エステにはさまざまな種類がありますが、中でも代表的なのがフェイシャルエステです。
肌を綺麗にしたい、エイジングケアをしたい、フェイスラインをすっきりさせたいなど、フェイシャルエステに通う方の目的はそれぞれです。
今回はフェイシャルエステサロンで働くためにはどんな仕事をしなければならないのか、資格は必要なのか、フェイシャルエステティシャンについて徹底解説します。
通信やスクールで資格を取得するメリット、デメリットも紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
フェイシャルエステはどんな仕事を行う?
フェイシャルエステティシャンの仕事内容を見ていきましょう。
マッサージだけできればすぐにフェイシャルエステティシャンになれる!というわけではありません。
- カウンセリング
- 実際の施術
- アフターケアや販売
- その他の雑務
このように、フェイシャルエステティシャンの仕事は多岐に渡ります。美容業界で長く働き続けるためにも、仕事内容についてはしっかり確認しておくことをおすすめします。
カウンセリングで悩みを聞き出す
施術の前にカウンセリングをおこなうのが一般的です。
カウンセリングではお客様がどんなことに悩んでいるのかを聞き出します。
この悩みによってコースやプランを決定しなければならないため、内容に適したメニューを提案する能力が求められます。
アレルギーや他店でのトラブルも確認し、お客様が安心できる環境を作ることも大切です。
実際の施術を行う
実際の施術はとくにフェイシャルエステティシャンの腕が試されるところです。
持っている技術、知識を活かし、お客様に喜んでもらえるよう施術に取り組みましょう。
フェイシャルエステでは手や専用の機械を使って、さまざまな肌悩みにアプローチしていきます。
肌荒れ改善、リフトアップ、エイジングケアなどエステサロンやコースによってさまざまな施術方法があります。
アフターケアや販売も大切なお仕事
フェイシャルエステティシャンの仕事は施術をすれば終わり、ではありません。
施術後のアフターケアやフェイシャルエステの効果をより高めてくれる化粧品の販売などもフェイシャルエステティシャンの仕事です。
とくに販売は得意な人、苦手な人が分かれやすいです。営業や販売の仕事をした経験がある方ならスムーズに会得できるでしょう。
この販売にはノルマがあるエステサロンもあります。
その他の雑務を任されることも
エステサロンでは、カウンセリングや施術以外にも受付や売り上げの管理、店内の清掃などの雑務も行わなければなりません。
メニューやコースを自分で作る、集客方法を考える、SNSを更新するといった仕事を任されることもあります。
エステサロンで働く上ではこれらの雑務も重要ですので、しっかり身に着けていきましょう。
フェイシャルエステの種類5つ
フェイシャルエステと一口にいってもその施術内容は豊富にあります。
フェイシャルエステの種類が違えば求められる技術も大きく変わります。
肌を綺麗にするエステから小顔になるためのエステまで、人気のフェイシャルエステの種類を5つ紹介します。
- パック
- イオン導入
- 毛穴クレンジング
- ピーリング
- 血行促進
これら5つの他にも、さまざまな施術を複数おこなっているエステサロンや、一つの施術を専門としているエステサロンもあります。
パックでお肌に有効成分を届ける
フェイシャルエステの中でも手軽で人気なのがパック系の施術です。
自宅で簡単にできるシートパックは便利ですが、それだけでは物足りないと感じる方も多いです。
フェイシャルエステのパックはシートだけでなくクリームや泡、泥など、肌の悩みに適したパックを提案してくれます。
シートパックや市販のパック以上にしっかりと肌に美容成分を届けることができ、乾燥やくすみ、肌の疲れを感じている方にとくに人気があります。
イオン導入で肌に成分を浸透させる
専用の機器を使って肌に微弱な電流を流し、イオンバランスを整えます。普通のスキンケアではお肌に行き届きにくい成分をよりしっかり浸透させられる方法です。
たるみやハリの低下が気になる方にプラセンタ、肌荒れやくすみが気になる、美白したいという方にはビタミンC、乾燥肌を改善したいという方にはヒアルロン酸など、悩みに応じたさまざまな美容成分を導入します。
その都度導入する美容成分を変えて、肌悩みに臨機応変に対応できるのもイオン導入のポイントです。
毛穴の奥の汚れを取り除く
毛穴の汚れはクレンジングやパックをしてもなかなか取り除けません。毛穴の奥の汚れまでしっかり落としたいという方には毛穴クレンジングも人気です。
肌を柔らかくして毛穴を開き、専用のクレンジングやクリーム、機器などを使って毛穴の汚れをかき出します。
肌に優しく毛穴を開いて汚れを取り、その後もきちんと毛穴を閉めるケアをするため、毛穴の目立ちにくいなめらかな肌を目指せます。
古い角質を取り除くピーリング
肌荒れやくすみが気になる方に人気なのがピーリングです。
お肌の表面に古い角質が残ることで、肌のごわつきやニキビ、化粧ノリの悪化、くすみなどが気になるようになります。
ピーリングではこの古い角質を剥がし、綺麗な肌を目指していきます。
ピーリングをしたあとの肌は敏感ですが美容成分も浸透しやすいため、イオン導入やパックなどを合わせて行うエステサロンも多いです。
血行を改善してすっきり小顔に
フェイシャルエステには肌を綺麗にするだけでなく、フェイスラインをシャープにする、むくみを取るといった施術もあります。
主にエステティシャンの手、オイルやスキンケア成分を豊富に含むクリームなどを使って、顔から頭、デコルテまでアプローチしていきます。
手を使ったフェイシャルエステをおこなうことで顔周りの血行を促進します。老廃物を流すことでフェイスラインがすっきりする、むくみが解消される、クマが目立たなくなるなどのメリットがあります。
フェイシャルエステティシャンに資格は必要?
