「ハチミツが美容や健康にいい」ということは、聞いたことがある人も多いと思います。
しかし、どのように美容や健康に効果があるのか知らない人も多いものです。
化粧品にも多く配合されることもあり、最近ではウクライナ情勢により、農作物を育てるのに適している平原が続くウクライナは、世界有数の養蜂大国であり、ウクライナ産のハチミツを購入して支援しようという動きも出ています。
今回は最近注目の集まるハチミツについて、詳しく解説していきます。
ハチミツとは?
ハチミツは、ミツバチの働きバチが花の蜜を採取し体内に蓄え、巣に戻ると吐き出し、それを溜めたものです。
花の蜜の成分はショ糖という成分ですが、ミツバチは自身の持つ酵素によってブドウ糖と果糖に分解します。
働きバチの持ち帰った蜜は水分が70%と水分の多い状態であり、これを巣にいる貯蔵係のハチに口移しで渡します。
この時にハチの唾液が混ざり合い、花の蜜の成分をさらに分解します。
貯蔵係のハチは、自身の羽で羽ばたいて水分を蒸発させ、水分量が20%になるまで濃縮します。
濃縮されたハチミツは巣作りをするハチが蜜蝋によってフタをし、時間をかけて熟成されハチミツが出来上がります。
その後、養蜂場によって巣板を遠心分離器にかけ、フィルターでろ過して不純物を取り除くことにより、私たちの口に入るハチミツが完成します。
1匹のハチが一生のうちに集められる量は、ティースプーン1杯分といわれるほど貴重なハチミツですが、自然界で一番甘い蜜といわれています。
ハチミツには、単花蜜と百花蜜の2種類があります。
セイヨウミツバチには、様々な花が咲いていても、一つの花から蜜を採取したら、可能な限りその花のみの蜜を採取するという性質があります。
一つの花から蜜を採取されてできたハチミツを、単花蜜と呼ばれます。
これに対し、百花蜜は複数の花から採取された蜜によってできているハチミツです。
日本に古くから生息する二ホンミツバチは、野山に咲くいろいろな花から蜜を集める習性があり、百花蜜のハチミツを作ります。
現在販売されているハチミツのほとんどが、セイヨウミツバチによって採取される単花蜜のハチミツです。
単花蜜は花により匂いや味に特徴があり製品として味が安定していますが、百花蜜は製品によって味や匂いが違います。
ハチミツの選び方
スーパーや百貨店では様々な種類のハチミツが並んでいますが、ハチミツの加工処理によって「純粋ハチミツ」「加糖ハチミツ」「精製ハチミツ」の3種類に分類されています。
純粋ハチミツは天然成分100%のハチミツであり、水分量が23%以下で果糖・ブドウ糖の含有量が多く、厳しい品質基準をクリアしたハチミツのことを指します。
加糖ハチミツは販売コストを抑えるために様々な糖を加え、加工しているハチミツです。
水分を加え量を増やしているため、純正ハチミツより栄養価が下がるため、ハチミツ本来の効果は期待できません。
精製ハチミツはハチミツに含まれる栄養素を除去しており、ハチミツ独特の色や香りがなく、ハチミツの含有量が60%以下のものを指します。
ハチミツの美容・健康効果を十分に得たいのであれば、純粋ハチミツを選ぶようにします。
精製ハチミツ・果糖ハチミツは栄養価がかなり薄められているため、単なる甘味料として考えておいた方が無難です。
また純粋ハチミツに含まれる酵素は46℃を超えると熱破壊されてしまうため、輸入の温度管理をされている商品を選ぶのもポイントです。
加工されていない、生の天然ハチミツを選ぶようにします。
ハチミツの栄養価
ハチミツの成分は主に、ブドウ糖・果糖・水分でできています。
その他にカルシウムや鉄分などの27種類のミネラル、22種類のアミノ酸、80種類の酵素、ポリフェノールなど、150種類もの栄養素を含むスーパーフードです。
ハチミツに含まれる糖分は、体内に取り込まれるとブドウ糖と果糖の単糖類となるため、胃腸への負担をかけずに短時間で吸収されエネルギー源となります。
