エステや美容外科の施術メニューの中に、必ずといっていいほど目にする「超音波」という文字。
超音波は美肌などの美容効果がありそうなことは何となくイメージできますが、実際にどのような効果があるのか知らない人は多いものです。
また超音波と同じくらいよく目にするのが「高周波」です。
これらにはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は超音波・高周波の効果や施術を受ける際の注意点について解説していきます。
超音波についてどのような効果があるのかよくわからない、という人は参考にしてみてください。
超音波・高周波とは?
超音波
超音波とは、ヒトには聞き取れない周波数の音波のことをいい、1秒間に2万回以上の振動波「20,000Hz・20kHz」以上の振動波のことです。
身の回りでは超音波歯ブラシやエコー検査の際にも使われています。
超音波歯ブラシでは1~2MHz程度、腹部エコーでは3~5MHz程度といわれています。
一般的な美顔器に使われる超音波数は1~9MHzであり、使用するマシンによって周波数が大きく異なります。
数値が大きいほど肌に働きかける出力が大きくなりますが、一概に数値が大きければ大きいほどいいという訳ではありません。
使用目的に合わせて、適切な周波数で施術を受けることが重要です。
超音波は微細な振動によって様々な美容効果があり、有効成分を効率よく届けることができます。
高周波
高周波とは「RF(Radio Frequency)」と明記されることもあり、ラジオ波とも呼ばれています。
熱を発生させることにより身体の芯から体温が上昇し、リンパの流れや血流を促進し、美容効果を発揮します。
アンチエイジング等に効果があり、美容医療・美容機器に多く取り入れられています。
超音波の美容効果
超音波には様々な美容効果が期待されています。
クレンジング効果
ファンデーションなどの化粧品には油性成分が配合されているため、毎日のメイクによって毛穴の奥深くまで浸透してしまいます。
日々のメイクによって汚れが毛穴の奥まで浸透してしまい、ニキビや毛穴汚れの原因となってしまいます。
通常のクレンジング・洗顔で完全に落としきるのは難しく、どうしても汚れが残ってしまいます。
超音波によるクレンジングでは、1秒間に2万回前後の振動によって肌表面の汚れを浮かび上がらせ、普段のクレンジングでは落とすことができない肌の汚れを肌に、摩擦を与えることなく除去することができます。
超音波によるクレンジング効果は肌を清潔にすると同時に、美容成分の浸透力を上げることができます。
肌の汚れを落とすことができるため、施術後は手触りがとても滑らかになります。
毛穴の汚れを改善できるため、ニキビ予防にも効果があります。
マッサージ効果
超音波が身体の内部に伝達される際、1秒間に100万回の振動がマッサージ効果を発揮します。
超音波によるマッサージ機能により、筋肉細胞を刺激し老廃物の除去や血流・筋肉機能の改善により、リフトアップ効果やフェイスラインをすっきりさせることが期待できます。
肌の表面を摩擦することなく、ハンドマッサージでは行えない肌深部のマッサージをおこなうことができます。
またむくみの原因は脂肪の蓄積やリンパ液の滞留により引き起こされます。
超音波ではこれらの脂肪燃焼、リンパ液の流れを改善することができるため、むくみ改善や小顔効果があります。
ターンオーバーの促進
年齢とともにターンオーバーの周期が長くなり、老化した細胞が溜まってしまい、くすみの原因となってしまいます。
超音波の振動エネルギーが表皮から皮下組織に吸収され、細胞内でジュール熱が発生します。
振動エネルギーから熱エネルギーに変換される際に交感神経を刺激し、血管を拡張させ血液量が増加します。
超音波を使用することにより、顔の血流を良くし新鮮な酸素と栄養分を細胞に行渡らせることができるため、新陳代謝を促し細胞の生まれかわるスピードを速めることができます。
これによってターンオーバーが正常化され、くすみの改善が期待されます。
高周波の美容効果
むくみの改善
高周波は肌の深部へ振動を与えることにより、真皮層の深部を温めることができます。
これによって血行促進・リンパ液の流れが良くなる為、むくみの原因となる滞留したリンパ液や血液がスムーズに流れるようになるため、むくみが改善されます。
シミ・くすみの改善
加齢によるターンオーバーの長期化により、シミやくすみの原因となってしまいます。
高周波には肌細胞に刺激を与えることができるため、新しい細胞を作り出す効果を高めることができ、ターンオーバーを正常に戻すことができます。
肌の再生能力が落ちると、シミ・くすみの原因となるメラニン色素を上手く排出することができません。
これがくすみやシミの原因となってしまうのです。
高周波によってくすみ・シミ改善を期待できるため、アンチエイジング効果が期待されます。
しわ・たるみの改善
シワやたるみの原因は、真皮層にあるコラーゲンの減少により引き起こされます。
コラーゲンは繊維質の状態で顔に網目状になって構成され、繊維芽細胞と細胞間物質にくみこまれており、肌の弾力に大きく関係しています。
コラーゲンは体中に存在していますが、特に真皮層にあるコラーゲンは美容に大きく関係し、不足するとシワやたるみの原因となってしまうのです。
高周波は線維芽細胞の活性化をすることができるためコラーゲンを刺激し、結果的にコラーゲンの量を増加させ、肌にハリを与えシワ・たるみに効果的なのです。
超音波・高周波を受ける際の注意点
超音波・高周波には前述のように、高い美容効果を発揮することは理解できたと思いますが、自身で美顔器を使用する際やエステ・クリニックでの施術でも思わぬトラブルとなってしまうことがあります。
特に超音波を当てる頻度や時間には注意が必要であり、過度に当ててしまうと肌を傷めてしまい、火傷に似た状態を引き起こしてしまうことがあるため、痕が長期間残ってしまう可能性があります。
そのためエステ・クリニックの施術はもちろん、自宅でセルフケアする際も、推進されている使用頻度は週に2~3回程度です。
またニキビ予防に効果的な超音波ですが、化膿してしまったニキビへの使用は避けたほうが無難です。
化膿したニキビはブドウ球菌やアクネ菌が増殖している状態であり、強い刺激によって簡単につぶれてしまうため、ニキビ痕の原因となってしまうことがあります。
また金属アレルギーの人は美容機器を当てること自体が難しく、施術ができない場合があります。
超音波や高周波を当てる際には、施術部分が金属でできているため、肌に直接接触させることにより美肌効果を発揮します。
そのため金属アレルギーがある場合は施術できない場合があります。
金属アレルギーには個人差があるため確実にアレルギー反応が出るわけではありませんが、注意が必要です。
周波数の違い
超音波を使用する美容機器には振動数により効果が違います。
一般的に美容に用いられる場合、超音波の振動数は1~9MHzと幅がありますが、目的に応じて使い分けが必要です。
振動数が小さい場合、肌の深部まで働きかけることができるため、リフトアップに効果的です。
肌のたるみが気になる場合は振動数を小さくします。
振動数が大きければ肌表面への施術効果が大きくなるため、マッサージやクレンジング効果、毛穴ケアを期待するのであれば、振動数が大きいもので施術します。
まとめ
エステ業界では40年以上前から取り入れられてきた超音波について、理解は深まったでしょうか。
超音波・高周波による美容効果は大きいため、いつも人気のある施術であり絶大な支持を集めています。
今回の記事を参考に、エステサロンや美容クリニックでの施術、家庭用美顔器を選ぶ際の参考にしてください。