フェイシャルエステティシャンの国家資格はありません。そのため、初心者、未経験の方でもすぐにフェイシャルエステティシャンを名乗ることができます。
しかしフェイシャルエステティシャンとして働くためには、今後も長くこの業界で活躍するには、民間の資格を取得しておいた方が良いでしょう。
フェイシャルエステの民間資格には
- 日本能力開発推進協会 フェイシャルリンパケアセラピスト資格
- 日本エステティック協会 AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン
などがあります。今回はこの二つの資格について詳しく解説します。
フェイシャルリンパケアセラピスト
実施団体 日本能力開発推進協会
試験概要 フェイシャルリンパマッサージの基礎、製油の効能などの知識を確認する試験です。
- 受験資格 日本能力開発推進協会が指定する教育機関でカリキュラムを修了した方
- 試験科目 筆記
- 授業料 5,600円(税込)
AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン
実施団体 日本エステティック協会
試験概要 エステの基礎知識、フェイシャルエステ、ボディエステの基礎を確認する試験です。
- 受験資格 エステティックの勉強、仕事をされている方
- 試験科目 筆記
- 受験料 8,200円(税込)(併願の場合は15,400円(税込))
AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン 日本エステティック協会
フェイシャルエステの資格を取得するメリット
フェイシャルエステティシャンになるために資格は必須ではありませんが、取得すると下記のようなメリットがあります。
- 就職や転職に有利になる
- 確かな技術をアピールできる
- フェイシャルエステの知識が身につく
フェイシャルエステに特化した資格、さまざまなエステサロンで役立つ資格、美容の知識を高められる資格などがあります。自分が求めるのはどんな資格なのか考えてみましょう。
就職や転職に有利になる
フェイシャルエステに関する資格を持っていると、履歴書に所有資格として記載できます。
就職や転職の際に資格があれば知識と経験があることをすぐに採用担当者に理解してもらうことができ、即戦力として雇用してもらえる可能性が高くなります。資格があるだけで初任給が高くなるエステサロンもあります。
専門的な知識が必要なエステサロンでは資格を持っていないと応募できないこともあります。
フェイシャルエステティシャンに関する資格をいくつか持っておけば、その分応募できる選択肢も広がります。
確かな技術をアピールできる
フェイシャルエステに関する資格はそのままその人の肩書きにつながります。
就職や転職の際にサロンにアピールできるだけでなく、お客様との信頼関係を築くためにも重要です。
フェイシャルエステティシャンは無資格でも名乗れますが、お客様の視点から見ると無資格の人よりも資格のある人に施術してもらいたいものです。
お客様にまず信頼してもらうためには資格は大いに役に立ちます。
フェイシャルエステティシャンとして独立を考える際にも、資格を所有していれば自身の強みとしてアピールできます。
フェイシャルエステの知識が身につく
フェイシャルエステの資格を取得するためには、実技や筆記の勉強をしなければなりません。
その際に専門的な知識、最新の情報をしっかりと身に着けられます。
エステ業界は常に新しい技術やマシンが登場しており、そのすべてを把握することは難しいです。
しかし資格の勉強のためのテキストには、最新の情報、正しい知識が豊富に記載されています。
独学で間違った知識や古い情報に左右されるよりも効率的にフェイシャルエステの勉強ができるといえるでしょう。
まったくの未経験の方も、すでにフェイシャルエステティシャンとして活躍している方も、資格取得のためのテキストを定期的に読んでおくことは大切です。
フェイシャルエステティシャンとして活躍するためには
フェイシャルエステティシャンとして活躍するの技術を習得するための方法としては、
- 専門のスクールに通う
- 通信教育で学ぶ
- 未経験可の店舗で働く
といった方法があります。
何を学べるのか、どれくらいの期間や費用がかかるのかについて紹介します。
それぞれにメリット、デメリットがありますので、自分にはどの方法が適しているのか考えてみましょう。
専門のスクールで技術を身に着ける
フェイシャルエステティシャンになるための定番の方法としては、専門のスクールに通うというものです。
美容系の専門スクールではフェイシャルエステだけでなくボディエステやその他のさまざまな美容についての知識を学ぶことができます。
