美容業界にはさまざまな仕事があります。その中から今回は化粧品ECサイトの仕事について解説します。
ECサイトとは、簡単に言えば気軽に買い物ができる通販サイトのことです。
化粧品や美容系アイテム、洋服など、ECサイトはたくさんあります。美容にたずさわる仕事や、これまでの経験をいかせる仕事がしたいという方はぜひ美容系ECサイトの求人をチェックしてみてください。
化粧品ECサイトで働くメリットや求められるスキル、さらに将来性についてなどを解説していきます。
化粧品ECサイトの需要は高まっている
近くにその化粧品を取り扱う店舗がない、営業時間外に買い物をしたい、新商品や限定品など売り切れそうなものを並ばずに買いたいといったときに便利なのが化粧品ECサイト。
実際に使ったことがあるという方も多いでしょう。
そんな化粧品ECサイトは、美容業界の中でもとくに需要が高まっている仕事の一つです。美容業界の求人を探していると、化粧品ECサイトの運営、作成などの求人を見かけることも多いです。
なぜ化粧品ECサイトの需要は高まっているのかをチェックしてみましょう。
コロナ禍でより需要がアップ
化粧品ECサイトはこれまで需要が高かったものの、他の業界のEC化と比べるとやや遅れていました。
経済産業省が発表したすべての産業のEC化の平均は2019年度は6.76%だったのに対して、化粧品のEC化は6%にとどまっています。
実際に手に取って化粧品を購入したい方、気軽にドラッグストアなどで購入したい方が多い、そもそも化粧品を購入できるネットショップが多すぎて分散してしまっているなどの理由があります。
しかし2020年に大流行した新型コロナウイルスが、化粧品業界にも大きな変化をもたらしました。
店頭に行きたくても行けない、海外からの観光客が店頭で買い物できないなどの理由から化粧品ECサイトの需要が高まり、それに伴い求人数も多くなっています。
化粧品が好き、化粧品の販売経験やECサイト運営、作成の経験がある方は、自分の求める条件を提示している企業を探すことができるでしょう。
(参考:経済産業省「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業」)
働きやすい環境が整っている
ECサイトの会社は都心部に多く、駅から近いなど交通の便もよく通勤しやすいです。化粧品など美のECサイトであればおしゃれでキレイなオフィスで働けるケースも多く、美容業界で働きたい、キレイな場所で働きたいという方にも最適。
商品の流通ではなくサイトの管理を担当している会社であれば土日祝日は休める会社が多く、プライベートな時間も大切にしながら働けます。
また、コロナ禍でリモートワーク、在宅勤務が増えていますが、ECサイトの運営、作成、管理などの仕事は在宅で働くことができます。在宅の仕事を探しているという方にとってもおすすめです。
できたばかりの企業なら社員の年齢も若く、気兼ねなく働くこともできます。
自分の得意を活かして働ける
美容業界での販売や接客、企画開発などの経験がある方は、化粧品ECサイトを運営する企業でも得意を活かして働くことができます。
トレンドや需要を意識した化粧品の企画、プロモーションなどをして化粧品ECサイトの売り上げに貢献できます。
美容業界にたずさわった経験がない方でも、パソコンのスキルがあれば化粧品ECサイトを運営する企業で働ける可能性が高いです。
商品の管理、ホームページの作成、PR文章の作成、画像編集、動画編集などの仕事があります。また、商品の発送、お客様対応など、ホームページ作成の本格的な知識がない方にもできる仕事はたくさんあります。
これまでの経験を化粧品ECサイトへの転職に活かせないか、考えてみましょう。
化粧品ECサイトで働くメリット
化粧品ECサイトを運営する企業で働くとさまざまなメリットがあります。
美容業界で働きたい、化粧品をよく購入する、スキルアップを目指したいという方は、ぜび化粧品ECサイトで働くことも検討してみてください。
美容業界に関わることができる
美容業界で働いてみたい、化粧品にたずさわる仕事がしたい方に化粧品ECサイトを運営する企業で働くのはおすすめです。
美容業界は販売や営業、接客の仕事が多く、シフト制だったり、土日は必ず出勤しなければならないなど、生活リズムが崩れてしまうことが多いです。
立ち仕事や接客の仕事が苦手、体力的に難しいという方もいます。
しかし、化粧品ECサイトの運営、管理なら主な仕事はデスクワークです。企業によって、またセールの時期によっては残業もありますが、基本的には労働時間も決まっており、土日も休めます。
美容業界の仕事はプライベートな時間を確保しにくいという理由から一歩踏み出せない方は、販売や接客ではなくECサイトの運営など、デスクワークにも注目してみましょう。
社割で商品を購入できることも
化粧品ECサイトを運営する企業で働けば、化粧品を社割で購入できる、新商品をいち早くチェックできるなどのメリットもあります。
よく化粧品を購入する方、トレンドに敏感な方には大きな魅力と言えるでしょう。
