百貨店やドラッグストアなどで化粧品を販売する美容部員になりたい!と思ったとき、どんな場所で働くのか、どんな働き方をするのかは重要です。
拘束時間が長そう、接客できるか不安、給料が少なそう、ノルマを達成できる自信がない…という方でも、働く場所や職種を選べば理想の働き方ができます。
将来も美容部員として長く働くにはどんな働き方を選べばいいのか考えてみましょう。
美容部員が働ける場所や、働き方のメリット、デメリットをご紹介します。
美容部員が働ける場所5選
美容部員と聞けば百貨店での化粧品コーナーの販売員のイメージが強いですが、それ以外にも働く場所はあります。
ポップアップショップや訪問販売など、美容部員の働ける場所を5つ紹介します。
百貨店
もっともイメージしやすいのが百貨店の美容部員でしょう。
それぞれのブランドごとに採用され、店頭に立ち接客をします。接客態度一つでブランドイメージがよくなったり、反対に悪いイメージがつくこともあります。ブランドの顔として責任を持って働かなければなりません。
お客様の相談に乗り、最適な化粧品を提案する、お客様にメイクをして使い心地を試してもらうことも仕事です。そのブランドの化粧品についてすべて知っておく必要があるだけでなく、メイクの技術や骨格、肌質などから似合う化粧品を選ぶセンスも必要です。
一方で新製品や人気製品を販売しなければならず、ノルマが課せられていることもあります。
化粧品専門店
百貨店ではなく化粧品専門店で働く美容部員もいます。
多くのブランドを一つの店舗で取り扱っており、化粧品専門店では多くのブランドの知識が必要です。
化粧品専門店はファッションビルや駅ビルに入っていることが多く、百貨店よりも気軽に立ち寄れるのがメリット。そのため小学生からご年配の方まで、幅広い客層を相手にしなければなりません。それぞれに合った接客スキルが必要です。
新ブランドや新商品のプロモーションをおこなったり、季節に応じた展示方法を提案したりと、一つのブランドに勤めるよりもさまざまなチャレンジができます。
ポップアップショップ
ポップアップショップとは期間限定で展開される店舗のことです。
百貨店などに出店していない、直営店がない、インターネットでの販売をメインにしているブランドなどがポップアップショップをオープンすることが多いです。
人気ブランドが新製品のプロモーションのためにポップアップショップをオープンすることもあります。
短いオープン期間の中でいかにそのブランド、新製品を知ってもらうか、売り上げを伸ばすかが重要です。実際に化粧品を試してもらう、サンプルを配布する、通行人に足を止めてもらうために声かけをするなどの仕事があります。
こちらもノルマが課せられているケースもあり、期間限定なので雇用は不安定です。
訪問販売
個人や企業に訪れて化粧品を直接販売する、訪問販売としての働き方もあります。
女性が自宅にいる昼間に家を訪問して営業する、という方法が一般的でしたが、近年は共働きの家庭が多くなり、このような形での訪問販売は難しくなってきています。
そのため、路面店や自宅兼エステを運営しつつ訪問販売をおこなうという形が主流になりつつあります。
高齢者への化粧品の需要も高まっており、高齢者向けの化粧品の訪問販売をおこなう企業もあります。
訪問販売はチームワークなどは必要なく、ほとんど一人の力で化粧品を販売しなければなりません。
自分のペースで働きやすいですが、歩合制の企業もあるので収入が不安定になる可能性もあります。
独立型直営店
百貨店とも似ていますが、ファッションビルや駅ビルに出店している独立型直営店で働く美容部員もいます。百貨店との違いとしては、独立型直営店は百貨店を介さないため効率的で利益率が高いという点です。
その店舗独自のイベントやキャンペーンを実施したり、プロモーションをしたり、化粧品の在庫管理や仕入れなどもおこないます。
販売員として成長していけばその店舗の店長を任されたり、他の店舗に移動して働くようなこともあります。
美容部員の人気の働き方5選
どのような場所で働きたいか決めたら、次はどのような働き方をすべきか考えてみましょう。
美容部員は正社員の他契約社員、派遣社員、アルバイトなどがあります。自分にとってメリットの多い働き方を選びましょう。また、今だけでなくこの先もライフスタイルの変化に応じて働き続けられるかを考えておくことも大切です。
自由な働き方ができるアルバイト
ブランドや店舗によっては美容部員のアルバイトを募集しているケースも多いです。シフト制、時給制で、比較的自由な働き方ができます。
中には学生でも採用してくれるブランドや店舗もあるので、卒業後美容部員として働くか迷っている方はお試しとして働くことも可能です。
アルバイトのメリット
美容部員のアルバイトとして働くメリットとしては、
- ノルマがない場合が多い
- 自由なシフトで働ける
- 学生でも働ける可能性がある