エステサロンで働いた経験がなくても、美容系の専門スクールに通っていたという経歴があれば就職や転職の際に役立つことでしょう。
メリット:専門知識や最新情報を入手できる
美容系の専門スクールに通って学ぶメリットとしては、専門知識や最新情報を入手できる点にあります。
独学では学べない細かい点まで指導してもらうことができ、より専門的な施術方法、最新の機器の扱い方なども教えてもらえます。
フェイシャルエステティシャンとして成功するには、知識だけでなく技術も必要です。実技を通して技術をしっかり身に着けられるのも、専門スクールの大きなメリットの一つです。
また、専門スクールでは資格の取得に向けた勉強ができたり、就職先をあっ旋してくれたりすることもあります。
デメリット:時間やお金がかかる
専門スクールに通うには時間とお金がかかります。
1年から2年程度しっかり学ぶ必要がありますので、現在学校に通っている、仕事をしているという方にとっては現実的ではありません。
入学金や授業料については奨学金を得ながら通うことができるスクールもあります。
通信教育で技術を身に着ける
通信教育で技術を身に着ける、資格を取得するという方法も人気です。
フェイシャルエステに関する知識を得られるだけでなく、映像で実技の勉強ができるものもあります。
資格の取得を目指す内容の通信教育なら、最短距離でゴールを目指せます。
メリット:好きな時間に学べる
通信教育の最大のメリットは好きな時間に学べるという点にあります。
専門スクールとは違い時間割りやテスト、実習などはありませんので、仕事帰りや家事の合間など、ちょっとした時間に知識を身に着けていくことが可能です。
異業種から美容業界に転職したい、今以上に新しい技術、知識を身に着けたいという方におすすめです。
長続きしない可能性もある
通信教育は自分で勉強する時間を作らなければなりません。
仕事が終わるとクタクタになってしまう、家事や育児に追われている、休日はゆっくりしたい…という方にとっては、最初は勉強の時間を作れずに悩んでしまうでしょう。
テキストを購入したものの結局自分一人ではやる気が起きず投げ出してしまう方も少なくありません。
取得したい資格を明確にする、どんなフェイシャルエステティシャンになりたいか思い描くなどしっかりとモチベーションを維持し続けられる方法を自分なりに模索してみましょう。
未経験OKのサロンで働く
フェイシャルエステティシャンとしての技術、知識を身に着けるためには、いきなりエステサロンで働くという方法もあります。
未経験でも応募可能な求人を出しているエステサロンは意外にもたくさんあり、誰でもチャレンジできます。
総合的なエステサロン、フェイシャルやボディ、脱毛などそれぞれの分野に特化したエステサロンがありますので、自分がどんなエステティシャンになりたいのかを明確にし、それを叶えてくれるエステサロンを見極めることが大切です。
いきなり未経験の仕事をするのは大変なことが多いですが、フェイシャルエステティシャンになりたいという気持ちが強いのなら思い切って応募してみても良いでしょう。
メリット:働きながら技術が身につく
未経験OKのサロンで働くことのメリットとしては、働きながら技術を身に着けられるという点があります。
エステサロンの中には丁寧な研修をおこなってくれるところも多く、ゼロからのスタートでも立派なエステティシャンを目指せます。
資格の取得をサポートしてくれる、資格取得者は給料がアップするなど、従業員のモチベーションをアップさせてくれるエステサロンもぜひチェックしてみてください。
エステティシャンとしての技術だけでなく、カウンセリングや雑務などの経験もできます。これまでに接客や販売の経験がある方が有利になることもあります。
デメリット:サロンが合わないことも
未経験からエステサロンで働く場合、自分に合うサロンが見極めにくいというデメリットがあります。
どんな働き方ができるのか、どんな研修をおこなうのか、求人ページだけではなかなかわかりません。
実際に働いてから想像以上にハードな仕事だった、思うような技術を学べなかった、エステサロンの方針が自分に合わなかったなどで、結局仕事を続けられなくなってしまうという可能性もあります。
未経験からのエステティシャンへの転職は可能ですが、働いてからそのギャップに驚くかもしれないということも覚悟しておきましょう。
資格を取得してフェイシャルエステティシャンを目指そう!
フェイシャルエステティシャンになるために資格は必須ではありません。
ですが、資格を取得するために勉強することで知識と技術を身に着けることができ、転職、就職にも有利になります。
基本的なフェイシャルエステの資格や、小顔矯正、アロマトリートメントなどの個別のフェイシャルエステの民間資格はたくさんあります。
自分はどんなフェイシャルエステティシャンになりたいのかを考えて、最適な資格の取得を目指しましょう。