8月ももう終わりに近づいていますが、4月に新入社員となった美容室の新人アシスタントたちは、仕事にも少し慣れてきた時期ではないでしょうか。
「業務自体には慣れてきたけど、お客様とのコミュニケーションの方法がわからない……」
「ワンランク上の接客術を身に付けたい」
と悩む新人アシスタントも多いものです。
今回は、美容室のアシスタントに向けて、会話に困った時のコミュニケーション術、アシスタントとしてのマナーについて解説していきます。
どんな点に気を付けたらいいのかわからないと思っているアシスタントや、新人教育に悩みを抱えている先輩スタイリスト・オーナーの方も、今回の記事を参考にしてみてくださいね!
ご新規様との会話
コロナ禍において、ご新規のお客様はお店にとって重要なお客様です。
次回もリピートして頂けるかどうかは、スタイリストの技術はもちろんですが、お店の雰囲気や接客マナーなど、細かい所をみて判断されます。
リピーターのお客様が多い店であれば、何度か顔なじみになり、話題に困らなくなることも多いかと思いますが、一見のお客様にはどうでしょうか。
そんな時に意識して欲しいのが
②スタイリストを褒める
という2つの意識して会話をしていくことをオススメします。
ヘアケア
美容室に来られるお客様は、「今の自分よりもよりキレイになりたい」と思ってご来店されます。
初めて来られるお客様なら尚更、期待と不安を込めてご来店されます。
一見のお客様の中には、「プライベートの話を聞かれるのも聞かされるのも苦手……」というお客様もいらっしゃいます。
そんな時に話題にしてほしいのが『ヘアケア』についてです。
特に、30代以降のお客様はエイジングケアとして、髪の毛のハリやコシ、くせ毛や薄毛など、悩みが多くなってくる時期です。
若い子たちに、エイジングサインの悩みがわからないでしょと思われるとおもうかもしれませんが、新人アシスタントと言えども、美容専門学校を卒業し、髪の毛については一通り学んだ “プロ” です。
お客様に「ヘアケア何かされていますか?」という質問を投げかけると、その人の髪の悩みを相談してもらえたり、無難に会話が広がるきっかけとなります。
また、物販をおこなっている美容室であれば、物販の売り上げにつながる可能性もあります。
スタイリストを褒める
初めてご来店される一見でフリーのお客様はもちろんですが、スタイリストを指名でご来店されているお客様にも気分よくカットやパーマなどのヘアデザインを受けてもらうのにとても大切なのが「スタイリストを褒める・上げる」ということです。
例えば、担当スタイリストがコンテストで賞を取った、雑誌で取り上げられたなど、一見のお客様に自分から自分の自慢話はしづらいものです。
しかし、アシスタントが
「今日担当してくれる○○さん、○○のカットのコンテストで賞を取った人なんです。カットがすごく上手で、レッスンの時も丁寧に指導してくれるのでとても勉強になります。」
というと、施術してもらう側のお客様は、仕上がりが楽しみになります。
また、先輩を敬うかわいいアシスタントとして、お客様からのあなたの評価も上がります。
そしてお店全体の一体感が生まれるため、お店の中がいい雰囲気になり、居心地のよい空間になります。
注意したい会話
前述で、会話に困ったらヘアケアについて話をするメリットについて記述しましたが、注意してほしい点があります。
それは「ヘアデザインについては話をしない」という点です。
これは担当スタイリストが聞くべき話であり、スタイリストとアシスタント、お客様との間でズレが生じてしまう可能性があるからです。
ヘアデザインについての話はスタイリストにお任せして、ヘアケアや髪の毛の悩みなどに留めておくのが無難です。
アシスタントとしてのマナー
居心地の良い美容室にするため、接客マナーや店内での立ち振る舞いも大切です。
先輩に可愛がってもらえる、お客様から愛されるアシスタントとして、意識するとさらにあなたの評価が上がる、サロンでの立ち振る舞い方について紹介していきます。
言葉遣い
若いお客様で何度もリピートして頂いているお客様であればいいのですが、一見のお客様で特に年齢の高いお客様になればなるほど、言葉遣いに気を付けなければなりません。
特に美容師は、言葉遣いがチャラいと思われていることが多くあります。
若者特有の「○○して草」などという言葉遣いは友達同士の間ではいいですが、お店に立っている間は最低限、丁寧な言葉遣い、正しい言葉遣いを意識してください。
お客様の視界に入る鏡の斜め前には立たない
美容室に関わらず、接客業は「私のために時間を使ってくれている」とお客様に思わせることが重要です。
お客様にも、スタイリストにも、全力で施術に集中してもらうには、施術されているお客様の鏡に映らない位置に立つというのも意外と重要です。
お客様とスタイリストの施術中に、アシスタントがカラー剤を作っていたり掃除をしているところが鏡越しに写ってしまうと、お客様もスタイリストも施術に集中することができません。
お客様に居心地よく美容室で特別な時間を過ごしてもらうためには、重要な点なので意識してみてください。
お客様の顔を見て挨拶する
接客業において、気持ちのいい挨拶はマナーの基本ですが、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」という挨拶の際、きちんとお客様の顔を見ながら言っていますか?
何か作業をしながら、お客様の顔が見えない場所から挨拶をしていることはないでしょうか。
お客様は1000円でもカットのできるご時世でも、お金と時間をかけて美容室にご来店されています。
お客様に気持ちよくお出迎え・お見送りする際は、きちんとお客様の顔を見ながら行うことが、顧客満足度に繋がります。
逆に、何か作業をしながら、バックグラウンドからお客様の顔が見えないところから挨拶をするのは失礼に当たります。
何か作業をしながら、お客様からみえないところからであれば、挨拶はしない方がいいでしょう。
先輩がやっている雑用は自ら代わりに行く
お客様へのマナーはもちろんですが、サロンワークで先輩スタイリストを敬うことも、新人アシスタントには大切なことです。
ベテランスタイリストが声を揃えて言うのが
「僕らの時代には、先輩がやっている雑用は自ら代わります、と声をかけに行く、代わりに行くのが当たり前。最近の子は自ら動こうとしない。」という声をよく聞きます。
掃除や片付けなど、自ら考えて行動することのできる若いアシスタントが減っている中で、
「先輩、代わります!」と自ら周りをみて自主的に代わりに行くことで、接客も安心して任せることができるため、スタイリストとの信頼関係を築くのに役立ちます。
まとめ
現在の美容室は、技術職というよりも接客業としての要素が強くなってきています。
特に年齢層の高いお客様の多いお店、客単価の高いお店では、より質の高い接客が求められます。
言葉使いやお客様との会話など、アシスタントは最低限のサロンワークを覚えたり、レッスンを一生懸命受ける以外にも、接客業として、お客様・スタイリストをサポートすることも重要な仕事の一つです。
今回の記事を参考に、お客様にもスタイリストにも可愛がってもらえるアシスタントとして活躍してくださいね!