2021年の美容トレンドといっても過言ではないほど、美容業界では「ハイフ(HIFU)」という言葉を良く聞いた一年です。
クレームやトラブルの多いエステ業界ですが、エステでハイフ施術を受けてやけどなどのケガを負ってしまい、消費者生活センターに問い合わせも増えています。
せっかくお金を払ってキレイになりたいと思っても、火傷や事故などにより治らない傷ができてしまっては意味がありません。
ハイフには医療用ハイフとエステで受けれるハイフがありますが、どのように違うのでしょうか。
実際にハイフの施術を受けた筆者が、エステサロンで受けれるハイフについて解説していきます。
エステサロンのハイフに行きたいと思っている人、「エステのハイフを受けてみたいけど不安……」という人は参考にしてみてください。
エステで受けるハイフは本当に危険なのか?
「エステ ハイフ」でネット検索するとハイフを取り扱うエステサロンの広告や美容外科の広告などが出てきますが「エステ ハイフ 危険」などの関連ワードが上がってきます。
これを見て不安になる人もいるかと思いますが、実はエステのハイフは危険というのは以前からいわれていて、少し法律的にグレーゾーンのところもあるのが現状です。
実際にエステでおこなわれるハイフについて、消費者センターにも多くの問い合わせが来ています。
なぜエステで受けるハイフが危険といわれているのでしょうか。
ハイフは虫眼鏡で太陽光を集めて紙を焦がすことができるのと同じように、光ではなく超音波を集めて一点に集中させ、そのエネルギーによって脂肪の溶解や皮下組織を刺激し、リフトアップ効果や痩身効果が期待される美容施術です。
これらのことからわかるように、ハイフには皮下組織を高温にすることが可能であるということがイメージできるかと思います。
ハイフは施術技術の名称であるため、エステや美容医療で受けることのできるマシンには、様々なマシンがあります。
◎インディバ(ラジオ波マシン)
◎ウィンバック(ラジオ波マシン)
◎ウルセラ(ハイフマシン)
◎フォーカスネオ(ハイフマシン)
危険が多いとされているのは「安いハイフマシン」と「医療用のハイフマシン」です。
ハイフマシンをはじめとしたエステマシンは通常100万~300万円程度するのが相場ですが、海外製のマシンは安いものも多く、30万円程度で買えるものもあります。
海外製のマシンは安いのですがトラブルの原因となっていることが多く、これらによりハイフが危険といわれている一つの原因となっています。
一方美容クリニックなどで扱われているハイフマシンは、サロンで使われているものよりも出力数が高く、危険といわれています。
美容クリニックでハイフの施術をできるのは、医師免許か看護師免許を持っている者のみです。
エステティシャンが扱うことはできません。
エステサロンで受けることのできるハイフマシン
医療用のハイフマシンはエステサロンでは扱うことができませんが、エステでも扱えるハイフマシンももちろんあります。
以下のハイフマシンであれば、エステサロンでも使用可能です。
シーライン
もともと医療用として使われていた「ダブロ」というハイフマシンが、エステ用に改良されたものです。
医療用ハイフに比べて、出力数を細かく設定することが可能です。
カードリッジを変えることにより、ボディにもフェイシャルにも使うことができます。
脂肪溶解効果だけでなく、皮膚細胞を活性化させることもできるため、脂肪を除去しながら肌の引き締めをすることも可能です。
シーラインによって、コラーゲンとエラスチンの生成が活発になるという報告がされているハイフマシンです。
G-SHOT
シーラインの肌へのダメージをさらに減らすために開発されたのが「ジーショット(G-SHOT)」です。
肌表面を冷却しながら施術ができるため、火傷などのリスクを減らすことができます。
日本産のハイフマシンで世界70か国で使用される実績を持つ、信頼のおけるマシンです。
Di-Focus
ディーフォーカスと呼ばれるハイフマシンは脂肪細胞だけでなく、セルライトも除去していく効果も高いのが特徴です。
他のエステマシンやセルフケアではセルライトケアが難しいのですが、セルライトケアにもアプローチできるので人気のハイフマシンです。