などがあります。学校や他の仕事がない土日にだけ働きたい、反対に家族が仕事や学校に行っている平日にだけ働きたいなど、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選べます。
アルバイトから正社員を目指せるブランド、店舗も多く、まずはお互いに相性を見てから長い付き合いを考えていけます。
アルバイトのデメリット
美容部員のアルバイトのデメリットとしては、
- 仕事内容がハード
- ノルマが課せられる場合も
- 収入は低め&安定しない
などがあります。ブランドの美容部員はアルバイトでも正社員と同じくらいのスキルを求められることも多く、時給のわりにハードだと感じる方も多いです。アルバイトであってもノルマが課せられる場合もあるため、面接の時点で確認しましょう。
アルバイトは美容部員の中でもとくに収入が低く、これだけで生活していくのは苦しい場合も。正社員を目指すか、他の副業をする、または美容部員を副業とする働き方もあります。
憧れのブランドで働ける派遣社員
ブランドや店舗、化粧品メーカーに採用されるのではなく、派遣会社に登録して各ブランド、店舗に派遣される働き方もあります。
百貨店、ファッションビル、駅ビル、ドラッグストア、ポップアップショップなどの派遣先があります。
仕事内容は簡単に言えば化粧品を販売することですが、ブランドや店舗によって接客方法には微妙に違いがあります。臨機応変な対応が求められます。
また、派遣社員は即戦力が求められます。未経験では採用してもらえない可能性が高いので注意しましょう。
派遣社員のメリット
美容部員の派遣社員のメリットとしては、
- 憧れのブランドで働ける
- 時給が高い
- シフトの融通を利かせやすい
- 正社員になれる可能性もある
といったものがあります。一流の化粧品メーカー、ブランドに正社員として入社するのは非常に狭き門ですが、派遣社員なら憧れのブランドの顔として働くことができます。
アルバイトよりも時給が高いケースがほとんどで、派遣の美容部員としてだけで十分に生活できる方も多いです。
また、美容部員の派遣社員の多くは紹介予定派遣がメインです。紹介予定派遣とは決められた期間内派遣社員として働き、その後双方の合意の上で正社員雇用に切り替わるというものです。
将来的には正社員としてそのブランドで働きたいという方には非常におすすめです。
派遣社員のデメリット
派遣社員のデメリットとしては、
- 昇給、ボーナスがない
- 即戦力が求められる
- 紹介予定派遣がデメリットになる可能性もある
などがあります。
派遣社員には契約期間があり、この期間を過ぎるとまた別の仕事、別のブランドの美容部員の求人を探さなければなりません。経験を積むことはできますがそれが昇給、ボーナスにつながらないのでモチベーションの維持も難しいです。
美容部員の派遣は紹介予定派遣という、一定期間を過ぎると正社員として採用してもらえる雇用方法もあります。しかし正社員になることで残業や仕事の責任が増える、ノルマが増える、シフトに入らなければならない日が増えるなど、人によっては負担に感じてしまうことも。派遣社員と正社員、どちらの方自分に合う働き方か考える必要があります。
外資系ブランドに多い契約社員
とくに外資系ブランドは契約社員の採用が多いです。
などがあります。美容部員は離職率が高く、正社員採用をしてもすぐにまた求人を出す手間とコストがかかるためです。
正社員と同じくらいの待遇、仕事内容を求められることがほとんどです。契約期間を過ぎてもブランド側が承諾すれば更新してくれる可能性もあります。
契約社員として長く働いている人はいるか、正社員と契約社員でどれくらい待遇や収入に違いがあるのかなどを事前に確認しておきましょう。
契約社員のメリット
契約社員のメリットとしては、
- 正社員登用の可能性が高い
- 勤務場所の変更が少ない
- 賞与が出る可能性も高い
などがあります。一定期間契約社員として採用してから正社員として採用されるケースが多いので、憧れの外資系ブランドへの入社も夢ではありません。
契約社員は正社員と比較して転勤の可能性が低く、家庭がある女性にとっても有利です。
ブランドにもよりますが、正社員と同じように賞与が出る可能性も高く、待遇はアルバイトや派遣社員よりいいと言えるでしょう。
契約社員のデメリット
契約社員のデメリットとしては、
- 契約を更新されない可能性がある
- 責任のある仕事をさせてもらえない
- 正社員登用されないこともある
などがあります。契約社員の扱いはブランドによって大きく違います。契約期間が満了になれば仕事を失うことになり、また求人を探さなければなりません。すべてのブランドが正社員登用をしているわけではないことを理解しておきましょう。
美容部員としてステップアップしたい方にも契約社員は不向きです。
安定した働き方ができる正社員
