年齢を重ねるごとに気になる毛穴の開きやほうれい線……女性なら気にしている人も多いのではないのでしょうか?
そんな顔の悩みを即効性をもって解決してくれるのが『美容鍼』です。
美を追求する女性から注目を浴びている施術です。
テレビや雑誌などで取り上げられており、女性だけでなく市川海老蔵さんなどの男性芸能人にも人気の施術です。
美容鍼にはアンチエイジング、美肌効果や小顔効果があるといわれていますが、具体的にはどのように効果があるのでしょうか?
今回は今話題の美容鍼について、効果や施術方法について詳しく解説していきます。
美容鍼の効果
美容鍼は顔のツボに鍼を打ち、刺激を与えることにより筋肉や細胞を活性化させる美容法です。
年齢を重ねると代謝が悪くなり、筋肉や細胞が衰えてくすみや吹き出物など、肌トラブルが起こりやすくなります。
顔の皮膚は大きく分けて3つの層からなっています。
顔の表面から0.2mmほどの基底細胞層までを『表皮』、その下のコラーゲン繊維や線維芽細胞のある部分を『真皮』、そのさらに下の皮下脂肪がある表面から4~7mm場所を『皮下組織』といいます。
美容鍼で使用する鍼の長さは1,5㎝~3㎝ほどで、太さは0.10~0.20㎜ほどです。
人の髪の毛と同じくらいの太さであり、皮下組織の下の筋肉にまで届くためコリをほぐして肌本来の美しさを取り戻すのが美容鍼の効果です。
また、顔の深部まで働きかけられるので、シワやたるみなどの肌老化の予防にも役立ちます。
小顔効果
美容鍼には小顔効果があります。
美容鍼は鍼を打つことによって皮膚の真皮に小さな傷を作ります。
この傷を修復させるため、人間には自然治癒力が備わっています。
その時に生成されるのがコラーゲンとエラスチンです。
コラーゲンとエラスチンが生成されることにより新しい細胞が生まれ新陳代謝が活発になり、肌の弾力や血行が良くなります。
新陳代謝が活発になるとむくみが解消され、小顔効果が期待できます。
筋弛緩効果によるアンチエイジング
交感神経が優位になり血管が収縮されて血流が悪くなると、顔の筋肉が過度に緊張してしまいます。
そうなると顔の筋肉が凝り固まり、ゴツゴツした肌になってしまいます。
美容鍼は交感神経の活動が抑制されるため、血管が拡がり血流が良くなります。
そすると凝り固まった筋肉が緩みゴツゴツした肌ではなく、本来のあるべきキレイな状態に戻ります。
また美容鍼には筋肉を刺激し、血行を良くして老化を防ぐというアンチエイジング効果があります。
顔のたるみやしわは顔の筋肉量が減り、筋肉が皮下脂肪と皮膚を支えられないことにより起こります。
顔の筋肉も、年齢とともに衰えます。
30代から減少し始め、80代までに30~40%の低下するといわれています。
美容鍼で筋肉を刺激することにより顔の血流を促し、血流を改善して若返り効果を発揮します。
30代以降は肌の衰えを感じやすくなるので、美容鍼を活用することをオススメします。
毛穴の引き締め効果
美容鍼には毛穴を引き締め、肌の表面を滑らかにする効果があります。
毛穴のたるみは皮膚がたるむことによって引き起こされます。
毛穴の開きは肌の水分と油分のバランスが崩れることにより起こります。
美容鍼は顔の筋肉を刺激してコラーゲンやエラスチンを生成し、たるみが解消され毛穴が引きあがります。
また美容鍼により細胞が刺激され活性化すると、細胞が生まれ変わり肌が再生されます。
肌が再生されると新陳代謝が活発になり肌の水分と油分のバランスが整うので毛穴が引き締まるのです。
くま・くすみの改善
美容鍼には鍼を使い、皮膚の中を刺激することにより新陳代謝を活発にする作用があります。
くまやくすみの原因は顔の新陳代謝の低下、血行不良が原因といわれています。
そのため美容鍼は、クマやくすみを改善することができます。
美容鍼のメリット・デメリット
ここまでの美容鍼の効果を述べてきましたが、美容鍼ならではのメリット・デメリットについて紹介していきます。
メリット
副作用が少ない
美容鍼は肌本来の持っている自然治癒力を利用するので副作用が少ないといわれています。
薬品などを外から入れるのではないので合う・合わないが少ないからです。
そのためアトピーの人や敏感肌の人、アレルギー体質の人にも施術することができます。
また化粧品では分子が大きくて浸透しないところにも直接鍼を刺して刺激するので、より深い部分まで効果を発揮します。
顔以外にも効果が期待できる
顔にも足裏と同様、たくさんのツボがあります。
鍼によりツボを刺激し、顔以外のところにも効果が期待できるのは嬉しいメリットです。
オーダーメイドで施術できる
美容鍼はお客様一人ひとりの症状や体質、悩みや生活習慣に合わせて施術をすることができます。
そのため効果は鍼灸師の腕にかかっているといっても過言ではありません。