日本製で信頼が高いため、導入しているエステサロンは多くあります。
ウルトラハイフ
即効性を感じられる、エステ用ハイフマシンです。
超音波周波数の低い「サーマルハイフ」と同じ技術を取り入れて入りため、エステ用ハイフではあまり感じられない施術中の温かさを感じることのできるマシンです。
サーマルハイフの熱による収縮効果と超音波振動により、術後すぐにサイズダウンを期待することができます。
これらのマシンであればエステでもハイフを受けることは可能です。
しかし医療用のハイフをこっそり使っているサロンもちらほらあるのも事実です。
医療用のハイフは医師免許がなければ販売することができないはずなので「エステで医療用ハイフが安く受けられる!」と思わない方が無難です。
医療用ハイフをエステで使用し何事もなければいいのですが、一生消えない傷がついて困るのは自分自身です。
サロンでハイフを受ける際には、どのハイフマシンを使用しているか確認できるサロンであれば安心してハイフを受けることができます。
ちなみに厳密にいえばエステ用のハイフはハイフではありません。
拡散式超音波という施術になり、エステ用ハイフは超音波の出力が低く施術途中でエネルギーが拡散してしまうため一点に集中して高いエネルギーは生まれないので、正確にはハイフとはいいません。
これらは火傷のリスクが少ないため、安心してエステで施術を受けることができます。
エステでのハイフは違法なのか?
一番安心してハイフを取り扱うには医師免許を持ったスタッフを雇うのが一番いいのですが、現実問題としてなかなか難しいのが現状です。
医療資格のないサロンスタッフのみで合法的にハイフを取り扱うには、医療用ではないハイフを取り扱うことと、「ハイフ(HIFU)」という言葉を使わないことです。
ハイフマシンには、医療用認定を取っている医療機器と認められるハイフマシンと、認定を取っていない上記のような非医療用ハイフマシンがあります。
合法的にエステサロンでハイフを行うには後者のハイフマシンを使用する必要があります。
しかし医療用認定が取れていないハイフマシンは、医療効果が認められていないということになります。
医師法代17条によると「医師でなければ、医業をしてはならない。」とあり、ハイフは医療技術であり、ハイフそのものが医療行為です。
そのためエステサロンでハイフ施術をおこなえば医師法違反になります。
エステで非医療用のハイフマシンを用いた場合でも、広告やクーポンなどに「ハイフ(HIFU)」という言葉は使えません。
「エステ用ハイフ」などの文言も厳密には法律上NGです。
しかし、現状ではエステサロンにおいて「ハイフ(HIFU)」という表現は多く見られます。
ハイフ以外の言葉で「拡散式超音波」という言葉であれば問題ないのですが、ハイフとわかりづらく、集客が難しいかもしれません。
ハイフというネームバリューから離れて、サロン独自のネーミングを付けて新しいブランドにするのが、今後エステでハイフを扱う上での新しい価値になってくることが予測されます。
ハイフをエステで受けたい!サロン探しのポイントは?
医療用のハイフに比べて効果は劣るものの、サロンで受けられるハイフは安価であり、通いやすいという人も多いものです。
実際に医療用は出力が強いものが多く、医療従事者であっても火傷などの事故トラブルになることはあります。
ではどのようにサロンを選べばいいのでしょうか?
HPやお店のブログに扱っているハイフが載せてあるサロンは安心して使用できます。
またそのハイフ機器が国産であるかどうかも調べるとより安全に受けることができます。
結局は医療ハイフもサロンのハイフでも人が扱うため、施術件数が多くハイフの扱いが慣れている信頼できるサロンやクリニックでおこなうのが一番です。
このような点に気を付けてサロン選びをすれば安全にハイフをおこなえる可能性が高いといえます。
まとめ
今後の法律がどのように変わるかわかりませんが、エステサロンで「ハイフ(HIFU)」という言葉を使うことは厳密にはできません。
サロンでハイフを受ける際には、施術の表記やHP、口コミなどを良く確認したうえで施術を受けるのが安心といえます。