美容部員の正社員採用は非常に少ないです。中には新卒採用をおこなっているブランドもありますが、ほとんどが中途入社。販売スキル、接客スキルなどの即戦力が求められます。
美容部員として入社し、その後オーナーや商品の開発などに携わる部署に異動、昇進できるブランドもあり、キャリアアップを目指す方には最適な働き方です。
その分仕事に責任を持てる、ある程度の残業やノルマはいとわないという方でなければ正社員は続けられません。
正社員のメリット
正社員のメリットとしては、
- 安定した収入を得られる
- キャリアアップを目指せる
- 新卒なら未経験でもOK
などがあります。新卒採用を狙えれば未経験でも美容部員になれますが、採用枠は非常に狭いです。
それ以外の場合は正社員として未経験でいきなり働くのは難しく、派遣社員や契約社員からのスタートになります。
ですが正社員なら毎月安定した収入を得られる、賞与が出る、契約期間満了によって仕事を失うことがないなど、やはりメリットが多いのも事実です。
正社員のデメリット
正社員のデメリットとしては、
- 仕事の責任が重い
- 転勤がある可能性が高い
- 採用されるのが難しい
などがあります。正社員にはノルマがあったり、クレームの対応をしたり、その店舗の方向性を決めたりなど、責任の重い仕事を任されることが多くなります。その分残業時間が増える、土日は必ず出勤しなければならないなど、生活との両立が難しくなる可能性も。
違う店舗への移動、本社への移動など転勤もあり、家庭がある方には不向きかもしれません。
もともとの採用枠が非常に少ないので、憧れのブランドで働けない可能性もあります。
活躍の場が広がるフリーランス
化粧品を販売するのではなくお客様にメイクをするメイクアップアーティストという働き方もあります。
ブランドの店舗に美容部員と同じように身を置きそのブランドの化粧品を使ってメイクを施すメイクアップアーティストと、フリーランスで活動するメイクアップアーティストがいます。
ブランド専属のメイクアップアーティストは店舗だけでなくポップアップショップやイベントでメイクをすることもあり、お客様に化粧品を気に入ってもらうのが仕事。
フリーランスの場合はクライアントの要望に合わせたメイクをするのが仕事です。
メイクについての高い技術と幅広い知識が必要なのはもちろん、常に最新のメイクを発信していかなければなりません。
フリーランスのメリット
メイクアップアーティストのメリットとしては、
- 幅広い場所で活躍できる
- お客様に直接喜んでもらえる
- 独立を目指せる
といったものがあります。仕事があれば全国各地、海外にも仕事をしに行く機会があり、いろいろな場所で働きたい方には最適。
ブランド専属のメイクアップアーティストであってもいろいろな店舗に呼ばれることがあります。
メイクアップアーティストとして実力をつけたら独立してフリーランスとして働くことも可能。メイクの講師をしたり、ブランドの要望に応える仕事をしたり、ショーや雑誌などのメディアに登場するモデルや芸能人のメイクを担当できるかもしれません。
フリーランスのデメリット
メイクアップアーティストのデメリットとしては、
- 採用枠が非常に少ない
- フリーランスとして活躍できるのはごく一部
- 国家資格が必要なことも
などがあります。
そもそもメイクアップアーティストは非常に採用枠が少なく、経験がなければいきなりメイクアップアーティストとして働くのは難しいかもしれません。そのブランドの美容部員として働きながらメイクアップアーティストを狙うなど、地道な経験の積み重ねが必要です。
フリーのメイクアップアーティストは華々しいイメージがありますが、世界でも活躍できるようなメイクアップアーティストはごく一部。新規顧客の獲得、リピーターの獲得が難しい仕事でもあります。
また、フリーのメイクアップアーティストはメイクだけでなくヘアメイクの技術を求められることもあります。そのため美容師の国家資格が必要になることも多いです。
美容師の専門学校では国家資格取得に向けた勉強、実技の他、メイクアップアーティストとして働くための技術や知識を教えてくれることもあります。将来的にフリーのメイクアップアーティストになりたい方は、専門学校に通うことはほぼ必須と言えます。
憧れの美容部員として働こう!
美容部員には正社員だけでなく契約社員や派遣社員、アルバイトなどさまざまな働き方があります。
ノルマをこなしてバリバリ働きたいのか、収入が高い仕事がしたいのか、家庭と両立しやすい仕事がしたいのかなど、自身が求める働き方ができる求人を探してみてください。
今は働けても、結婚、出産、育児などのライフスタイルの変化によって働きにくくなる可能性もあります。将来的に今の働き方を長く続けられるのかを見据えた仕事選びも大切です。
それぞれの働き方のメリット、デメリットをよく比較して、後悔のないようにしましょう。