に食べたい感覚を言葉として書き出し『明記』します。
「ざわざわする」「イライラする」など紙に書き出してみます。
「何か食べたい」という気持ちを無視したり、抑え込んだりするのではなく"自分の中にある当たり前の気持ち"として受け入れることが大切です。
食欲と戦おうとするのではなく、食べたい欲求と自分自身を切り離し客観視することで、食べたいと思う衝動は不思議なほど収まっています。
まとめ
筆者も食前セレモニーやボディスキャンをおこない、体重に一喜一憂されるダイエットをやめると3週間で2キロ痩せることができました。
ダイエットを特別なイベントとしてとらえるのではなく、生活の一部として仲良く付き合っていくことにより、自分の身体への向き合い方が変わってきて、集中力や幸福感が私生活でも増すようになりました。
お金のかからないダイエット方法なので食欲に悩んでいる方、リバウンドとダイエットに苦しんでいる方、またダイエットのプロフェッショナルとしてダイエットをお仕事にされている方は参考にしてみてください。