美容師さんのブログや、サロンで働く美容師さんのオススメするシャンプーとして「アミノ酸シャンプー」という言葉をよく耳にしたり、目にするようになりました。
「美容師さんがオススメするほど、いいシャンプーなのかな?」と思う人もいるかもしれませんが、なぜアミノ酸シャンプーがいいといわれているのでしょうか。
アミノ酸シャンプーについてあまりよく知らなくても、アミノ酸のことは何となく知っていたり、耳にするという人も多いものです。
今回はアミノ酸シャンプーについて解説していきます。
「シャンプーを変えたい」「アミノ酸シャンプーはドラッグストアでもよく見かけるけど、結局どの基準で選べばいいの?」とシャンプー選びに悩んでいる人は、参考にしてみてください。
アミノ酸シャンプーとは?
筋肉・髪の毛・皮膚・爪などはタンパク質で構成されているため、多くのアミノ酸が集まってできており、ヒトの身体を構成するのがアミノ酸です。
タンパク質を構成するアミノ酸には多くの種類があり、特に身体を構成するアミノ酸は20種類あるといわれています。
シャンプーの洗浄成分として用いられる界面活性剤の種類には、高級アルコール系、石鹸系、アミノ酸系など、様々な種類があります。
アミノ酸シャンプーとは、その名の通りアミノ酸を含んだ、アミノ酸系界面活性剤を配合したシャンプーのことです。
界面活性剤には水に馴染みやすい親水性、油に馴染みやすい親油性があり、そのままだと混ざりにくい油と水を混ぜることができる性質があります。
皮脂などの油汚れに馴染みやすく水と一緒に洗い流せるため、シャンプーのみならず洗剤など、様々なものに使用されています。
界面活性剤は身体に悪いというイメージを持っている人も多くいますが、乳化剤としてアイスクリームやバターなどの食品にも含まれているため、身体に悪いものと一概に言えるものではありません。
また、油汚れを落とすにはなくてはならないものです。
しかし界面活性剤の種類によって、洗浄力が強すぎて頭皮や髪の毛に必要な皮脂まで落としてしまうことがあるため、注意が必要な成分でもあります。
またドラッグストアでも「アミノ酸シャンプー」や「アミノ酸配合」などのシャンプーを見かけることも多いと思いますが、アミノ酸シャンプーの定義が明確にはなく、少しアミノ酸が入っていてもアミノ酸シャンプーと日本では謳って販売することができるため、パッケージの成分表示をしっかりと確認する必要があります。
アミノ酸シャンプーの特徴
ヒトの正常な肌であれば弱酸性に保たれており、アミノ酸の洗浄成分も弱酸性であるため、頭皮や髪の毛への刺激が少ないのが特徴です。
アミノ酸シャンプーは他の洗浄成分に比べてマイルドな仕上がりとなっており、敏感肌や乾燥肌など肌トラブルを起こしやすい人、フケや頭皮のかゆみが気になる人、傷みやパサつき、うねりなどに悩んでいる人にはオススメのシャンプーです。
敏感肌の人にオススメ
ヒトの髪の毛や肌などはタンパク質によって構成されています。
そのためタンパク質は食事で摂取したアミノ酸から作られています。
アミノ酸シャンプーは同じアミノ酸系の洗浄成分で洗うため、頭皮や髪の毛に刺激が少ないという特徴があります。
乾燥を防ぐ
アミノ酸シャンプーは他の界面活性剤のシャンプーに比べて、皮脂を多く落としすぎないという特徴があります。
そのため頭皮が乾燥しにくく、髪の毛に潤いを与えることができます。
また髪の毛や頭皮のべたつきが気になるという人も、頭皮の落としすぎが原因となっていることがあります。
皮脂には頭皮を健康に保つために必要なものであり、べたつきが気になるからと洗浄成分の強いシャンプーで洗ってしまうと、逆に皮脂を補おうと皮脂が過剰に分泌されてしまうことがあります。
そのためアミノ酸シャンプーを使うことにより、皮脂の分泌量が正常に戻り、べたつきが軽減されることもあります。
アミノ酸の種類
アミノ酸シャンプーにも、アミノ酸の洗浄成分には様々な種類があり、使用感や泡立ちなどに違いがあります。
