最近、シャワーヘッドのCMを見る機会も増えてきましたが、多くのシャワーヘッドは塩素除去効果のあるのものです。
「塩素は肌に悪い」というイメージがある人も多いと思いますが、実際に塩素は美容にどのように影響があるのでしょうか。
今回は塩素と美容の関係について、特にお風呂に関する塩素と美容の関係と塩素を除去する方法について解説していきます。
水道水に含まれる塩素
水道水に塩素が含まれる理由として、病原菌の感染対策としてウイルスや微生物の殺菌のために塩素が含まれています。
蛇口から出る水道水に残された塩素のことを『残留塩素』といいます。
日本の水道水は、水道法により蛇口から出てくる残留塩素の濃度が義務付けられており、残留塩素が最低でも1ℓあたり0.1ppm以上の塩素が含まれていることが定められています。
水が美味しく飲める濃度の目標値として、1ℓあたり1.0mgの残留塩素が提唱されていますが、残留塩素の上限は定められていないため、地域によって濃度にばらつきがあります。
欧米の一部の地域では上限値が定められているのですが、日本の場合は立地や季節によっても残留塩素の濃度が異なります。
殺菌成分として塩素が必要であることは理解できたと思いますが、肌や髪の毛に影響を与えるといわれているのは理由があります。
塩素がウイルスや微生物を殺菌・消毒するメカニズムは、タンパク質を破壊する働きがあり、ヒトの皮膚や髪の毛はタンパク質でできているため、お風呂上りにかゆみや乾燥が起こるといわれています。
セラミド脂質などの肌を保湿する成分や肌の善玉菌も一緒に殺菌してしまうため、肌の皮脂膜が上手く作れなくなり、肌が乾燥してしまうのです。
肌の乾燥により皮脂膜や角質細胞のバリア機能が低下し、かえって肌の雑菌が繁殖してしまったり紫外線による影響が増すことにより、アトピー性皮膚炎の原因となるとも考えられています。
一方で日本アトピー協会では、シャワーや入浴時の塩素に神経質になる必要はなく、むしろシャンプーやボディソープなどの洗い残しの方が影響があるとされており、シャンプー時の3分以上のシャワーが推奨されています。
しかし、ヒトの髪の毛もタンパク質によってできているため、塩素のタンパク質を酸化・溶解作用があるため、髪の毛にもダメージを与えるとされています。
特に ”一番風呂” は塩素濃度に注意
一人暮らしの方や、家族がいても一番にお風呂に入る人の『一番風呂』のお湯はキレイですが、その分塩素濃度が濃くなります。
特に一番風呂に入ったときに肌がヒリヒリするという人は、要注意です。
これはお風呂のお湯に含まれる塩素の影響によるものであり、肌の弱い人は一番風呂を避けることをオススメします。
お風呂の塩素を除去するには
お風呂のお湯は水道水から出ているため、塩素濃度が肌や髪の毛に影響を及ぼし、特に一番風呂は肌や髪に対する影響が大きくなります。
しかし一番風呂に浸かるのが好きな人や、一人暮らしの人は塩素の影響を避けるために、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
ここからは、お風呂の塩素を取り除く方法について解説していきます。
水道管の根元に元付浄水器取り付ける
一番ベストな方法は、水道管の元に元栓直結型浄水器を付けることです。
水道管の元に元栓浄水器を付けることにより、家中すべての塩素をいっぺんに除去することができます。
しかし、取り付け費用が高額になってしまい、浄水器本体と工事費で20~30万円程が相場です。
賃貸物件に住んでいる人などは、現実的ではないかもしれません。
塩素除去効果のある入浴剤を使用する
一つ目は、入浴剤を使用しお風呂の塩素を取り除く方法です。
塩素除去効果のある入浴剤を入れると、すぐに塩素濃度を下げることができます。
すべての入浴剤が塩素濃度を下げるという訳ではありませんが、多くの入浴剤に塩素濃度を下げる効果があります。
特に、アミノ酸やビタミンCが配合されている入浴剤であれば、湯船のお湯の塩素濃度を下げる効果が高まります。
入浴剤には塩素を下げるだけでなく保湿や美肌効果のあるものもあるため、入浴剤を活用するのがオススメです。
ビタミンCの粉末を使用する
入浴剤を入れることに浴槽が汚れてしまったり、入浴剤が肌にあわないという人は、ビタミンC(アスコルビン酸)の粉末を使用するのがオススメです。
水1リットルに対して、約3mgのビタミンCが必要であり、一般の家庭用のバスタブ200リットルのバスタブであれば、1~0.6gほどのビタミンCで十分です。
ビタミンCの粉末はインターネットでも購入可能であり、1㎏あたり1500円程で購入できるため、コスパ面でも優れています。
1回1~2円程度で湯船の塩素除去をおこなうことができます。
炭を使用する
炭には吸着力があり、お風呂や塩素の汚れを取り除くことができます。
浴槽に入れる炭を使用する場合、備長炭や竹炭を使用しますが、お風呂に入れる前に罪についている細かな粉をたわしで洗い落としてから使用します。
小さめの洗濯ネットなどに炭を入れたら、お風呂にお湯を張る前に湯船に投入します。
そのまま30分ほどつけておけば塩素除去ができますが、少し時間がかかるのが難点です。
陰干しすれば3か月ほど使用できるため、コスパ面で優れています。
有機物を入れる
レモンやミカン、柚子などの柑橘系の皮、緑茶や牛乳など、有機物を湯船に入れるだけで塩素を除去することも可能です。
有機物とは、燃えると二酸化炭素を発生させ、加熱すると灰になる物質のことをいいます。
その中でも肌にいいといわれる緑茶や牛乳、柑橘類の皮がオススメです。
冬至の時には身体を温めるためにゆずをお風呂に浮かべてゆず風呂にする人も多いと思いますが、ゆずには身体を温める効果だけでなく、塩素除去にも効果的だったのです。
シャワーヘッドを変える
塩素に気を付けなければならないのは、湯船に張っているお湯だけではありません。
シャワーからも塩素が出ているので注意が必要です。
シャワーからの塩素を除去してくれるのが、浄水機能の着いたシャワーヘッドです。
シャワーヘッドの浄水方法は大きく分けると3つがあり、ビタミンC、亜硫酸カルシウム、活性炭によって浄水されます。
ビタミンCは、高確率で塩素を除去してくれます。
亜硫酸カルシウムは化学物質によって塩素を分解し、活性炭は自然派志向の方にオススメです。
最近では様々な機能が付いた塩素除去シャワーヘットがあり、自身の肌に合った浄水方法や水圧、コスト面や節水機能が付いているなど、塩素除去以外にも有益なものが多くあります。
肌が弱く低刺激なものがいいという人は、日本アトピー協会推奨品である製品を選ぶのがオススメです。
またシャワーヘッドのレンタルサービスをおこなっているメーカーもあるため、高額なものを買うのに抵抗がある人はレンタルで試してみるのもオススメです。
レンタルのシャワーヘッドは定期的に塩素除去のカードリッジが送られてくるため、習慣化しやすいというメリットがあります。
まとめ
水道水に含まれる、除菌・殺菌効果のある塩素ですが、肌や髪の毛に刺激になるということが多く、乾燥の原因となってしまいます。
せっかくお風呂に入っても、塩素によって肌や髪の毛がぱさぱさになってしまっては意味がありません。
塩素の除去は意外と身近なものや低価格で手間もなくできる事も多いので、興味のある人はいろいろと調べてみてください。