健康や美容のために役立つのがヨガです。簡単なゆっくりとした動きのヨガも多く、初心者、高齢者、妊娠中の方でも気軽に体を動かすことができます。
セレブだけでなく芸能人やモデル、さらに一般人にもヨガの人気は高く、それを教えるヨガインストラクターになりたいと考えている方も多いです。
今回は、そんなヨガインストラクターはどれくらい年収を得ているのかについて解説します。ヨガインストラクターだけで食べていけるのか、どんな働き方をすればより高い年収を得られるのか、さらにキャリアアップのために必要な資格についても紹介します。
ヨガを自分で楽しむだけではなく人にも教えたい、ヨガを生涯の仕事にしたいという方はぜひ参考にしてください。
ヨガインストラクターの年収は働き方によって変わる
ヨガインストラクターと一口に言っても、正社員、フリーランス、アルバイト、個人経営などでその年収は大きく上下します。明確な年収の平均は発表されていないものの、求人内容などからおよその年収を算出しました。どの働き方がいいのか迷っている方は参考にしてみてください。
正社員のヨガインストラクター
正社員のヨガインストラクターの年収は250万円から300万円程度です。
月収は21万円から25万円程度で、さらに賞与や受け持つクラスによってインセンティブが発生します。
正社員であれば収入は安定しますし、他のプログラムを受講できたり、ウェアを安く購入できたりなど、手厚い福利厚生を受けることもできます。
ヨガを教えるだけでなく受付や会員の対応、管理、スタジオの運営にたずさわる仕事を任されることもあります。
働いた年数や受け持つクラス、資格を新たに取得することで昇格、昇給のチャンスもあります。
フリーランスのヨガインストラクター
フリーランスのヨガインストラクターは、自分でレッスンを開催したり、フィットネススタジオやスポーツジムの講師として自身で契約して働きます。
正社員のように収入が決まっているわけではありません。1クラスにつきいくら、という歩合のシステムを導入していることがほとんどです。
人気のヨガインストラクターであれば1クラスにつき1万円以上の料金が支払われる可能性もありますが、多くは3,000円から5,000円程度。毎日何クラス受け持つか、毎週何クラス担当するかによって収入は大きく上下します。
月収は12万円から25万円程度と考えるのが妥当で、年収に換算すると140万円から300万円程度となることが予想されます。
正社員のように賞与が出ることはなく、自分の働き次第で年収が変わるのがフリーランスの難しいポイントです。
アルバイトのヨガインストラクター
ヨガインストラクターの雇用方法の中にはアルバイトという選択肢もあります。
アルバイトであっても研修を受けなければならなかったり、一人で大人数の生徒に対応したりと、一つひとつのクラスをしっかり責任を持って担当しなければなりません。
ですが自分の好きな時間にだけ働くことができるので、副業としてヨガインストラクターをしたい、家事や育児のすき間時間にヨガインストラクターとして働きたいという方にはおすすめです。
アルバイトのヨガインストラクターの多くは時給制で、1,000円以上の時給が発生する職場が多いです。
フルタイムで働きたくてもレッスンのない時間には時給は発生しませんので、思うように稼げないことが多いでしょう。
あくまでも副業としてヨガインストラクターの仕事がしたい、ヨガインストラクターの仕事内容を確認してから正社員を目指したいという方におすすめの働き方です。
個人経営のヨガインストラクター
レンタルスペースを借りて個人でヨガレッスンを開催している、さまざまなスタジオで講師として活動しているなど、個人のヨガインストラクターの年収は非常に不安定です。生徒を確保しなければレッスンを開催しても収入につながりません。
しかしスタジオの家賃や光熱費、広告宣伝費などは支払い続けなければならない重要なランニングコストです。
安定して生徒を確保できるのであれば300万円から、それ以上の年収を得ることも可能です。
ヨガスタジオの人気が高まればさらにヨガインストラクターを採用したり、支店を経営してさらに売り上げを伸ばすことも可能。
DVDや書籍を出版したり、メディアに出演したりして中には1000万円以上の年収を得ているヨガインストラクターもいます。
業種ごとに違うヨガインストラクターの収入
ヨガインストラクターの働き方はたくさんありますが、すべての働き方で高収入を目指せるわけではありません。
