美容師、エステティシャン、美容部員、ネイリスト……
どれも華やかで憧れの職業のように感じますが、これら美容業界で働く人たちの多くが『むくみ』に悩まされています。
美容師や美容部員は立ちっぱなしのことが多く、ネイリストは長時間座りっぱなしだったりと、身体を動かす機会が少ない程身体はむくみやすくなってしまいます。
むくみを放っておくと、そのままセルライトに変わってしまったり、どんどん太くなったり、水分や脂肪をため込みやすくなってしまい悪循環になります。
忙しくてゆっくり食事や休みを取ることが難しいという職種も多い美容業界のお仕事ですが、忙しい美容業界で働く人たちにこそ知ってほしい話題です。
今回は特に、美容業界の人が特に陥りやすいむくみの原因と、取り入れやすいむくみ対策について、特に詳しく解説していきます。
むくみの原因
そもそも、なぜむくみは起こってしまうのでしょうか?
実はむくみには2種類の原因があり、一つは身体に水が溜まってしまうことで起こる『浮腫』とリンパ液の滞りによっておこる『リンパ性浮腫』の二種類に分類されます。
どちらもむくむ原因は同じなので、原因を把握することが大切です。
通常であればリンパ液も水分も滞ることなく循環するのですが、むくんでしまうのは身体が正常に機能していないということです。
ひどくなるとむくみによって太くなるだけでなく、免疫機能の低下までも招いてしまいます。
長時間の同じ姿勢による血行不良
立ちっぱなし・座りっぱなしと、同じ姿勢で長時間いると筋肉(特にふくらはぎ)を使いません。
そのため下半身に送られている血液を心臓に押し戻す力が弱くなり、血液を循環が悪くなります。
血液には不要な水分も含まれているため、重力の関係で下に溜まった血液が心臓に戻らないと血行不良によってむくみや冷えが生じます。
美容師さんや美容部員さんは長時間同じ姿勢で立っていることが多いため、足がむくんでしまう人が多いのです。
さらに百貨店などの美容部員さんはヒールを履くことが必須である職場も多く、靴の締め付けによってもさらにむくみがひどくなってしまう可能性があります。
またネイリスト・アイリストさんは長時間同じ姿勢+長時間座っているとおなかを圧迫するため、血行不良になってしまいます。
冷え
身体に水分が過剰に溜まっている状態がむくみですが、循環や排泄しきれなかった余分な水分が体内に溜まると身体の末端が冷え、毛細血管やリンパの働きまで鈍くなります。
末端が冷えることにより、さらにむくみを悪化させてしまいます。
身体が冷えるからむくむのか、むくむから冷えるのか、生活習慣や体質によって違いますが、冷えとむくみは相互関係にあります。
そのため冷え性の人はむくみやすく、血液の循環も悪いので代謝も落ちやすい傾向にあります。
これからの季節は冷房によって身体が長時間冷やされる機会が増えるため、夏場の方が代謝が落ちやすく、むくみがひどくなるという人もいます。
塩分・糖分の多いコンビニ食や外食
ヒトの体は約60%が水分でできており、その体には体内の水分量をコントロールする機能が備わっています。
水分を摂取しすぎると排泄する量ももちろん増えるのですが、過剰に摂取すると排泄しきれないこともあります。
また血液には塩分濃度・糖度を一定に保つ機能があるため、塩分・糖分の摂りすぎは、むくみを引き起こしてしまいます。
特に外食やコンビニ食は味付けが濃いものが多く、むくみの原因となってしまいます。
忙しい美容業界の人は外食やコンビニ食で食事を済ませてしまう人も多いため、むくみ悪化の原因になってしまうことも少なくありません。
水分不足
過剰な水分摂取はむくみの原因となってしまいますが、水分の摂らなさすぎもむくみの原因となってしまいます。
適度な水分補給を心掛けます。
また意外と気づかないのが、鼻炎持ちの人や、口呼吸の傾向のある人はむくみを引き起こしやすいという傾向があります。
コロナ禍でマスクを付ける習慣がどの職種でも当たり前になっていますが、コロナ以前からネイリスト・アイリストさん達はずっとマスクを付けて施術している人が多く、集中し過ぎてマスクの下は口を無意識に開けたままだった、というネイリスト・アイリストさんも少なくありません。
気づくと口が開いている人や、唇が乾燥してリップクリームが手放せないという人、兼ねて鼻で呼吸をするように気を付けましょう。
ストレスの多い生活
実は仕事や人間関係などのストレスがむくみの原因となってしまうことがあります。
ヒトはストレスを感じると身体が抵抗するため、自律神経の『交感神経』が活発になってしまいます。
交感神経は血管の収縮を促したり、神経を興奮させる働きを持っており、交感神経が常に活発な状況では血液の流れのリズムが狂ってしまい、代謝の低下を引き起こします
自律神経は水分代謝や血液の循環だけでなく、ホルモンの分泌もコントロールしているため、バランスを崩すことによってむくみやすい身体になってしまいます。
美容業界で働く人の多くが夜遅くまでの勤務であったり、シフト制の勤務形態が多く、生活習慣が乱れがちになり、ストレスの溜まりやすい環境に置かれることが多いため注意が必要です。
またアルコールの過剰摂取もむくみの原因となり、ストレスによる暴飲暴食によってむくみを引き起こすこともあります。
むくみ防止に効果的な方法とは?
