メイクやスキンケアなどには美容意識の高い日本人ですが、デリケートゾーンのケアに関してはかなり後進国です。
以前に「フェムテックとは?市場の動向と今後のニーズについて徹底解説」で日本でもフェムテックやジェンダレス文化が進んでいるということをお伝えした一方で、まだまだフランスをはじめとするヨーロッパなどの国よりデリケートゾーンのケアに関して日本は遅れをとっています。
フランスでは母親が月経を迎えた娘に対してデリケートゾーンケアを教えるのが当たり前となっています。
女性の象徴であり、実は若さや美容のカギを握っているのがデリケートゾーンなのです。
今回はなぜデリケートゾーンのケアが必要なのか、正しいデリケートゾーンのケア方法と美容効果について解説していきます。
デリケートゾーンと美容の関係
膣の粘液には、異物を排泄するためや体内に侵入しようとする細菌やウイルスをブロックする効果があります。
感染症にかかるのを防ぐだけでなく、性交をスムーズに行うのに必要不可欠なものです。
さらに膣の粘液力の低下は老化を加速させる原因となり、粘膜が乾いてしまうと若々しさや美容に大きく関係している女性ホルモンの分泌に影響を与えます。
更年期・不妊にも大きく関係しています。
自分の膣の状態を知り正しくケアすることによって、生理時や生理前の不快感を軽減し、便秘の解消、痩せやすい身体づくりや肌トラブルの改善に繋がります。
ストレスなどにより免疫力の低下やホルモンバランスが崩れるとバリア機能が弱り、膣内に雑菌が侵入・繁殖し炎症を起こしやすくなります。
膣の状態は肌トラブルに直結しており、美肌を保つためには膣やデリケートゾーンをケアすることがとても大切です。
毎日スキンケアをしてメイクをして、美意識の高い女性ならフェイスケアを欠かさないことと思いますが、膣などのデリケートゾーンはどうでしょうか?
デリケートゾーンの状態は肌のトラブルにも繋がっているため、美肌を保つためにはデリケートゾーンのケアを十分におこない、膣の中も外も清潔に保つことによって美肌効果をもたらしてくれます。
膣をキレイにケアすることによってシミができにくくなったり、肌のくすみが軽減されたりと、膣ケアは肌のケアと同レベルといえるほど美肌に直結しています。
またデリケートゾーンを日常的にケアすることにより、性交時に粘膜が潤い濡れやすく感じやすい身体になってくれるため、セックスをより楽しめるようになります。
膣に潤いを与えることにより免疫力がアップし、カンジダやトリコモナスなどの感染症を防ぐこともできます。
また自分のデリケートゾーンの状態を知ることは、毎月の生理が順調かどうか、おりものの臭いの変化など、子宮の状態や変化に気が付きやすくなります。
デリケートゾーンのケアをしないと、乾いていたり干からびていたり、弛んだり萎縮したり、垢が溜まっていたりします。
デリケートゾーンが衰えると、周りにある膀胱や直腸を支える筋肉などの機能も衰えています。
そのためデリケートゾーンをケアすることにより、頭痛、肩こり、目の疲れ、冷え性なども改善される場合もあります。
膣の周りはヒダや溝があるため形状が複雑であり、その溝に垢が溜まりやすくなっています。
雑菌が繁殖すると臭いや痒みの原因となり、洗浄だけでなくデリケートゾーンを保湿することも大切です。
膣・尿道・肛門回りなどは粘膜覆われており、粘液を出しています。
この粘液が乾いて機能が低下するということは、免疫力の落ちているサインです。
デリケートゾーンを潤すことは高級な美容液や化粧品を使うよりもエイジング効果を期待できます。
イギリスでは「Face」とは顔周りを表す言葉と同時に、「膣まわり」を表す言葉でもあります。
そのくらいデリケートゾーンの健康は、美容に直結しているということなのです。
デリケートゾーンのケア方法
