メイクアップアーティストや美容師に男性が多いように、1年ほど前から急激に「男性ネイリスト」が増えてきました。
男性でも脱毛やエステ、メンズコスメが浸透してきたように、ビジネスの場で名刺交換など、爪を見られる機会があること、男性でも甘皮処理や爪の健康に気をつかう人が増えてきたのも一つの理由です。
男性ネイリストには女性ネイリストにはない魅力があります。
実際にどのくらい男性ネイリストの需要や求人はあるのでしょうか。
また男性がネイリストになる際、女性とは違うメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は男性ネイリストについて解説していきます。
男性ネイリストの施術に興味のある方、男性でネイリストという職業に興味のある方は参考にしてみてください。
男性ネイリストの需要
ネイリストといわれると「女性の職業」というイメージを持つ人も少なくありません。
しかし、近年では多くの男性ネイリストが活躍しています。
さらに男性ネイリストの需要は年々増えてきています。
それには主に2つの理由があげられます。
メンズネイルの需要の増加
一昔前までネイリストも施術を受けるお客も「ネイルは女性のもの」という認識が当たり前でした。
しかし最近では「女子力男子」という事ばが定着するほど、メンズコスメが売れ、メンズエステ・脱毛が珍しいものでなくなりました。
美意識の高い男性の大半が、エチケットとして甘皮処理やツヤだしなど、ネイルケアのために通っています。
都心では男性専門ネイルサロンがあるほど、男性ネイルの需要は高まってきています。
しかし初めてネイルサロンに足を運んだり、女性と同じ空間で施術をしてもらうことに抵抗を感じる方も多くいます。
女性の目を気にする方、女性に手を触られることに抵抗がある方のためにも、男性ネイリストがいるサロンであれば、気兼ねなく入店することができます。
このため男性ネイリストの需要が高まっています。
男性目線でのネイルデザイン
女性の中には「自分のネイルが男性にどう見られているか」「男性にどのような印象を与えているのか」というのを気にする方も多くいます。
性別によってネイルの印象が違い、男性に好まれる男受けの良いネイルがしたい、という情勢も多くいます。
男性目線での施術を受けたい女性のためにも、男性ネイリストは需要があります。
男性ネイリストの現状・求人
求人サイトには男性を積極的に採用しているサロンやネイリスト求人はまだまだ少ないのが現状です。
男性ネイリストはまだあまり一般的ではないといえます。
しかし中には「男性ネイリスト歓迎」の求人や、メンズ専用ネイルサロンなどは存在します。
男性ネイリストがオーナー兼スタッフをするサロンもあり、今後ますます男性ネイリストの需要は高まってくるといえるため「男性だからネイリストになれない」ということはありません。
実際男性だから女性より施術が下手というのえで悩んでいるネイリストは少なく、むしろ接客面での悩みを抱える男性ネイリストの方が多くいます。
男性ネイリストに施術されることに慣れていない女性のお客様は、男性ネイリストに施術されることに困惑し、接客スキルが求められるようです。
サロンによっては男性ネイリストが働きやすい環境を整えている職場もあります。
求人数でみると男性ネイリストを募集するサロンは0.5~1割ほどで、転職や就職はまだ容易な職業ではありません。
しかしその一方で男性ネイリストを指名する女性客や、男性ネイリストを探すサロンもあります。
時代の流れとともにネイル界の意識や雰囲気が変わってくれば、男性ネイリストもごく一般的な職業となってきていきます。
男性ネイリストのメリット・デメリット
男性がネイリストとして働くにあたり、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
メンズネイルの場合、男性に施術を希望する男性が多く、男性ネイリストの方が利用しやすいという男性客からの声は多くあります。
また女性からも、男性目線でウケの良いネイルデザインができる事、独創的でスタイリッシュな男性ならではのネイルデザインが人気であるという女性客の声もあります。
また体力面でも女性より男性の方が勝っているため、安定して長く働くことが可能であり、多くのお客様に着くことができます。
また頼りがいのある接客や施術によって安心することができ、信頼関係を構築しやすいといったメリットもあるようです。
デメリット
一方で男性がネイリストとして働く場合、男性ネイリストの知名度や認知度が低いため、偏見もあります。
