健康的な体、美しい体を作れるピラティスは、女性の間で人気のエクササイズです。スポーツジムやフィットネススタジオでピラティスのプログラムを受けたり、ピラティス専門のスタジオを見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
そもそもピラティスは怪我をした兵士のリハビリのために生まれたという歴史があります。そのため若い女性だけでなく体を基礎から作りたい男性、疲れにくい体を作りたい高齢者の方にもおすすめです。
ピラティスは具体的にどんな効果があるのか、よりピラティスに詳しくなれる資格についてなど、ピラティスをもっと楽しむためのポイントを解説します。
ピラティスで期待できる効果5つ
ピラティスにはさまざまなメリットがありますが、今一度具体的な効果について確認しましょう。
どのような悩みを解消してくれるのか、どんな体を目指せるのか、自分にピラティスは合っているのかを考えてみてください。
美しい姿勢を目指せる
ピラティスはつねに姿勢を意識しておこなうエクササイズです。正しい姿勢でピラティスをすることでより高い効果を得られます。
そのため、ピラティスを続けると正しい姿勢を維持しようとする力が強くなります。
さらにピラティスには背中を支える筋肉を鍛える効果もあり、正しい姿勢を無理なく維持しやすくなります。
姿勢がよくなると体にかかる負担が少なくなり、肩こりや腰痛、頭痛、目の疲れなどの体の不調の緩和にもつながります。
また、見た目も美しくなり印象を大きく変えることができます。
自律神経を整えてリラックス効果を得られる
ピラティスには自律神経を整える効果もあります。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、双方が作用しあうことで心身の調子が整います。自律神経のバランスが崩れると疲れやすくなる、イライラするなど、心身ともに不調が表れやすくなります。
ピラティスで取り入れられる胸式呼吸のリズムは自律神経を活発にして、心と体のリラックスに効果的。
また、筋肉を適度に動かすこと、凝り固まった筋肉をほぐすことも自律神経を整えるのに最適です。
運動不足は自律神経の乱れの大きな原因の一つですが、ハードな運動はできない…という方も多いでしょう。そんな方でもピラティスなら簡単に取り入れられるのでおすすめです。
インナーマッスルを鍛えられる
ピラティスはインナーマッスルを鍛えるのに特化したエクササイズです。
インナーマッスルは内臓や骨格を支えるために体のより内側にある筋肉のことで、普段の生活や運動で使われることはほとんどありません。反対に腕の力こぶや割れた腹筋など、目に見えやすい部分の筋肉のことをアウターマッスルといいます。
インナーマッスルは一般的なトレーニングでも鍛えにくく、ピラティスのような特別なトレーニングをしなければなりません。
しかしインナーマッスルを鍛えることで体全体の筋肉量をアップさせて基礎代謝を上げる、血行を促進させるなどのメリットがあります。内臓や骨盤を支えるインナーマッスルを鍛えれば、それらが正しい位置に戻りぽっこりお腹の改善や内臓機能の低下の予防にも効果が期待できます。
代謝が上がりダイエットにも効果的
ピラティスには代謝を上げる効果もあります。
動物は睡眠や消化、日常生活を送る上でカロリーを消費していますが、これを基礎代謝といいます。基礎代謝は年齢を重ねるにつれて落ちていきます。
若いころと同じような食生活、生活習慣を続けていると、基礎代謝が落ちるために痩せにくい体になってしまいます。
この基礎代謝は筋肉をつけることで上げられます。ピラティスは無理なく筋肉をつけることができるため、基礎代謝の低下を防ぐのに効果的。
若いころのようにダイエットをしても効果が出にくくなったと感じる方は、食生活の改善とともにピラティスなどで筋肉をつけることもダイエットに取り入れてみてください。
継続しやすいため効果が出やすい
美容や健康のために運動を取り入れたもののハードすぎて続けられない、というようでは意味がありません。筋肉はすぐにつくものではなく、日々の継続が大切です。
ハードなトレーニングを一度するよりもピラティスのような易しい動きのエクササイズを継続しておこなう方が、運動初心者にとっては効果が大きいです。
ピラティスはリハビリ用に考えられたエクササイズということもあり、無理な動きやハードな動きはありません。普段運動をしない方でも取り組みやすく、一日数分から取り入れられるメニューもあります。
スタジオに通わなくても自宅でできるエクササイズも多く、毎日ちょっとした時間に続けられる、というのも大きなメリットです。
ピラティスとヨガはどう違う?
