暖かく過ごしやすい気候となる春ですが、実は7割以上の人が春の肌荒れに悩んだことがあるといいます。
春になると肌が荒れる、化粧ノリが悪い日が続くなど、なぜ春になると肌トラブルが出やすくなるのでしょうか。
春には肌が荒れる要因が多く、これに反応してしまう人は季節性敏感肌である可能性があります。
今回は春特有の肌荒れについて、原因や対処法について解説していきます。
春の肌荒れに悩んでいる人は、参考にしてみてください。
春に肌荒れがおこる原因とは?
春になると、乾燥や痒み、吹き出物などに悩まされる人が増えます。
気温が暖かくなるこの時期には、肌にとってストレスとなる要因が多くあります。
原因が1つではなく、複数絡み合って肌荒れが起こるということが春にはよく起こるため、肌荒れが出やすい時期なのです。
花粉
春になると、スギやヒノキなどの花粉のシーズンとなります。
花粉による花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどが一般的ですが、人によっては肌荒れを引き起こす人もいます。
肌に大量の花粉が付着することにより、かゆみや赤み、発疹が出る場合があります。
花粉による肌荒れは、「花粉皮膚炎」と呼ばれ、冬の乾燥によって弱った肌に花粉が入り込むことにより起こります。
肌には本来バリア機能が備わっているため、多少の異物は跳ね返すことができますが、肌の水分量の低下によって肌の表面がしぼんでしまいます。
水分不足によって肌表面がしぼむと、肌細胞の間に隙間ができ、そこから異物が混入してしまいます。
その結果、肌がアレルギー反応を起こし、かゆみや発疹、赤みなどが出てきます。
特に皮膚の薄い目元や頬、首回りなどは症状が出やすくなります。
また鼻をかみすぎたり目を擦ったりすることにより、周辺の皮膚が敏感になり、肌荒れが起きることがあります。
紫外線
春になると日が長くなり、日差しが強くなります。
それに伴い、紫外線が降り注ぐ量も多くなっています。
特に3月4月にかけて大幅に増えるため、影響を受けやすくなります。
紫外線によってシミやくすみの原因となるメラニンを発生させやすくなり、肌荒れが起きるのはもちろんのことですが、肌の状態が整っていない状態で日光に当たることにより、さらに肌にダメージを与えます。
紫外線にはメラニンを発生させる以外にも肌のバリア機能を弱めたり、肌を乾燥させてしまいます。
保湿が足りない状態で紫外線を浴びると、水分を保つ機能が正常に働かず、肌の水分が保てなくなり、スキンケアだけでは十分に潤いを補充することができなくなります。
すると乾燥を防ぐためのケアができなくなり、赤みやかゆみといった肌トラブルが起こることがあります。
気温の寒暖差
昼間は暖かく過ごしやすくても、朝晩は急に冷えたり、日によって暖かい人寒い日の気温の差が激しいことがあります。
日中の暑さに合わせたままの服装で朝晩を過ごすと、それだけで体の芯から冷やしてしまいます。
近年の春は異常気象のせいもあり、暑い日か寒い日かのどちらかの日が多く、衣替えのタイミングが計りにくいことも影響しているかもしれません。
春の寒暖差は人の身体に大きな負担をかけ、身体の機能が衰えるのと同時に肌を守る力が弱くなり、通常なら平気なダメージでも肌荒れを起こしやすくなってしまいます。
PM2.5
粒子の小さい大気汚染物質であるPM2.5は、春が一番観測値が高くなります。
偏西風の影響により中国からの黄砂や噴煙などが飛来し、大気中のPM2.5の濃度が高くなるためと言われています。
目に見えないPM2.5のような粒子も、肌を刺激します。
生活習慣の変化によるストレス
春は生活環境が変わる人も多い季節です。
慣れない場所や新しい人間関係がストレスとなり、自律神経が乱れたり、ホルモンバランスが崩れたり、代謝が悪くなることにより、肌荒れに繋がることがあります。
春の肌荒れの対策
肌荒れは慢性化しやすい傾向がありますが、予防することも可能です。
スキンケアや生活習慣を見直すことにより、改善する場合があります。
花粉対策の徹底
外出時はマスクや眼鏡、帽子などを着用し、なるべく花粉に触れないようにすることが大切です。
