前回「人気の美容法「かっさ」とは?美容・健康効果や種類について徹底解説 」で、かっさマッサージの美容や健康効果について解説しました。
手軽で自宅で自分でできるかっさマッサージは、エステや接骨院、アスリートのボディケアとしても人気があります。
今回はかっさを使用する際の注意点や、効果的なマッサージ方法を部位別に紹介していきます。
かっさを使用する際の注意点
難しい技術も必要なく、自宅で手軽にできる副作用の少ないかっさですが、かっさをより効果的に、安全に使うにはいくつか注意点があります。
まずかっさの動かし方の基本として、身体の左側を先にかっさし、左側が終わったら右側をかっさします。
かっさにより経路の流れをスムーズにし、体内の気・血・水の流れを整える東洋医学です。
そのため基本的には、経路の流れに沿ってマッサージしていきます。
腕や脚のかっさは、基本的には内側(陰の面)は下から上に、外側(陽の面)は上から下に行っていくのが基本です。
胴体は上から下に、内側から外側に向けて、左からおこなうのがポイントです。
基本はこの流れですが、目的によって様々な方法があります。
かっさをおこなう準備として、コップ一杯程度の水分補給をし、リンパが循環しやすいようにしておきます。
特にお風呂でかっさをおこなう場合、身体が温まり汗をかくと水分不足になりやすいため水分補給は必須です。
また食後すぐのマッサージは避けるようにします。
血行が良くなることにより消化器官まで十分な血液が届かず、消化不良を起こす場合があります。
食後最低でも30分はマッサージを避け、消化が落ち着いてからおこないます。
ベストなタイミングは食後2時間以降、身体が温まりリンパの流れが良くなっている入浴中やお風呂上りが効果的です。
また顔にかっさをおこなう場合、メイクは落としておきます。
メイクしたままかっさをおこなうと、摩擦で肌を傷めてしまうことがあります。
メイクは落として、保湿してスキンケアを行った肌にマッサージをおこないます。
またニキビや日焼け後、傷があるなど、炎症を起こしている部分にはマッサージをおこなうのを避けます。
かっさマッサージは肌に刺激を与えるため、炎症が悪化してしまうことがあります。
また日焼け後は肌の奥のメラノサイトを刺激し、シミや色素沈着を起こす原因になってしまうことがあります。
そして、かっさをおこなう場合には、オイルやクリームなどの潤滑剤をたっぷり塗るようにしてください。
潤滑剤を塗らずにマッサージをおこなうと、必要以上に肌にダメージを与えてしまうため、かえって肌荒れの原因となってしまうことがあります。
また潤滑剤を使用することにより肌の負担を減らすだけでなく、滑りを良くしてコリのある部分を見つけやすくすることができます。
体調が悪い時や疲れがたまっている時などにかっさをおこなうと、体調が悪化してしまったり肌に負担をかけてしまいます。
かっさは体調に問題のない、元気な時におこなうようにします。
部位別、かっさマッサージ方法
ここからは部位別に効果的なかっさマッサージ法について解説していきます。
顔・頭
顔や頭へのかっさは、小顔効果やリフトアップ、ほうれい線や二重顎、肩こりや目の疲れ、頭皮環境の改善に繋がります。
またリンパの流れを良くすることによって、すくみがなくなり血色がよくなり、肌の色がトーンアップします。
顔にかっさをおこなう際は、一度に長い面をこすったり往復させるのではなく、コリを少しずつほぐすように細かく丁寧にマッサージしていきます。
内側から外側、下から上に向かって一方向にプレートを動かします。
黒目の下、目頭、眉頭、眉尻、こめかみに眼精疲労に効果的なツボがあるため、先の細い科っ作でツボ押しするのもオススメです。
また耳の下にある耳下リンパ節には「ゴミポケット」と呼ばれるほど顔の老廃物が溜まりやすく、顔色が良くなり、くすみや顔のコリがほぐれ、頭がスッキリします。
頭皮にはくし型や魚型のかっさプレートを使用し、くるくる回したり、ジグザグに動かしてマッサージすることにより、頭にあるリンパの詰まりを解消することができます。
本場中国では育毛ケアとして、頭皮活性化によるスカルプ効果で薄毛の改善も期待できます。