ピラティスと似たものにヨガがあります。ヨガの方がピラティスよりも知名度が高く、ヨガの経験はあるけどピラティスにはチャレンジしたことがない、という方も多いのではないでしょうか。
ピラティスとヨガはどのような違いがあるのか、自分にはどちらが合っているのかをチェックしてみましょう。
ヨガは修行としての歴史がある
ヨガは修行の一環としてインドで生まれたという歴史があります。
ポーズをとることが目的ではなく、そのポーズを通して心身の安定を目指す、呼吸や瞑想に重きを置く、それによって幸せを得るというのが本来の目的です。
ゆっくりとした動きで心身を統一していき、メンタル面のケア、内臓機能の改善を目指します。
ピラティスはリハビリとしての歴史がある
ピラティスはかつてはリハビリの一環として用いられてきたもので、十分に体を動かせなくても筋力を低下させないことが目的でした。
骨盤や背骨、内臓などをあるべき位置に整戻し、正しい姿勢を維持すること、インナーマッスルを鍛えて体の中心を安定させることで、怪我のために無理な姿勢が続いて負担のかかった体をケアする目的もありました。
自律神経を整え、心身をリラックスさせることでストレスを低減し、けがの回復を早める効果もあります。
エクササイズが目的ならピラティスがおすすめ
ピラティスは鍛えにくいインナーマッスルに作用し、体のゆがみを取る、美しい姿勢を目指せるなど、見た目にも大きな影響があります。
エクササイズを取り入れたいけどハードなものは続ける自信がない、かつてトレーニングで体を壊したことがある、怪我をしていて十分なトレーニングができないという方にはピラティスがおすすめです。
お腹のたるみ、ぽっこりお腹が気になるという方にもピラティスはおすすめ。内臓を正しい位置に戻すよう整え、それらを支える筋肉も効率的に鍛えられます。
ピラティスをより追求したいなら資格を取得しよう
ピラティスはスポーツジムや専門のスタジオ、動画サイトや教則本などでも気軽に学べます。
ですが、よりピラティスを追求したい、正しいポーズを学びたい、ピラティスを教える側になりたいという方には資格の勉強をおすすめします。
ピラティスの国家資格はありませんが、民間の資格はたくさんあります。ピラティスの資格を取得することでどんなメリットがあるのか、またどんな資格を取ればいいのかについて解説します。
ピラティスの資格を取るメリット
資格の取得は大変ですので、必ずしも取得しなければならないというものはありません。
ですがピラティスの資格を取ることでさまざまなメリットがあります。
もっとピラティスを知りたいという方は、資格を取るメリットについても考えてみましょう。
ピラティスの知識が深まる
ピラティスの資格を取得するために勉強すれば、ピラティスの知識を深められます。
資格の取得にいたらなくても、勉強をする上で学んだことは無駄にはなりません。学んだ知識、経験を活かして自分のエクササイズの役にも立てられますし、指導をする際にアドバイスもしやすくなるでしょう。
正しいトレーニングができる
ピラティスの資格の勉強では筋肉の仕組み、そのエクササイズによって得られる効果、より効果を高める呼吸方法などを学べます。
とくにジムのプログラムや専門のスタジオではなく独学でピラティスを続けている場合、間違ったクセがついてしまっている可能性があります。資格の取得に向けて一から学び直すことで間違ったクセも修正できます。
より早くピラティスの効果を実感したいという方にもおすすめです。
講師として働きたい方にも
ピラティスのプログラムや専門スタジオはたくさんありますが、講師として活躍している方はまだまだ少ないのが現状です。
今後インストラクターとして働きたい方は、ぜひピラティス講師も視野に入れてみてください。
資格を取得すれば正しい指導ができるだけでなく、資格所持者ということで企業やお客様からの信頼度も高まります。
最新の情報を学ぶこともできるので、講師として働いている方も定期的に新たな資格を取得する、ワンランク上の資格の取得を目指すこともおすすめです。
おすすめのピラティス資格5選
実際にピラティスにはどんな資格があるのかについて紹介します。
取得方法や難易度などから、自分にぴったりの資格を探しましょう。
国際ボディメンテナンス協会 ピラティスインストラクター
国際ボディメンテナンス協会が発行している資格です。
ピラティスの基本的な動きだけでなく、それぞれにどんな効果があるのか、その動きをするときに体にどのような変化が起きているのかという点を重点的に学んでいきます。
