30代を過ぎると、ダイエットしているけどなかなか効果が出ない、肌荒れやくすみ、むくみが気になるという女性が多くいます。
これらの原因の一つとして、30代から急激に体内の酵素が減少していくためです。
酵素が減っていくと、太りやすくなったり、肌荒れや身体の代謝に関係し、消化・吸収・代謝などに関わります。
そこでブームとなっているのが「酵素ドリンク」です。
健康や美容のために酵素ドリンクを飲んでいる人も多いのではないでしょうか。
しかし、インターネットやドラッグストアでも多くの酵素ドリンクが販売されており「どれを選んだらいいのかわからない」という人も……
今回は、酵素ドリンクを選ぶ際の注意点などについて、現役エステティシャンさんに取材してきました。
酵素ドリンクの効果や、酵素ドリンク選びに迷っている人は、参考にしてみてください。
酵素ドリンクとは?
芸能時のSNSやインフルエンサーによって、空前の酵素ドリンクブームですが、酵素ドリンクとは、そもそもどのような効果があるのか、知っている人も少ないものです。
「身体や美容に良さそう」というイメージがあっても、具体的な効果を良く知らずに飲んでいる人も多いのではないでしょうか。
酵素ドリンクとは、野菜や果物、ハーブなどを、乳酸菌や酵母菌など微生物の力によって発酵・分解させたエキスのことです。
酵素とは、食べ物の消化・吸収をはじめ、体内のあらゆる化学反応に関与するタンパク質です。
もともとヒトの体内には酵素が存在し、常に体内のアミノ酸を合成して新しく作られるものですが、体内で合成されるものと、発酵食品や生の食べ物から取り込める酵素があります。
しかし30歳を過ぎるころから、体内で作られる酵素の量が減少していきます。
そのため納豆やヨーグルト、甘酒などの発酵食品から酵素を補給することも、理にかなった健康法です。
酵素には様々な種類があり、種類によって身体に与える効果も違いますが、余分な老廃物を排出するのを助けたり、美肌効果や便秘・むくみの解消などの効果があります。
そのため、美容や健康に敏感な女性は、酵素を積極的に摂っている人が多く、酵素ドリンクが人気となっています。
酵素は熱に弱く、48℃を超えると活動能力が弱まり、60℃を超えるとほぼ活動することができなくなります。
しかし市販されている酵素ドリンクは、清涼飲料水として販売されている場合、65℃以上の加熱殺菌を10分以上しなければならないと法律で義務付けられています。
そのため熱に弱い酵素は、すでに働きをなくしてしまっているものも多くあります。
そもそも植物発酵エキスはとても高価であり、市販されているものの多くの酵素ドリンクは5~10倍に薄められており、100%原液のものは少ないのです。
また酵素ドリンクを作る際の発酵の工程には、微生物の餌となる “砂糖” が欠かせません。
そのため、グラニュー糖などの砂糖を大量に使います。
酵素ドリンクを手作りしたことのある人はわかると思いますが、使う砂糖の量に驚いた人も多くいます。
手作りの酵素ドリンクはどうしても発行が未熟になってしまい、使われる砂糖が低分子化されておらず、結果的に大量のグラニュー糖入りの高カロリードリンクとなってしまうことも少なくありません。
大量に含まれた砂糖が分解されずそのまま残っていたり、製品によってはブドウ糖果糖液糖や人工甘味料などの添加物が混入されているものも多くあります。
そのためハイカロリーで添加物たっぷりの「酵素ドリンク」と呼ばれる清涼飲料水を、健康のためにと普段の生活にプラスして知らずに飲んでいる人も増えています。
過剰な砂糖の摂取は体内で糖化現象を引き起こしてしまうため、正しく酵素ドリンクを選ばなければ、本末転倒となってしまいます。
これらの “酵素ドリンク” に関しては、植物発酵エキスや発酵代謝物、酵素飲料と、果たして呼ぶのが正しいのでしょうか。
酵素ドリンクの正しい選び方
この事実を知ると、酵素ドリンクを飲むことはダイエットや便秘やむくみ防止、美肌効果などが期待できないように見えますが、酵素ドリンクを飲むことのメリットは十分にあります。