化粧品ECサイトでは新商品のプロモーションやキャンペーンサイトの作成などにたずさわることも多いです。お客様がどんなアイテムを求めているのか、世間ではどんな化粧品が人気なのかを調査するためにも、最新の化粧品をチェックすることは欠かせません。
そんな際にも社割やサンプル品は役立つでしょう。
さまざまなスキルを身に着けられる
化粧品ECサイトの運営にはさまざまな仕事があります。
ホームページ作成、画像や動画の編集、マーケティング、商品の企画開発、商品の管理、発送、アフターフォローなど、仕事内容は多岐に渡ります。
化粧品ECサイトを運営する企業で働けば、このようなスキルを身に着けられます。
基本的なスキルがあればもちろん有利ですが、仕事内容によっては未経験からでも働けます。徐々に仕事に役立つスキルを身に着けていけば、その企業で活躍できるだけでなく条件のいい企業、自分の理想とする働き方ができる企業への転職も可能です。
とくにホームページ作成などのスキルは今後も長く役立つものです。どの業界に行っても重宝される人材を目指すことができるでしょう。
化粧品ECサイトの仕事内容をチェック
化粧品のECサイトを運営するにはどんな仕事があるのか、より詳しく解説していきます。
大手の企業ではそれぞれに担当部署が設置されていますが、小規模な企業の場合一人でいくつもの仕事をこなさなければなりません。働きながらスキルを身に着けることもできますが、途中入社の場合や派遣社員の場合は即戦力が求められます。
求人に応募する前に、自分にはどんなアピールポイントがあるか考えてみましょう。
ECサイトの管理・作成
化粧品ECサイトのメインの仕事はサイトの管理、作成です。
一からECサイトを作り上げることもありますが、すでにサイトが完成している場合は細かいバグの修正やリニューアル業務などにたずさわります。
季節に応じて、セール時期に応じてサイトの内容は頻繁に変わります。サイトやブランドの方針に合わせ、ユーザーが使いやすいと感じるECサイトを作らなければなりません。
メンテナンス期間が長引けばその間ユーザーはECサイトから買い物ができなくなり、売り上げを減らしてしまいます。そのようなことがないように正確に、スムーズにサイトを作り上げる技術が必要です。
販売する商品の企画
自社が管理するECサイトでどんな化粧品を販売するのか、いつ頃入荷するのかなどを企画するのも運営業務の一つです。
人気のブランドの化粧品はもちろん、日本国内でまだ知名度が低い化粧品や日本国内に店舗がない化粧品ブランド、限定品やコラボアイテムなどを取り扱うことでユーザーを呼び込むことができます。
そのECサイトを利用しているユーザーの年齢や性別、傾向、取り扱っている化粧品の価格帯など、コンセプトに合う化粧品を探し出さなければなりません。
トレンドに敏感な方、マーケティングの知識がある方、よくECサイトを利用してショッピングをする方に向いている仕事です。
販売している商品の管理
ホームページの運営ではなく、商品の管理を任されることもあります。
商品をどれくらい入荷するのか、どの商品がどれくらい売れているのかなどの数を把握します。
在庫数を管理する、注文が入った商品をスムーズに発送するなどの仕事もあります。
ECサイトはたくさんありますが、早く届くかどうかは非常に重要なポイントです。また、不良品が届いたり注文した商品と違うものが届いたりといったトラブルが発生するとECサイトの評判が悪くなってしまいます。
正確に商品を把握する能力が求められます。
プロモーション活動
その化粧品ECサイト自体の知名度が低い場合、どのようにユーザーに見つけてもらうかは非常に重要なポイントです。
割引価格で購入できる、おまけがたくさんつく、送料が無料になるなど、どんなメリットがあるのかをわかりやすく宣伝する方法を考えましょう。
近年はSNSを使ったプロモーション活動も必須です。どんな人に自社のサイトを見てほしいのかをよく考え、最適なユーザーのSNSに広告が表示されるようにしなければなりません。
芸能人やタレントとのコラボや、そのECサイトのSNSを作成して関心を集める投稿をするなどのプロモーション活動も近年では当たり前になりつつあります。
購入後のお客様のサポート
通販では、商品が届かない、不良品が届いた、違うものが届いたなどのトラブルがつきものです。そのようなお客様からの連絡に対応するのも化粧品ECサイト運営企業の仕事の一つです。
お客様からのメールの返信、商品の返品、返金、交換なども業務に含まれます。
些細なことでクレームにもつながってしまうため、慎重な作業が必要です。
接客や販売の経験がある方ならスムーズにこなすことができるでしょう。
売り上げ管理
化粧品ECサイトの売り上げ管理をおこなうのも仕事の一つです。
総売り上げだけでなく、どの商品、どのカテゴリーの商品がどれくらい売れたのか、季節に応じてどんな変化があったかなども把握し、マーケティングに役立てます。
さらに、利益率の計算、入金金額の確認など、細かな作業もあります。お金の管理は企業の利益に大きく関係する仕事です。経理の経験がある方などにおすすめです。
化粧品ECサイトの将来性は?