美容業界で働く人に多いむくみの原因が分かったところで、ここからは手軽にできるむくみ対策を紹介していきます。
湯船に浸かる
疲れがたまっているときは、湯船に浸かるだけでもむくみの解消に繋がります。
38~40度程度のお湯にゆっくり浸かると、不要な水分が汗と共に排出されるためむくみに効果的です。
ゲルマニウムやバスソルトなどの発汗作用のある入浴剤を使うとさらに効果的です。
お風呂にお湯を張るのがめんどくさい、ゆっくり湯船に浸かる時間がないというときは身体を洗うついでにマッサージをするとむくみ軽減につながります。
特に足の裏をマッサージするとむくみに効果的なので、忙しい時は足の裏だけでもマッサージすると翌日の足の疲れ具合が違います。
こまめに足首を動かす
足首を回したり、かかとを上げてつま先立ち繰り返すなど、思い立ったら意識的に足を動かすようにします。
空いた時間に指で膝裏を押すと余分な水分が流れやすくなるので、オススメです。
運動不足もむくみの原因となるので、通勤時はスニーカーで一駅分余分に歩くなど、意識的に歩くこと心がけるのも一つの方法です。
「忙しくてそんな時間もない!」という人は着圧ソックスや、足枕を使って寝るのもオススメです。
食生活に気を付ける
むくみ防止に効果的な栄養素・食べ物を摂ることによってもむくみ防止に繋がります。
タンパク質
血中のタンパク質『アルブミン』は血液中の水分と血液の外の水分の調整に関わっていると考えられています。
忙しくて食事をする時間がなかったりすると、タンパク不足が原因でむくみに繋がることもあります。
体内の水分バランスを整えるためにも、タンパク質をしっかり補うことも大切です。
お肉や魚など、食事からタンパク質を取るのが一番ですが、時間がない時はプロテインで補うのも効果的です。
プロテインを取ることによってタンパク質が十分に取り込まれることにより、食欲の暴走を抑えることができるため、塩分・糖分の過剰摂取を避ける効果もあります。
ビタミンB群
ビタミンB群には糖質や脂質、アルコールや水分代謝を助ける働きがあり、体内のバランスを整えるのに適しています。
ビタミンB群はレバー、ウナギ、あさり、菜の花や枝豆に多く含まれています。
また生理前などホルモンバランスの乱れによって引き起こされるむくみについてはビタミンB6(唐辛子が特にオススメ!)の摂取が効果的です。
カリウム
体内の水分量はカリウムとナトリウムの量によって調節されています。
カリウムを摂取すると、余分なナトリウム(塩分)を排泄する作用が働くため、夜遅い食事や塩分の多い料理を食べすぎた時には積極的にカリウムの多い食品を摂ることもむくみ防止に繋がります。
カリウムの多い食材としてバナナや海藻類、切り干し大根や干しシイタケなどの乾物、トマトジュースなどがあります。
バナナは忙しくても手軽に食べることができ、さらにトマトジュースはコンビニでも手軽に買えるため、忙しい美容業界で働く人に特にオススメです。
まとめ
美容業界で働く人の多くが悩まされる『むくみ』についてでした。
職業柄生活が不規則になりやすく、同じ姿勢で長時間過ごさなければならない業種が多い業界です。
お客様を美しくするためにも、自分自身へのメンテナンスをしっかりとおこないたいものです。
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