ヨガスタジオ、フィットネススタジオ、派遣、フリーランスなど、どの業種につけばより高い収入を得られるのか、どんなメリット、デメリットがあるのかを確認しておきましょう。
ヨガスタジオのインストラクターは高収入
安定した高収入を得られるのはヨガスタジオの正社員です。
ヨガを専門としているため経験、実績、顧客からの人気などを正当に評価してもらえます。そのため昇格、昇給もしやすく、高収入につながりやすいです。
賞与も出るため、ヨガインストラクターとして高収入を得るためにはヨガスタジオの正社員の求人をチェックすることをおすすめします。
フィットネスやジムのインストラクターが一般的
高収入を期待できるヨガスタジオの正社員募集は、経験者のみ、資格所有者のみとされていることが多いです。実務経験がない方は応募してもなかなか合格できない狭き門でもあります。
そこで、未経験者や資格を所有していない方におすすめなのがフィットネススタジオでヨガを教える働き方です。スポーツジムなどでもトレーニングの他、プログラムとしてヨガのレッスンを設けているところは多いです。
正社員での雇用は少なく、契約社員やレッスンごとの歩合制になっていることが多いですが、たくさん働けばそれだけ収入をアップさせられます。
ヨガインストラクターの中でも多い働き方ですが、スタジオのクラスが減ってしまったり、クラスが打ち切りになることもあり、安定した収入を得るのは難しいでしょう。
フリーランスの収入は不安定
フリーランスのヨガインストラクターは高収入を期待できる一方で、契約社員よりもさらに不安定です。
ヨガスタジオのレッスンやスポーツジムでのクラスを掛け持ちし、自身でもレッスンを開催するなどすればそれだけたくさんの収入が期待できます。しかし時間的に厳しかったり、思うように生徒を集められない、ヨガインストラクターを募集しているスタジオを探せないなどの弊害があるかもしれません。
高収入を得ているヨガインストラクターは、他のスタジオで人気を集めてから独立したり、複数のヨガスタジオを経営していたり、メディアに露出して収入を得たりなど、インストラクター以外の仕事もおこなっているために収入が高いというケースも少なくありません。
ヨガインストラクターのキャリアアップに有効な資格
ヨガインストラクターとしてキャリアアップ、収入アップを目指すなら資格の取得がおすすめです。
無資格でもヨガインストラクターを名乗ることはできますが、自身のスキルや実力をアピールするため、スタジオや顧客からの信頼を得るためにも資格は必須と言えるでしょう。
ヨガの資格の中でも有名なものをいくつか紹介します。
全米ヨガアライアンス
全米ヨガアライアンスはヨガ関連の資格の中でもとくに有名な資格です。
全米アライアンスが正式に認定したヨガスクールであるヨギー・インスティテュートで決められた時間ヨガについての授業を受けた方にのみ与えられる資格で、取得するのがかなり難しいと言われています。
全米ヨガアライアンスにはRYT200とRYT500がありますが、RYT200は合計200時間の受講、または指導経験がある方に与えられる資格であり、RYT500は合計500時間の受講、または指導経験がある方に与えられます。
RYT200だけでも十分に立派な肩書きになりますが、当然RYT500の方がヨガインストラクターとしては信頼度が高いです。
日本国内にも全米ヨガアライアンスを取得できるヨガスクールはたくさんありますが、長い時間をかけて授業を受ける必要があり、費用も30万円から60万円と高額です。本当に今取得する必要があるのかどうかをよく考えておくべきでしょう。
インド中央政府公認資格
インド中央政府公認資格はヨガの資格の中でも取得が非常に難しい資格です。
ヨガのポーズだけでなく歴史や哲学、その背景の宗教、ヨガによって得られる効果など、非常に難しい部分までしっかりと理解した方にのみ与えられます。
1990年に公認された歴史の長い資格でもあり、インド中央政府公認の養成施設でヨガについて学ばなければなりません。日本国内でも受講できますが認定施設は少なく、1年以上かけて受講し続ける必要があります。費用は10万円程度かかります。
時間がかかり費用も安くはないことから取得は難しいとされていますが、学ぶことは多く、今後ヨガインストラクターとして長く活動を続ける上では取得しておいて損はありません。
NPO法人日本YOGA連盟公認資格
NPO法人日本YOGA連盟が認定する資格もあり、これらの資格も人気です。
6時間、7日間のクラスを受講することで資格を取得でき、費用は11万円程度。
上記の全米ヨガアライアンスやインド中央政府公認資格よりは取得しやすい内容になっているので、まずヨガに関連する資格を取得しておきたいという方にはおすすめです。