ベーシック、アドバンス、マスターの三段階があり、自身のスキルや経験に応じた講座を受けて資格の取得を目指します。
講座では座学だけでなく実技も実施しており、お互いの体の変化を実際に感じることができます。
ピークピラティス マット認定資格
アメリカのピークピラティスは、数あるピラティスの流派の中でもとくに人気の流派です。
アメリカだけでなく日本でもピークピラティスを学べる場所は多く、その分講師としての需要も高いです。
ベーシック・マット・インテンシブ・コースは4日間、ピラティスの基礎から、インストラクターとしての指導方法までを理解していきます。その後次のステップに移行し、指導者としての心得などを学びます。
コースが上がるにつれて呼吸法、質を高める方法、さらに生徒に合わせてプログラム内容を考える方法まで、ただ教えるだけでなく需要の高い指導者を目指せます。
ピラティス初心者のためのワークショップも開催されているので、まずは基本を学びたいという方にもおすすめです。
PHIピラティス 認定インストラクター
PHIピラティスは、リハビリとして考案されたピラティスを正式に受け継いでいる団体です。アメリカだけでなく日本国内でも人気の流派であり、資格認定コースも多数用意されています。
マットさえあれば気軽にチャレンジできてプログラムとして人気のマット、リハビリや筋肉のトレーニング、エクササイズの効果を高めるバレルやチェア、体のメンテナンスを目的とした専門の機器を取り入れるリフォーマーといった、それぞれの方法での正しいエクササイズ方法、指導方法、機器の扱い方を学んでいきます。
資格の取得にはPHIピラティス認定スタジオで講習を受ける必要があります。全国各地に認定スタジオはありますので、お近くのスタジオを探してみてください。
認定インストラクター向けのオンライン講座もありますので、資格取得後も最新のピラティスを学び続けられます。
日本ピラティス指導者協会 マットピラティス・アドバンス
日本ピラティス指導者協会はピラティス指導者だけでなくスポーツドクターや鍼灸師などさまざまな専門家の知識を集め、ピラティスの指導に最適なメソッドを作り上げている団体です。
日本人の体に合うピラティスを学ぶことができ、より無理なく効果的なピラティスを身に着けられます。
資格にはマットピラティス・ベーシックとマットピラティス・アドバンス、マシンピラティスがありますが、インストラクターを目指すならマットピラティス・アドバンス、マシンピラティスのコースを受けましょう。
体の機能や姿勢の分析などを学び、コーチングのスキルも磨いていきます。お客様に依頼された以上の効果を発揮させるにはどんな指導がいいのかを考える力も身につきます。
資格の取得には、日本ピラティス指導者協会指定のスタジオで定められた時間の講習、インターン、自主トレーニングを受け、その後筆記試験と実技試験を受験します。
ストットピラティス認定インストラクター
ストットピラティスは海外でも人気のピラティスの流派です。
筋肉を引き締める、しなやかで柔らかい筋肉を作る、体力を向上させることを目的としています。けがをしにくいトレーニング、けがをいたわるトレーニングについても考えられています。
筋肉をつけたい、体を引き締めたい方だけでなく、リハビリに運動を取り入れたいという方の指導にも役立てることができます。
ストットピラティス指定のスタジオでインストラクター養成コースを受講することで資格を取得できます。
初心者向けの基礎コースから上級のマットコース、機器を使うリフォーマーコースなど、多種多様のジャンルから自身の目的に合うコースを選べます。
インストラクターとして活動している方も、新たな知識を身に着けたい、もっと丁寧な指導、上級者向けの指導を行いたいという方に最適なコースもあり、認定インストラクターになったあとも手厚いサポートを受けられます。
ピラティスについてもっと詳しくなろう
美容や健康に効果的なピラティスについて解説しました。
ピラティスは姿勢の改善やインナーマッスルを鍛えることなどに効果があり、年齢を問わずチャレンジしやすいのが特徴です。
ピラティスについてもっと知りたい、本格的に学びたい、さらにインストラクターとして活躍したいという方は、ピラティスの資格取得に向けたコースを受講するのもおすすめです。
体の構造から正しいトレーニング方法まで専門的に学ぶことができ、インストラクターへの転職にも役立ちます。
ピラティスのインストラクター資格はたくさんありますので、近くに認定スタジオがあるか、スケジュールは合うか、教えてもらえる内容は満足のいくものかを確認し、最適な資格を探しましょう。