ECサイトはどの業界でも年々需要が高まっており、さらに新型コロナウイルスの影響でその成長が加速しています。
将来性が高く期待できますが、一方で化粧品のEC化は他の業界よりも遅れています。
化粧品のECサイトの将来性について考えてみましょう。
ネット通販に抵抗を感じている方も多い
近年はECサイトでのショッピングも一般的になりつつありますが、いまだにネット通販そのものへ抵抗を感じている方が多いのも事実です。
とくに化粧品は、パソコンやスマホで見るのと色味が微妙に違ったり、実際にテクスチャー、自身の肌に合うかをチェックしてから購入したいという方も。
店頭では美容部員にメイクしてもらったり、自身でサンプルを試してから購入が可能です。その日はサンプルだけを利用して、後日改めて購入するということもできます。
ECサイトではこのような方法はできないため、化粧品のEC化は遅れていると言われています。
また、通販ならではのトラブルが多いのも事実です。偽物が届く、不良品が届くなどのトラブルを避けるため、化粧品のECサイトを利用しないという声もあります。
そのような方にも安心して利用してもらえるように、誠実な対応を心がける、わかりやすいサイトを作る、スムーズに購入できる仕様のサイトを作るなどの企業努力が必要です。
店頭で購入した方が安いことも
化粧品はさまざまな価格帯があり、近年は数百円の化粧品でもクオリティの高いものがたくさんあります。
これらの低価格の化粧品ブランドはドラッグストアや雑貨店で販売されており、気軽に購入できるというメリットもあります。
ECサイトでも低価格の化粧品ブランドを取り扱うことができますが、一点のみ、数百円のみの買い物だと送料がかかることがほとんど。安く購入できるのが魅力の低価格ブランドの商品を購入したいのに、かえって送料が高くつくというのはECサイトを利用する上で大きなデメリットになってしまいます。
また、ドラッグストアや雑貨店ならポイントが貯まる、割引価格で購入できるなどの魅力もあります。
このような理由から、低価格帯の化粧品をECサイトで取り扱う場合は注意が必要です。送料がかからない、そのECサイトで購入するとおまけがついてくるなど、ユーザーに魅力的だと思われるキャンペーンを考えなければなりません。
SNSの宣伝から購入につながりやすい
化粧品のEC化はサンプルを試せない、低価格帯の化粧品は店頭で購入した方が安いなどの理由から遅れています。
ですが、それでも徐々にECサイトの需要は高まっています。
SNSの普及により、芸能人やタレント、インフルエンサーの一つの発信からこれまで人気のなかった化粧品が注目を集めたり、海外の化粧品の需要が高くなることも少なくありません。
SNSでの宣伝は今や化粧品業界では欠かせないものになっています。SNSで宣伝し、そのままECサイトに直接アクセスできる、買い物できるようにしておけば売り上げアップにもつながります。
読み飛ばされないように、目に留まりやすいキャンペーンを企画する、ターゲット層を絞ったマーケティングをするのもおすすめです。
SNSによるプロモーションは多くのECサイトが取り入れていますが、他の企業を参考にしつつオリジナリティのある宣伝を考えれば、数ある化粧品ECサイトの中でも確固たる地位を築くことができるでしょう。
化粧品ECサイトの求人をチェックしてみよう
化粧品ECサイトの運営に関する仕事内容や求められるスキルなどを紹介しました。
新型コロナウイルスの影響で化粧品ECサイトの需要は高まっています。ホームページ作成や企画、販売、マーケティングなどの経験、スキルは、化粧品ECサイトを運営する企業で役立てることができるでしょう。
化粧品ECサイトなら、美容業界で働きたいものの土日は休みたい、接客は避けたいという方でも働きやすいです。
大手企業の求人から小規模な企業の求人まで、ECサイト運営管理にまつわる仕事はたくさんあります。仕事内容や求められるスキルなどから、最適な求人に応募しましょう。