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「百害あって一利なし」喫煙が美容にもたらす影響について徹底解説

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2020年4月から客席面積が100㎡以上のお店では分煙が求められるようになりましたが、世界的に見て日本はまだまだ禁煙に対する意識が低いことが見受けられます。

2016年にJTが行った調査によると、男性の喫煙率は30%、女性の喫煙率は10%と低いように感じますが、女性に関しては増加傾向にあり、海外と比べると意識の低い国に入っています。

「タバコは百害あって一利なし」とよく言われますが、傾向として美容業界で働く人の喫煙率は高いように思います。

タバコは健康・美容の大敵といわれていますが、具体的にタバコがどのように美容に影響するのかについて、解説していきます。

美容に影響するタバコの成分

喫煙は自律神経の乱れ、血管の収縮や血流量の低下、血液中の酸欠、人体の細胞に障害を引き起こします。

具体的に、タバコに含まれるどのような成分が影響するのでしょうか。

ニコチン

タバコの主成分「ニコチン」は血管を収縮させ、血行を妨げます。

血流が悪くなると皮膚体温の低下、新陳代謝の低下を招き、皮膚の真皮細胞の働きが衰えるためシワ、たるみ、かさつき、くすみの原因となります。

タバコを吸うと皮膚の温度が2~5度程度低下し血行が悪くなり、元の皮膚温度に戻るのに1時間以上の時間を要します。

そのころに次のタバコを吸うということになり、皮膚の温度は常に低下し続けてしまいます。

ニコチンを摂取することにより、どんなにエステでマッサージしても追いつくことがないのです。

活性酸素

タバコを吸うと活性酸素が発生します。

活性酸素は細胞内の不飽和脂肪酸と結びつき、酸化脂質、いわゆる「サビ」に変化します。

細胞膜が酸化によってサビつくと、細胞が劣化・老化します。

そのためシミ、シワなどの肌の老化の原因となってしまいます。

また活酸素はエラスチンを分解する酵素「エラスターゼ」を活性化し、エラスチンを分解してしまうため、肌のハリが失われます。

活性酸素は生活習慣病の原因となり、細胞内のDNAを傷つけがん細胞に変異します。

タバコ1本で100兆個の活性酸素が発生するといわれており、さらに抗酸化作用のあるビタミンC、βカロテンも減少してしまうため、活性酸素の被害が拡大し、老化が促進されます。

さらに活性酸素によって細胞が傷つけられアポトーシスといわれる細胞の自殺がおこり、肌細胞の老化を招くだけでなく、傷ついた細胞が増殖し続けることによりがん細胞に変異する恐れもあります。

一酸化炭素

タバコを吸うと体内に一酸化酸素が取り込まれるため、血中のヘモグロビンは酸素ではなく一酸化炭素と結合します。

そのため血管内が酸素不足に陥ります。

血液中の酸欠状態が続くと細胞の代謝が下がるだけでなく、肌本本来の働きが失われ、乾燥肌や肌荒れを起こすだけでなく、肌の色や唇の色も変色してきます。

喫煙によって唇の色が不自然に黒ずむ「ブラックリップ」と呼ばれる唇に変色することがあります。

特に喫煙によって引き起こされるブラックリップは、下唇が黒く変色します。

禁煙すると2~3か月で赤みが戻ってきますが、ある程度変色の進んでしまったブラックリップは黒いまま元に戻りません。

唇を見ると、唇の色は紫色なのですぐに喫煙者とわかります。

一酸化炭素によって細胞の代謝の低下だけでなく、ニコチンによる血管収縮作用との相乗効果により血管や細胞の栄養分となる酸素がいきわたらなくなるため、老廃物が排出されず蓄積されて黒ずんで見えるためです。