YouTuberでメンズネイリストでネイル講師も務める男性は、毛深いのが個性であると自身の体毛を処理せずに施術をしていたところ、視聴者から「気持ちが悪い」「男性なのにネイリストなんて」など誹謗中傷を受けたこともあったそうです。
また女性のお客様で異性に手を触られることに抵抗のある方もいるため、気をつかう場面が多くなってしまいます。
また体毛と同じように、身体的特徴で力加減や手汗などに気をつかうことが必要であったり、指が女性に比べて太い人も多いため、細かな作業は手の小さくて細い女性の方が器用にこなす場合もあります。
また求人募集件数が少なく、採用してくれるサロンを探すのが大変という声もありました。
また美容業界に多くあり、一苦労なのが「モデル探し」です。
技術を高めるためにハンドモデル・ネイルモデルを探していても、男性ネイリストは認知度が低いためナンパなどと間違われることが多く、頭を悩ませる男性ネイリストも多くいるようです。
また女性に施術をする際にはフットネイルの施術の場合、スカートの女性だと気をつかって施術に集中できないという男性ネイリストもいました。
筆者の通っていたネイルサロンの店長は男性で、他にも女性スタッフがいましたが、フットは女性スタッフに任せていると言っていました。
男性がネイリストとして活躍するには
男性がネイリストとして活躍するにはまだ認知度が低く、求人の少ない中から未経験で就職先を探すのは至難の業です。
単純にネイリストになるだけであれば、自分でサロンを開業することも可能ですが、しっかりとした技術を身に付け、顧客を獲得し施術を行っていくにはネイルの勉強や指導を受ける必要があります。
独学・未経験でサロンに就職し、実際に教えてもらいながら技術を取得していくことも可能ですが、できればスクールに通うことをオススメします。
プロである講師に直接指導を受ける方が、独学や通信講座で学ぶよりも知識や技術が身に付きやすくなります。
またスクールに通うことで就職先や求人を見つけやすくなります。
実際に男性ネイリストの中にはスクールに当時通っていたスクールの先生にスカウトされ、そのまま就職した男性ネイリストもいます。
スクールに通う際にはあらかじめスクール見学をするのもオススメです。
女性の多いネイルスクールに、男性一人で通うのに抵抗のある人もいることと思います。
一度スクールの見学に行き、自分にスクールがあっているかどうか、実際に見学に行った方がイメージがつきやすくなります。
最近では男性ネイリストのために男性専門のネイルスクールも数は少ないものの出てきています。
様々なメディアでも取り上げられています。
女性の中に一人男性生徒というのではなく、集団で同じ男性ネイリストを目指す同士として切磋琢磨することができます。
講師も男性であるため、女性だと相談しにくいことも安心して相談に乗ってもらうことができます。
男性がネイリストを目指すきっかけ
女性の多いネイル業界に、男性がネイリストを目指すきっかけにはどのようなものがあったのでしょうか。
「もともと彫金関係の接客業をしていて転職を考えた時、もともと光るものや絵を描くことが好きだったので、母に相談したところネイリストを勧められた(東京都)」
「以前美容に関係のない一般企業で働き、その会社の一環でスクールに通える制度があり、ネイルスクールに通いネイルに魅了された(大阪府)」
「もともと建築関係の仕事をしていたが、以前からプラモデルを作るなどの細かい作業が好きでネイル業界に興味があった。建築の仕事をしていてもやはりネイルへの興味が消えず転職した(東京都)」
「昔から手先が器用で、女兄弟や彼女のネイルケアを頼まれていたため、生活の一部だった。建築関係の仕事に就職しネイルは趣味程度だったが、本格的にネイルの勉強をしていきたいと思い男性ネイリストになった(東京都)」
「高校卒業と同時に通信の美容学校に通いながら美容室に就職していたがそのサロンが潰れてしまい、男性ネイリストの方が数が少ないし目立てると思いネイリストを目指した(大阪府・ネイルサロン経営)」
このように前職もきっかけも様々ですが、手先が器用で細かいことがもともと好きという人たちがほとんどでした。
まとめ
今回は男性ネイリストについて解説しました。
数が少なく、偏見もある男性ネイリストという資格ですが、メンズ美容に需要が高まる今日、男性ネイリストは今以上に世間に受け入れられ、需要も増えてくるということが予想されます。
興味のある人はスクール情報など、調べてみるのもいいかもしれません。