酵素ドリンクの一番のメリットは、微生物によって作り出された栄養素により、栄養価がかなり上がっています。
また微生物の発酵・分解の作用により、多くの成分が低分子化されており、消化への負担をかなり減らすことができます。
そのため、酵素ドリンクはファスティングとして利用されることが多いのです。
ファスティングとは、断食や絶食と違い、普段の食事を植物発酵エキスに置き換え、その間に内臓を休める効果があります。
内臓を休め体内をリセットさせることにより、解毒作用を促します。
では、効果的に酵素を取り込み、本当に効果のある酵素ドリンクを選ぶためにはどのような点に注意するべきなのでしょうか。
まずは成分表示をしっかりと確認することが大切です。
栄養素の豊富な酵素ドリンクを選ぶようにします。
酵素ドリンクによって含まれる栄養素が違うため、原材料を確認し、厳選した野菜や果物などで作られているものがオススメです。
また、糖質の高さに着目することも大切です。
ダイエットを目的とするのであれば、値段の高い酵素ドリンクでも炭水化物・糖分の高すぎるものは効果が半減してしまいます。
飲みやすさも大切です。
酵素ドリンクはできれば朝食の代わりにしたり、できれば毎日取り入れたいものです。
どんなに身体に良くても、飲みずらいものやまずいものは続けることができません。
果物で作られている酵素ドリンクは、野菜ベースのものより苦みが少なく、ジュース感覚で飲みやすいものが多いです。
しかしフルーツ系の酵素ドリンクは、シロップなどが多く含まれているものもあるため、原材料を必ず確認して選ぶようにします。
無添加のものもオススメです。
飲料ドリンクには、安息香酸ナトリウム・パラオキシ安息香酸・人工甘味料・香料・着色料・凝固安定剤などを含む商品も多くあります。
これらの添加物は品質保存・維持のためには必要ですが、摂取し過ぎると健康を害してしまいます。
人工甘味料や余分な糖分、添加物が含まれておらず、薄められていない100%植物発酵エキスであるものがオススメです。
さらに単糖にしっかりと分解されているものを選ぶようにします。
飲み方としては、普段の生活にプラスして飲むのではなく、朝食や夕食の代わりに置き換えたり、プチ断食の栄養補助として飲むのがオススメです。
日常生活にして高カロリーな酵素ドリンクを飲む場合、かなりの糖分を摂取することになるということを覚えておくべきです。
また、酵素ドリンクを何のために飲むのかという事を自分自身で理解し、目的をもって取り入れることが大切です。
魅力的な広告やキャッチフレーズに惑わされるのではなく、本当に自分の身体に足りてないものは何か、きちんと見つめ直すことが大切です。
より酵素ドリンクを効果的に摂取するために
ただ単に酵素を取り入れたいということが目的であるのであれば、体内にある酵素の働きを活性化させることを見直すことも大切です。
そこで取り組みたいのが、体温を上げることがです。
現代社会は低体温の人がとても多く、体温が1℃低いだけで酵素の働きは50%も減少してしまいます。
そもそも体温の低い人が、白砂糖たっぷりの冷えた酵素ドリンクを飲んで逆に体温が下がってしまっては本末転倒です。
さらに白砂糖は血液をドロドロにしてしまいます。
健康のために飲むのであれば、質の高い酵素ドリンクを選ぶべきです。
そして日頃の食事から栄養を補給し、体内酵素を活性化させることが大切です。
体内酵素の働きには、ミネラル、マグネシウム、亜鉛などの摂取が必要不可欠ですが、現代人はこれらの栄養素が不足しています。
バランスの良い食事や良質なサプリメントを活用することも、体内酵素を活性化させることに役立ちます。
まとめ
美容に効果があるとSNSで人気に火が付き、芸能人でも愛用している人の多い酵素ドリンクですが、しっかりと効果を得たいのであれば、正しい知識をもって酵素ドリンクを選ぶことが大切です。
また酵素ドリンクを取り入れると同時に、普段の食生活の見直しや、身体を温めるなどの生活習慣も大切です。