唇、目の下などは皮膚が薄く、見た目に顕著に現れてしまいます。

自身が喫煙しなくても、副流煙を吸い込む環境でも体内の酸欠を招いてしまうため注意が必要です。

タール

タバコに含まれるタールにより、肌の色が黒くなります。

毛穴にも付着するため、毛穴の黒ずみの原因ともなってしまいます。

またタールが歯に付くと歯が黄色く変色し、歯茎も黒ずみ、口臭の原因ともなります。

水を張った灰皿にタバコをつけておくと、水が茶色く濁ります。

口の中には唾液があり水分があるため、喫煙時の口の中は水を入れた灰皿の状態のようになってしまうのです。

喫煙時の口の中はこれと同じ状況であり、その水を飲んでいるのと同じ状況が起こってしまいます。

また肺に吸い込まれたタールは血中にも色素を運び、身体の内側からも肌の色を黒くしてしまいます。

さらに皮膚や粘膜など、身体の外側からも付着し、さらにニコチンの影響によって血行不良が起こるため、色素沈着が起こります。

喫煙によりビタミンCも破壊されるため、新しい細胞が生まれるのも阻害されることも色素沈着の原因となります。

喫煙によって引き起こされる美容への影響

上記に記したのはタバコの代表的な美容に害を与える成分ですが、そのほかには喫煙によって美容にどのような影響があるのでしょうか。

ビタミンCの破壊

タバコ1本で25~100mgのビタミンCが破壊され、たった2本のタバコによって1日に必要なビタミンCの量が失われ、ビタミンC不足が起こります。

ビタミンCはメラニンの生成を抑制する効果があり、不足するとシミやソバカスなどの色素沈着を起こしやすくなります。

またビタミンCには肌の弾力を保つコラーゲンの生成を活性化させる働きがありますが、不足するとハリやツヤが失われ、シワができやすくなります。

さらにビタミンCには活性酸素による抗酸化作用もあるため、不足すると抗酸化作用も抑制されるため、老化の原因となってしまいます。

そのほかにもビタミンC不足によって感染症にかかりやすくなったり、ストレス耐性が弱くなり、体調を崩しやすくなります。

ビタミンCはストレスから身体を守る副腎皮膚ホルモンの原料ともなるため、不足するとストレスに弱い身体になってしまいます。

ビタミンCは美容に欠かせない成分であり、コラーゲンの生成、メラニンの抑制、免疫力アップ、傷のリカバリー効果、ストレスの抑制、抗老化作用などがあります。

またビタミンCには遊離脂肪酸からセラミドを合成し、肌のバリア機能を上げたり、肌のきめを整える効果もあります。

喫煙者はビタミンC不足に陥りがちになり、肌にトラブルを起こしやすくなってしまいます。

喫煙者はほうれい線などの顔の深いシワや小じわ、頬の輪郭の出っ張りが目立ちやつれたような顔になり、萎縮して灰色に肌がくすみ、オレンジ、紫、赤のまだら模様のような『多血症顔貌』を引き起こしてしまいます。

喫煙者のこれらの顔の特徴を「スモーカーズフェイス」といい、深いシワを「スモーカーズリンクル」、口周りの目立つ縦じわを「スモーカーズライン」、顔色が悪くシワの目立つ顔を「シガレットスキン」と呼ばれることがあります。

喫煙者はタバコを吸わない人に比べてシワの発生頻度が5倍といわれており、50歳の時点で65歳程度の肌になるといわれており、紫外線と同じくらい影響を与えるといわれています。

タバコの煙による刺激

タバコの煙の粒子には肌への刺激だけでなく、目に染みるため顔をしかめる回数が多く、顔をしかめている間はコラーゲンの生成が行われず、その部位にシワが刻まれます。

また口から吸いこむタバコの煙はのどの生態を刺激し、その影響により声がガラガラになったり、低くなってしまうということが起こり、見た目だけではなく、声でも年齢や清潔感のなさを与えてしまうことがあります。

目が痛い、のどが痛いという症状を引き起こすタバコの煙は、肌への刺激ともなりうるのです。

まとめ

今回はタバコがもたらす健康への美容被害について解説しました。

喫煙は人をキレイにする美容業界で働く人たちが気にかけるような症状を多く引き起こします。

すぐに禁煙することは難しいかもしれませんが、喫煙は美容の大敵と呼ばれるのにはこのような理由があったのです。

次回はタバコをやめられない喫煙者がタバコのダメージを減らすにはどうすればよいのか、について解説していきます。

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