激しい運動の前にハチミツ入りのドリンクを飲んだり、体調を崩している時や疲れがたまっている時など、効率よく栄養分を吸収し、短時間で効果的に身体を回復させることができます。
ハチミツに含まれるビタミンには、ビタミンB1、ビタミンB2などのビタミンB群が豊富に含まれています。
その他にも、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンK、コリンなど、多くのビタミンが含まれています。
ハチミツに多く含まれるビタミンB群は少量でも効果のある『活性型』といわれるビタミンであり、さらにビタミンB群は疲労物質の乳酸を燃焼させる働きがあるため疲労回復には欠かせないビタミンです。
ハチミツに含まれるビタミンB2、ビタミンB6には、細胞の再生を促したり、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。
乾燥による肌荒れ、髪の毛のパサつきにも効果があります。
ハチミツにはビタミンCが少ないため、ビタミンCを多く含むレモンのハチミツ漬けや、フルーツにかけたり、サラダのドレッシングに混ぜて使用するのもオススメです。
ハチミツの美容・健康効果
多くの栄養素を含むスーパーフードであるハチミツですが、美容や健康には以下のような効果があります。
●低カロリー・低GI
はちみつのカロリーは砂糖に比べて20%もカロリーが低いにもかかわらず、砂糖の3倍の甘さがあり、ダイエットに適した食材です。
料理で使用する砂糖の代わりに、ハチミツに代用するのもオススメです。
また加熱せずに生でハチミツを酵素が壊れないため、ヨーグルトにかける砂糖の代わりにハチミツを使用するのも、理にかなっています。
さらにハチミツの糖分は血糖値の上昇スピードがゆっくりと上昇していく、低GI食品です。
低GI食品とは、血糖値の上昇が緩やかであるため、インスリンの分泌を穏やかにしてくれる食品のことをいいます。
インスリンが大量に分泌されると脂肪として蓄えられやすくなるため、ハチミツは脂肪が気になる人にもオススメです。
砂糖のGI値が109なのに対して、ハチミツのGI値は28であるため、ダイエット中の人はぜひ取り入れたい食品の一つです。
●抗酸化作用
ヒトが日々過ごしていくごとに身体が酸化し、そのたびに身体が衰えていきます。
身体の酸化を防ぐ成分として、ポリフェノール、ビタミン、ミネラルがありますが、ハチミツにはこれらの栄養素が多く含まれています。
1日にスプーン1杯のハチミツを摂取することにより、エイジングケア効果が期待できます。
●肌荒れ改善
ハチミツには豊富なビタミンが含まれているため、肌荒れ防止に効果があります。
さらに殺菌・抗菌作用もあり、豊富なビタミンによって皮脂の過剰分泌を抑える効果もあるため、ニキビ予防にも効果的です。
●免疫力の向上
ハチミツには多くのビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素が含まれており、特に腸に作用して免疫力を上げる効果があります。
腸には排泄物を作るだけでなく、全身の免疫細胞の7割が司っています。
腸の調子を整えることにより、外部から入ってきた病原体と戦い免疫力の向上につながります。
さらに生のハチミツにはグルコン酸が含まれ、腸内の善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やす働きがあり、インフルエンザや肺炎などの予防にも効果があります。
まとめ
今回はハチミツの美容効果について解説しました。
スーパーなどで手軽に手に入れられるハチミツですが、十分にハチミツの美容効果を得たいのであれば、純粋ハチミツと成分記載されているものを選ぶようにします。
ハチミツは食べるだけでなく、肌に直接塗っても美容効果を得ることができるので、次回はハチミツをスキンケアに取り入れる方法について解説します。