美容師を長くやっていると、「最近、常連だったお客様を見かけなくなった」ということもあるのではないでしょうか。
今回は、行きつけだった美容室に行かなくなる原因・理由について解説します。
仕方のない失客もありますが、改善することで長く継続してリピーター様になってもらえることもあるため、本記事を参考にしてみて下さい。
行きつけの美容室に行かなく理由
「ネイルサロンやアイラッシュサロンは毎回違うサロンに行くけれど、美容室は毎回同じところに行く」という方は多いものです。
しかし、様々な理由によって行きつけの美容室にご来店されなくなったお客様はいます。
行きつけの美容室に行かなく理由は主に以下の3つです。
1, 美容室側に問題がある場合
2, お客様都合
3, 担当の退職・移動
お客様が行きつけの美容室を変える理由の43%が美容室側に問題があり、お客様の都合によるものが38%、担当の退職や移動による場合が18%となっています。
お客様都合や担当の移動・退職は避けられないものがありますが、美容室側に問題がある場合は失客を避けることができます。
美容室や美容師が原因の場合
美容室や美容師が原因による、お店によってお客様が行きつけを辞めてしまうという理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
美容室に問題がある場合
美容室自体に問題がありお客様が行きつけではなくなってしまう原因では、以下のものがあります。
●お店のコンセプトや客層の変化
もともと30代以降の方が常連で通われていたお店が若い人が多く派手なカラーをする客層になったとようになったという場合、常連であったお客様は店に通いづらいと思うようになることもあります。
その他にも、待ち時間にリラックスできるようにと併設された接骨院など、プラスのサービスがかえって嫌になって通わなくなったというお客様もいます。
個性派の美容室はリピーター様が離れると、戻ってくるのは難しいのかもしれません。
●規模の拡大
お店の規模が拡大されたことによりスタッフ不足で待ち時間が増えた、なども美容室側に問題があります。
●値上げ
材料費の高騰によって様々なものが値上げされており、美容業界でも多くのお店が値上げをしています。
カットやカラーなどの料金が上がった場合、常連であったお客様が離れていくことは多くあります。
また、担当してくれていたスタイリストが昇級し、指名料が高くなった場合にも行きつけでなくなる場合があります。
●予約が取りづらい
自分とお店の都合が合わなくなってしまった場合も、お客様が常連でなくなることが多いです。
タイミングが合わないのは仕方ありませんが、2回も予約の取れないことが続くと失客につながります。
美容師に問題がある場合
美容室のお客様が行きつけの店を変える理由で一番多いのが「接客・施術が雑になった」と感じる場合です。
接客での問題
喋り方が雑になったなど接客が雑になったなどが続くと、常連の「お客様はもうこの美容室には通いたくない」と思ってしまいます。
お客様と美容師が近くなりすぎて、接客が雑になってしまうことは多々あります。
美容師に対するイメージとして「美容師の言葉遣いはチャラい」という人はとても多いのです。
そして、そのチャラい感じが苦手で美容室自体に行くのがイヤというお客様もいらっしゃいます。
スタッフ教育の一環で、お客様との距離を保つことやどんなに長く通って頂いても言葉遣いに気を付けるなど、きちんと教育することが大切です。
また、最近では美容師と直接LINEのやり取りをして予約を入れる方もいます。
予約連絡だけであればいいのですが、プライベートなことを質問したり必要以上なやり取りをおこなってしまっては、不快に思うお客様も多いのです。
距離が近くなりすぎて愚痴や不満、説教が増えた場合なども常連のお客様が離れてしまいます。
その他にも、シャンプーやトリートメントなどの押し売りや営業がしつこく、断るのが億劫になってきた場合も行きつけだった美容室に通わなくなるきっかけです。
商品の説明や営業は慎重におこなう必要があります。
意外にも、毎回試供品や割引クーポンなどを渡すようになって逆に気を使って通わなくなったろいうお客様もいました。
毎回サービスがいきなり続きだすと返って不安になるお客様もいらっしゃるので、プラスのサービスの頻度や回数も考えなければなりません。
技術面での問題
施術面では、シャンプーやカットが雑になったと感じた場合も常連のお客様が離れる原因です。
中には「カウンセリングをしててくれなくなって行きつけの美容室に通わなくなった」というお客様もいらっしゃいます。
指名のスタイリストは好きだけどアシスタントのシャンプーが雑、というお客様も多いです。
その他では、美容師の失敗により仕上がりが気に入らないことが続いたという場合です。
1度の失敗は許されても2度も失敗が続くと、信頼がなくなってしまうことが多いです。
記憶に残らない程度の失敗であればいいのですが、記憶に残る失敗が続くとお客様は不安になり違う美容室に行くきっかけになってしまいます。
お客様都合が原因の場合
転勤や引っ越しになどのお客様の都合によって、行きつけの美容室を変えるというお客様もいます。
子どもができたことによって託児所付きの美容室に通うようになった、美容にお金をかけていられなくなったという場合もあります。
コロナ禍において美容室に行くこと自体が少なくなった、というお客様もいます。
自分でカットしてみたら意外と上手くいったという場合も、行きつけの美容室に行かなくなるきっかけです。
その他にも、コロナで休業中に違うサロンに行ってみたら安くてよかったので新しい美容室に切り替えたという人もいます。
コロナは美容業界に大きな影響を与えたと思わされる事実です。
反対に、美容に対するモチベーションがあがったため他の高級志向の美容室に行くようになったということもあります。
彼氏や彼女ができたため、異性の美容師さんに施術してもらうのがイヤになったというお客様もいます。
この場合は圧倒的に女性の方が多いですが、このような場合も行きつけの美容室を変えるきっかけになります。
髪の毛が薄くなったため自分や奥さんにバリカンでカットするようになったというお客様は、寂しそうに行きつけの美容室に行かなくなった理由について語ってくれました。
生活環境の変化は仕方ないですが、美容師からすると少し寂しいですね。
その一方で、どんなに職場や家が遠方になっても新幹線で通うという熱心なお客様もいます。
指名美容師の退職・異動
指名で通っていた美容師が退職した場合も、行きつけの美容室を変えるきっかけです。
担当のスタイリストが退職をした、独立したという場合には、その美容師について新しい店舗についていく場合もあります。
また、店自体が閉店してしまったという場合にはリピーターであったお客様がお店に通わなくなるきっかけとなります。
その他にもごっそり人事異動があった場合には、リピーターのお客様が離れていくこともあります。
まとめ
日本全国にある美容室の数は、約25万件といわれています。
その中からどの美容室を選んでいくかはお客様の自由です。
一度離れてしまったお客様が、また戻ってくることもあります。
その時は理由を詮索するのではなく、「おかえりなさい」と快く迎え入れましょう。
美容師にとってもお客様が帰ってきてくれるのは喜ばしいことです。
新規の集客は、常連様に来てもらうよりも5倍コストがかかるといわれています。
コロナの影響やお客様の都合による失客は仕方のないことですが、約4割は美容師や経営者の努力によって防ぐことができます。