日本人にあまり馴染みのないデリケートゾーンのケアだからこそ、正しくケアしたいものです。
しかしどのようにケアすればよいのでしょうか。
デリケートゾーンのケアの基本は「VIOの脱毛処理」と「洗浄と保湿」です。
VIOの脱毛処理
欧米ではアンダーヘアのケアやお手入れはマナーとされています。
見た目だけではなく、アンダーヘアの手入れを怠ると蒸れやすく臭いや痒みの原因となり、衛生面でも不衛生です。
生理中や排泄時など、より心地よく過ごすにはVIOの脱毛ケアをオススメします。
すべての脱毛をすることに抵抗のある人は、Vラインのみを残すところから始めてみてはいかがでしょうか。
洗浄&保湿
シャンプーで顔を洗わないのと同じように、デリケートゾーンにはデリケートゾーン専用のソープや保湿液を使うべきなのです。
洗浄力の高いボディソープでは膣周りの粘膜液を必要以上に洗い流してしまい、子宮などの大切な臓器に繋がる部分であるため、身体に優しいオーガニックの製品を使うことをオススメします。
スキンケアと同じように、膣をはじめとするデリケートゾーンをケアしないとどんどん潤いが失われ老化・劣化してカサカサになってしまいます。
今からケアを始めることにより10年後、20年後の膣状態に大きく差が出てきます。
デリケートゾーンのケアが浸透しているヨーロッパでは、デパートやドラッグストアにスキンケア商品やボディケア商品と同じようにデリケート用品専用のコーナーがあります。
日本はデリケートゾーンのケアに関して、遅れていることがよくわかります。
そして正しい洗浄や保湿の仕方を知らない人も多いのではないでしょうか。
正しいデリケートゾーンのケア方法は、まずデリケートゾーン専用のソープをしっかりと泡立てます。
そして大陰唇、小陰唇、膣の順で優しくヒダを指でつまむようにして洗浄していきます。
ヒダの周りは垢や汚れが溜まりやすいので念入りに洗います。
また肛門回りのシワの間もしっかりと洗うようにします。
ゴシゴシと力を入れて洗うのではなく、優しく洗うのがポイントです。
ただし膣の仲間でソープで洗う必要はありません。
膣の中まで洗ってしまうと膣内環境を正常に保つデーデルライン桿菌(かんきん)のバランスを崩してしまい臭いや痒みの原因となるため、避けるようにします。
中の汚れはおりものと一緒に排出されるので、洗浄する必要はありません。
おりものを不快に感じる人も多いと思いますが、膣内環境を正常に保つためにひつような粘液です。
外側の汚れを優しく洗い落とし、中の汚れは自身の身体の排泄に任せるべきなのです。
そして洗浄が終わったら、顔よりデリケートゾーンの保湿を優先的におこないます。
タオルで水気を取る前に、残っている水分を含めながら、デリケートゾーン専用の保湿液を塗ります。
お尻の穴から前に2回程度滑らす程度で十分です。
洗浄と保湿に慣れてきたら、オイルを使用して膣マッサージをおこなうのがオススメです。
オイルを大陰唇、小陰唇、膣に優しく擦り込みます。
慣れてきたら人差し指と中指にオイルを塗り、膣の中に指の第二関節くらいまでいれて馴染ませます。
まとめ
フェムテックやジェンダレス文化の浸透と共に、日本でも少しづつオープンになってきたデリケートゾーンのケアや性の問題ですが、まだまだケアや教育に関して海外に後れを取っています。
年齢を感じだすミューズ世代や、フェムテックが身近なものとなっているZ世代こそ、デリケートゾーンのケアをしっかりとやってもらいたいものです。
デリケートゾーンを清潔に保ちきちんとケアすることにより、生理痛やPMSの軽減、エイジング効果を期待できます。
まだまだ種類や取り扱いが少ないものの、専用のソープや保湿剤も販売されているので、専用のものを使って、顔と同じくらいケアをすることをオススメします。