パッケージの成分表示を確認し、アミノ酸シャンプーを選ぶ際の参考にしてみてください。
グルタミン酸系
調味料のうまみ成分や、昆布やトマト、チーズにも含まれているのがグルタミン酸です。
グルタミン酸系の洗浄成分の特徴として、保湿力が高いためしっとりとした指通りの良い仕上がりになるのが特徴です。
ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸TEA、ステアロイルグルタミン酸Naなどがあります。
アラニン系
アラニン系洗浄成分には、泡立ちが良いという特徴があります。
シジミやレバー、ノリなどにも含まれるアミノ酸がアラニンです。
グルタミン酸系シャンプーよりも洗浄力が強く、時間をかけずにシャンプーできるため、忙しい人にオススメです。
ココイルメチルアラニンNa、ラウロイルメチルアラニンNaなどがあります。
グリシン系
泡立ちと洗浄力の高さに優れているのが、グリシン系のアミノ酸シャンプーです。
睡眠の質を高めるとして、サプリメントなどに用いられる成分がグリシンです。
頭皮を傷めずにしっかりと洗い上げることができるため、洗浄力重視で選びたい人にオススメです。
ココイルグリシンNa、ココイルグリシンTEA、ココイルグリシンKなどがあります。
タウリン系
ふんわりサラサラの仕上がりにすることができ、髪の毛にボリュームを出したい人にオススメなのが、タウリン系です。
栄養ドリンクの成分と知られるタウリンですが、イカやタコなどにも含まれるアミノ酸です。
さっぱりとした使い後心地も特徴の一つです。
ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNaなどの成分が、タウリン系アミノ酸シャンプーです。
サルコシン系
泡立ちが良く、クルタミン酸系のシャンプーよりも洗浄力が高いのが、サルコシン系アミノ酸シャンプーです。
サルコシンは卵黄やハム、豆類などに含まれるアミノ酸です。
ココイルサルコシンNa、ココイルサルコシンTEA、ラウロイルサルコシンNaなどが主な成分です。
アスパラギン酸系
泡立ちが良く、洗いあがりの刺激が少ないという特徴があり、頭皮ストレスを軽減できるのがアスパラギン酸系アミノ酸シャンプーです。
アスパラガスに含まれるアスパラギン酸は、疲労回復系の栄養ドリンクやサプリメントにも含まれます。
ラウロイルアスパラギン酸Na、アシルアスパラギン酸TEAなどがアスパラギン酸シャンプーです。
「アミノ酸配合シャンプー」とは?
アミノ酸シャンプーとよく似た表示に「アミノ酸配合シャンプー」があります。
アミノ酸シャンプーは洗浄成分としてアミノ酸のみが使われていますが、アミノ酸配合シャンプーはアミノ酸洗浄成分以外にも、他の洗浄成分が配合されています。
アミノ酸シャンプーは髪に優しいのですが、他の洗浄成分が主成分のシャンプーである場合、刺激になってしまうことがあるため注意が必要です。
アミノ酸シャンプーのデメリット
敏感肌や乾燥肌の人にオススメのアミノ酸シャンプーですが、デメリットもあります。
洗浄力が他のシャンプーに比べて低いため、汚れを落としきれない場合があります。
スタイリング剤をたくさんつける人が使用する場合、軽く洗っただけでは汚れが残ってしまうことがあります。
スタイリング剤を多く使う人が使用する場合、丁寧に頭皮をマッサージするように洗い、十分なすすぎをおこなう必要があります。
またアミノ酸シャンプーはしっとりとした洗いあがりになるため、さっぱりとした使い心地が好きな人にとっては、物足りないと感じることがあります。
まとめ
アミノ酸シャンプーには髪や頭皮と同じ成分が含まれているため刺激になりにくく、しっとりとした洗いあがりになるという特徴があります。
そのため敏感肌や乾燥肌、フケや痒みに悩む人にオススメのシャンプーです。
アミノ酸シャンプーも、アミノ酸の種類によって泡立ちや使用感が違うため、自分に合ったものを探してみてください。