前回の記事「 自律神経と美容の関係とは?自律神経が与える美容への影響について 」で、自律神経を整えることは、美肌効果、エイジングケア、ダイエットなどに効果的であるということについて解説してきました。
逆にいうと、自律神経が整っていないと肌荒れや老化、肥満に影響するということです。
では、どのようにすれば自律神経を整えることができるのでしょうか。
今回は自律神経を整える方法について、具体的にどのようなことに気を付けるべきなのかについて、詳しく解説していきます。
自律神経が整っていないと……
自律神経を司る交感神経・副交感神経のどちらもが活発に働かなければ、代謝が下がります。
代謝は肌のターンオーバー、肌や身体の老化、筋肉を作り胃腸を正常に動かすのに重要な役割と果たし、代謝が下がると美容にも健康にも悪影響を与えます。
自律神経を整え、酸素や栄養素をたっぷり含んだ新鮮な血液が流れ、老廃物が滞らないことによって、美容に効果があります。
それでは、自律神経を整えるには、日常生活でどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。
自律神経を整える方法
自律神経を整えるには、まずは典型的な生活スタイルを見直すことが大切です。
規則正しい生活習慣を心掛け、ストレスを溜めないことが、自律神経を整えることに繋がります。
特にストレスの多い現代人は、交感神経ばかりが優位に働きがちです。
ダイエットやエイジングケア、ダイエットなどは、どんなに高級な化粧品やエステに通うよりも継続しやすくお金もかかりません。
そして化粧品やエステの効果を、より増強させることができます。
私生活を改善し、きれいな血液が流れてこそ、美容に効果があるのです。
ここからは、具体的に自律神経を整える方法について説明していきます。
食事・睡眠・運動・生活習慣の観点から解説していきます。
食事
朝・昼・晩、できるだけ決まった時間に食事を摂るようにし、規則正しい生活を心がけます。
特に朝ご飯を食べることで胃腸が刺激され、排出が促されます。
理想としては寝起き1時間以内に朝食を食べ始め、味噌やキムチ、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的に、フルーツや食物繊維の豊富な野菜などがオススメです。
また朝起きて一番にコップ一杯分の水を飲むことによって、腸の動きが活性化されます。
自律神経を整えるのに効果的な食べ物は、トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物の摂取が効果的です。
トリプトファンは牛乳などの乳製品や肉、魚、ナッツ、卵、バナナなどに多く含まれます。
ビタミンB6は、鶏肉やレバー、納豆やニンニクなどに含まれます。
炭水化物は、白米やパンなどの穀物に多く含まれています。
また温かい飲み物は交感神経の働きをやわらげ、リラックスして自律神経のバランスを整えます。
特にオススメなのが、米麴で作られた甘酒です。
パントテン酸やGABAなどのアミノ酸がリラックス効果を与え、ビタミンB2が肌を活性化させ、美肌効果やハリ・ツヤなどのエイジングケアにも効果的です。
また夜は就寝3時間前までに食事を済ませ、アルコールやカフェインの摂取は睡眠前4時間までに飲み終えることが望ましいです。
また自律神経の乱れの原因、ストレスによって甘いものが食べたくなる人も多いですが、甘いものでストレス発散をすると、さらに甘いものが食べたくなり、さらにイライラするという悪循環に陥りがちです。
自律神経の働きを整えてくれるのは『酸味』です。
イライラしたら酸味の強いフルーツや、酢の物などを摂るのがオススメです。
睡眠
自律神経の働きを整えるために一番大切なのは、質の良い睡眠です。
睡眠に大きく関係するホルモン『メラトニン』は、光に敏感に反応し、光によって体内の分泌を抑制します。
朝、太陽を浴びると体内時計がリセットされ、身体がシャキッとするのはメラトニンが反応しているからなのです。
夜遅くにコンビニに行ったり、スマホやパソコンの画面を見ると、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