近年多くの家電メーカー、美容メーカーが頭皮かっさ機能のあるスカルプケア家電やドライヤーなどの商品を販売しており、頭皮かっさのスカルプケアが注目されています。
胴体・手足
デコルテラインやわきの下には太いリンパ節に繋がる経路があるため、全身の流れを促すことができます。
特に鎖骨の上にあるくぼみには老廃物が溜まりやすく、押すと痛いことも多い箇所です。
痛気持ちいい強さで、内側から外側に向かってかっさすることにより、すっきりとしたフェイスラインにすることができます。
首のかっさは、第一頸椎から下に向かって肩甲骨にかけてかっさしていきます。
次に耳の後ろから下に向かってかっさし、肩まで斜めにかっさします。
背中のかっさには、肩甲骨と肩甲骨の間から背骨に沿って上から下へ、肩甲骨から下は左側から内から外に向かってかっさしていきます。
お腹はみぞおちから肋骨に沿って斜め下に、内側から外側に向かってかっさしていきます。
左が終わったら、右をかっさします。
ウエストラインをキレイに出したい場合、ウエストの外側から内側に向かって少し引っ張り上げながらかっさをします。
デスクワークや立ち仕事でむくみやすい腕や脚へのかっさは、むくみを改善しハリのある引き締まった手足にするのに効果的です。
リンパの流れに沿うように、左側からかっさします。
腕の外側は上から下へ、内側は下から上へかっさします。
左が終わったら右もかっさします。
お尻、脚も同様に、左足からかっさし、左を終えてから右をかっさします。
脚の外側は上から下に向かって、脚の内側は下から上に向かってかっさしていきます。
脚に静脈瘤がある人は、下から上に向かってかっさしていきます。
足裏
足裏のかっさには様々な方法がありますが、足裏にはたくさんのツボや反射区があるため、反射区やツボを刺激するようにかっさします。
手や指を使うツボ押しなどよりも、刺激が強く入りやすく、腕や手が疲れにくいのでオススメです。
かっさのアフターケア
かっさが終わったら、10~20分程度ゆっくりする時間を設け、身体を冷やさないようにします。
かっさをした後は代謝が上がってリンパや血液の流れが良くなり、老廃物を排出しやすい状態になっています。
かっさマッサージはデトックス効果が高いので、終わったらしっかり水分を取りトイレに行って老廃物を流します。
300~500㏄程度の水やぬるま湯を摂取し、少し塩を加えるのもオススメです。
またかっさ後に食事をする場合、脂っこいものや揚げ物、辛いものや刺激物を避け、あっさりしたものにします。
かっさをしてから数日間の間、かっさした場所が痛くなることがありますが、正常な反応であるため心配する必要はありません。
またかっさをした後に、かっさ痕が出る場合があります。
人によってかっさ痕の出方は様々ですが、経絡の詰まり(気結)があることろには『痧(シャ)』と呼ばれるかっさ痕ができます。
初めてかっさ痕を見る人にとっては、アザや内出血のように見えかなり痛そうに見えますが、実際にかっさをするとスッキリしたり、気持ちが良かったという人が多いです。
1週間程度で消えますが、顔に行う場合はかっさ痕が出ないように強さを加減する必要があります。
「かっさの効果は得たいけど、痕になるのは困る」という人は無痕かっさ板を使うと、痕をほとんど残さずかっさをおこなうことができます。
痕の残らない台湾で開発された『無痕かっさ板』は、日本で実用新案登録がされています。
サロンや鍼灸院でおこなっているかっさはお客様に痕が残ってもいいかどうかを確認して施術してくれることが多く、心配な場合はこちらから伝えるようにします。
まとめ
美容・健康に効果の高いかっさですが、基本は左側からおこない、左側が終わってから右側をマッサージします。
外側は上から下に、内側は下から上にマッサージしていくのが基本です。
強くマッサージすれば効果が高いというものではないため、痛気持ちいいくらいの強さでさするようにします。
またかっさ前後はしっかりと水分補給をし、身体を冷やさないように気を付けましょう。
かっさは毎日行うと肌に負担をかけてしまうため、週に1~3回程度おこなうのが効果的です。