首元も皮膚が薄くダメージを受けやすいため、デコルテを広く開けないように、スカーフなどを巻くのも効果的です。
洗濯物を外干ししないのもオススメです。
身体や顔を洗って付着した花粉を落としても、タオルや衣類に花粉が多くついていては意味がありません。
なるべく部屋干しや乾燥機、浴室乾燥などを使うようにします。
また一度アレルギーテストをしておくと、花粉対策に役立ちます。
花粉は植物の種類によって、微妙に花粉を飛ばす時期が異なるため、自分のアレルギーに合った時期を知っておくだけでも、対策する手間を軽減できます。
紫外線対策
肌荒れが起こってしまっている場合でも、紫外線対策だけは万全におこなうべきです。
肌荒れが起こって入り場合は、できるだけ何もしない方がいいと思っている人も多いですが、それ以上に紫外線を直接浴びる方が肌に悪影響です。
肌荒れしている時はなるべく肌に負担の少ない低刺激の日焼け止めを使用するようにします。
春の紫外線であれば、SPF30以上、PA++くらいのもので十分です。
また紫外線吸着剤不要のものであれば、刺激も少ないのでオススメです。
外回りやお花見などのレジャーの場合であれば、SPFが高いものを選ぶようにし、シチュエーションや使っている化粧品との相性が良いものを選ぶことをオススメします。
皮脂の出やすいTゾーン、鼻や頬骨などの顔の高い部分は日焼け止めが落ちやすいため、その部分の皮脂を乳液などでふき取り、日焼け止めを塗ってさらにファンデーションを重ねるのが効果的です。
時間のない時はUVカット効果のあるファンデーションを塗り直すだけでも効果がありますが、2~3時間おきに塗り直すようにします。
日焼け止めにプラスして、日傘や帽子、サングラスなどを活用し、二重、三重の対策をすると効果的です。
スキンケア
春のダメージを受けた肌をいたわるには、スキンケアは重要です。
特に重要なのは保湿です。
紫外線も強くなる時期なので、美白ケアの方に力を入れたくなる人も多いかと思いますが、肌荒れの起こっている状態で美白ケアに切り替えるよりも、保湿ケアをおこなう方が効果的です。
セラミドやヒアルロン酸、アミノ酸などの肌に馴染みやすい高保湿成分の化粧水などを使用するのがオススメです。
肌が弱っている時はちょっとした刺激にも敏感になりがちなので、毎日のスキンケアアイテムを低刺激のものにするのもオススメです。
ただし季節の変わり目は揺らぎやすく何が刺激になっているかわからないため、低刺激の化粧品や敏感肌用の化粧品でも、パッチテストをおこなってから使用するのがオススメです。
気になる化粧品に変えるのであれば、肌の安定してくる5月以降に使用するのがオススメです。
また肌荒れが治るまではいくつも重ねるようなスキンケアではなく、化粧水と乳液のみ、化粧水とクリームのみなど、必要最低限のケアに切り替えるのがオススメです。
肌の状態が戻るまでは、健康な肌の状態に戻すようにします。
洗顔も優しくしっかりと泡立てたものでおこない朝晩2回程度にとどめ、ふき取りタイプのクレンジングは避けるようにします。
メイクも刺激が強いものは避け、落としやすく低刺激なものを使用するようにします。
規則正しい生活
肌荒れ改善の一番の近道は、何といっても規則正しい健康的な生活習慣です。
食事の栄養バランスに気を配るのはもちろんのこと、質の良いタンパク質をしっかりと取り、肌の粘膜の健康を保つビタミンAが多く含まれる緑黄色野菜などを積極的に摂取するようにしてみてください。
またストレスが溜まったら、その日のうちにリセットしてしまうのが理想です。
ゆったりとした音楽を聴いたり、湯船にゆっくり浸かったり、無理のない程度でスポーツを楽しんでみたり、自分なりのストレス発散方法を探してみてください。
また睡眠時間の確保も大切です。
肌のターンオーバーを促すには、質の良い睡眠が欠かせません。
まとめ
春は過ごしやすい気候の反面、紫外線や花粉、生活習慣や気温の変化など、肌にとってストレスとなることが多い時期です。
毎年春になると肌の調子が悪くなるという人は、今回の記事を参考にし、できるところからケアしてみてくださいね!