生理中でも施術が可能
生理中はお肌が敏感になりがちでエステなどでは肌トラブルが出がちですが、美容鍼は生理中でも施術ができます。
さらに生理痛に効果のある顔のツボやホルモンバランスを整えるツボを刺激することもできるので、気軽に鍼灸師に相談してみるのもいいでしょう。
デメリット
内出血してしまう可能性がある
顔にはたくさんの細い毛細血管が通っています。
顔にたくさんの鍼を刺す美容鍼は、漏れた血液が皮下に一定期間留まる内出血を起こしてしまう可能性があります。
病院で受ける血液検査でも内出血になってしまう人もいますが、美容鍼で使う鍼はもっともっと細いので、採決の時ほどひどくなることはほとんどないといえます。
万が一内出血したとしても時間とともに引いていきます。
早ければ数日、遅くとも2週間で引いていくことがほとんどです。
鉄分を多くとる、冷やす、漢方薬を服用するなどして対策をとることができます。
また内出血は避けることは難しいですが、腕のいい鍼灸師に施術してもらうことができれば内出血を少なくすることができるでしょう。
恐怖心と痛みを感じることがある
一度の施術で刺す鍼の本数は店舗によりますが30~50本ほどです。
たくさんの鍼を刺すので痛い、怖いというイメージを持つ方も多いと思います。
美容鍼で使う鍼の太さは人間の髪の毛ほどの太さであり、採決の時ほどの痛みを感じることはほとんどありません。
そのため鍼を刺されたことにすら気づかない人もいる程です。
しかし一度に多くの鍼を刺すので皮膚の薄い痛点に当たることもあり、多少は痛みを感じることがあるかもしれません。
また凝り固まった顔の筋肉を刺激することにより痛みを伴うことがありますが、痛みに耐えながら受ける施術ではなく、蚊に刺された時のようにチクっとする程度と思っていて大丈夫です。
ちなみに鍼の痛みは鍼灸師の技術力次第なところもあります。
技術力の高い鍼灸師であれば痛みは最小限に抑えることができます。
しかし痛点は目に見えな点であり、どんなにベテランの鍼灸師でも痛みを伴うことがあります。
美容鍼はたくさん刺せば効果が上がるというものではなく、必要以上に刺すとかえって内出血、痛みの原因となります。
ベテラン鍼灸師ほど最小限の鍼で最大限の効果を発揮してくれます。
好転反応が出ることがある
デトックス効果の一環で美容鍼を受けたのちに身体がだるい、疲労感や眠気を感じたり、肌荒れを起こすことがあります。
これらの症状は美容鍼を初めて受ける人や虚弱体質の人に起こりやすく、調子が良くなる効果のデトックス期間だといえます。
これを『めんげん反応』『好転反応』といいます。
西洋医学の考え方で症状が回復していく過程、自然治癒力による一時的な反応のことをいいます。
身体の不調を感じたら鍼灸師に相談し、十分に睡眠をとり身体をしっかり休めることが大切です。
施術後は血行が良くなっているためお酒の飲みすぎや激しい運動は控えるようにします。
美容鍼の効果の持続時間
美容鍼は一度の施術でリフトアップや小顔効果があり、その場で効果を実感することができるのが特徴です。
その効果は約1~2週間ほど続くといわれています。
身体に刺す鍼灸と同じように最初は間隔を短く、効果が定着してきたら間隔を長くするというのが一般的です。
施術を重ねるごとに持続時間も伸びていきます。
しかし毎日施術を受けたほうがいいというものではなく、施術の期間は最低3日間は開けたほうがいいといわれています。
鍼を使って細胞を傷づけるため、細胞が修復するのに3日ほどかかるからです。
施術を受け始めたばかりの人は最初のひと月は1~2週間を目安に通い、その後は鍼灸師と相談しながら通うというのをオススメします。
効果を長持ちさせるために
身体や肌の状態により持続効果も左右されるため、セルフケアも重要です。
肌トラブルや肩こり、眼精疲労などは顔の筋肉の疲労、血行不良、新陳代謝が原因で引き起こされます。
暴飲暴食・無理なダイエット、手足の冷えなどを避け、毎日湯船に浸かるなど自宅ケアを心がける必要があります。
また日常生活の姿勢もシワや老化の原因になるので注意が必要です。
美容鍼の相場
美容鍼は現在では日本のいたる所で施術を受けることができます。
おおよその相場は1回60~90分で1万円前後が相場です。
また初回限定料金、初回お試し価格を謳って広告を出しているところも多くあるので、一つのお店に通い続けたい人は『通常料金』で比較するのがいいかもしれません。
まれに外科と鍼灸院がセットになった保険適応の鍼灸院もありますが、美容鍼は自由診療になるため保険が使えないところがほとんどです。
美容鍼を選ぶポイント
即効性があり、どんな人でも副作用が少ない美容鍼。
ここまで読んで実際に施術を受けたいと思った人も多いのではないでしょうか?
