以前、美容bizではレチノールについて詳しく解説しました。
ここ数年で注目の成分となった『レチノール』ですが、次世代レチノールとして『バクチオール』が最近注目を集めているのはご存じでしょうか?
今回は、バクチオールについて詳しく解説していきます。
バクチオールとは?
バクチオールとは、オランダビユといわれるインドやスリランカが原産のマメ科の植物から排出される成分です。
南アジアに伝わる生命科学『アーユルヴェーダ』ではバクチオールは古くから使用されており、テノペノフェノール化合物の一種です。
エイジングケアの代表としてここ数年で人気の高まってきている成分『レチノール』と同様の働きをすることから、「次世代レチノール」といわれています。
成分的な構造や作用の仕方はレチノールと違いますが、エイジングケアに効果があるといわれています。
バクチオールが次世代レチノールといわれるのにはコラーゲンの生成などのターンオーバーを促進する効果が高いためですが、バクチオールには高い抗酸化作用があります。
抗酸化作用は、活性酸素の発生を抑えたり、発生してしまった活性酸素を取り除く効果のことをいいます。
バクチオールには、老化の原因の一つといわれる活性酸素を除去・抑えることにより、エイジングケアとして効果があるといわれています。
バクチオールの効果
抗酸化作用の高いバクチオールには具体的にどのような美容効果があるのか、紹介していきます。
バクチオールにはレチノール同様、高いエイジングケア効果があります。
レチノールほどの即効性はありませんが、約1カ月以上長期間使用することによりエイジングケア効果を期待することができます。
バクチオールの抗酸化作用によって、肌の酸化を防ぎ皮膚を守る効果があるため、トータルエイジングケアとして使用されています。
具体的に、しわ・しみ・色素沈着の改善、黒ずみやニキビなどの毛穴ケア、肌荒れの改善や肌の保湿として効果を発揮し、総合的に肌トラブルを改善します。
まず、バクチオールはエイジングケアとして重要な肌にハリを与える保湿効果に優れています。
肌の角質層に潤いを与え、バリア機能を高め肌に対する外的ストレスに強くなります。
また、肌の深層部分にも作用するためコラーゲンの生成を促し、肌にハリを与えることができます。
肌の深層部であるヒアルロン酸やコラーゲンなどにも作用し、ターンオーバーを促進する作用があるため、小じわや皮膚のたるみなどへのエイジング効果が発揮できます。
また、メラニンの生成に関する酵素を抑制しシミの原因や色素沈着にも効果があります。
既にできてしまった色素沈着やシミなどにも、バクチオールにはターンオーバーや肌の新陳代謝を活性化させるため効果があります。
メラニンの生成を抑制する効果と、メラニン自体を排出させる機能の二つから、シミや色素沈着に効果があります。
また、バクチオールにはレチノール同様の抗酸化作用があります。
そのため、毛穴トラブルによる毛穴の黒ずみやニキビなどの肌トラブルを鎮静させる効果もあります。
さらにターンオーバーや肌の新陳代謝を促進する効果があるため、毛穴のつまりの原因を取り除くこともできます。
そして、バクチオールは天然由来成分であるため、肌に優しいという特徴があります。
レチノールはビタミンCとの併用に注意が必要であったり、紫外線に注意が必要な成分ですが、バクチオールは天然由来成分であるため肌に刺激を与えにくく、肌荒れが心配でレチノールを使用できなかった人でも使用できる可能性があります。
レチノールとの違い
レチノールは油脂性のビタミンAという栄養素であり、肌の代謝に大きく関係し、ビタミンAが不足すると、ターンオーバーの乱れや角質層の代謝が正常におこなわれなくなります。
レチノールを補うことによって肌の新陳代謝を促し、肌の内側から肌質を改善していくことができるため「エイジングケア成分」といわれています。
一方で、レチノールは刺激が強く扱いが難しいというデメリットがあります。
レチノールには肌の深部から新陳代謝を促す働きがありますが、レチノールが不足する肌に急激にレチノールを補給することにより、肌が極端な反応を起こしてしまい、一時的なヒリつきや赤み、皮むけや乾燥などの肌トラブルを起こしてしまう可能性があります。
敏感肌の人がレチノールを使用すると「A反応(レチノール反応)」と呼ばれる副反応が出てしまうことがあるため、注意が必要です。
また、レチノールは紫外線に弱く、ビタミンCを含む化粧品と併用できないといったデメリットも多くあります。
レチノールがビタミンC配合の化粧品と併用できない理由として、ビタミンCであるアスコルビン酸はphの数値がレチノールと大きくずれており、同時に使用するとそれぞれの成分の効果が発揮されにくくなってしまうためです。
そのためレチノール配合の化粧品を使用する際には、美容クリニックなどの専門医の元で使用することが推奨されるほど、使い始めは副反応が出ることが多く、扱いが難しいのが特徴です。
一方、バクチオールは天然成分で刺激が少なく、肌質を選ばない安定している成分です。
紫外線や熱、酸素にも強いため、毎日の朝晩のスキンケアとして使用しやすく、素人でも扱いやすいというのが最大のメリットです。
レチノールに起こりやすい『A反応』などの副作用もありません。
そのため、レチノールの刺激が強すぎて使えなかったという人でも、始めやすいという特徴があります。
バクチオールのデメリット
レチノールに比べて刺激の少なく、扱いやすいバクチオールですが、もちろんデメリットもあります。
レチノールは肌に刺激が強い分、効果の速さを実感することができます。
一方で、バクチノールはレチノールと似た効果がありますが、効果を実感するまでに時間がかかります。
手軽に使用できる分、コツコツと時間をかけて肌質を改善していかなければならないというのが、バクチオールのデメリットです。
バクチオールをオススメしたいのはこんな人!
●敏感肌の人
●肌質改善をしたいけど、A反応が心配な人
●毎日のスキンケアとして手軽にエイジングケアをしたい人
●レチノールが刺激が強すぎて使えなかった人
●毛穴ケアをしたい人
●エイジングケアをしたい人
このような方には、始めやすいスキンケアであるといえます。
まとめ
「次世代レチノール」と呼ばれるバクチオールは、レチノールに比べて即効性はありませんがコツコツと継続して使用することにより肌に刺激を与えずに、肌のターンオーバーを促進し、乾燥、シミ・シワの改善や予防、毛穴の黒ずみやニキビに効果があります。
海外では既に人気を集めている成分であり、日本でも数年前からクリームや美容液、化粧水など、一部の店舗やネット販売で購入することができます。
最近では美容クリニックで扱いのあるところもあり、購入時にさらに詳しくレチノールとの違いや使用方法を教えてもらうこともできます。
バクチオールを使用し、手軽に肌質改善をしたいという人は、参考にしてみてくださいね!