信頼度はやや下がりますが、基本的な技術は認めてもらうことができるでしょう。さらにステップアップしたい方は、上記のような本格的な資格の取得も検討してみてください。
一般社団法人日本ヨガインストラクター協会
一般社団法人日本ヨガインストラクター協会では3級から1級の資格が用意されています。
3級の場合は1か月程度のクラスを受講、2級の場合は3か月から6か月程度のクラスを受講、1級の場合は2か月から6か月程度のクラスを受講することで取得が可能です。
ヨガについてまったく知識がない方でも基礎から楽しみながらヨガについて学び、自身の健康や美容にも役立ちます。そのヨガのポーズが体や精神にどのように作用するのか、さらには歴史、運動生理学、アーユルヴェーダ、アロマテラピーなどの知識も学べます。
インストラクターを目指す方は3級、2級の取得がおすすめ。
1級ではさらに専門的な、キッズヨガやシニアヨガ、顔ヨガなどの知識を学んで、今後のスキルアップの糧にしていくことができます。
1級まで一気に取得したい場合は60万円程度の費用がかかります。
ヨガインストラクターの資格取得のコツ
ヨガインストラクターに関する資格には本場でも通用する資格から気軽にチャレンジできるものまでたくさんありますが、やみくもに資格の取得を目指してもその資格が思うより役に立たない可能性もあります。
どんな点に注目して取得すべき資格を選べばいいのかについてチェックしてみましょう。
信頼度・知名度の高い資格を取得する
ヨガに関する資格は上記で紹介した以外にも、民間の取得が簡単な資格がたくさんあります。
ですが取得が簡単な資格は信頼度が低く、知名度が低ければ顧客への信頼度にもつながりません。
無資格よりは資格を持っている方が就職や転職、独立には有利ですが、せっかく取得するなら知名度や信頼度の高い資格の取得を目指しましょう。
そのような資格は取得が難しく、時間も費用もかかりますが、得られるのは肩書きだけではありません。ヨガについての専門的な知識は今後ヨガインストラクターとして働き続けるためにも役に立ちます。
ヨガスタジオの講師などを検索して、どんな資格を取得している方が多いのかチェックしてみるのもおすすめです。
取得しやすい資格を取得する
反対に、まず資格を持っていることをアピールしたいという方は取得が簡単な資格をチェックするのもおすすめです。
一応の肩書きにはなり、履歴書にも資格を記載できます。
しかしあまりにマニアックすぎる資格は選考の際にははじかれてしまう可能性もあります。キッズヨガ、シニアヨガ、顔ヨガなどのマイナーな資格を取得する際はその資格が本当に需要があるのかをよく考えましょう。
場合によっては複数のマイナーな資格を取得するために受験費用だけがかさみ、なかなか仕事につながらない可能性もあります。
教えたい内容を学べる資格を取得する
ヨガの資格にもさまざまな内容があります。
そもそもヨガにも流派があり、日本でよくレッスンがおこなわれている流派、本場のインドでもマイナーな流派などがあります。
日本で人気の流派の資格を持っていればその分仕事にもつながりやすくなります。
また、ヨガ初心者の女性に向けたレッスンをおこないたいのに本格的な難しいヨガのポーズばかりを学ぶ資格を取得しても役立てることができません。
ヨガの資格の中にはただ単にヨガのポーズのみを学ぶものもあり、指導方法を学べない可能性も。ヨガインストラクターになりたいのであれば、ヨガのポーズや歴史とともに指導方法も学べる資格を取得すべきです。
自分がどんなヨガインストラクターになりたいのか、自分に不足しているのはどんな知識なのかをよく考えて取得すべき資格を考えましょう。
ヨガインストラクターとして成功するために
ヨガインストラクターの年収、ヨガインストラクターに必要な資格などについて解説しました。
ヨガは若い女性だけでなく子どもや高齢者、男性にも注目されています。
美容、健康、ダイエットなどさまざまな目的でヨガを取り入れる方が多く、ヨガインストラクターの需要も高いです。
ヨガインストラクターとして成功するためには自分に合う働き方を考えることも大切。年収、労働時間、雇用形態なども含めてぴったりの働き方を考えましょう。
より豊富な選択肢の中から自分に合う働き方、高い年収を確保できる働き方を選ぶには資格の取得も欠かせません。
本格的な知識が必要な資格から通信講座、独学で学べる簡単な資格までさまざまな種類があります。肩書きだけでなくスキルも身に着けられる、実用的な資格を選びましょう。