ここからは初めての人でも安心してお店を選べるお店選びのポイントを紹介していきます。
通いやすい立地
美容鍼は最初の2.3か月は1~2週間に一回のペースで通うことをオススメしているので、立地も大きなポイントとなります。
通勤途中や自宅から近い方が通いやすいです。
また金額も通常料金がリーズナブルな店舗の方が通いやすいといえるでしょう。
女性専用か男女共通
お客さんが女性のみなのか、男性も受けることができるのかもポイントです。
美容鍼として顔だけでなく全身も鍼を受けたいのであれば、肩や背中など服を脱がないとできない施術も多いため女性専用の方が安心して施術を受けることができるという人も多いです。
美容鍼を受けるのは女性のイメージが強いですが、コロナ禍で男性の美意識が高まりつつあり有名芸能人が美容鍼に通っている影響もあり男性でも施術を受ける人が増えてきました。
鍼灸師が女性か
鍼灸師の先生が女性だと、気兼ねなく生理や女性特有のホルモンバランスの乱れなどの相談がしやすくなります。
施術も安心して受けることができるという人もいます。
女性の先生が必ずしもいいという訳ではありませんが、女性の方が話しやすいという人は女性の鍼灸師がいるお店を探すのもオススメです。
個室で施術が受けれる鍼灸院
せっかく美容鍼を受けるならリラクゼーションの一環としても、気兼ねなく利用したいものです。
美容鍼灸院がすべて個室とは限らず、カーテンで仕切られているだけのところもあれば一つひとつ独立して分かれているVIPルームのような鍼灸院もあります。
プライバシーを重視したいなど、目的によってお店を選んでみるのも一つの方法です。
美容クリニックと提携している鍼灸院
美容鍼は副作用が少ないため、ヒアルロン酸やボトックス注射など他の美容クリニックの施術と併用しておこなうことができます。
美容クリニックの施術を組み合わせることによって美容鍼、美容クリニックの施術の相乗効果を発揮することも期待できます。
美容クリニックと提携している鍼灸院はまだまだ少ないのが現状で、美容クリニックで働く医師は美容鍼について知識が少ないのが現状です。
美容鍼と美容クリニックの施術を同時に受けたい人は美容クリニック併設の鍼灸院を探してみることをオススメします。
医師のプロフィールを調べて、鍼灸のキャリアがあるかどうかを見ることもオススメです。
口コミや知人・友人の紹介
Googleマップや広告サイトの口コミを見ることもオススメです。
少し偏った口コミもあったりしますが、信ぴょう性はあるといえます。
また知人友人の紹介だと安心して施術を受けることができたり、紹介制度で安く施術を受けることができる店舗もあります。
※パルス美容鍼※
美容鍼に低周波の電気を流し、普段使わない深部の筋肉にまで働きかける施術方法を『パルス美容鍼』といいます。
電気を流すことにより、さらに筋肉の弛緩や引き上げに効果を発揮します。
身体に使う場合にも同様の効果が得られ、鍼を刺すだけの時よりも高い効果が期待できます。
また電気を使用して筋肉を刺激すると体の中の糖質エネルギーを利用することができるため、ダイエット効果が期待できるということが最近の研究でわかってきています。
まとめ
今話題の美容鍼について理解は深まったでしょうか?
美容鍼は
●顔のツボや筋肉・細胞に鍼を打ち刺激を与え、筋肉や細胞を活性化さる美容法
●リフトアップ・毛穴の引き締め・くすみ・しわ・たるみなどアンチエイジングとしても
1度で効果を感じることができる
●副作用が少なく、アレルギー体質の人でも施術を受けやすい
●副作用として痛みを伴う事、内出血、好転反応がおこる場合がある
●美容鍼の相場は60~90分の施術で1万円前後のところが多い
という特徴があります。
興味のある人は職場の近くや近所の美容鍼を利用してみてください。