8月も終わり涼しく過ごしやすい日が続いき、秋らしい気候となりました。
秋といえば「食欲の秋」といわれるほど一年の中で旬の食材が多く、旬の食材は栄養価が高く、美容や健康に気をつかう方はぜひ摂取したいものです。
今回は秋が旬の特徴とその栄養価、美容・健康効果について解説していきます。
秋野菜の特徴
現在では栽培技術が進み、旬でない野菜でも一年を通してスーパーで時期に関係なく出回っていますが、旬の野菜は一年の中で最も栄養価が高く、味が濃厚でおいしく食べることができます。
秋の野菜は夏の厳しい暑さを乗り越えて育ったイモ類、キノコ類、収穫量の減る冬まで保存が可能な根菜類が多いのが特徴です。
栄養価としては、夏の暑さによって疲労した身体を回復させるビタミンやミネラル、腸内環境を整える食物繊維、冬に向けて寒さに負けない体力づくりに必要ない栄養素が豊富に詰まっています。
秋が旬の根菜
根菜類には食物繊維・糖質が豊富であり、ダイエット効果・保温効果などがあります。
根菜類は土に埋まっている部分を食し、ビタミン・ミネラルも豊富に含まれています。
水分が少なく固い野菜が多く、加熱すると甘みを増すのが特徴であり、煮物や煮込み料理・スープなどの長時間加熱する料理に向いています。
ニンジン
ニンジンは10~12月が最も旬であり、βカロテンを多く含む食材です。
Βカロテンは身体に吸収されるとビタミンAに変わり、免疫効果や肌の調子を正常に保つ効果があるため感染症予防、肌荒れや眼精疲労に効果的です。
抗酸化作用も期待されます。
Βカロテンは皮の内側に多く含まれるため皮付きのまま調理すると栄養価を逃がすことなく摂取できます。
また油分と一緒に摂取すると吸収率が上がるので炒め物として摂取したいものです。
一方酢と一緒に摂取すると吸収率が下がってしまうので注意が必要です。
このほかにも食物繊維・カリウムが豊富であり、食物繊維は胃腸の働きを正常にし便秘解消に効果があり、カリウムには利尿作用がありむくみ防止にも効果があります。
ニンジンの葉にはビタミンC、B2、カルシウムが豊富に含まれています。
レンコン
レンコンにはビタミンCが豊富に含まれており、疲労回復や美容効果が期待できます。
食物繊維も豊富なため便秘の改善・動脈硬化・高血圧・発がん性物質の抑制に効果があります。
レクチン・タンニンも豊富に含まれており、免疫力アップや止血、胃腸の働きを整えるのにも効果的です。
ごぼう
ごぼうは春にも旬を迎えますが、春が旬のごぼうは新ごぼうと呼ばれます。
秋に旬を迎えるごぼうは食物繊維・オリゴ糖が豊富に含まれており、腸の働きを活性化させてくれます。
ごぼうの皮には抗酸化作用のあるポリフェノール・むくみ解消に効果的なカリウムが豊富に含まれており、皮をむかずにたわしで汚れを落として皮のまま食べるのがススメです。
このほかにもイヌリン、マグネシウム、アルギニン、カルシウムが豊富で身体を温め、発汗作用がります。
煮すぎると身体を温める効果が半減してしまいます。
秋が旬のイモ類
栽培が簡単で栄養価の高いイモ類は世界中で食べられており、可食部根や地下茎にでんぷんが蓄積され肥大化したものです。
イモ類は食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールが豊富に含まれており、イモ類のビタミンCはでんぷんで守られているため加熱しても壊れにくいのが特徴です。
サツマイモ
サツマイモには食物繊維、ビタミンC、ビタミンEが豊富に含まれており、60℃程度の温度でゆっくり加熱することにより甘みが増し、消化・吸収の効率が良くなります。
サツマイモを切るとヤラピンと呼ばれる白い汁は食物繊維が豊富に含まれており、胃の粘膜の保護・整腸作用があります。
ヤラピンも皮の近くに多く含まれているため皮のまま調理する焼き芋は理にかなった調理法です。
また高血圧や利尿作用のあるカリウムも豊富に含まれています。
紫のサツマイモにはアントシアニン、安納芋などのオレンジのサツマイモにはカロテンが豊富に含まれています。
ジャガイモ
ジャガイモは春と秋に旬を迎えますが、秋に収穫されるジャガイモはでんぷん質が多く、ほくほくとした食感が特徴です。
ジャガイモは別名「畑のリンゴ」と呼ばれるほどビタミンCが豊富に含まれており、イモ類の中でも一番多く含まれています。
また整腸作用のある食物繊維、利尿作用・高血圧予防の効果があるカリウムもイモ類の中でトップクラスに含まれています。
秋が旬のキノコ類
