前回「科学的根拠がないって本当?マイナスイオンの健康・美容効果を徹底解説 」でマイナスイオンの信憑性について解説していきました。
今回は現在認められているマイナスイオンによる、美容効果や健康効果について解説していきます。
マイナスイオンのメリット・プラスイオンのデメリットや、健康効果について説明していきます。
マイナスイオンとは?
私たちが「マイナスイオン」と呼んでいるものは、学術的に正しくは「ネガティブ・エアー・イオン」または「陰イオン」といわれるものです。
空気中には酸素、水素、窒素など、様々な分子が存在しており、これらの分子には、これ以上分けることのできない原子として存在しています。
これらは一般的な顕微鏡ですら見ることのできない小ささで存在しており、原子には陽子と中性子でできた電子核と、その周りを周回する電子で一つの原子として存在します。
原子核の陽子と電子の数が一致していれば電気的に安定した中性の原子となりますが、数が違えばエネルギーを持った不安定な原子となります。
これがイオンと呼ばれるものの正体です。
空気中には多くの原子が漂っており、これらの原子はプラスに帯電した「陽イオン」、マイナスに帯電した「陰イオン」があり、この陰イオンと呼ばれるものが広く「マイナスイオン」と呼ばれるものです。
陽イオンは原子から電子が奪われた状態であり、陰イオンは原子核に陽イオンよりも多くの電子を受け取り余分にくっついている状態で存在します。
電気を帯びているといっても、分子が小さすぎるため感電することはありません。
本来は陰と陽のイオンがバランスよく正常に保たれているはずなのですが、工業化や都市化によって空気中に存在するイオンのバランスが崩れてきています。
陰イオンは空気中に漂っていますが、水の分子が陰イオンに変化することが多く、滝などの近くに行くと陰イオンが多く存在するといわれています。
※ここからは陰イオンについて馴染みのある「マイナスイオン」、陽イオンを「プラスイオン」として解説していきます。
プラスイオンが増えると?
マイナスイオンには鎮静効果やリラックス効果、新陳代謝のアップや自律神経の調整、免疫力アップなど、様々な効果が期待されていますが、プラスイオンにはこれらの逆の影響を及ぼします。
プラスイオンが身体に増えると、血管を縮ませて血圧が上がり、頭痛、めまい、不眠、ストレスなどの不快な症状が増えてしまいます。
また血液の循環が悪くなるため、肌の老化が早まるといわれており、美容に対しても大敵です。
現代社会にプラスイオンが増えた原因として、排気ガスや紫外線、電化製品による電磁波、ダイオキシン、農薬や食品添加物によって発生しているといわれています。
マイナスイオンの効果
マイナスイオンには老化や病気の原因となり得る活性酸素を除去し、身体の酸化や炎症を抑える働きがあるといわれています。
具体的には
●新陳代謝や筋肉の働きの活性化
●自律神経の調整
●内分泌作用、造血作用の促進
●免疫力アップ
●血圧低下や疲労回復
●リラックス効果
●空気浄化
●皮膚の再生率の向上
などがあるといわれています。
マイナスイオンによる美肌効果
最近では直接肌にイオンを導入する美容医療や、マイナスイオンを発生させる美容機器も増えています。
マイナスイオンを肌に取り入れることにより、肌細胞が活性化されます。
肌が活性化されるとターンオーバーが正常に働くようになります。
年齢と共にターンオーバーが遅くなり、年齢と共に細胞の働きも悪くなります。
そのためシミやしわ、くすみなどの老化現象が出てくるのです。
マイナスイオンによって、これらを食い止めることができます。
また美肌に大敵のストレスを軽減することができます。
マイナスイオンには自律神経を整える働きがあるため、ストレスを軽減するのにも有効です。
ストレスが溜まると病気になりやすく、代謝が落ちてしまうことから、肌や身体に良くないといわれています。
ストレスが軽減されることにより、肌がキレイになります。
またどんなに生活習慣に気を付けていても、呼吸をしたり紫外線をあびるだけで活性酸素が蓄積されます。