少なくとも就寝1時間前にはパソコンやスマホの使用を控え、就寝時は真っ暗にして寝ると、メラトニンが十分に分泌され、質の良い睡眠を取ることができます。
また、寝る前の冷たいのみのもは胃腸機能の低下につながるため避けるようにし、睡眠の質を上げる「トリプトファン」が豊富に含まれる温めた牛乳を飲むことをオススメします。
また寝つきが悪いという人は、おへそから指4本分下のところに「丹田」というツボがあり、そこに手を当てながらゆっくりと深呼吸をすることで精神を落ち着かせることができ、入眠をサポートしてくれます。
運動
自律神経を整えるには、適度な運動を生活の中に取り入れることも大切です。
朝は自律神経が切り替わったばかりなので、負荷のかかる筋トレなどの激しい運動ではなく、ウォーキングやラジオ体操などのリズミカルに身体を動かす軽い運動がオススメです。
腸の働きを刺激するため、身体の解毒作用が増します。
太陽の光を浴びながらの運動はセロトニンの分泌を増加させますが、朝から疲れるほどおこなってしまうと、逆に分泌を抑制してしまうので注意が必要です。
17~19時の間は筋肉の柔軟性や心肺機能がピークに達するため、ランニングなどの有酸素運動や、筋トレなどの無酸素トレーニングを組み合わせると、より代謝の向上に役立ちます。
運動した後は、筋肉を回復させるために成長ホルモンが多く分泌されるため、激しい運動であれば17~19時に行うのがベストです。
また運動の時間が取れないという人は、ツボ押しやヨガ、ストレッチなどの室内でできる軽い運動も効果的です。
手首の内側の中心からひじにかけて指3本分のところにある「内関」、その反対側の「外関」というツボは自律神経を整え、頭痛などの緩和や平衡感覚を正常にするツボであるため、疲労回復に効果があります。
また、手のひらの真ん中の「労宮」も自律神経を整え、ストレスや緊張を和らげる効果があります。
ストレッチは身体の様々な動きを伸ばすようにおこない、20~30秒ほど止めてを2~3回ほど繰り返すようなペースでおこないます。
首、太もも、背中などの筋肉を意識し、身体の中心軸をねじるようにします。
ストレッチは、朝起きた時や寝る前がオススメです。
またヨガでおこなわれる胸式呼吸は交感神経が優位になり、腹式呼吸では副交感神経が優位になります。
背中や骨盤を整えるように意識し、ゆっくり呼吸をしながらリラックスしておこなうようにします。
生活習慣
上記のことが自律神経のバランスを整えるためにいいとわかっていても、なかなか時間が取れなかったり、仕事柄生活習慣が不規則になってしまう人も多いものです。
ストレスの多い現代人は、交感神経が優位になりやすいため、ホッとリラックスできる瞬間を作るようにします。
その積み重ねで、自律神経のバランスを整えることができます。
例えば、青色には自律神経のバランスを整える効果があります。
青色は副交感神経を優位にさせ、気分や血圧を落ち着かせ、体をリラックスさせることができます。
お気に入りのアロマオイルを1滴たらした青色のハンカチを、持ち歩くのもオススメです。
緊張感が続く場合などは、ラベンダーやサンダルウッド、イランイランなどの香りもオススメです。
ストレスを感じると自律神経の乱れだけでなく、気の流れも悪くなり、顔も体も強張ります。
日頃から手鏡を持ち歩き、不安を感じたら無理にでも口角を上げたり、作り笑いをすると、リラックス効果を感じ、気のめぐりが良くなります。
また怒りを感じた時は我慢せず、手足をプルプル揺らしたり、深呼吸や身体を伸ばすだけでも怒りの暴走を抑えることができるため、上手に付き合っていくことができるようになります。
まとめ
美容や健康に大きな影響を与える自律神経は、生活習慣の見直しを行うことで改善されます。
規則正しい食事、睡眠、運動や入浴など、わかっていても続けられないことも多いかもしれません。
しかし自律神経を乱すストレスは、気づいた時に口角を上げる、ストレスに上手に対処する方法を見つけるなど、日常生活のちょっとしたことで自律神経を活発に働かせることもできるので、できそうなことから生活習慣に取り入れてみてください。