秋の味覚といえばキノコを思い浮かべる人も多く、栄養価が高くカロリーの低い食材として知られており、ダイエット中の方はぜひ取り入れたい食材です。
キノコ類は近年多様化しており種類も豊富であり、品種改良もおこなわれています。
干しシイタケなどの乾物でも栄養価は生のものとほぼ変わらないため安心して食べることができます。
またキノコは水で洗うと栄養価が流れてしまうため、汚れを濡れ布巾で副程度に含め、冷凍保存させることによってうまみ成分がアップします。
マイタケ
マイタケにはカリウム、亜鉛、食物繊維、ビタミンB2、ナイアシン、トレハロース、チロシナーゼ阻害物質、βグルガンが豊富に含まれる秋の味覚です。
マイタケに含まれる免疫力アップに効果のあるβグルガンは、キノコの中でもトップクラスであり、インフルエンザ予防にも効果的です。
ビタミンB2には脂質をエネルギーに変え、肌荒れを防ぐ効果があります。トレハロースには肌の潤いを保つ効果があり、チロシナーゼ阻害物質はシミ・そばかすの原因となるメラニンの活性化を抑え、美白効果、ストレスによる肌荒れを予防・改善します。
しめじ
味にクセがなく、和・洋・中華、どんな料理にも合わせやすいのがしめじです。
一般的にスーパーで売られているしめじは「ぶなしめじ」と呼ばれ、ビタミンD,ビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB群は疲労回復に効果があり、ビタミンDは野菜や果物からの摂取が難しく、しめじのビタミンDは貴重です。
また二日酔いに有効なアルコールの分解を助ける効果のあるオルニチンは、シジミの5~7倍含まれており、酒のつまみや二日酔いの時に食べるのもオススメです。
またオルニチンには肌のターンオーバーの促進を助ける働きがあり、肌の乾燥、くすみなど、あらゆる肌トラブルに対応します。
秋が旬の葉野菜
秋のは野菜は調理方法がバラエティーに富んでおり、使い勝手が良いのですが天気・気候の影響を受けやすいのが特徴です。
葉が可食部である野菜は葉菜類といいますが、そのままで食べられるものが多くあります。
サラダや和え物、鍋やスープとしても使いやすいものが多いです。
ブロッコリーやカリフラワーなどの蕾を食べるもの、アスパラガスなどの茎が可食部である野菜も葉菜類の一種です。
秋は夏よりも涼しいため、身体を冷やす効果の葉野菜は少ないのですが、中には身体を冷やす作用のものもあるので注意が必要です。
ブロッコリー
ブロッコリーにはビタミンCが豊富に含まれており、美肌効果、免疫力アップ、風邪の予防に効果的です。
また葉酸多く含まれており、神経管閉鎖障害のリスクを下げることも期待されています。
またブロッコリーの新芽、ブロッコリースプラウトにはスルフォラファンが多く含まれており、がん予防にも効果的です。
生では食べずらいブロッコリーですが、ブロッコリースプラウトであればビタミンCを壊すことなく食べられるのでオススメです。
ほうれん草
ほうれん草は鉄分、βカロテンが多く含まれる食品であり、貧血などに効果的で女性は積極的に摂りたい葉野菜です。
ほうれん草の鉄分は吸収が難しいのですが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。
吸収しやすい鉄分を多く含む卵黄と一緒に食べるのもオススメです。
またほうれん草の根の赤い部分にはマンガンが多く含まれており、カルシウム・マグネシウム同様骨の形成に役立ちます。
またβカロテンには目の粘膜を保護し視力維持、髪の毛、皮膚などの健康に効果があります。
ほうれん草は身体を冷やす葉菜類なので取りすぎに注意が必要です。
チンゲン菜
チンゲン菜にはβカロテンが多く含まれており、髪の毛・肌・粘膜・目の健康維持に効果的で、肺や呼吸器系の保護にも役立ちます。
またカルシウム、カリウム、ビタミンCも豊富に含まれており、疲労回復・美肌効果・イライラ防止・高血圧予防に効果があります。
油で調理するとビタミンやミネラルの吸収率がアップするため、茹でるときも油を使うことをオススメします。
まとめ
秋が旬の野菜には夏の疲労を回復させ、整腸作用や冬に向けての身体づくりを助ける野菜が豊富にあります。
食べやすくビタミンCの多いイモ類、ダイエット食として人気のキノコ類、身体を温める根菜類、調理しやすい葉菜るいなど、秋には多くの野菜がおいしく頂けます。
今回紹介できなかったカボチャなど、このほかにも秋が旬の野菜は多くあります。
美容効果・健康効果のために、今日から少しずつ秋が旬の野菜を摂取するようにしてみてはいかかでしょうか。