活性酸素が体内に溜まると病気を引き起こしやすくなります。
マイナスイオンによる活性酸素を除去する抗酸化作用により、シミやしわ、くすみの改善に繋がります。
さらにマイナスイオンには免疫力をアップさせる効果があり、肌あれを起こしにくくします。
免疫力と共に自己治癒力も上がるため、ニキビやシミなどの肌トラブルも治りやすくなります。
ちなみに家電量販店でもよく見かけるようになったイオンを導入器には、マイナスイオンを肌に直接入れるのではなく、微弱な電流を使い美容成分を肌の奥へ浸透させるものです。
肌の表面にはプラスイオンが多く、内側の顆粒層にはマイナスイオンが多いという特徴があります。
この二つの層の間には電気の膜があるため、美容成分が浸透しにくいといわれているのです。
イオン導入器を使うことにより、肌表面にマイナスイオンを発生させ、層の間にある電気の膜が弱まります。
膜の力が弱まることにより、肌の内部の顆粒層にまで美容成分が浸透しやすくなるのです。
普通に美容液を塗るよりも、イオン導入器を使った方が肌の状態が良くなるといわれているのはこのためです。
イオン導入器を使うことにより、美白効果、シミ・しわなどのエイジングケア、キメを整え毛穴を引き締める効果、肌荒れやニキビの予防、乾燥の緩和などができるのです。
マイナスイオンによる美髪効果
ドライヤーにマイナスイオンが発生するものも多く販売されていますが、マイナスイオンは髪にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
ドライヤーに関して、マイナスイオンは関係ないという声も多く聞きますが、実際にマイナスイオンが発生するドライヤーによって美髪効果を感じているという人も多いものです。
マイナスイオンはマイナスを帯びている電気物質であり、空気中に飛散する超微粒水です。
目に見えないとても小さい水の分子が、マイナスイオンを発生させるドライヤーによって髪に直接あたります。
この水の分子がキューティクルから髪の毛に浸透し、潤いのある髪の毛に仕上がります。
髪の毛の水分が熱で蒸発することによりドライヤーを使うと髪の毛が乾燥するという人がいますが、マイナスイオンのドライヤーであれば、熱が当たってもマイナスイオンが出ているため乾燥しにくく自然なツヤがでるようになります。
また髪の毛にはプラスイオンを持つ性質があり、プラスイオンによって静電気が起こりやすくなります。
そのためプラスチック製のブラシで髪をとかすと髪が広がります。
マイナスイオンのドライヤーを使うことにより髪の毛の電気が中和されるため、静電気を起こしにくくなり、広がらずにまとまりのある髪の毛に仕上げることができます。
さらにマイナスイオンにはキューティクルを引き締める効果があります。
髪の毛の表面にあるキューティクルは、水分不足やドライヤーの熱で傷めてしまうと開きっぱなしになり、さらにプラスイオンが発生すると髪の毛が傷みやすくなります。
マイナスイオンには、プラスイオンを中和しキューティクルの傷みを抑え、適度な水分を髪の毛の内部に浸透させキューティクルを引き締める効果があるため、髪の毛にツヤと潤いを与えてくれるのです。
日常生活でマイナスイオンを増やすには?
マイナスイオンが美容や健康に良い影響を与えてくれますが、身近な方法でマイナスイオンを発生させ、プラスイオンを抑える方法もあります。
部屋の中に観葉植物を置いたり、加湿器を置くことによりマイナスイオンが発生しやすくなります。
また部屋の掃除や換気をマメにする、電化製品をまとめておかないなどの工夫をすることによりプラスイオンの発生を抑えることができます。
まとめ
部分的に使うことにより髪の毛や肌など美容に効果があり、健康にも効果があるといわれているマイナスイオンです。
マイナスイオンは浴びたからとすぐに効果が現れるというものではありませんが、日常生活に上手に取り入れることによって肌や髪にツヤを出したり、多くのリラックス・健康効果もあります。
興味のある人は参考にしてみてください。